「いってきまーすっ!!」
朝、寝坊したユキは慌てて家を飛び出した
「うぅ…姉さんもリンボも日直で早く出掛けた日に限って、目覚ましの電池が切れるなんてぇ…!!」
バタバタと走りながらユキはデュエルアカデミアへ急いでいたが、途中の赤信号で足止めされてしまった
「もぉ…D-ホイールが使えたら、こんな事にはならないのに…!!」
「─よぉ、ユキじゃねぇか!!
寝坊でもしたのか?」
「え?」
聞こえてきた声に振り向くと、ブラック・バードに股がった宅配スタイルのクロウが片手を上げていた
「クロウ!!
…うん、まあね」
「珍しいな…乗ってくか?」
「良いの?」
「遅刻しそうなんだろ?
ほら、それ被って後ろ乗れ」
放り投げられた予備のヘルメットを受け取ったユキは、被ってブラック・バードに乗り込んだ
「よろしくね」
「任せとけ!!
行くぞ、しっかり掴まってろよ!!」
ブオオオッとエンジン音をあげて、ブラック・バードはデュエルアカデミアの方角へ走って行った
「…っし、到着っと」
「始業15分前…良かった、間に合ったぁ…!!」
ヘルメットをとったユキは、ホッとしてため息をついた
「ありがとうクロウ、本当に助かったわ」
「これぐれぇお安い御用だぜ!!」
「お礼に、今日はクロウの好きなモノ作りに行くね」
「マジか!?
サンキューな!!
それ楽しみに、今日も張り切って仕事すっか「十六夜さん!?」あ…?」
クロウと話すユキの方へ、1人の美少女……のように見える男子生徒が駆け寄って来た
「…彼女に、何かご用ですか?」
「はぁ…?」
「ちょっ、本条くん…?」
ユキの腕を握って庇うようにクロウと向かい合う本条と呼ばれた少年に、クロウとユキは戸惑ったような声をもらした
「こんな朝早くから女性を…それもまだ中学生を口説こうなんて、そんな事許す訳が無いじゃないですか!?
恥を知りなさい!!」
「はぁ!?」
「ちょっと、本条くん!?」
「お引き取り願います!!
…そんなに顔中にマーカーを付けて、今まで何をしていたというのか……」
本条の最後の一言にユキは反応して、ブンッと勢い良く握られた手を振り払った
「な、十六夜さん…!?」
「いい加減にして
いきなり現れて何を勘違いしたのかは知らないけど、最後の一言はクロウに失礼過ぎるわ
私は口説かれてもいないし、危険な目にもあってない!!
彼は遅刻しそうになった私を、ここまで送ってくれただけよ!!」
「え…!?」
目を見開いた本条を無視して、ユキはクロウの方を向いた
「ゴメンねクロウ
この人は放っておいていいから、仕事先に行って」
「お、おう…じゃあな」
心配そうな目を向けながら、クロウはブラック・バードでその場を後にした
「あの…」
何か言いたそうにしている本条を無視して、ユキは怒ったまま登校して行った
「…それで朝、あんなに機嫌悪かったんだ」
昼休み、中庭で昼食を取りながらユキから事情を聞いたあいりは、納得したようにフルーツティーの紙パックにストローを刺した
「うん
…善意だって分かってはいるけど、あんな言い方は無いよ」
「アサカって真面目過ぎるからね~」
「…「アサカ」?」
あいりの一言を繰り返したユキに、あいりはキョトンとなった
「あれ、知らない?
アイツは本条 アサカっていうんだよ
実家が有名な武術の道場で、最近師範代になったとか」
「そうなんだ…知らなかった」
「何それ、酷い奴ー!!」
授業が終わり夕飯作りと今朝の話を遊星に相談する為、ユキはガレージにやって来た
遊びに来ていた龍亜と龍可も、話を聞いて怒り出した
「悪気は無かったんだろうけど、何もマーカーの事言わなくても……」
「私も、そう思った
あのマーカーは、クロウが子供達を守って来た証みたいなものなのに…」
椅子に腰掛けて話を聞いていた遊星は、ユキ達の方を見た
「…クロウはあんな見た目をしているから、有らぬ誤解を受けやすい
それに1番傷付いているのも、クロウだろう」
「遊星…」
「……だが、クロウの良さを分かっている人がいない訳では無い
お前達のようにな……それとなく、気にかけてやってくれ」
「「勿論!!」」
「分かったわ
…よし、出来たっと」
料理を完成させたユキは、フライパンに蓋をした
「あー!!
美味しそうだったのに!!」
「もう、龍亜ったら意地汚い事言わないで!!
それは遊星達のご飯なんだから!!」
「分かってるって~!!」
「ホントに~!?」
龍亜と龍可のやり取りに、遊星とユキは小さく笑っていた
…翌日、ユキとリンボは教室に登校した
「おはよう、ユキ!!
……と、リンボ」
「おはよう、あいり」
「てめ…わざとやってんだろ…」
当たり前のように付け足されたリンボは、拳をフルフル震わせていた
「もう…;
それよりあいり、昨日の数学の課題の最後の問題分かった?」
「…ああ、アレね
家庭教師に最近教わったばかりの所だったから、何とか出来たよ
ユキは?」
「私は遊星に教わって、どうにか……」
「え?
遊星に勉強教えて貰ってるの!?
良いなぁ~」
「どうしても分からない所だけよ?」
「っつーか、ちょっと待て!!
何だよその課題って!?」
ユキとあいりの話に聞いて、リンボは血相を変えた
「昨日言われてたじゃない」
「どうせ、また聞いて無かったんでしょ?」
「聞いて無ぇんじゃなくて、知らねぇんだっつの」
「知らないんじゃなくて、聞いてないの」
「お、おい!!
写させ「「嫌」」言い切るなーっ!!」
「─…あの、十六夜さん……」
「「「ん?」」」
3人で騒いでいる後ろから、アサカがやって来た
「帰ったぜー」
その日の宅配を終えたクロウを、遊星とジャックが出迎えた
「早かったな」
「今日はな、明日は多めに仕事入ってんだ
…そっちはどうだ?」
「相変わらずだ
まだまだ、試行錯誤をしていかないとな」
「テストするならば呼べ、オレが協力してやる」
「ああ、助かる」
「「協力してやる」って言うぐれぇならなぁ……ジャック、てめぇも働きやがれ!!」
ビシィッという音でも聞こえそうな勢いで、クロウはコーヒーを飲むジャックを指差した
「仕方無いだろう、オレに合う仕事が無いのだ」
「だからって働かねぇ理由にはならねぇだろ「チーッス!!」
ジャックとクロウの口論を遮って、バンッと扉を開けてリンボが入って来た
「ちょっとリンボ!!」
「ノックぐらいしなさいよ!!」
リンボの後から、ユキとあいりがパタパタとガレージに入って来た
「よぉ、お前等!!」
「騒がしいな」
「どうしたんだ?」
ユキ達が来て、作業を止めた遊星が顔を上げた
「クロウへの客を連れて来たんだよ」
「はぁ?
オレに?」
「おう
…いつまでそこにいんだよ、さっさと来いよ」
「─し、失礼します」
リンボに呼ばれて入って来たのは……片手に紙袋を持ったアサカだった
「お前、昨日の…!!」
(コイツが、ユキが言っていた奴か……)
クロウのリアクションを見た遊星は、ユキの話を思い返しながらアサカを見ていた
入って来たアサカは、クロウの前に立った
「……まだ何か用「昨日は大変申し訳ありませんでした!!」か…?」
ガバッと勢い良く頭を下げられたクロウは、目を白黒させながらアサカを見詰めていた
「……何だコイツは?」
「昨日クロウに失礼な事言って、ユキに本気で怒られた人
一応、私達のクラスの学級委員よ」
いきなりの事にカップを持ったまま固まったジャックがどうにか言うと、あいりが手早く答えた
「お、おい…顔上げろよ」
「いえ…昨日僕はあなたがマーカーを付けているというだけで、敵視してしまいました
それは僕の中に、卑しい心根が有るという証拠です
しかも僕は、十六夜さんの友人であるあなたを侮辱した…十六夜さんが怒るのは当然です
なのでこうして、昨日のお詫びと僕の中に卑しい心根が有るという事に気付かせてくれた事へのお礼をしに伺いました!!」
「…今朝からずっとこうなの」
「何を言ってもこのままだし、もうどうしようもなくてさ……」
「もういっそ、謝らせてやった方が良いんじゃねぇかって事になったんで連れて来た」
事情の説明を求める無言で視線を向けた遊星に、ユキ・あいり・リンボの3人は、揃って両手を上げて御手上げのポーズをとった
その間も、クロウとアサカは問答を繰り返していた
「だから、もう怒ってねぇから謝んなっての!!」
「しかし、そういう訳には…「えーい、まどろっこしいっ!!」
問答に耐え兼ねたジャックが、バンッとテーブルを叩いて立ち上がった
「須藤、コイツはデュエルは出来るのか?」
「え?
うん…っていうか、アサカは私と同じで中等部で上位5位に入ってるよ」
「見てはいなかったけど、この前リンボに勝ってたみたいよ」
「ぅぐ……」
ユキの一言に、リンボは苦虫を噛み潰したような顔をした
「ならばアサカ、問答の決着はクロウとのデュエルで着けろ!!
いつまでもこんな話をされては、耳が痛い!!」
「…分かりました
僕の挑戦を、受けて頂けますか?」
アサカの視線に、クロウは不敵に笑った
「ヘッ
この鉄砲玉のクロウ様の実力を見せてやるぜ!!」
こうしてクロウとアサカのデュエルが決まり、遊星達はガレージの外に出た
…噴水広場で距離を取り、2人は自分のデュエルディスクを装着して起動させた
遊星達は2人のデュエルを側に控えて見守る体勢をとった
「…アサカはどんなデッキを使うんだ?」
「雷族デッキ、かな」
「ある意味、ジャックとは真逆のデッキじゃねぇか?」
「どういう意味だ?」
「見てれば分かるよ」
「「─
声が揃い、クロウとアサカのデュエルが開始された
アサカ LP 4000
クロウ LP 4000
「僕からいきます、ドロー
─手札から魔法カード『テラ・フォーミング』を発動します
このカードの効果で、デッキからフィールド魔法を1枚選んで自分の手札に加えます」
デッキから取り出した1枚のカードを、アサカはデュエルディスクの端のフィールド魔法専用の箇所にセットした
「─僕はフィールド魔法『エレキャッスル』を手札に加えて、そのまま発動します」
アサカがカードを発動すると、周りはみるみる内に稲妻を纏った玩具の城に変わっていく
「何だこりゃ…?」
「あちゃ~、もう出して来たか」
「速攻出たよ、あの面倒くせぇカード」
周りを見渡すクロウを見て言うあいりとリンボに、遊星とジャックは顔を見合わせた
「手札から『エレキトンボ』を守備表示で召喚
カードを1枚伏せて、ターンを終わります」
アサカのフィールドに、稲妻を纏ったトンボが現れて宙に浮いた
エレキトンボ
☆2 光属性 雷族 ATK 900 DEF 100
「守備力 100…?」
「次のクロウのターンで、簡単に倒されて追撃のダメージを受けるのは間違いないハズだが…」
アサカのデュエルに、ジャックと遊星は信じられないと言う顔をした
「あー…皆最初はそんな感じなのよね~」
「私も、最初はそうだったな…」
「どういう意味だ?」
「アレがアサカのやり方なんだよ」
遊星の質問に、リンボは何故か得意気に頷いた
「どういうつもりだ?」
「僕は至って大真面目です
さあ、あなたのターンですよ」
「…何だか良くは分からねぇけど、手加減はしねぇぞ!!
オレのターン、ドロー!!
『
クロウのフィールドに、黒い翼と青い鬣を持つ鳥人が現れた
BF-精鋭のゼピュロス
☆4 闇属性 鳥獣族 ATK 1600 DEF 1000
「BF……確か高い展開力が武器の闇属性 鳥獣族のシリーズ…!!」
「へぇ、知ってたのか
…自分フィールドに他のBFモンスターがいる時、『BF-黒槍のブラスト』は特殊召喚出来る!!」
クロウのフィールドのBF-精鋭のゼピュロスの隣に、大きな槍と翼を持つ鳥人が現れた
BF-黒槍のブラスト
☆4 闇属性 鳥獣族 ATK 1700 DEF 800
「アサカ、その伏せたカードは何かのトラップでオレを嵌めようって所だろ?」
「さあ、どうでしょうね…?
─永続罠カード『エレキャノン』を発動します
1ターンに1度、フィールド上にレベル4以下の雷族モンスターが召喚又は特殊召喚された時、相手に600のダメージを与える事が出来ます」
アサカのフィールドに稲妻を纏った玩具の砲台が出てきて、クロウとアサカはお互いを探り合うような眼差しを向け合った
「…何する気か知らねぇが面白ぇ、乗ってやるぜ!!
けどな、代金は高くつくぞ」
「え…?」
ニヤリと笑ったクロウは、アサカのフィールドのエレキトンボを指差した
「黒槍のブラストで、守備表示のエレキトンボを攻撃!!
黒槍のブラストは守備モンスターを攻撃した時、貫通ダメージを与えられる!!」
「そう来ましたか…!!」
「─デス・スパイラル!!」
空へ飛び上がったBF-黒槍のブラストは手にした大きな槍を構えて、回転しながら一気に急降下してエレキトンボを貫いた
「ぐうぅぅ…っ!!」
アサカ LP 4000→2400
「奴は何を考えているというんだ?
全く理解出来ん!!」
不愉快だと言わんばかりに鼻を鳴らすジャックを横目に、アサカはデュエルを続行した
「っ…多少のダメージは覚悟していましたが、まさかここまでのダメージを受ける事になるとは…予想外です
ですが、ここからが僕のデッキの力の見せ処ですよ!!」
「何ィ!?」
「まずは破壊されたエレキトンボの効果発動です
このカードが相手によって破壊された時、デッキからエレキモンスター1体を特殊召喚出来ます
僕はデッキから、『エレキツネザル』を特殊召喚します!!」
アサカのフィールドに、稲妻を纏った狐猿が現れて青くなった
エレキツネザル
☆4 光属性 雷族 ATK 800 DEF 100
「また守備力 100…って、おい
エレキってモンスターが特殊召喚されたって事ぁ…!!」
「気付かれましたか…この瞬間、永続罠 エレキャノンの効果発動です
あなたに600のダメージを与えます!!
エレキャノン、発射!!」
ドウッという音をたてて、砲身から放たれた六芒星は稲妻を纏ってクロウを直撃した
「ぐわあぁぁっ!!」
クロウ LP 4000→3400
「くぅ…やってくれるぜ
精鋭のゼピュロスでエレキツネザルを攻撃!!」
一気に飛び掛かったBF-精鋭のゼピュロスの手刀を受けたエレキツネザルは、悲鳴をあげながら破壊された
「─ッ…フィールド魔法 エレキャッスルの効果発動です
このカードがフィールドに存在する限り、エレキモンスターを攻撃したモンスターの攻撃力は、ダメージ計算後に1000ポイントダウンします」
「にゃにぃーっ!?
って事は、オレの精鋭のゼピュロスの攻撃力は……」
フィールドを支配する玩具の城から放たれた電撃がBF-精鋭のゼピュロスを直撃し、みるみる弱体化していった
BF-精鋭のゼピュロス ATK 1600→600
「なるほど、この展開を狙っていたのか」
「また面倒な……」
アサカのやり方を理解した遊星とジャックは、納得がいったように呟いた
「コレがアサカの得意戦法だ
オレもコレで、ジワジワとやられたしな……」
「っていうか、皆こんな感じでやられていくのよ」
「ある意味、トリックデュエルなのかもしれないわね」
その呟きを聞いたリンボ・あいり・ユキは強く頷いた
「…そしてエレキツネザルが相手によって破壊された時、次のあなたのターンにあなたはバトルフェイズを行う事が出来なくなります」
「にゃにィィ!?
…トリックデュエルか、面白ェ!!
オレもそういうのには、ちょいと自信が有るからな!!
どっちが上か、勝負しようじゃねぇか!!
カードを1枚伏せてターンエンドだ」
「挑むところです、負けませんよ!!
僕のターン、ドロー
─僕は手札から永続魔法『エレキュア』を発動します
自分フィールド上の雷族モンスターが相手のライフに戦闘ダメージを与えた時、自分はその数値分のライフを回復出来ます」
アサカのフィールドに、稲妻を閉じ込めた大きな球体が現れた
「そして手札から『エレキングコブラ』を召喚します」
アサカのフィールドに、稲妻を纏った赤と青のコブラが現れた
エレキングコブラ
☆4 光属性 雷族 ATK 1000 DEF 500
「永続罠 エレキャノンの効果、あなたに600のダメージを与えます
エレキャノン、発射!!」
ドウッと音を立てて放たれた稲妻の砲弾が、再びクロウを襲った
「ぐっ…」
クロウ LP 3400→2800
「─やるじゃねぇか…─罠発動『黒羽の導き』!!
自分がカード効果でダメージを受けた時、手札からレベル4以下のBFモンスター1体を特殊召喚する!!
オレは『BF-大旆のヴァーユ』を特殊召喚!!」
クロウのフィールドに、学ランを着た白い翼の小さな鳥人が現れて青くなった
BF-大旆のヴァーユ
☆1 闇属性 鳥獣族 ATK 800 DEF 0
「僕のカードを利用してきましたか…ならエレキングコブラの効果発動です!!
このカードは相手プレイヤーに、ダイレクトアタックする事が出来ます!!」
「何だとォー!?」
「エレキングコブラ、ダイレクトアタックです!!」
勢い良く地面を這ったエレキングコブラは、クロウの腕に稲妻を纏った歯をたてた
「ぐうぅぅっ!!」
クロウ LP 2800→1800
「そして永続魔法 エレキュアの効果、相手が受けたダメージと同じだけのライフを回復します」
アサカ LP 2400→3400
「ダイレクトアタック可能なモンスターと、その効果と相性の良い回復のカードか」
「アサカのエレキモンスターは、結構な数ダイレクトアタック出来るモンスターだからね
此方が幾らモンスターを召喚しても、すり抜けられちゃうのよ」
「攻撃力低いモンスターばっかだってのに、マジで強ェんだよな」
「どういう事だ?」
リンボの一言に、ジャックが反応して聞き返した
「アサカとのデュエルで、攻撃力 1600以上を見た奴はいねぇんだと」
「そりゃそうよ
アサカのデッキに、攻撃力 1600以上のモンスターはいないわよ?」
「「「何っ/何だとっ/にゃにぃーっ!?」」」
あいりの一言に、遊星・ジャック・クロウは叫びなからアサカを見た
「お前、マジかよ!?」
「はい、その通りですよ」
「「ある意味、ジャックと真逆のデッキ」とは、こういう意味か…」
「ジャックは完全パワーデッキ、だからある意味真逆のデッキなの」
アサカの返事に遊星は呆然と呟き、隣にいたユキは補足するように遊星に話した
「…デュエルを続行しますね
エレキングコブラのもう1つの効果発動です
このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、デッキからエレキモンスター1体を手札に加える事が出来ます
僕はチューナーモンスター『エレキツネ』を手札に加えます
カードを1枚伏せて、ターンエンドです」
「オレのターン、ドロー!!
─手札から魔法カード『黒羽の宝札』を発動だ!!
手札からBFモンスター1体を除外して、デッキから2枚ドローする
オレは手札の『BF-追い風のアリゼ』を除外して2枚ドローだ」
デッキからカードを引いたカードを見たクロウは、2枚の内の1枚を手に取った
「精鋭のゼピュロスと大旆のヴァーユをリリース、『BF-激震のアブロオロス』をアドバンス召喚!!」
クロウのフィールドに、大きな鉄棍棒を持った鳥人が現れた
BF-激震のアブロオロス
☆7 闇属性 鳥獣族 ATK 2600 DEF 1800
「あのモンスターは、確かカードを手札に戻す効果が2種類あったな」
遊星の声を聞きながら、クロウは目の前のBF-激震のアブロオロスを指差した
「激震のアブロオロスの効果!!
1ターンに1度このカードの攻撃力を1000ポイント下げて、相手フィールドの魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す!!」
BF-激震のアブロオロスは持ってた大きなこん棒をドオォォンッと地面に叩きつけ、アサカのフィールドのエレキャノンとエレキャッスルがアサカの方に戻っていった
BF-激震のアブロオロス ATK 2600→1600
「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
「エレキャノンのダメージを抑える為ですか…僕のターン、ドロー
再びフィールド魔法 エレキャッスルと永続魔法 エレキュアを発動、そして前のターンに手札に加えたチューナーモンスター エレキツネを召喚します」
アサカのフィールドのエレキングコブラの隣に、稲妻を纏った1匹の狐が現れた
エレキツネ
☆2 光属性 雷族 ATK 800 DEF 100
「─レベル4のエレキングコブラに、レベル2のエレキツネをチューニング」
4つの光の球になったエレキングコブラが、2つの光の円になったエレキツネをくぐり抜ける
「─無数に瞬く雷よ その輝く牙で 眼前の敵意を蹴散らせ
シンクロ召喚!!
─飛来せよ『エレキマイラ』!!」
アサカのフィールドに、稲妻を纏ったキマイラが現れた
エレキマイラ
☆6 光属性 雷族 ATK 1400 DEF 1200
「出た、アサカのエースモンスター」
「オレもアイツにやられたんだよな…」
出てきたモンスターを見て、あいりとリンボは苦い顔をした
「攻撃力 1400がエースだと?」
「どんな効果を持っているんだ?」
「恐らく、ダイレクトアタックの効果は有るだろうな」
2人の話を聞いた遊星達は、エレキマイラを見つめていた
「エレキマイラの効果発動です
このカードもエレキングコブラと同じく、ダイレクトアタックする事が出来ます!!
エレキマイラ、ダイレクトアタックです!!
─スパーク・インパクト!!」
全身に雷のエネルギーを纏ったエレキマイラが突進すると、クロウは伏せていたカードを開いた
「─させねぇぜ、罠発動『ドレインシールド』!!
相手モンスター1体の攻撃を無効にして、無効にしたモンスターの攻撃力分のライフを回復する!!」
エレキマイラの攻撃はクロウの前に張られたシールドに防がれ、シールドはキラキラと光りながらクロウに降り注いだ
クロウ LP 1800→3200
「お見事です…3枚のカードを伏せて、ターンエンドです」
「オレのターン、ドロー!!
─魔法カード『オーロラ・ドロー』発動!!
手札がこの1枚だけの時、デッキからカードを2枚ドロー出来る」
「それならこちらも、伏せていた永続罠 エレキャノンを再び発動します」
アサカのフィールドに、バチバチッと音をたてて再びエレキャノンが出て来た
「ならこっちも永続罠発動だ!!
─永続罠『闇次元の解放』、除外されている自分の闇属性モンスター1体を特殊召喚する
戻って来い、追い風のアリゼ!!」
クロウのフィールドに、黒と黄色の翼を持つ鳥人が現れた
BF-追い風のアリゼ
☆5 闇属性 鳥獣族 ATK 1200 DEF 1800
「自分フィールドに他のBFモンスターがいる時、チューナーモンスター『BF-突風のオロシ』は手札から特殊召喚出来る
来い、突風のオロシ!!」
クロウのフィールドの3体のBFモンスターの隣に、黒い小さな鳥が現れた
BF-突風のオロシ
☆1 闇属性 鳥獣族 ATK 400 DEF 600
「─レベル5の追い風のアリゼに、レベル1の突風のオロシをチューニング!!」
5つの光の球になったBF-追い風のアリゼが、1つの光の円になったBF-突風のオロシをくぐり抜ける
「─漆黒の力 大いなる翼に宿りて 神風を巻き起こせ!!
シンクロ召喚!!
─吹き荒べ『BF-アームズ・ウィング』!!」
クロウのフィールドに、鎧と銃剣で武装した鳥人が現れた
BF-アームズ・ウィング
☆6 闇属性 鳥獣族 ATK 2300 DEF 1000
「そちらもシンクロ召喚を決めてきましたか……」
「ヘヘッ、追い風のアリゼの効果!!
このカードがシンクロ召喚の素材となって墓地へ送られた時、600のライフを回復出来る!!」
半透明なBF-追い風のアリゼは、クロウに優しく風を起こした
クロウ LP 3200→3800
「まだだ、突風のオロシの効果!!
このカードがシンクロ召喚の素材として墓地へ送られた時、フィールド上のモンスター1体の表示形式を変更出来る!!
エレキマイラを守備表示に変更するぜ!!」
半透明な突風のオロシの嘴に啄かれたエレキマイラは、守りの体勢をとって青くなった
「何故守備表示に…まさか!!」
クロウの意図に気付いたように、アサカは目を見開いた
「遅いぜ、バトルだ!!
アームズ・ウィングで、守備表示のエレキマイラを攻撃!!
この瞬間、アームズ・ウィングの効果発動!!
このカードが守備表示モンスターを攻撃する時、ダメージステップ終了時まで攻撃力を500アップさせる!!」
バサッと黒い翼を広げたアームズ・ウィングは、手にした銃剣をエレキマイラに向けた
BF-アームズ・ウィング ATK 2300→2800
「更にアームズ・ウィングが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えた分だけ貫通ダメージを与える!!」
「エレキマイラ守備力は1200…!!」
「アームズ・ウィングの攻撃力は2800、大ダメージだが…」
ユキと遊星が言うと同時に、クロウはエレキマイラを指差した
「行けェ!!
─ブラック・チャージ!!」
翼で上昇したBF-アームズ・ウィングは、一気に急降下して銃剣でエレキマイラを貫いた
「ぐうぅぅ…!!」
アサカ LP 3400→1800
「ッ…フィールド魔法 エレキャッスルの効果発動です!!
エレキモンスターを攻撃したモンスターの攻撃力を1000ポイント下げます」
バリバリッと音をたててフィールドを支配するオモチャの城から放たれた電撃は、BF-アームズ・ウィングを直撃した
BF-アームズ・ウィング ATK 2300→1300
「これでお前のフィールドはがら空きだ!!
─黒槍のブラストでダイレクトアタックだ、デス・スパイラル!!」
大きな槍を構えたBF-黒槍のブラストが突進すると、アサカは伏せていた2枚のカードの片方を開いた
「─罠カード『エレキーパー』を発動します
自分の墓地のレベル4以下のエレキモンスター1体を、自分フィールドに特殊召喚します
僕はエレキトンボを、攻撃表示で特殊召喚!!」
カードから出たビックリ箱は中から雷の腕を出してアサカのデュエルディスクの墓地から、エレキトンボを引きずり出して来た
「永続罠 エレキャノンの効果を発動、600のダメージを与えます!!
エレキャノン、発射!!」
「ぐわあっ!!」
エレキャノンから放たれた稲妻を纏った六芒星が、またクロウを直撃した
クロウ LP 3800→3200
「チッ…ならエレキトンボを攻撃だ、デス・スパイラル!!」
大きな槍を構え直したBF-黒槍のブラストは、アサカのフィールドのエレキトンボを貫いた
アサカ LP 1800→1000
「ッ…破壊されたエレキトンボの効果発動です
デッキから『エレキンモグラ』を守備表示で特殊召喚します」
アサカのフィールドに現れたサングラスをかけたモグラは、守りの体勢をとって青くなった
エレキンモグラ
☆3 光属性 雷族 ATK 0 DEF 100
「激震のアブロオロスで、エレキンモグラを攻撃!!」
大きなこん棒を振りかざし、BF-激震のアブロオロスは守りの体勢のエレキンモグラを殴り倒した
「ッ…エレキャッスルの効果発動、激震のアブロオロスの攻撃力を1000ポイントダウンさせます」
オモチャの城から再び出て来た電撃が、BF-激震のアブロオロスを直撃して力を奪っていく
BF-激震のアブロオロス ATK 1600→600
「倒せなかったか…ターンエンドだ」
「クロウのモンスター達がみるみる弱体化していく…」
「ダイレクトアタックの効果を持つモンスターに、効果ダメージを与える
攻撃力が低いしクセのあるデッキだが、攻撃的だな」
遊星とジャックがアサカを評価していると、リンボは不思議そうに首を傾げた
「─けどよ、何か変じゃねぇか?」
「何が?」
「アサカの奴、何でフィールド魔法と他の効果をチェーンさせねぇんだ?
そうすればもっと追い詰められるだろ?」
「それねぇ…しないんじゃなくて、出来ないのよ」
不思議そうにするリンボに、あいりは呆れたようにため息混じりに話した
「「出来ない」って何でだよ?」
「フィールド魔法 エレキャッスルは、確かに強力な効果を持ってるわ
けど、あのカードはチェーンブロックを積めないっていう弱点があるのよ」
「だからアサカは、フィールド魔法と他の効果を別々に使っているのか」
「うん、そういう事」
「僕のターン、ドロー
カードを1枚伏せて、『エレキジ』を召喚します」
アサカのフィールドに、体に稲妻を纏った黄色と青の雉が現れた
エレキジ
☆4 光属性 雷族 ATK 1000 DEF 800
「そしてこの瞬間、エレキャノンの効果発動です
600のダメージを受けて貰います、エレキャノン発射!!」
エレキャノンから放たれた稲妻を纏った六芒星が、再びクロウを直撃した
「ぐわあぁっ!!」
クロウ LP 3200→2600
「─更に罠カード『雷の裁き』を発動します!!
自分フィールド上に雷族モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時、相手フィールド上のカード1枚を破壊出来ます
僕は激震のアブロオロスを破壊します!!」
カードから放たれた雷撃が、BF-激震のアブロオロスを直撃して破壊した
「─こちらも魔法カード オーロラ・ドローを発動します
僕の手札はこの1枚だけ、デッキからカードを2枚ドローします
─魔法カード『
チューナーモンスター『エレキンメダイ』を守備表示で召喚します」
アサカのフィールドのエレキジの隣に、稲妻を纏った金目鯛が現れて青くなった
エレキンメダイ
☆3 光属性 雷族 ATK 300 DEF 0
「チューナーモンスターってこたぁ…」
「─レベル4のエレキジに、レベル3のエレキンメダイをチューニング」
4つの光の球になったエレキジは、3つの光の円になったエレキンメダイをくぐり抜ける
「─束ねられし雷よ 獰猛たる獣となりて現れよ
シンクロ召喚!!
─来臨せよ『エレキリム』!!」
アサカのフィールドに、稲妻を纏った7つの頭を持つモンスターが現れた
エレキリム
☆7 光属性 雷族 ATK 1500 DEF 1500
「バトルです、エレキリムでダイレクトアタックします!!
─噛み砕け、サンダー・クラッシュ・ファング!!」
一気に走り出したエレキリムはクロウのフィールドの2体のBFモンスターの間をくぐり抜け、稲妻を纏った歯でクロウに噛みついた
「ぐあああっ!!」
クロウ LP 2600→1100
「永続魔法 エレキュアの効果です、ダイレクトアタックで与えたダメージと同じ数値のライフを回復します」
アサカ LP 1000→2500
「僕はこれでターンエンドです」
「オレのターン、ドロー!!
─魔法カード『アカシックレコード』を発動、デッキからカードを2枚ドローする
この時ドローしたカードがこのデュエルで使われたカードだった時、そのカードを除外する
まあオレはこのデュエルでデッキに戻したカードはねぇけどな、ドロー!!」
2枚のカードを引いたクロウは、3枚になった手札の1枚をデュエルディスクにセットした
「─魔法カード『フェザー・ウィンド・アタック』発動!!
自分フィールドのBFモンスター1体をデッキに戻して、デッキからBFモンスター1体を手札に加える
黒槍のブラストをデッキに戻して、デッキから『BF-二の太刀のエテジア』を手札に加える
─更に墓地の大旆のヴァーユの効果!!
このカードが墓地に存在する時、チューナー以外の墓地のBFモンスター1体を選択する
選択したモンスターとこのカードを除外して、2体のレベルの合計と同じレベルのBFシンクロモンスター1体を、効果を無効化して特殊召喚する!!」
「えっ…!?」
「オレは墓地の大旆のヴァーユと、激震のアブロオロスを除外する!!」
「大旆のヴァーユのレベルは1、激震のアブロオロスのレベルは7」
「合計レベルは8、という事はヤツか……」
墓地を操作するクロウを見て、遊星とジャックはクロウが召喚するモンスターを思い浮かべていた
「─吹き荒べ嵐よ 鋼鉄の意志と光の速さを得て その姿を昇華せよ!!
─『BF-孤高のシルバー・ウィンド』!!」
クロウのフィールドに、長刀を持った黒と銀の翼を持った鳥人が現れた
BF-孤高のシルバー・ウィンド
☆8 闇属性 鳥獣族 ATK 2800 DEF 2000
「攻撃力 2800…!!」
「孤高のシルバー・ウィンドで、エレキリムを攻撃!!
─パーフェクト・ストーム!!」
BF-孤高のシルバー・ウィンドが巻き起こした嵐がエレキリムを襲う前に、アサカの伏せカードが開いた
「─罠カード『和睦の使者』を発動します
このカードを発動したターン、僕はダメージを受けず僕のモンスターは破壊されません」
アサカとエレキリムの前に現れた水色のローブの一団がバリアを張り、BF-孤高のシルバー・ウィンドの攻撃を防いだ
「─フィールド魔法 エレキャッスルの効果で、孤高のシルバー・ウィンドの攻撃力を1000ポイント下げます」
玩具の城から放たれた電撃が、シルバー・ウィンドを直撃し、みるみる内に弱体化していった
BFー孤高のシルバー・ウィンド ATK 2800→1800
「─手札の二の太刀のエテジアの効果発動!!」
「なっ…さっき手札に加えたカード!?」
「自分フィールドに存在するBFモンスターが相手モンスターとバトルを行ったダメージステップ終了時にその相手モンスターがフィールドにいる時、手札からこのカードを墓地に送って相手に1000ポイントのダメージを与える!!」
目の前に袴着の鳥人が二降りの長刀を構えながら現れ、怯むアサカに二の太刀を浴びせた
「ぁぐ…っ!!」
アサカ LP 2500→1500
「っ…とても芸達者な方ですね」
「へへっ
お前がモンスターを守るのは予想してたからな
アームズ・ウィングを守備表示に変更、カードを1枚伏せてターンエンドだ
─ついでだから言っておくぜ、オレの残りの手札はダイレクトアタックされたら発動出来るカードだ」
「えっ…?」
「アイツ、何を言ってるんだ?」
いきなりのカミングアウトに、対峙するアサカとデュエルを見守るジャックは怪訝そうにクロウを見つめた
「どういうつもりですか…?」
「それはお前が考えな
さあ、お前のターンだぜ」
「っ…僕のターン、ドロー」
手札が無い状態でカードを引いたアサカは、引いたカードをそのままデュエルディスクにセットした
「─装備魔法『エレキューブ』をエレキリムに装備します
このカードは雷族モンスターにのみ装備可能で、装備モンスターの攻撃力は自分の墓地の雷族モンスターの数×100ポイントアップします
僕の墓地の雷族は8体、エレキリムの攻撃力は800ポイントアップします」
エレキリム ATK 1500→2300
「攻撃力がクロウのモンスターを上回った…!!」
ユキが言うのを合図にしたように、アサカはモンスターに指示を出した
「バトルです!!
─エレキリムで……孤高のシルバー・ウィンドを攻撃!!
─サンダー・クラッシュ・ファング!!」
エレキリムの7つの頭が、稲妻を纏った歯でBF-孤高のシルバー・ウィンドを噛み砕いた
「ぐっ…」
クロウ LP 1100→600
「永続魔法 エレキュアの効果発動です
相手に与えたダメージ分、僕はライフを回復します」
アサカ LP 1500→2000
「─掛かったな!!」
モンスターを倒されたクロウは、勝利を確信したように声を張り上げた
「なっ…!?」
「─罠発動『ブラック・サンダー』!!
自分フィールド上のBFモンスターが破壊された時、相手フィールド上のカード1枚につき400ポイントのダメージを与える!!」
「そんな…!?」
「アサカのフィールドのカードは、エレキリム・エレキュア・エレキャッスル・エレキャノン・エレキューブの5枚」
「合計 2000のダメージ、クロウの勝ちだな」
「散々電撃喰らわされたからな、お返しだ!!
─喰らえ、ブラック・サンダー!!」
カードから放たれた黒い雷撃が、アサカを直撃してライフを削り切った
「うわああぁぁっ!!」
アサカ LP 2000→0
「危なかったぜ…」
「─本当はギリギリだったんじゃないか?」
「バレてやんの」
「「「「え?」」」」
遊星の質問にいたずらっ子の顔をして返したクロウは、困惑するユキ・リンボ・あいり・アサカに最後の手札を見せた
「─『BF-熱風のギブリ』…?」
「ダイレクトアタックされた時に手札から特殊召喚出来るカードって事か…?」
「けどバトル中に特殊召喚が成功しても、バトルが巻き戻るだけでアサカはダイレクトアタックできたハズ…」
「─じゃあさっきのクロウのカミングアウトって、ハッタリだったのかよ!?」
「正確に言うと、本当半分嘘半分って感じじゃない?」
「駆け引き勝負に負けてしまいましたか…」
デュエルディスクを片付けたアサカは、悔しそうに呟いた
「お前、結構やるじゃねぇか」
「ああ
攻撃力こそ低いが、敵に回すと厄介なデッキだったな」
「たまには、こういうデュエルも良いだろう」
デュエルディスクを片付けたクロウが言うと、遊星とジャックがアサカに近寄った
「ありがとうございます
デュエルの腕も、もう少し鍛えます…また、お手合わせ願えますか?」
「おうっ!!
いつでも来な!!」
「はい
…では、今日はこれで失礼します」
デュエルディスクを鞄にしまったアサカは、側に置いてあった荷物を抱えた
「何だ、もう帰るのか?」
「今日はこれから、実家の道場の門下生達に武術の稽古をつける予定なんですよ
それに課題も出されましたし」
「リンボ、今日は忘れちゃダメよ」
「ゥゲッ…!!」
ユキに言われたリンボは、ギクリとして肩をビクつかせた
「そうそう
結局、今日も課題忘れになってたじゃない」
「だから、昨日は課題なんて無かったっての!!」
「「無かった」んじゃなくて、「忘れてた」なの
終わるまで、今日は夕飯食べさせないからね」
「ちょっ、嘘だろーっ!?」
ムンクの叫びと同じ顔になったリンボの悲鳴が、噴水広場に響き渡った
新しいオリキャラ 真面目な学級委員、アサカが登場です
実はアサカは、前の話にも少しだけ出ていました…名前は出してませんでしたけどね
アサカのデッキ エレキデッキは光属性 雷族…マイナーだと思われる方もいらっしゃるかもです
でも実際にデュエルしたら結構強いんですよ、いや本当に
他にもオリジナルのキャラはちょこちょこ出していくつもりですが、遊星達と仲良くなる又はある程度関わらせるキャラは、アサカで最後にしようと思っています