アビドス自治区 アビドス高校 校舎
「うへ~、それじゃあみんなに紹介するね~」
「あ……アビドス高校元生徒会長、梔子ユメの妹……梔子、アメです。よろしくね~……?」
アビドス高校のある日。いつものごとく借金返済に東奔西走していた対策委員会の面々も、今回ばかりは全員部屋に集まり顔を合わせるに至った。
「アメちゃんはアビドス生じゃないけど、ユメ先輩の妹って縁でこれからみんなと一緒にアビドス再興のために協力してくれることになったんだ~、よろしくね」
「えっ」
「いやいやいやいや」
思わずセリカとアヤネは突っ込むが、シロコやノノミなどは受け入れ体制は万全のようだ。
「ん、何にせよ新しい仲間。よろしく」
「よろしくお願いしますね~☆」
「いやちょっっっと待って!? 明らかに元生徒会長のあの人よね!? 親族だから似ているってレベルじゃ」
「うへ~、セリカちゃん気にしすぎだよぉ~」
「いやホシノ先輩、流石にこれは……」
「世の中には親族でもないのに自分とそっくりな人が三人はいるって言うでしょ? 親族ならそりゃ当然これぐらい似ることもあるよ~」
「そういうもんかしら……」
アヤネとセリカはまだ悶々とする所はあるようだが、なんとか説き伏せて納得させる。
こうして梔子アメ……偽ユメは、アビドス対策委員会に正式に認められた生徒となったのであった。
「あれ、学生証は?」
「あ」
「あ」
アビドス高校 校舎
学生証が梔子ユメのものしかないという危機を何とか先生のツテにより乗り越え、『梔子アメ』の学生証を手に入れる。
以前『廃墟』からAL-1Sことアリスをミレニアムに偽装入学させた経験は果たしてこれに活きたのか。
何はともあれ、梔子ユメの偽者改め『梔子アメ』の学生生活が始まった。
「それじゃあいつも通り借金返済の案を出してこっか」
「ん、やっぱり銀行からお金を『快く融資』してもらうのが一番」
「シロコちゃん、その融資は銃口を突きつけて行うやつじゃないよね~?」
「ねえねえ聞いて! この前金運がビックリするぐらい上がるプラチナのネックレスってのを本来数万円のところ二千円で売りますよってあったの買ったんだけど!」
「うん、それ完全に詐欺だね~」
「……………………」
「ん? どったのアメちゃん?」
「いや、いつもこんな感じなのかと思って……」
「いつもこんな感じなんだよ~」
「せめてもう少し否定しろよッッッ!!」
思わず偽ユメのツッコミも冴える。
そんなこんなで初めての対策委員会一日目を終えた偽ユメは、あまりにツッコミ過ぎてそのまま校舎で寝てしまったという。