遊戯王5D´s  絆の物語   作:なおにぃ

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レベル 3  開幕 フォーチュン・カップ

フォーチュン・カップ当日、会場のデュエルスタジアムで龍可に変装(?)した龍亜が準備を調えた

 

「よーし!!

どう、遊星!?

龍可にそっくりでしょ?」

 

「流石双子、全然分かんないよ!」

 

「でしょでしょでしょーー!!?」

 

矢薙に褒められてはしゃぐ龍亜の足を、地味な格好にフードを目深にかぶった龍可が蹴飛ばした

 

「あいてっ!!」

 

「わたし、そんなんじゃない!!

ユキさんもそう思うでしょ!?」

 

鬼気迫る勢いの龍可と、子供とは思えない厚化粧の龍亜にユキは口元を引き攣らせた

 

「ま、まあ…確かに…コレはちょっと…」

 

「ちゃんとやるから安心しろって!!

…じゃあ遊星・ユキさん、行きましょうか?」

 

龍亜のお世辞にも似ていない龍可の声マネに促され、出場する遊星とユキは歩き出した

 

「ああ…化粧は止めたほうがいい」

 

「うん、今すぐに戻しておきなさいね」

 

「あ、やっぱりぃ~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開始時刻になり会場が歓声に包まれる中、突然起こった突風から『レッド・デーモンズ・ドラゴン』が姿を現した

 

それを見た独特な髪型の実況はマイク片手に叫び出す

 

『現れたのはレッド・デーモンズ・ドラゴンだーっ!!

そしてこのホイール音はーっ!!?』

 

出て来たジャックは、レッド・デーモンズの下に白いD-ホイール 『ホイール・オブ・フォーチュン』を止める

 

「キングは1人、このオレだ!!

オレとデュエルするのは誰だ!?」

 

『キングとのドリームマッチをかけてデュエリスト達よ!!

いざここに!!』

 

実況のセリフで奈落の装置から出場選手が一斉に上がって来る

 

龍可に変装した龍可・ユキ…と次々に顔がモニターにアップされ、最後に遊星の顔がアップされた途端、観客は遊星へのブーイングを始めた

 

「「遊星/さん……」」

 

両隣で心配そうに見る龍亜とユキを、遊星は片手で制した

 

「心配するな」

 

騒然とする会場で選手の1人が実況のマイクを奪い取った

 

『お集まりの諸君!!

私の名はボマー、ここに立つデュエリストとして諸君が一体何を見ているのか問いたい』

 

ボマーと名乗った男は、遊星の方を向いて演説を続けた

 

『この男は我々と同じ条件で選ばれた……紛れもないデュエリストだ!!

カードを持てば、マーカーがあろうがなかろうが皆同じだ

この場に立っている事に何ら恥じるモノはない

むしろ、くだらぬ色眼鏡で彼を見る諸君の言葉は……暴力に他ならない!!』

 

ボマーが言い終えると治安維持局 局長 レクス・ゴドウィンが拍手を始め、つられるように観客達は拍手し始めた

 

ボマーはゴドウィンに一礼して、実況にマイクを返した

 

『心強い言葉をありがとう、ボマー君』

 

ゴドウィンは演説台へ登り、マイクのスイッチを入れた

 

『私がこの場を用意したのは、まさに今君が語った事が全てなのです

私はレクス・ゴドウィン、ネオドミノシティ 治安維持局を預かる者

そして、日頃の治安維持への感謝を込めて、この大いなるデュエルの祭典を企画した者であります!!

デュエリストは、身分も貧富の差も関係ありません!!

真の平等がここにあるのです!!』

 

ゴドウィンが手を挙げた瞬間、観客が一斉に盛り上がる

 

(胡散臭い人…)

 

そう思ったユキだったが、口に出さずに黙っていた

 

「さぁーっ!!

1回戦の組み合わせを発表するぞー!!」

 

モニターの顔写真がランダムに対戦カードに変わっていく

 

「わぁ!!

オレ第1試合だ!!

やったー!!」

 

龍亜は対戦相手のボマーを、熱い眼差しで見つめていた

 

 

 

 

 

第3試合の遊星と第4試合のユキは、選手控室へ向かっていく

 

向かう中ユキは、選手の中で自分以外のもう1人の女性に目を向けた

 

(─やっぱり、あなたもここに来たのね……十六夜 アキ…!!)

 

 

 

 

 

 

……第1試合 龍可(…に変装した龍亜)VSボマーのデュエル

 

龍亜は以前遊星に忠告された事を全ては理解出来ずに、また自分勝手なデュエルを行いボマーに敗れた

 

開会宣言での勇姿と第1試合のデュエルで、ボマーは観客達から絶大な人気を得た

 

……だが、続く第2試合で事件は起きた

 

対戦カードは、ジル・ド・ランスボウVS十六夜 アキ

 

独りよがりな正義を振りかざすジルに、植物族デッキを使用するアキは一切反応を見せずに淡々とデュエルを行い、黒薔薇の竜『ブラック・ローズ・ドラゴン』をシンクロ召喚し自身が黒薔薇の魔女である事を証明した

 

それでも食らいつくジルは、アキのライフを残り50まで削り取った

 

アキのフィールドには、フィールド魔法『ブラック・ガーデン』と『ローズ・トークン』が3体のみ

 

ローズ・トークン×3

☆2 闇属性 植物族 ATK 800 DEF 800

 

対してジルのフィールドには、『マスクド・ナイトLv7』と伏せカードが1枚あった

 

マスクド・ナイト Lv7

☆7 地属性 戦士族 ATK 2900 DEF 1800

 

 

 

 

 

 

「終わったようだな……」

 

「勝負はまだついていない」

 

「焦ってはダメですよ、ボマーさん」

 

控室のモニターでデュエルを観戦しながらジルの勝ちを予想するボマーに、遊星とユキは反論した

 

「君達は随分と肩入れするんだな、アイツに……」

 

(だって、あの人は……)

 

ユキはアキの勝利を確信した眼差しで、モニターを睨んでいた

 

 

 

 

 

 

 

「魔女よ!!

これがお前のラストターンだ、最早お前に逃げる道はない!!」

 

「そう…このターンで、終わる……」

 

「何っ!?」

 

言い切ったアキは無表情なまま、カードをドローした

 

「ドロー」

 

(臆するな…これは魔女の策略……我が優位は圧倒的

魔女に可能なのは、ローズ・トークンをリリースしてアドバンス召喚を狙うくらいのもの……そして、ブラック・ガーデンの効果で我がフィールドに現れたローズ・トークンを召喚したモンスターで叩く、そんな所だろう…

だが、それをやった瞬間お前は破滅する!!

何故なら我が伏せたカードは『殉教者の旗』

このカードを発動すれば、我がマスクド・ナイトLv7の攻撃力は倍になるからだ!

来い、返り討ちにしてくれる!!)

 

策に嵌まるのを待つ狩人の眼差しで、ジルはアキを睨んだ

 

「フィールド魔法、ブラック・ガーデンの効果……」

 

「何!?

何が起きている!?」

 

「このカードとフィールド上の全ての植物族モンスター破壊し、その攻撃力の合計と同じ攻撃力のモンスターを墓地から特殊召喚する」

 

アキの説明にならうように、黒薔薇の庭園はローズ・トークンと共に枯れていく

 

 

 

 

 

「何だと!?」

 

「何?」

 

「まさか…!!」

 

「ローズ・トークンの攻撃力は800、それが3体…まさか!!」

 

観客席の龍亜達は、アキが召喚するモンスターを予想して体を硬直させた

 

 

 

 

 

 

「─ブラック・ローズ・ドラゴンを召喚!!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン

☆7 炎属性 ドラゴン族 ATK 2400 DEF 1800

 

フィールド魔法 ブラック・ガーデンが消えて、マスクド・ナイトは棘の呪縛から解放された

 

マスクド・ナイトLv7 ATK 1450→2900

 

「攻撃力 2400のブラック・ローズ・ドラゴンでは、分が悪すぎる!!

何故ブラック・ガーデンを捨てた!?

これでは自ら勝ち目を消すようなモノではないか!!

魔女め、追い込まれて血迷ったか!?」

 

 

 

 

 

 

「奴の言う通りだ、これで勝負はついたな」

 

「ああ……彼女の勝利でな」

 

「何?」

 

モニターで観戦するボマーが、ジルの勝利を確信していたボマーは、遊星の意見に眉をしかめた

 

それに続くように、ユキはモニターに映るジルを見つめて冷たい口調で言い切った

 

「あの程度のデュエリストじゃ、彼女を倒す事は不可能よ

(そう…あの黒薔薇の魔女は、私が……!!)」

 

 

 

 

 

 

「…ブラック・ローズ・ドラゴンの効果

墓地の植物族モンスターを除外する事で、お前のモンスターの攻撃力を0にする

─ローズ・リストリクション」

 

棘のついた黒い蔓がマスクド・ナイトに巻きついていく

 

マスクド・ナイトLv7 ATK 2900→0

 

「こ、攻撃力 0だと!?

殉教者の旗を発動して攻撃力を倍にしたとしても0のままではないか!?」

 

勝敗が決まり、アキは静かに最後のバトルの宣言を行った

 

「……バトル

偽りの正義をかざす騎士よ…冷たい悲しみの炎を受けるがいい…」

 

「や…止めろォー!!

止めてくれェーーー!!!!」

 

「─ブラック・ローズ・フレア!!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴンが放った黒薔薇の炎は、ジルとマスクド・ナイトを焼き尽くす

 

ジル LP 1350→0

 

ライフの尽きたジルは黒こげになり、その場に倒れた

 

「……きゃあああーー!!!」

 

観客の女性が叫び出すのを皮切りに、客達は一斉にアキへブーイングを始める

 

そんな観客席の隅で、1人の男がアキを見ていた

 

「よくやった十六夜

だが、勝利に傲ってはならない

お前の戦いは始まったばかりなのだから」

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