レベル 0 プロローグ
……『ネオ童実野シティ』、この街は大きな格差社会の上に成り立っていた
裕福な生活を送る『シティ』の人間と、その日の寝食もままならない『サテライト』の人間
シティの人間はサテライトの人間を蔑み、サテライトの人間はシティの人間を憎んでいた
…そんな世の中のある夜、シティのデュエルレーンを1台のバイク 『D-ホイール』が走り抜ける
そのD-ホイールを運転していた少女はドゴオォンッという爆音と、1ヵ所から出ている煙にD-ホイールを止めた
(何…?
物凄く気になる……)
意を決した少女は、煙のたつ方向へD-ホイールを走らせた
…煙のたっていた工事現場付近で、少女のD-ホイールのライトに2つのモノが映った
「っ…人!?」
青い服に赤いヘルメットをした青年が、傷だらけになってその場に倒れていた
その隣には、赤いD-ホイールが、エンジン音を徐々に消しながら横に倒れてタイヤを回転させていた
「事故だったんだ……大丈夫ですか!?」
慌てて助け起こすと、青年の頬には黄色い模様が1つ彫ってあった
「『マーカー』…この人、サテライトの……ぁっ!!」
次の瞬間、青年と少女の右腕が同じ赤い光を発した
「あの痣が反応して……まさか、この人にも……!?」
赤い光に気をとられていた少女は後ろから、パッと小さな明かりに照らされた
(しまった、『セキュリティ』…!?)
反射的に振り返った少女の目の前にいたのは警戒していたセキュリティと呼ばれる存在では無く、2人の幼い少年少女だった
(子供……?)
青緑に近い髪をしたよく似ている子供達…女の子は男の子にライトを持たせて、気を失っている青年に近寄った
「この人、怪我をしてる…お姉さん、この人を連れて家に来て
怪我の手当てをしなきゃ」
「え?
うん、そうね……」
「ほら龍亜!!
ボーッとしてないで、この人のD-ホイールを家に運んで!!」
「ええっ!?
オレが1人で!?」
「男でしょ!?
それくらいやりなさいよ」
「オレ1人じゃ無理に決まってるだろ龍可!!」
子供達…龍亜と龍可の言い争いに、少女は割って入った
「時間が無いから、私がD-ホイールを運ぶわ
あなた達でその人を運んでくれる?」
「…そうね、その方がいいかも
運びましょ、龍亜」
「わ、分かった!!
こ、コレ結構重たいな…!!」
「当たり前な事を言わないの」
2台のD-ホイールと2人の男女は、龍亜と龍可の家に保護された
……この一抹の出会いが、彼等の運命を大きく変えていく事となる
そしてその事を知る者は、この場にはいなかった…
遊戯王5D´sのアニメ沿い長編となります