…数時間後、深影による緊急招集で遊星達はモニターの有る部屋にいた
「モニター、映ります」
キーボードを操作し終えた深影が映したモニターには、黒い霧に覆われたサテライトが一面に映された
「これは…ッ!?」
「これがサテライト?」
「いつもこんなに霧が深いの?」
龍可と龍亜は首を傾げながら、驚きながらモニターを見る遊星達を見上げた
「いや、こんなハズは……」
「私が行った時も、こんなに酷くは無かった…」
遊星とユキが呆然と呟く隣で、ジャックは席に座る深影を見下ろした
「おい、一体何があった?」
「詳細は不明ですが、サテライト最深部に何か異常が発生したようです」
深影はモニターを操作し続け、忙しなくキーボードの音が鳴り続けた
「最深部だと?」
「現在、サテライトのセキュリティとは全く通信が繋がりません
この映像もいつまでもつか……」
深影が言うと同時に、映っていたモニターの映像は消えた
「こんな所でぐずぐずしてはおれん!!
すぐにサテライトに飛ぶヘリを用意しろ!!」
「は、はい!!」
(ラリー・クロウ・皆……)
慌てて出て行く深影を見送り遊星が拳を握る隣で、ユキはか細い声で呟いた
「遊星さん……皆、きっと無事ですよね…?
ラリーくんやクロウさん達は……」
震える右手を左手で押さえながら、ユキは小さく震えていた
「……今は、信じるしか無い」
「はい……」
……一方現状について何も説明しない治安維持局に対し、シティの住民達は不満に思いながら訴えていた
その様子を自室のモニターで見ていたゴドウィンの部屋に、慌てた様子の深影が入って行く
「失礼します、長官!!」
「分かっています」
「え…?」
「ただちに出発の準備をするよう、シグナー諸君に伝えてください」
「りょ、了解しました!!」
…1時間後、遊星達は治安維持局の屋上にあるヘリポートへと来ていた
「いよいよね」
「うん」
「もう後戻りは出来ないわよ、2人共大丈夫?」
「「もちろんっ!!」」
ユキの問い掛けに龍亜と龍可が元気に答えると、下がっていた深影はジャックに1歩近寄った
「…アトラス様」
「何だ?」
「アトラス様は何故、サテライトに行くのですか?」
「知れた事、オレにはやらねばならん事がある」
(それはシグナーとして?
それとも……)
深影の心情を知る人は、誰もいなかった
「サテライトを覆った霧は、旧モーメント跡地が発生源のようです」
「旧モーメント?」
「何なのそれ?」
アキと龍亜がゴドウィンのセリフを繰り返すと、ゴドウィンは遊星の方を見た
「─やはり運命が導いているのでしょう
旧モーメントの開発者、不動博士の息子……」
「不動博士…?」
「開発者の、息子?」
「遊星が?」
「どういう事?」
アキ・ユキ・龍亜・龍可の4人は、訳が分からず顔を見合わせて首を傾げた
「運命の歯車は大きく旋廻し始めています
あなた達の使命はダークシグナーを倒し、旧モーメントを正しい方向へと回転させる事なのです」
バラバラバラバラ…とけたたましい音を立てて空からヘリコプターが着陸し、中から1人のセリキュリティが出て来た
「─牛尾捜査官、只今到着しました!!」
「ご苦労」
「何だ、お前か」
「しつこい人ね…」
牛尾を見た遊星とユキは、呆れたように吐き捨てた
「ユキ姉ちゃん、知り合い?」
「雑賀さんの隠れ家に来てたセリキュリティよ
ここまで行くと、もうストーカーとしか言い様がなくなるわね」
「ふざけんじゃねぇ妹魔女!!
お前達をあの忌々しいゴミ溜めまで送り届けるよう、長官から直々に仰せつかったんだ!!」
牛尾の言い方に眉を吊り上げる龍亜と龍可の前に、深影がやって来た
「あなたも同行するの?」
「はい、深影さんのお役に立てて光栄であります」
「早朝任務、大変ね牛尾捜査官」
「い、いえ……」
鼻の下を伸ばす牛尾に、遊星達は少し引いていた
「さぁ皆さん!!
こちらへどうぞ!!」
「行きましょう」
「「うん」」
アキに続いてジャックに龍亜と龍可・ユキもヘリコプターに乗り込んで行く
「待ってくれ」
最後に残った遊星は、ゴドウィンに振り返る
「ゴドウィン、1つ約束してほしい事がある」
「何ですか?」
「─オレ達がダークシグナーを倒し、全てを元に戻す事が出来たら……ダイダロスブリッジをシティに繋ぐと約束してくれ」
(ダイダロスブリッジ…)
(遊星さん…)
ダイダロスブリッジの話を知るジャックとユキは、遊星の話に耳を傾けていた
「サテライトとシティを結ぶダイダロスブリッジ
あの橋をかけようと戦った伝説の男…あなたはならうつもりですか?」
「お前の話が本当なら、サテライトを差別する理由は無くなるハズだ」
「……よろしい、約束しましょう」
ゴドウィンの返事に遊星は頷き、ヘリコプターに乗り込んだ
(必ずシティとサテライトを1つにしてみせる……この命に代えても!!)
シグナー達はヘリコプターに乗り、氷室や矢薙・天兵に見送られサテライトへ飛び立った
…シグナー達を乗せたヘリコプターは暗い雲が立ち込める中、サテライトへと向かっていた
誰も話さない中、アキはゴドウィンの言った言葉を思い出し深影に訊ねた
「…詳しく聞かせて、旧モーメントと遊星のお父さんの事」
その一言で全員の注目を浴びた深影は、小さく頷いて話し出した
「17年前に起こったサテライトとシティを隔てるほどの地殻変動…『ゼロ・リバース』は、実は現在のサテライト最新部に設置された最初のモーメントが暴走した事によって引き起こされたものなのです
そのモーメント開発部『MIDS』の責任者が遊星さんの父親」
「じゃあ遊星のお父さんは、その時の事故で……」
(遊星のお父さんが……だからあなたは、家族の大切さを知ってるのね)
(私達の時にあんなにも必死になってくれたのは、それが理由……)
アキとユキは辛そうに俯くと、ヘリコプターの操縦をしていた牛尾が話に入って来た
「ちょっと待ってくれよ!!
何でサテライト出身者が、そんなでけぇプロジェクトの責任者に?」
「─遊星は元シティの生まれだ」
シレッと言ったジャックの一言に、牛尾はオーバーな反応をとった
「何だって!?
そんな、コイツがサテライトのクズ野郎じゃなかったなんて…」
「オレはサテライトの出身だ、それがどうした?」
「いや……」
「話の腰を折らないで」
ジャックとユキにピシャリと言われ、牛尾は操縦に専念した
「まずいなぁ…尋常じゃないぜ、この雷
直撃されたら終わりだ、戻った方がよくないですかね?」
「私達には後戻りは許されません」
「あそこに着陸するんだ」
身を乗り出した遊星が、一点を指差した
「え?」
「あそこって…」
「着陸して」
深影に言われた牛尾は、渋々指示に従ってヘリコプターを操作した
遊星達を乗せたヘリコプターは指定された場所 マーサハウスに着陸し、中から出て来た遊星達を玄関で雑賀とマーサ、2人の子供が出迎えた
「遊星!!」
マーサはジャックの姿を見た途端、はしゃぎながら走り寄る
「ジャック!!
ジャックじゃないか!!」
「マーサ!!」
「大きくなったにも程があるよ!!」
「何年経ったと思ってるんだ、ここを出てから」
「さ、昔みたいに、ほらほら…キングたるもの……」
マーサは手を出し、ジャックはマーサの前で膝をついた
その不思議な光景に、アキ達は顔を見合わせた
「キングたる者、レディには尊敬の念を」
ジャックはマーサの手の甲にキスをして、それを見た遊星以外の全員がギョッとして目を見開いた
「ほんっとにこの子はいい子だよ!!」
「マーサ!!
いい加減に……!!」
マーサがジャックに抱きつく姿をアキ達は呆然と見つめ、遊星は懐かしそうに見ていた
「あ、遊星だー!!」
マーサハウスに住んでいる子供達が遊星に集まっていく様子を、龍亜と龍可は見つめていた
「サテライトって、もっと怖い所だと思ってたのに……」
「元気で楽しそうな子がいるんだ」
「どうだかな、サテライトは所詮サテライト……痛でっ!!」
龍可と龍亜が驚くのを見て牛尾が冷たく言い放つ前に、いつの間にか横にいたユキが足を思い切り踏み付けた
「てめ…!!」
「ふんっ」
牛尾を冷たくあしらったユキは、そのまま子供達の方へ向かっていく
「嬢ちゃんもやるじゃねぇか
それに比べてお前は相変わらずだな、何でお前みたいな奴が一緒なんだ?」
子供達の方へ向かったユキと入れ違いで、雑賀が牛尾に話し掛けてきた
「貴様はあの時の!!
フン、オレはただ長官の命令でやって来ただけだ
誰が好き好んでこんな所に来るかよ」
牛尾の言い分に雑賀は鼻で笑って去り、また入れ違いで1人の男の子が牛尾に近づいた
「何だ、お前?」
「おじさん、セキュリティの人でしょ?」
「だったら何だ?」
「かっこいいな!!
オレもその制服着てみたいな~」
男の子は目を輝かせて牛尾を見上げ、牛尾は満更でもない反応をしていた
「そ、そうか!!
ま、オレ程この制服が似合う男もいないからな」
子供達の対応を一通り終えた遊星は、マーサに声をかけた
「マーサ、サテライトの皆は無事なのか?」
遊星の問いに答えずに、マーサは複雑そうな顔を返した
「…マーサ?」
「取り合えず、中にお入り」
遊星達はマーサハウスの中へ入った
大人数で机を囲い、マーサは深いため息ついて話し出した
「…昨日突然黒い霧がサテライトを覆って、霧が晴れてみるとそこにいた人達が忽然と姿を消してたのさ」
「消えた?」
「そう、殆どの人がね……こっちに霧は届かなかったから、あたし達は無事だったんだけどさ」
「ラリー・タカ・ナーヴ・ブリッツ・クロウは帰って来ないんだ」
マーサに続いた雑賀の一言に、遊星とユキは立ち上がった
「何だって!?」
「クロウさん達が!?」
「何かの間違いであってくれたら、いいんだけど……」
「その人達って遊星の仲間?」
「ああ…」
「そんな……」
龍亜に答えた遊星は俯き、ユキは目を伏せて力なく項垂れた
そんな中マーサの視線は、ユキに寄り添うアキに向いた
「…アンタもしかして、十六夜議員の…?」
「はい、娘のアキです
妹がお世話になりました」
「良いんだよ、そんな事!!
遊星…アンタこの子の心の扉を開いてあげることが出来たんだね、よかったね」
マーサはアキの顔を見て、母親の顔をして微笑んだ
「アンタは、まだ鬼柳が怖いとか言うんじゃないだろうねぇ?」
「ああ、あの人々の魂を吸うことで発動する恐ろしいカード……地縛神
正直オレはあのカードが怖い……だが、オレにはこれだけの仲間がいる」
「勘違いするな、オレは仲間になったわけではない」
そっぽを向くジャックを無視して、遊星は自分の決意を話し続ける
「仲間の想いを感じる事が出来た時、オレはその恐怖を乗り越える事が出来る気がする
それに鬼柳……アイツもかつては仲間だったのだから」
「よく言った、それでこそ遊星だ
……行くんだね、ダークシグナーの本拠地に」
マーサの視線に、遊星は大きく頷いた
「でも今日はもう遅い、泊まっていきなさい
さぁ、夕飯の支度をするよ!!」
声を張り上げたマーサは、席を立って部屋を出て行った
《いただきまーす!!》
食事の用意が整い、子供達は勢いよくシチューを食べ始める
その様子を見ていた龍亜と龍可が顔を見合わせると、グルルルル~…と龍亜のお腹が鳴った
龍亜と龍可がシチューを一口食べると、パアァッと明るくなった
「美味しいよ、このシチュー!!」
「うん、美味い!!」
「セキュリティの兄ちゃんが作ったんだぜ」
子供達の一言に全員が牛尾の顔を見ると、牛尾の顔はみるみる赤く染まる
「美味しいシチューをありがとう!!」
「ありがとう!!」
子供達の称賛を受けた牛尾は、居心地が悪そうにしていた
……食事が終わった後、遊星が子供達を見渡して口を開いた
「今度の戦いで勝つことが出来たら、シティとの間に橋がかけられる
そうすれば、差別もなくなる」
「お前達の未来は確実に変わる、なりたいものになれる時代は来る」
「遊星カッコイイ…!!」
牛尾に付きまとっていた子供が、遊星に目を輝かせてている様子を、牛尾はそっと眺めていた
(そうだなぁ……もしかしたら、いつかアイツもセキュリティに…オレも……)
「ん?」
視線に気づいた深影と目が合った牛尾は、思わず視線を逸らした
ドオオォンッと音を立てて突然雷がハウスの近くに落ち、ハウスの窓ガラスが一斉に割れた
「何だ!?」
「大丈夫かい、みんな?」
反射的に伏せた遊星達が顔をあげると、外から不気味な笑い声が聞こえてくる
「遊星さん!!
誰かが外に……!!」
「何っ!?」
ユキの指差す外の方には、1人の黒衣の男が立っていた
「お前は…!?」
「─フフフフ……私の名はルドガー
そう、蜘蛛の痣を持つダークシグナー」
ルドガーと名乗った男の右腕には、黒い蜘蛛の痣が怪しく光っていた
「蜘蛛の痣……」
「あの痣…氷室さんを操って私達を襲わせたのは、あなたね…!!」
「まさか、ビジョンが実現になるというのか!?」
遊星とユキを無視して、ルドガーは愉快そうに声を張り上げた
「シグナー5人がおでましと聞いてね、お迎えに来たところさ
歓迎の宴はもちろんデュエルでね」
「何だと!?」
ルドガーに近づくジャックを、遊星が止めた
「ジャック!!
ここでデュエルするわけにはいかない、奴等の炎の地上絵に呑み込まれてしまう
ここから奴を引き離す、お前はマーサや子供達を頼む」
「くっ…!!」
ジャックは悔しそうに遊星の指示に従い、遊星は窓枠から片足をあげた
「オレが相手をする!!
付いてこい!!」
「いいだろう」
遊星はD-ホイールからデュエルディスクを外して、腕に装着した
「私も行くわ」
名乗りをあげたアキに、遊星は1つ頷いた
ジャック・ユキ・龍亜と龍可は、牛尾や深影と連れ立ってハウスの人々を避難させ始めた……牛尾に付きまとっていた少年 タクヤを含む、数人の子供達がいない事に気付かずに
…避難の最中、ジャック・ユキ・龍可のシグナーの痣が赤く輝き始める
「始まったか…」
「みたいね…」
「遊星……」
「さぁ、こっちの部屋へ」
「タクヤくんがいないよ」
「ジュンとみっちゃんも」
マーサの先導で部屋へ入れようとした女の子達の話に、マーサとジャック達は目を見開いた
「何だって!?」
「くっ…!!」
マーサを先頭にジャック達は外へ出た
「あ、アレは……!!」
既に蜘蛛の地上絵が浮かんでいる空を見上げたマーサは、意を決して走り出す
「マーサ!!」
「待ってください!!」
「任せろ!!」
ジャックとユキの制止を振り切ったマーサを、牛尾が追って行った
……マーサと牛尾が去ってしばらくして、ジャックは自分のD-ホイール ホイール・オブ・フォーチュンに跨がった
「ジャック…?」
「どこに行くの?」
「様子を見て来る…十六夜、この場は任せるぞ」
そう言って返事も聞かずに、ジャックはホイール・オブ・フォーチュンで走り去った
「行っちゃった…」
「けど、きっと遊星が心配なのよ」
「そうね……」
片手を望遠鏡の形にして見送る龍亜の隣で、龍可とユキは小さくなっていくジャックを見送った
「うぅ…怖いよぉ……」
「マーサぁ……」
怖がって泣き出す子供達の声に、ユキ達は部屋の中へ戻った
中では雑賀とシュミットが、慣れない手付きで泣き続ける子供達を宥めていた
「うわ~…凄い事になってるね……」
「呑気な事言ってないで、わたし達も手伝うわよ龍亜!!」
「う、うん!!」
「じゃあ、2人はそっちの子達をお願いね」
「わかった」
龍可に怒られた龍亜は周りの子供達を宥め始め、ユキも子供達を宥め始めた
「おねえちゃん、怖いよぉ…」
「大丈夫よ、悪い人は遊星さんが倒してくれるから」
「ホントに?」
「うん、きっと
だから大丈夫よ」
周りの子供達を落ちつかせ続けるユキに、雑賀が声をかけた
「嬢ちゃん、これが遊星が言ってた「闘い」ってヤツなのか?」
「はい……既に多くの犠牲が出ています
この闘いに勝たないと、もっととんでもない事になってしまう事は確実でしょうね……」
話を聞いていたシュミットが、話に入って来た
「じゃあ、遊星のあの怪我も…」
「はい……さっきの男の仲間 ダークシグナーとの闘いの時に……」
「これから、もっと大変な闘いになるんだね…」
「けど私達がこの闘いに勝たないと、世界に未来は無いそうです…」
「出来るなら、止めたいんだけどね……」
……それからまた十数分後、ユキと龍可の痣が鈍く痛んだ
「くっ…!!」
「痣が……!!」
「龍可・ユキ姉ちゃん、大丈夫!?」
「ええ……けど、この痛みは…」
「遊星…?
悲しみと、驚きの感情のようなものが、痣を通して…!!」
「ええっ!?
遊星に何かあったの!?」
「詳しくは分からない…龍可、私達も行きましょう」
「うん…そうした方がいいかもしれない」
ユキと龍可は頷き合い、扉の方へ歩き出した
「ま、待ってよ2人共!!
オレも行く!!」
歩き出した龍可の隣に、龍亜が駆け寄った
「龍亜!!
でも……」
「オレが龍可を守るんだ!!
その為にオレはついて来たんだからさ!!」
「…分かった
けど、私達から決して離れないようにね」
「うん!!」
扉に手をかけたユキは、後ろのシュミットと雑賀に振り返った
「今のサテライトにはもう、安全地帯は無いと思ってください
霧が襲って来たら、私達を待たずに迷わず逃げてくださいね」
「わかった」
「嬢ちゃん達も気をつけてな」
「はい……行きましょ」
「「うん/はい」」
ユキ達は部屋を出て、遊星達の闘う地上絵を目指してユキのD-ホイールで走り出した
……ユキ達が辿り着いた時には、闘いは悲しい終わり方を迎えていた
どこにも見当たらないマーサ
泣きじゃくる行方不明になっていた子供達を抱えて、項垂れる牛尾とジャック
悲しそうに口元を被うアキ
……そして行方不明になっていたラリーを抱き起こす遊星を、愉快そうに見つめるルドガーがいた
「ラリー、くん…!?」
ラリーは遊星に一言残して、消滅していった
「ラリィィーーッ!!!!」
遊星の悲痛な叫びを聞きながら、ユキ達は立ち尽くしていた
蜘蛛の地上絵が消え、全員が遊星に駆け寄る
「面白い見世物だったな
だが、これからがダークシグナーの闘いの本番だ」
ルドガーの元に、色違いの黒衣を着た6人のダークシグナーが揃っていた
「それぞれの闘いは、宿星によって決められる」
「宿星?」
「地縛神の恐怖なんて克服したなんて思うなよ、遊星!!
まだまだたっぷり恐怖は残ってるはずだろ?
オレへの恐怖がよ!!
ヒャーッハッハッハッ!!」
狂ったように笑う鬼柳に、俯いていた遊星はゆっくりと顔を上げた
「ああ、オレは恐ろしい……貴様達を倒すことを、これほど欲しているオレ自身の怒りが!!」
遊星を筆頭に、シグナー達はダークシグナー達を睨みつけた