ユキちゃんもちゃんと闘わせます
レベル 9 襲い来る謎の闇
遊星とジャックのデュエルに決着が着き会場が盛り上がる中、氷室とユキは立ち上がった
「嬢ちゃん、裏口から左に出て見えて来るゴミ捨て場の裏に抜け道が有る
先に行っててくれ」
「分かりました」
フードを目深に被り直したユキが去り、氷室は龍亜達に振り返った
「オレ達も遊星を連れて、急いでここから出るぞ!!」
「「「「え?」」」」
「ゴドウィンと遊星の契約はもう終わった、ならここにいなきゃいけねぇ理由は無くなったんだ!!
しかも新しいキングになったとありゃ、マスコミが黙ってねぇしな
…しかも周りがこんなんじゃ、遊星も一旦身を隠さなきゃならねぇしな」
「ぁ……」
歓声の中に聞こえてくる遊星への中傷を聞いた龍亜達は、頷いて走り出す
「けど氷室ちゃんよ
何でお嬢ちゃんは先に行ったんだい?」
「嬢ちゃんは今、世間に顔を出せないだろうが」
「そっか…この大会でユキさんが元 魔女だって分かったちゃったし…」
「そういう事だ
だから嬢ちゃんには、抜け道の確保を任せた……オレ達も急ぐぞ!!」
「うん!!」
デュエルの勝敗が着き、担架で運ばれて行くジャックを遊星は見つめた
(ジャック、オレ達が見たものは……)
「─新しいキングなんて認めないぞーっ!!」
「─サテライトの人間なんかに、キングが務まるもんかーっ!!」
唐突に始まった遊星への中傷が響く中、龍亜達が遊星の方へ走って来た
「龍亜!!」
「あんちゃんこのまま逃げるぞ!!
アレだよ、アレ!!」
矢薙が指差した方から押し寄せる大勢のマスコミに、顔を引き攣らせた遊星の手を龍亜が引っ張る
「遊星、早く!!」
「あ、ああ…」
氷室が遊星のD-ホイールを引き、遊星たちは大急ぎで逃げていった
「よ、良いのですか!?
このままでは不動 遊星を逃がして?
そもそも何が起こったというのですか?
キングが負けるなどと」
VIP席で慌てふためくイェーガーの隣で、ゴドウィンは落ち着いていた
「そんな事は些細な事です」
「は?」
「星々が今、運行を開始したのです
やがて1つになるその時を目指して……」
そう言ったゴドウィンは、少し微笑んでいた
……マスコミ達が必死に遊星を探している中、ユキと合流した遊星達は地上ではなく地下通路を歩いていた
「ここはスタジアムを作る時に使われていた通路さ」
「へぇー、知らなかったよ」
「今じゃ誰も使ってないからな
雑賀の情報さ」
「結構広いんですね
D-ホイールが2台も楽に通れる地下通路なんて…」
「スタジアム作るには、大型工具や車両とかの出し入れが必要だからな」
「なるほど…」
「それにしてもスゲェぜ、あんちゃんよぉ!!
本当にキングになっちまうんだからな!!」
「遊星なら必ずキングになるって信じてたよ!!」
「うん うん!!」
矢薙達は、はしゃぎながら遊星を取り囲む
「そんな呑気な事も言ってられないぞ
遊星の仲間を誘拐したような連中だ、何をしてくるかしれたもんじゃねぇ
とりあえずは雑賀の隠れ家でおとなしくしてるしかねぇな
龍亜と龍可ちゃんも一緒にいた方が安全だろう」
「そうですね
ここにいるメンバーが繋がってる事は、ゴドウィンはもう知ってるでしょうし…安易に家に帰せばセキュリティが無理矢理捕まえて人質に…なんて事になるのは明らかだし」
「ああ
一緒にいた方がいざって時に守ってやれる」
「本当!?
やったー!!
遊星と一緒にいられる!!」
氷室とユキの提案に、 龍亜は嬉しそうに飛び上がった
「遊星……わたし見てた、遊星とジャックのデュエルを
ううん、わたしだけじゃない…ユキさんと、アキさんもいたわ」
「はい、私も確かに見ました
アレは白昼夢なんかじゃない、もっと鮮明で現実感の有るモノでした…」
「あの光の中で、サテライトはその……あれは一体?」
「分からない
ただ、あの光景がサテライトの未来なら絶対に阻止する」
「シグナーって何なの…?」
「この痣が有る人…私達とジャック・アトラスと姉さんの事を指す言葉であるという事しか、私達は知らないし…」
考え込みながら龍可は右腕を押さえ、ユキはD-ホイールを押しながら右腕を見つめた
「じゃーん!!
そういう事ならワシの出番だ!!
いいかい龍可ちゃん・お嬢ちゃん、シグナーってのは……おおーっと!!
その前に世界を股ににかけた、ワシの冒険の数々を話さねばならんのぉ!!」
「「へ……?」」
いきなりはしゃぎ出した矢薙に龍可とユキは呆気に取られ、遊星はほのぼのとした雰囲気に微笑んだ
「ようやく……これでようやく奴等シグナーが揃ったようだな」
サテライトの奥深く、黒服にフードを被った4人の男が妖笑していた
「ようやくシグナーが揃ったか?」
「5000年か……かかったものよ」
「だからこそ、我らとシグナーたちとの戦いは格別のものとなる
全てを残さず味わい尽くす…闇の帷を降ろす時が来た」
1人の男が手を開くと、3匹の蜘蛛がいた
雑賀の隠れ家についた遊星達は机を囲い、矢薙は描いている紙を見つめた
「もう随分昔に見たものだからな
うろ覚えだが、こんな感じだ」
矢薙が描いたモノは、赤い竜が円になっている不思議な絵だった
「この尻尾が……」
絵の竜の尻尾を見た遊星は袖を捲りの痣を出した
「遊星どうしたの?」
遊星は右腕を机に出し、龍亜達は遊星の痣と竜の絵を見比べた
「同じだ!!」
「じゃあ、この背中のような箇所の小さな翼は……私の?」
遊星にならうようにユキも袖を捲り、痣と絵を見比べた
「龍可、お前の……」
龍亜に言われるままに、龍可も袖を捲って痣を見せる
「龍可はこの手の部分…どういう事なの?」
「ワシが聞いた星の民の伝説では、赤い竜の頭 翼 背 手 足 尻尾の6つの部分がそれぞれ分かれたのをシグナーと呼ばれる人達に痣として封印されたという事じゃった」
「待てよ?
今分かってるシグナーは遊星 ユキ 龍可 ジャック それに十六夜 アキの5人…でもあの赤い竜が現れたって事は……」
「6人目もどこかにいたかもしれんのぉ……」
「どっかに痣ないかなぁ~」
龍亜は好奇心のままに自分の体を見て、痣がないか探し出した
ふいに絵を見た途端、龍可はいきなり倒れた
「お、おっと!!」
「龍可っ!!」
「龍可、どうしたんだ?」
「大丈夫、ちょっと疲れただけ……」
矢薙達に支えられている龍可の前に、ユキは座って様子を見た
「…顔色が悪いわ、体温も少し低いし……いろんな事があって疲れたんでしょうね」
「奥に別室があるから、龍可ちゃんと嬢ちゃんはそっちで休んどけ」
「そうさせて貰いますね」
龍可を運ぶ氷室に案内され、ユキ達は別室へ迎いその日は一旦お開きになった
「─赤き竜が降臨したのです」
…一方サテライトでは、突如始まった謎の一団が赤き竜の演説をサテライトの人々が聞いていた
「伝説の赤き竜が」
「赤き血を求めて、絶望を大地に撒くため現れたのです」
「赤き光を滅するために、我等と共に立ち上がろうではありませんか!!」
集まっているサテライトの人々の後ろに、糸が降りてきて首の後ろにくっついた
辺りが静まり返った夜中、ユキは痣の疼きで目を覚ました
「くっ……
(何なのこの疼き、今までと違う…抉るような……これは一体…!?)」
「ユキ、さん……っ!!」
声の方では目を覚ました龍可が、同じように痣を押さえていた
「龍可、大丈夫…っ!?」
「何とか……けど、この痛みは……!?」
「─うわあぁぁ!!」
部屋の外から聞こえた龍亜の悲鳴とガシャアアァンッという窓ガラスが割れるに、ユキはデュエルディスクを掴み龍可を連れて部屋を出た
ユキと龍可が騒ぎの起こった外に出ると、怪我をした龍亜が矢薙と天兵に寄り添われていた
「矢薙さん!!」
「龍亜・天兵!!」
「龍可!!」
「お嬢ちゃん!!
─氷室ちゃんが、おかしくなっちまったんだよぉ!!」
「「えっ!?」」
矢薙の悲鳴に近い声に驚いたユキと龍可が顔を上げると、目の前に見るからに正気じゃない氷室が立っていた
「─…シグナーが2人
さあ、デュエルだ」
「氷室さん…!?」
正気じゃない氷室は、左腕に不気味な黒いデュエルディスクを作り出す
「どうなってるの…!?」
「わからない!!
矢薙さん、皆を連れて早く中へ!!」
デュエルディスクを着けたユキが、矢薙達を庇うように前に出た
「わ、わかったよ!!」
「逃がさん…」
氷室が片手を翳すと、ゴオオッと音を立ててその場の全員を取り囲む青い炎の壁が生まれた
「うわぁ!!」
「な、何コレ!?」
「皆っ!!
…何のつもり?」
「闇のデュエルは既に始まっている
抜け出す事は不可能」
「…最初から皆巻き込むつもりだったって事?」
「さあ、デュエルだ…」
「やるしかなさそうね…龍可、龍亜達の側にいてあげて」
「気をつけて…!!」
警戒しながら、ユキはデュエルディスクを起動させた
「「─
……こうして、深夜の闇のデュエルが開始された
ダークシグナー編の始まりです、ようやくって感じですね
ダークシグナー編は私の好きなキャラが登場するので、結構好きなんです
次回はデュエル回です
またオリカ出します