「「─
ユキ LP 4000
氷室 LP 4000
「先攻は貰います
私のターン、ドロー!!
『サイ・ガール』を守備表示で召喚」
ユキのフィールドにクリーム色の服を着た少女が現れて、守りの体勢のまま青くなった
サイ・ガール
☆2 地属性 サイキック族 ATK 500 DEF 300
「─装備魔法『リボーンリボン』をサイ・ガールに装備
カードを1枚伏せてターンエンド」
「我のターン、ドロー
─魔法カード『暗黒界の取引』を発動
互いにデッキからカードを1枚ドローし、その後手札を1枚捨てる
さあ、カードを引き手札を捨てろ」
「…ドロー
その後手札を1枚捨てます」
「ドロー
我は手札から『暗黒界の尖兵 ベージ』を捨て、その効果を発動
このカードが他のカードの効果により手札から墓地に送られた時、自分フィールドに特殊召喚出来る
現れろ、暗黒界の尖兵 ベージ」
氷室のフィールドに、槍のような武器を構えた悪魔の兵隊が現れた
暗黒界の尖兵 ベージ
☆4 闇属性 悪魔族 ATK 1600 DEF 1300
「何じゃ、あのモンスターは!?」
ユキの後ろで氷室のデュエルを見ていた矢薙は、驚いたように声をあげた
「矢薙のじいちゃん?」
「どうしたの?」
「前にワシとデュエルをした時は、氷室ちゃんはあんなモンスター使って来とらんかった!!
氷室ちゃんは同じ悪魔族でも、牛鬼とか大牛鬼とかそういうカードを使っているハズなんじゃよ」
「おかしくなったのは、氷室さんだけじゃないって事…?」
シグナーの痣を光らせながら、龍可は心配そうにユキを見つめていた
「更に我は『暗黒界の騎士 ズール』を通常召喚」
氷室のフィールドの暗黒界の尖兵 ベージの隣に、悪魔の騎士が現れて剣を構えた
暗黒界の騎士 ズール
☆4 闇属性 悪魔族 ATK 1800 DEF 1500
「バトルだ
暗黒界の尖兵 ベージで、サイ・ガールを攻撃」
暗黒界の尖兵 ベージの槍が、守りの体勢のサイ・ガールを一気に貫いた
「キャア…ッ」
その衝撃が本物となってユキ達を襲い、龍可は咄嗟に悲鳴をあげた
「攻撃が本物に…!?」
「ユキ姉ちゃん達と同じ力!?」
「暗黒界の騎士 ズールでダイレクトアタック」
氷室のフィールドの暗黒界の騎士 ズールが剣を構えてユキに襲い掛かる前に、ユキは伏せていたカードを開いた
「─罠発動、『ガード・ブロック』!!
バトルによるダメージを0にして、デッキからカードを1枚ドローする」
暗黒界の騎士 ズールの攻撃は、ユキの前に張られた透明なバリアに防がれた
「小賢しい
カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
「─エンドフェイズ時に装備魔法 リボーンリボンの効果!!」
「何?」
「このカードを装備したモンスターがバトルで破壊され墓地に送られたターンのエンドフェイズ時、そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚出来ます
戻って、チューナーモンスター サイ・ガール!!」
ユキのフィールドに、再びサイ・ガールが現れた
「私のターン、ドロー」
引いたカードを確認したユキは、手札の1枚を引き抜いた
「(氷室さん、本当にどうしちゃったの…?
けどこのままじゃ色んな意味で危険なのは確か…速攻で決着を着ける!!)
『ガスタ・コドル』を召喚」
ユキのフィールドのサイ・ガールの隣に、深緑色の鳥が現れた
ガスタ・コドル
☆3 風属性 鳥獣族 ATK 1000 DEF 400
「─レベル3のガスタ・コドルに、レベル2 サイ・ガールをチューニング」
3つの光の球になったガスタ・コドルが、2つの光の円になったサイ・ガールをくぐり抜ける
「─大空に舞う大鳥よ 雷鳴と旋風轟かせ その力を振るえ
シンクロ召喚!!
─鳴り響け 『ダイガスタ・ガルドス』!!」
ユキのフィールドに、稲妻を瞬かせた杖を握る少女を乗せた緑色の大鳥が現れた
ダイガスタ・ガルドス
☆5 風属性 サイキック族 ATK 2200 DEF 800
「ユキ姉ちゃんが先にシンクロモンスターを出した!!」
「しかもあのモンスターの効果なら、相手のフィールドをがら空きに出来る!!」
後ろでデュエルを観戦する龍亜と天兵は、ユキのシンクロモンスターの登場にはしゃいでいた
「ダイガスタ・ガルドスのモンスター効果発動
墓地のガスタモンスター2体をデッキへ戻す事で、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体を破壊する
私は墓地のガスタ・コドルと暗黒界の取引で墓地へ送った『ガスタの神官 ムスト』をデッキへ戻し、暗黒界の騎士 ズールを破壊!!
─ディーム・ウィン!!」
ダイガスタ・ガルドスが放った稲妻を纏った風が、氷室のフィールドの暗黒界の騎士 ズールを吹き飛ばした
「ダイガスタ・ガルドスで暗黒界の尖兵 ベージを攻撃!!
─ストーム・ヴォルト!!」
ダイガスタ・ガルドスの羽ばたきで起きた風と、少女の杖から放たれた雷が混ざり合いながら暗黒界の尖兵 ベージを襲った
「ぐああああっ!!」
氷室 LP 4000→3400
「カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」
「ククク……」
攻撃の反動で転んだ氷室は、起き上がりながら不気味な笑い声を漏らす
「何……?」
「緩いな、この程度の攻撃で『冥府の神』と戦うというのか…愚かな」
「「冥府の神」…?」
「やっぱり氷室のおっちゃんじゃない
お前、シグナーじゃないのか…!?」
龍可が氷室の一言を繰り返し、立ち上がった龍亜が氷室に怒鳴った
「─我は『ダークシグナー』、冥府の神に仕える者」
《「ダークシグナー」…!?》
「冥府の神の力の断片を見せてやろう……我のターン!!」
デッキからカードを引いた氷室は、伏せていた2枚のカードの片方を開いた
「─罠カード『暗黒の謀略』を発動
互いに手札を2枚捨て、その後デッキからカードを2枚引く
なお、この効果を相手は手札を1枚捨てる事で無効にも出来る」
「…無効にはしないわ、手札を2枚捨ててカードを2枚ドローする」
「我は手札から2枚目の暗黒界の尖兵 ベージと『暗黒界の闘神 ラチナ』を捨てて、デッキからカードを2枚ドローする
そして墓地へ捨てた2体のモンスター効果を発動!!
カードの効果で手札から墓地へ捨てられた時、この2体を自分フィールドに特殊召喚出来る
現れよ、暗黒界の尖兵 ベージ 暗黒界の闘神 ラチナ!!」
氷室のフィールドに暗黒界の尖兵ベージと、悪魔の翼を持った筋骨隆々な悪魔が現れた
暗黒界の闘神ラチナ
☆6 闇属性 悪魔族 ATK 1500 DEF 2400
「─更に罠カード『暗黒よりの軍勢』を発動
我の墓地の暗黒界モンスター2体を手札に戻す、我は1枚目の暗黒界の尖兵 ベージと暗黒界の騎士 ズールを手札に戻す
そして2枚目の暗黒界の取引を発動
互いにデッキからカードを1枚ドローして、その後手札を1枚墓地へ捨てる」
「ドロー…手札を1枚墓地へ」
「ドロー…そして1枚目の暗黒界の尖兵 ベージを再び墓地へ捨ててその効果を発動する
蘇れ、暗黒界の尖兵 ベージ!!」
氷室のフィールドの暗黒界の尖兵 ベージの隣に、もう1体の暗黒界の尖兵 ベージが現れた
「モンスターが一気に3体も出て来よった」
「でも、ユキ姉ちゃんのモンスターの敵じゃないよ!!」
矢薙と龍亜が言う中、氷室は怪しげな笑い声を漏らした
「ククククク……貴様等はこれから真の絶望を目の当たりにするのだ
─暗黒界の闘神 ラチナと暗黒界の尖兵 ベージ1体をリリースし、レベル8の『
《
ユキ達が一斉に声を上げる中2体の暗黒界モンスターが消え、羽根の有る悪魔のような真っ黒なモンスターが現れた
☆8 闇属性 獣族 ATK 0 DEF 0
「な、何じゃ!?
あのモンスターは!?」
「ダ、
「き、気持ち悪ーっ!!」
矢薙達が怯える中、ユキと龍可の痣は反応していた
「痣が…!!」
「何かを伝えようとしてる……これは、危険…?」
「─我は残りのレベル4の暗黒界の尖兵 ベージに、レベル8の
見えざる闇よ、姿を現せ!!」
氷室のフィールドの暗黒界の尖兵 ベージが、どす黒い闇の球になっていく
「どうなってんだ!?」
「星が闇に変わっちゃったよ!!」
全員が戸惑いを隠せないまま、謎のシンクロ召喚が行われていく
「そう、光は闇となった
ダークシンクロ召喚は、チューナー以外のモンスター1体のレベルからダークチューナーのレベルを引いた数と同じレベルのシンクロモンスターを召喚できる」
「そんな……!!」
「レベル4から8を引いたら、-4!!
まさか…!!」
「在るのだよ
我等闇の世界には、レベル-4のモンスターがね
─闇と闇重なりし時 冥府の扉は開かれる 光無き世界へ!!
ダークシンクロ!!
─出でよ『堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガ』!!」
ダークシンクロ召喚と呼ばれた謎のシンクロ召喚で、氷室のフィールドにボロボロの黒い天翼に継ぎ接ぎだらけのみすぼらしい黒服の女が現れた
堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガ
☆-4 闇属性 天使族 ATK 2600 DEF 1200
「ダークチューニング!?」
「こんな事が有るのかい!?」
目の前で起きた出来事に、天兵と矢薙は動揺を隠せないでいた
「ククク…DT カタストローグの効果発動
このカードをダークシンクロの素材にしたモンスターの召喚に成功した時、相手フィールド上のカード1枚を破壊する
我はダイガスタ・ガルドスを破壊!!」
亡霊のような浮遊体として出てきたカタストローグに包まれたダイガスタ・ガルドスは、あっという間に破壊された
「くっ…!!」
「堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガは、自分の手札・フィールド・墓地から闇属性モンスター1体を除外しなければ攻撃出来ない
我は墓地の暗黒界の闘神 ラチナを除外する
─ダイレクトアタックだ、カオス・スフィア!!」
「トラップ発…っ!?
発動出来ない!?」
伏せていたカードを発動させようとデュエルディスクを操作したユキは、伏せカードを発動出来ない事に動揺した
「無駄だ
堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガが攻撃を行う場合、ダメージステップ終了時まで相手は魔法・罠カードを発動出来ない」
「そんな…!!」
堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガの放った黒い大きな魔力の塊が、ユキに襲い掛かる
「ぅああああーっ!!」
《ユキ姉ちゃん/さん!!》
攻撃の反動で吹き飛ばされたユキは、数回地面に体を打ち付けて倒れた
「ぐっ…うぅ……」
ユキ LP 4000→1400
「ターンエンドだ」
「氷室さん、酷いよ!!
出してるモンスターだって、ユキさんの昔の名前と同じだし…!!
何でこんな…!!」
「天兵、アレは氷室さんじゃないわ
きっと氷室さんは、何かに操られているのよ」
「そうじゃのぅ…あんな酷い氷室ちゃん、ワシは見た事が無いよ」
「ユキ姉ちゃん、頑張って…!!」
天兵が泣きそうな声で言うと龍可と矢薙が天兵を宥め、龍亜はユキを応援していた
「(この力、サイコデュエリストの比じゃない……!!
何とかしないと……)
私、のターン…!!
─魔法カード『ガスタの交信』
自分の墓地のガスタモンスター2体をデッキへ戻してシャッフル、相手フィールド上のカード1枚を破壊する!!」
「上手い!!
これなら行ける!!」
天兵の声を背に、ユキは墓地から2枚のモンスターカードを取り出した
「墓地のダイガスタ・ガルドスをエクストラデッキへ、そして2枚目の暗黒界の取引で墓地に送った『ガスタ・イグル』をデッキへ戻して、堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガを破壊する!!」
カードから放たれた雷撃が、氷室のフィールドの堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガを破壊した
「更に『ガスタの静寂 カーム』を通常召喚」
ユキのフィールドに、長い緑色の髪をした大人しそうな少女が現れた
ガスタの静寂 カーム
☆4 風属性 サイキック族 ATK 1700 DEF 1100
「カームでダイレクトアタック!!」
ガスタの静寂 カームの杖から放たれた風の魔法が、氷室を直撃してライフを削った
「ぬぐうぅ…!!」
氷室 LP 3400→1700
「バトルを終了してカームの効果発動
墓地のガスタモンスター2体をデッキに戻して、カードを1枚ドローする
私は暗黒の謀略で墓地へ送った『ガスタの希望 カムイ』と『ガスタの賢者 ウィンダール』をデッキに戻して、カードを1枚ドロー
カードを3枚伏せて、ターンエンド」
「やった!!」
「何だ、ダークシンクロなんて言ってたけど、大した事無いじゃん!!」
ケラケラ笑う龍亜に、氷室はバカにするような含み笑い声を返した
「ククククク……愚かな」
「何だとっ!?」
がら空きになった氷室のフィールドに黒い球体が現れ、球体が弾けると同時に堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガが復活した
「敵のモンスターが…!!」
「復活した!?」
「どうなっとるんじゃ!?」
「ダークシンクロモンスター 堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガのモンスター効果
このカードがカード効果で破壊されて墓地に送られたターンのエンドフェイズ時、墓地の闇属性モンスター2体を除外する事で破壊されたこのモンスターを自分フィールドに守備表示で特殊召喚出来る」
「そんな目茶苦茶なーっ!?」
「我は墓地の暗黒界の尖兵 ベージ2体を除外し、堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガを復活させた
ダークシグナーは決して倒れる事は無い、黒き印と共に幾度でも甦る」
掲げられた氷室の右腕に、黒い蜘蛛の痣が浮かび上がる
「あの蜘蛛の痣、アレがダークシグナーの証……」
「お前達の持つ赤き印も、やがて漆黒に染まる時を迎える」
「一体何を言ってるの…?」
「それはこのデュエルが物語っている
お前の縋る者は全てこの世から消え失せる、お前の場のモンスターと同様に」
「わたし達の縋る者…?」
「どういう意味……?」
龍可やユキの問いに答えず、氷室はデッキからカードを引いた
「我のターン、ドロー
我は『暗黒界の狂王 ブロン』を召喚」
氷室のフィールドの堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガの隣に、体に鎖を巻き付けた悪魔が現れた
暗黒界の狂王 ブロン
☆4 闇属性 悪魔族 ATK 1800 DEF 400
「堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガを攻撃表示に変更
そしてバトル、暗黒界の狂王 ブロンでガスタの静寂 カームを攻撃!!」
氷室のフィールドの暗黒界の狂王 ブロンは、体に巻き付けた鎖をガスタの静寂 カームに放ち、鎖の攻撃を受けたガスタの静寂 カームは悲鳴をあげながら破壊された
「ッ…!!」
ユキ LP 1400→1300
「(あのダークシンクロモンスターの攻撃時には、魔法・罠カードが使えない…なら、今だっ!!)
─罠発動『サイコ・リアクター』
自分フィールドのサイキック族モンスターが発動ターンにバトルを行った時、そのサイキック族モンスターと相手モンスターを除外する
この効果で、ガスタの静寂 カームと暗黒界の狂王 ブロンは除外されるわ」
カードから出て来たU.F.O.のような装置が、氷室のフィールドから暗黒界の狂王ブロンを連れていくのを見ながら、ユキは残り3枚の伏せカードの1枚を開いた
「─速攻魔法『緊急テレポート』を発動
手札かデッキから、レベル3以下のサイキック族モンスター1体を自分フィールドに特殊召喚出来る
デッキからレベル2『ガスタの巫女 ウィンダ』を守備表示で特殊召喚!!」
ユキのフィールドに現れた緑色の髪の活発そうな少女は、守りの体勢をとって青くなった
ガスタの巫女 ウィンダ
☆2 風属性 サイキック族 ATK 1000 DEF 400
「こちらも暗黒界の狂王 ブロンの効果が発動している
このカードが相手のライフにダメージを与えられた時、自分の手札を1枚捨てる事が出来る
我は手札の『暗黒界の軍神 シルバ』を捨て、その効果を発動する
このカードがカード効果で手札から墓地へ捨てられた時、自分フィールドに特殊召喚出来る
出でよ、暗黒界の軍神 シルバ!!」
氷室のフィールドに現れた悪魔の軍神は、両手の籠手についた鋭い刃を光らせた
暗黒界の軍神 シルバ
☆5 闇属性 悪魔族 ATK 2300 DEF 1400
「─ッ…罠発動『サイコ・ヒーリング』!!
自分フィールドのサイキック族モンスター1体につき、自分のライフを1000ポイント回復出来る」
「ユキ姉ちゃんのフィールドのサイキック族は、ガスタの巫女 ウィンダだけ」
「1000ポイントのライフ回復だ」
ユキ LP 1300→2300
「手札に戻してある暗黒界の騎士 ズールを除外
堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガよ、ガスタの巫女 ウィンダを攻撃せよ!!
ここで堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガ 第4の効果を発動!!」
「第4じゃとぉ!?」
「まだ効果があるの!?」
氷室の宣言に、矢薙と天兵が悲鳴に近い声をあげた
「ルチーフェロ・ストレーガが守備モンスターを攻撃した時、自身の攻撃力が相手の守備力を上回った場合、貫通ダメージを与える事が出来る」
「向こうのダークシンクロモンスターの攻撃力は2600、ユキさんのガスタの巫女 ウィンダの守備力は400
その差は2200…!!」
「じゃあ、ユキ姉ちゃんのライフは…!!」
「─カオス・スフィア!!」
氷室のフィールドの堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガの放った黒い大きな魔力が、ユキのフィールドのガスタの巫女 ウィンダを悲鳴をかき消しながら消し飛ばした
「あああぁぁぁーッ!!」
ユキ LP 2300→100
衝撃で吹き飛んだユキは、再び地面に体を強く打ち付けた
「ユキ姉ちゃん!!」
「大丈夫かいお嬢ちゃん!!」
「来ちゃダメ…ッ!!」
龍亜と矢薙が慌てて駆け寄ろうとすると、ユキは痛む体を無視して片手で龍亜達を制した
「ッ…破壊されたウィンダの効果発動
このカードが相手の攻撃で破壊されて墓地に送られた時、デッキからガスタと名のついたチューナー1体を自分フィールドに特殊召喚出来る
来て、チューナーモンスター『ガスタ・ガルド』…!!」
ユキのフィールドに現れた翡翠色の鳥は、翼をたたんで守りの体勢をとって青くなった
ガスタ・ガルド
☆3 風属性 鳥獣族 ATK 500 DEF 500
「ならば暗黒界の軍神 シルバで、ガスタ・ガルドを攻撃!!」
氷室のフィールドの暗黒界の軍神シルバは、籠手についた鋭い刃で守りの体勢をとるガスタ・ガルドを斬り裂いた
「ッ…破壊されたガスタ・ガルドの効果
フィールドから墓地に送られた時、デッキからレベル2以下のガスタと名のついたモンスター1体を自分フィールドに特殊召喚出来る
チューナーモンスター ガスタ・イグルを特殊召喚…!!」
ユキのフィールドに現れた緑色の鳥は、守りの体勢をとって青くなった
ガスタ・イグル
☆1 風属性 鳥獣族 ATK 200 DEF 400
「小賢しい娘だ、カードを1枚伏せてターンエンド」
「まずい!!
まずいよ!!
このままじゃユキ姉ちゃんが……!!」
「わかっちゃいるけど、ワシ達には何も出来んからのぅ…」
焦り出す龍亜の隣で、矢薙は困ったような声をもらした
「ライフを回復していたから、このターンは何とか助かったけど…」
「ユキさんの残りのライフは100、手札も無い
どうすれば…!!」
絶望する天兵と龍可を見て、氷室は愉快そうに笑いだした
「全てはやがて黒く染まる…手始めにお前を黒く染めてやろう!!」
「まだ…終わってないわ……私のターンッ!!
─魔法カード『オーロラ・ドロー』発動
このカードは手札がこの1枚の時のみ発動出来、デッキからカードを2枚ドローする
─更に魔法カード『埋葬呪文の宝札』を発動
墓地の魔法カード3枚を除外して、デッキからカードを2枚ドローする
私は墓地のリボーンリボン ガスタの交信 オーロラ・ドローを除外して、デッキからカードを2枚ドローする」
合計3枚になった手札を見て、龍亜と天兵は驚いたように叫んだ
「ユキ姉ちゃん、スゲー!!」
「手札が無かったのに、一気に手札が3枚になった!!」
「2枚目の速攻魔法 緊急テレポートを発動
デッキに戻したレベル2 ガスタの希望 カムイを特殊召喚!!」
ユキのフィールドに、緑色の髪の活発そうな少年が現れた
ガスタの希望 カムイ
☆2 風属性 サイキック族 ATK 200 DEF 1000
「ガスタ・イグルをリリース、『ガスタの疾風 リーズ』をアドバンス召喚!!」
ユキのフィールドのガスタ・イグルが消え、緑とオレンジのツインテールの少女が現れた
ガスタの疾風 リーズ
☆5 風属性 サイキック族 ATK 1900 DEF 1400
「そのような雑魚で何が出来る!?
ダークシグナーは不滅だ!!」
「─ガスタの疾風 リーズの効果発動
手札1枚をデッキの下に戻す事で、相手モンスター1体と自分フィールドのガスタモンスター1体のコントロールを入れ換える」
「何ッ!?」
「手札1枚をデッキの下に戻し、ガスタの希望 カムイと…あなたの堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガのコントロールを入れ換える」
ガスタの疾風 リーズが斧のような杖を空にかざすと、ユキのフィールドのガスタの希望 カムイと、氷室のフィールドの堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガの立ち位置が一瞬で入れ換わった
「ダークシンクロモンスターを奪っちゃった!!」
「そのまま攻撃すれば、お嬢ちゃんの勝ちじゃ!!」
「でも、氷室さんにはまだ伏せカードが残ってるよ…?」
「嫌な罠じゃないと良いけど…」
ユキの後ろにいる龍亜達の話を聞きながら、氷室は内心ニヤリと細く笑んでいた
(ダークシンクロモンスターを奪うとは、恥知らずなシグナーめ…
我が伏せたカードは、『ハーフ・カウンター』
自分のモンスターが攻撃対象にされた時、攻撃されたモンスターの攻撃力を攻撃してきたモンスターの元々の攻撃力分アップさせる事が出来る
これで返り討ちだ、ダークシグナーに栄光あれ…!!)
「─罠発動『バトル・テレポーテーション』!!
このカードは自分フィールド上のサイキック族モンスターが1体の時、そのサイキック族モンスターを選んで発動
バトル終了後に、選んだサイキック族モンスターのコントロールを相手に移す」
「何をバカなカードを…そうか
勝てないと諦めて自滅の道を選んだか」
「そんなわけが無いでしょう?
─バトル・テレポーテーションの効果で選ばれたサイキック族モンスターは、ダイレクトアタックする事が出来る!!」
「何だとォ!?」
「私はフィールドのガスタの疾風 リーズを選択!!
そのままダイレクトアタック!!」
斧のような杖を振りかざしたガスタの疾風 リーズは、氷室のフィールドのモンスター達を素通りして氷室に襲い掛かった
「(ダイレクトアタック!?
これでは、ハーフ・カウンターが使えない…!!)
ぐあああああーっ!!」
氷室 LP 1700→0
ガスタの疾風 リーズに殴りとばされた氷室のデュエルディスクからデッキのカードが散らばり、首服の襟から1匹の小さな蜘蛛が逃げるように飛び出していった
デュエルの決着と同時に周りを囲んでいた炎の壁は一瞬で消え、ユキと龍可のシグナーの痣の反応も消えた
「ユキ姉ちゃんの勝ちだ!!」
「良かったぁ……」
「痣の疼きも治まったわ…」
「氷室さんしっかりして…っ!!」
天兵は倒れた氷室に駆け寄り、ユキ達も慌てて天兵に続いた
「氷室のおっちゃん!!」
「氷室さん、大丈夫ですか!?」
「ありゃ!?
何じゃこりゃあ!?」
倒れて気絶したままの氷室にユキ達が駆け寄ると、矢薙は倒れた衝撃で散らばった氷室のデッキのカードを見た
「矢薙さん?」
「どうしたの?」
「─さっきまで氷室ちゃんが使ってたカードが1枚も無いんだよ」
「「「「えっ!?」」」」
ユキ達も氷室のデッキを覗き見るが、デュエルで使われたカードは1枚も無かった
「本当だわ
ダークシンクロモンスターも、ダークチューナーモンスターもいなくなってる」
「本当に間違いないの?」
「本当じゃとも!!
ワシは前に氷室ちゃんとデュエルした事もあるんじゃ」
「龍可の言う通り、氷室さんは何者かに操られたのかもしれません
どっちにしても、まずは氷室さんを休ませないと」
「そうね
龍亜・天兵、手伝って!!」
「「う、うん」」
ユキ達は全員で力を合わせて、気絶した氷室を室内のベッドに運んだ
「氷室ちゃんは大丈夫かのぅ?」
「呼吸は安定してますし、怪我もかすり傷くらいですから大丈夫だと思います」
氷室をベッドに運んだユキと矢薙は、龍亜達を休ませて2人で夜通し介抱をしていると氷室は目を覚ました
「ッ…」
「氷室ちゃん!?」
「じいさん…?」
「氷室さん、具合はどうですか?」
「嬢ちゃん…?
少し頭がボーッとするが、それくらいだ
それより、オレは一体…「あ、氷室のおっちゃん!!」
氷室が頭を押さえて思い出そうとする前に、別室で休ませていた龍亜・龍可・天兵が起きてきて部屋の中に入って来た
「氷室さん、もう大丈夫なの?」
「ああ
何が起きたかさっぱりだが…オレは一体…?」
「氷室さん、急におかしくなって僕達に襲い掛かったんですけど…」
「何だって!?」
「ちょっと天兵!!」
天兵に言われた事に氷室は驚き、龍可は天兵を咎めるように鋭い声をあげた
「本当、なのか…?」
「…はい
急にデュエルを挑んで来て、私が受けました」
「けどね、氷室ちゃんの使うデッキじゃないし…あの時の氷室ちゃんは正気じゃなかったんだよ」
「だとしても、すまねぇ…オレは、なんて事を…!!」
自分を責める氷室を見て、ユキ達は何も言えずに黙りこんだ
「…そういえば、遊星さんは?」
「それが、どこにもいないんだ」
「どこに行っちゃったのかなぁ…?」
そこに、いなくなっていた遊星が帰って来た
「「「遊星!!」」」
「こんな朝っぱらまでどこほっつき歩いてたんだ?」
「こっちはさっきまで大変だったんじゃよ!!」
「ん…?
何かあったのか?」
「腕に変な痣つけておかしくなった氷室のおっちゃんが、いきなりオレ達を襲って来たんだよ!!」
「ユキさんがいてくれたから、皆無事だし氷室さんも正気に戻ったわ」
「あの時の氷室さん、ダークシグナーって言ってた」
子供達の話を聞き、遊星は目を見開いた
「何っ!?
そっちにも来たのか!?」
「「そっちにも」って、まさか遊星さんの方にも…!?」
「ああ、オレも腕に痣のある奴とデュエルした
オレが闘った奴も、ダークシグナーと名乗っていた」
「どうなってんだ…?」
「あの痣……奴等こそが、オレ達が本当に闘う敵なのかもしれない…」
…一方サテライトでは、怪しげな集団が演説を続けていた
「希望を!!」
「サテライトの地に希望を!!」
「ネオ童実野シティに出現した赤き竜は、この世に災いをもたらす邪神なのです!!」
「シティとサテライトは邪神の怒りに触れて、共にこの世から滅びる運命なのでしょうか?」
「否!!
赤き竜は愚か者の地、シティを選んだのです!!」
「サテライトの賢者達よ、希望を抱きなさい!!」
演説する集団の元に、サテライトの人々が次々集まっていく
集まって来たサテライトの人々全員に、スーッと蜘蛛の糸が下ろされた
「あんちゃん、まだ雑賀とは連絡取れないのかい?」
中で遊星とユキ達が戦ったダークシグナーの話を照らし合わせた後、パソコンに向かう遊星に矢薙が聞いていた
「サテライトへ戻ろうと思う、あの男が言っていた言葉が気になる」
「え?
戻るって?」
「例のサテライトが消滅するってヤツか?」
「ああ」
「豹変した氷室さんも、そんな事言ってましたしね…偶然にしては出来すぎてる」
「─行っちゃうの?」
遊星達の後ろに、龍亜と龍可が悲しそうに見つめていた
「サテライトに帰っちゃうの、遊星?」
「遊星……」
「オレには確かめなくてはならない真実がある」
「そんな!!
サテライトってすごく危険な所なんだろ?
そんな所に帰らないでさ、オレ達と一緒にずっとシティにいようよ!!」
「シグナー同士が一緒にいなくちゃいけないって言ったの遊星じゃない」
「シグナー同士なら必ずまた会える…」
作業を止めた遊星は、龍亜と龍可の肩に手を置く
「…遊星さん、サテライトへ帰られるんですよね?」
「ああ、そうだが…」
「……私も連れて行っては貰えないでしょうか?」
《えっ!?》
考え込む姿勢のまま言ったユキに、全員が目をギョッとさせた
「私も連中の力について、気になる事が有るんです」
「そうなのか?」
「はい…迷惑を承知でお願いします
連れて行って下さい」
深く頭を下げるユキを見て、遊星は小さく息を吐いた
「…わかった、よろしく頼む」
「ありがとうございます、遊星さん」
その時、セキュリティのサイレン音が鳴り響いた
遊星が窓を開けると、下にはセキュリティの牛尾が部下を引き連れていた
『聞こえるかぁ、サテライト野郎!?
シティにはてめぇにとっての安住の地はねぇ!!
今すぐしょっぴきに行ってやるから首洗って待ってろぃ!!』
「チッ、こんな時に…」
「嫌なファンが出来ましたね、遊星さん」
「まあな…だが、ちょうどいい
オレもゴドウィンに話があるところだ」
…その10分後、遊星とユキは牛尾達に連れられてゴドウィンの元へ向かい出した
ダークシグナー編、初デュエルです
今回の相手には、何でかアニメ序盤でしか出番のなかった氷室を選びました
その理由は……他に都合の良い相手がいなかったからです
まずシグナーの龍可は除外、龍亜・天兵・矢薙も老人や子供を洗脳するのに私自身抵抗が出ています
オリジナルキャラを作るにも、その場限りのキャラになる可能性が高いです
…というわけで、残った氷室を選びました
氷室と矢薙の出番も、そろそろ終わりですかねぇ…
そして今回もオリジナルカード ダークシンクロモンスターを作りました
ちなみに名前は、一応イタリア語を使用しています…深い意味はありません
登場するのは今回1度だけでしょうが、ステータスを記しておきます
『堕天の魔女-ルチーフェロ・ストレーガ』
☆ー4 闇属性 天使族 ATK 2600 DEF 1200
チューナー以外のモンスター1体 - ダークチューナー
このカードをシンクロ召喚するためには、自分フィールドに存在する『DT(ダークチューナー)』と名のついたチューナーモンスターのレベルを、それ以外の自分フィールド上に存在するモンスター1体のレベルから引き、その数値がこのカードのレベルと等しくならなければならない
・このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動出来ない
・このカードが攻撃する場合、このカードのコントローラーが自分の手札・フィールド・墓地から闇属性モンスター1体を除外しなければならない
・このカードがカードの効果で破壊されて墓地に送られたターンのエンドフェイズ時に発動出来る
自分の墓地の闇属性モンスター2体を除外する事で、墓地のこのカードを自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚出来る
・このカードが守備表示モンスターを攻撃した時その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与えられる
見た目 ボロボロの黒い天翼 継ぎ接ぎだらけの黒い服の女
攻撃名 カオス・スフィア