ネタ帳   作:春さん

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勘違いされている姉が居るせいで苦労している妹の話

 

 

 

 どうも、皆様。突然ですが、私はとある教祖の幹部です。

 今日は姉である教祖が勘違いされている1日の記録をしたいと思います。

 姉は私と同じ転生者だそうで、特級呪術師の夏油傑と特級呪術師の五条悟と同世代でもあります。そして、呪術高専に()()()()

 そう、いました。過去形です。色々ありまして、今は姉と組んで教祖をしています。

 

 そして私は今────

 

「高専にお集まりの皆様。よく聴いて頂きましょう。

 来たる12月24日……日没と同時に、我々は百鬼夜行を起こします」

 

 拙すぎる台本を読んでいます。

 

 

 ───は?と思った方もいるかも知れませんが、おいておいてください。元々これ教祖である姉が言う予定だったんですけどコミュ障なので私が言うことになりました。

 …はぁ。

 

 

「場所は呪いの坩堝 東京、新宿 呪術の聖地 京都。各地に千の呪いを放ち、万世教の教祖、教祖の幹部…私を筆頭にする五人、そして私達の部下と戦って頂きます。

 下す命令は勿論、〝鏖殺〟」

「地獄絵図を描きたくなければ死力を尽くして止めに来てください。…思う存分、呪い合いましょう」

 淡々と言う私。まあセリフですし。

 

「壱様。そろそろお時間です」

 …おっと、私の部下が来ましたか。ないす、部下。

 

「では、そういうことですので」

 

「「このまま行かせるとでも?」」

 私を目の敵にしている特級呪術師二人が私の目の前に。

 あー、胃が痛いわー。

 

「やめておいて、悟、傑」

 離れた所で教祖…姉がそう言う。

 

私含める幹部は静寂になった。私以外の幹部は姉に助けられ、崇拝している。だからか一つの言葉も聞き逃すまいと一切の音も出さないようだった。

 

 そして、私は姉の言葉にパチンと音を鳴らして特級呪霊たちを出す。予定通りだ。

 

「可愛い生徒たちが私の間合い」

 

格好付けてはいるがそれしか言う言葉がないのだろう、なんとなく目を逸らし続けていた。コミュ障〜〜〜!!!!もっと喋りましょうよ姉!!!と目指せをするもそれもまた逸らされた。

 おい目を逸らすなこっちを向け1つの団体の教祖!!!

 

 そんなことを思いながら私は姉の肩に左手を置く。部下はそれが合図だと察知をしたのか印の準備をした。

 

 

「それでは皆様、戦場で」

 

 

 言葉を口にし終わった瞬間。シュン、と風景が切り替わる。

 田舎臭いあの風景は変わり、最近変わった万世教の入り口。

 次の瞬間にはいつも通りの景色であった。

 視界の端には息切れをしている部下の姿が見える。広範囲な術式を使った影響だろう。

 

優雅(ゆうが)、疲れてないですか?」

 

私の部下の一人…笹崎(さざき)優雅(ゆうが)は姉に助けられた一人だ。いつかは幹部になれるように、といつでも努力を惜しまない。………従ってるのが姉だからなぁ。才能の無駄遣いだなと改めて思う。いやマジで。

 

「だ、大丈夫です……これくらい」

 

傍目で見てもその言葉が強がりだということがわかる。

ただ、彼女はその強がりを指摘しなかった。

 

「そうですか…ゆっくり休んで下さい。……教祖」

「…ん。今日は解散にしよう」

 

「じゃあまた後で」

 

後でと言ったのはまだこの後も仕事が詰まっているからです。非術師と面談に術師の勧誘に呪詛師の撃退に…ああ、考えるだけでまた胃が痛くなってきた。しかし、そんな私の思いなど知りもせず「「「御意に」」」と音もなく去っていく部下。

やはり優秀ですね。

 

 

 ちなみに。原作である■■村と美々子菜々子は助けましたが、施設に出しました。

 記憶も消去してあります。ですので多分高専側に美々子と菜々子が居たのでしょう。

 ああ、教祖の本性ですか?

 それは───

 

 

「壱」

 

「なんですか、教祖」

 

「めっっちゃみんなピリピリしてた。傑とか悟とかなんでそんなに私を目の敵にしてる?やっぱりあれ?あの新宿でのことが原因?」

「はぁ………………………」(頭抱え)

 

「大丈夫?」

 

(全然大丈夫じゃねぇよこの教祖!!!!)

 

 

 そう、この転生者のバカアホマヌケの三拍子の姉はここが呪術廻戦ということは気付いているのですが、勘違いされていることには気がついていません。そして姉は離反したことになっています。これも姉コミュ障が発揮された勘違いです。遠くから見ていましたがなにやってるんですか本当にと言いたくなるほど勘違いされていました。はあもういやだ。

 

 ちなみに教祖が言っている新宿とは離反した時のことです。

 姉が「…悟は、五条悟だから最強?最強だから五条悟?」とか「傑はなにも分かってない。私は壱の目的のために動いてるだけ。ただ、それだけ」とか私の名前を出したせいで貴方じゃなく私が目の敵にされていましたから安心してとでも言えばいいのか…はあもうやだ。

 ちなみに翻訳。

「…悟は、五条悟だから最強?最強だから五条悟?」は単純な疑問。

「傑はなにも分かってない。私は壱の目的のために動いてるだけ。ただ、それだけ」私の目的?それは教祖さんのその勘違いを治すこと。理解してない教祖が勝手に言ったこと。

 

(あーもう!!!どうしてこうなった!!!!)

 

 皆みんなこの教祖を慕っていますが、殆どがコミュ障や勘違いされて入って崇拝していくというのが①のパターン。

 呪詛師も呪術師もスパイとして入って結果的にズブズブになってくのが②のパターン。

 そしてなぜか私も勘違いされています。本当にこれは意味がわかりません。

 私の術式は【呪霊操術】。

 そう、夏油傑と同じ術式。だけど私にはとあるデメリットがあります。

 そのデメリットとは、特級呪霊・仮想怨霊等の高い呪力・能力を持っているものしか取り込めないという物。だから強くなるしかありませんでした。

まあ結果的に特級呪霊取り込めるようになるまで強くなって組織のナンバー2にはなれたから良かったと思う。ちなみにナンバー1は言わずもがな姉である。

 

 

(ああもう本当に、裏側で立ち回る私と仲間の身にもなってくれ……)

 そういつものように思ったのだった。はぁ、また胃薬買ってこよ。

 

 

 

 

 

「それでは皆様、戦場で」

 

 

 その壱の言葉を最後に、壱と教祖、そして部下数人が消えていった。

 被害こそなかった。だがなにも、誰も出来なかった。

 僕は万世教の教祖である澪華(れいか)が過ぎ去って尚、ここにいた。

 

「「……」」

 僕と傑は澪華が去っていった所をずっと見つめながら、あの青い夏を思い出す。

 

あの頃は楽しかった。

クレープにカラオケに桃鉄に夏祭りにドッキリに。

余りにも容姿や声が変わっていなくて、全てが懐かしくて。

なにもかもが変わっていなかった。

 

あの離反した時。……非術師を殺したと、聞かされた時。

信じられなかった。信じたくなかった。

 

━━━ " …悟は、五条悟だから最強?最強だから五条悟? "

 

術式を使って言いたいことだけ言って去って、呪詛師になった澪華。

 ……そして、初めて会ったその幹部である壱。

 僕の…僕たちの大切な同期を奪った存在。でもそれは澪華が選択したことであり、その道に行ったのは澪華が選んだことだ。だから僕が、僕達がなにか言えることではないのだ。

 

 なにも出来なかった。あの時と、まったく同じ。

 背を向ける澪香に、距離に、何も出来なかった。

 

──あのとき〝赫〟を撃とうとした。

 

 でも─。

 

━━━ " 殺したければ殺して。それには意味があるから "

 

 その言葉になんにも言えなくて。

 手を下ろした。

 

 

「本当に、最悪な気分だよ」

 きっと傑もこの瞬間、傑に言われた言葉を思い出したのだろう。そう独り言のように言う傑に同調した。

 

「…そうだね、傑。

 本当に最悪な気分だ」

 

 

 

 

 

 

「最期に言い残すことはある?」

 

「…最期の言葉…ね

 夏油に美々子と菜々子、高専の人達によろしく伝えといて。

 強いて言うなら、それだけ」

 

「あれ、美々子と菜々子交流あったっけ」

 

「…私の部下が助けた。それで、施設に出した。記憶は覚えてないけど」

 

「そうだったんだ」

 

 

「ねぇ、澪華」

「……なに」

 

" ─── ──── "

 

 

僕の言葉を聞いた澪華は目を丸くして、綺麗な顔で微笑(わら)った。

 

「……最期くらい呪いの言葉を吐きなよ、悟」

 

                        パシュ、

 

 

 

 

 

 

「今更だけど。澪香の件、君に非はないよ」

「そうそう。憂太がいなくても澪香は必ず高専に来たさ」

 五条と夏油の言葉に曖昧に頷く憂太。

   全てが終わったとて、元通りになることはない。

 

「それからコレ!」

ハイ、と憂太に渡すモノ。

 

それは──

「あ、学生証。先生が拾ってくれたんだ」

「いや、僕じゃない」

憂太の言葉に、五条は首を振る。

 

 

 

「僕と夏油の親友だよ。──たった一人の、ね」

 

 

 

夏油はその言葉で思い出した。

(そうか、そうだね悟。──君は、私達の親友だ)

 

 

五条と夏油のその横顔は、どこか懐かしむように見えた。

 

 

 

* * * * *

 

 

憂太に学生証を渡す前の事。

 

━━五条は澪香を殺した後、夏油の下へ。

 

 

 

 

「本当に、殺ったのかい?」

 顔を覆っている傑。

 涙を見せまいとしているが、指の隙間からは涙が溢れている。

 

 

 僕は傑の顔を見れなかった。

 

 

 

「…そうだ、傑。…俺が、澪香を殺した。遺体は俺が頼んで硝子に引き取ってもらった」

 自分の手を見る。そこには、僕の手があった。

 血塗れの、俺の手が。

 

 

「…そうか」

 

 

   僕たちはなにも喋らなかった。

 

 

  ああもう、本当に────

      大切な人ほど、手からすり抜けてゆく。

 

 

 ふと高専の窓ガラスから空を見た。

 ──こういうときほど空は青く澄んでいて、曇り空一つない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*生きてる。

 

この物語はとても温度差が激しい。本当に。

ちなみに夏油さんの考え方は教祖…つまり、澪香さんは変えてたりします。

それから離反したので、夏油さんの精神的ダメージはとてもとてもデカいです。だけどそれより五条さんのダメージの方がデカかったりする。だって、澪香さんの最期を殺した(と思ってる)から。

ちなみに、メロンパンは澪香(偽)の遺体を引き取りました。

ですが澪香は生きているので渋谷事変でどうなるかは……

 

 




 



 

さらにさらにオマケ↓(最期、澪香視点)

「最後に言い残すことはある?」
そう悟が聞いてきた。

「…最後の言葉…ね
 夏油に美々子と菜々子、高専の人達によろしく伝えといて。
 強いて言うなら、それだけ」
私がいなくなったら泣くと思うからね、夏油と目の前の五条は。

「あれ、美々子と菜々子交流あったっけ」

「…私の部下(幹部)が助けた。それで、施設に出した(らしい)。記憶は覚えてない(らしい)けど」

「そうだったんだ」


「ねぇ、澪香」
「……なに」

" ─── ──── "


その言葉を聞いた私は目を丸くして、笑った

「ふふっ、最後(に会う時)くらい呪いの言葉を吐きなよ、悟」

                        パシュ、

 

 

そして、目が覚める。


 

「おはようございます、教祖」

「これでいいの?」

「ええ、ばっちりです」

「私を死んだことにする、成程ね」

「あのクソメロンパンを引き摺り出すために」

「原作地獄だからね」

「だから私達が行動してるんでしょう、澪香」

「…そうだった。というか万世教どうする?」

「私が教祖になります」

「………私は?」

「澪香は私の術式で顔変えた正体不明の女になって頂きます」

「マジ?」

「マジですよ、教祖様。で、私の妹ってことにします」

「まじか」

「原作主人公が両面宿儺受肉をしたら戻しますのでご安心を」

「良かった」

「まあそれまでは顔変えた正体不明の女ですので。
 ちなみに受肉をするまではその容姿で五条さんと夏油さんに接触を測って頂きます」

「また会えるんだ」

「あ、でも私から指示されるセリフを常時読んで貰いますけどね」

「それ、ほんと?」

「ホントです」

「まじか…ある意味地獄に晒される…」

「両面宿儺受肉までですから。頑張って耐えてください」

「…頑張る」

「では、私は準備に取り掛かりますので」

「また明日」

「ええ、また明日」
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