遊戯王5D´s  絆の物語   作:なおにぃ

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レベル 4  明かされる正体 降臨する翡翠竜

フォーチュン・カップ 1回戦 第3試合

 

遊星の相手は、以前ジャックに負けたD-ホイーラー 炎上 ムクロだった

 

激しいスピードのライディングデュエルを制したのは、遊星だった

 

 

 

 

…第4試合開始までのインターバルの時間、怪しい笑みを浮かべたイェーガーは部屋の前で立ち止まり、ノックしてから部屋に入った

 

室内では眼鏡をかけた男が1人、机の上に大量の本を積んで、起動しているパソコンのディスプレイにはユキのデータが細々と記されていた

 

「あなたの出番ですよ」

 

「いよいよオレの仕事か…あの女の14年間の情報はこの40枚に集約された」

 

「流石はプロファイラー…」

 

「お前が望むモノ…暴き出してやる

その時は報酬の5倍もらいたいもんだ」

 

「ヒッヒッヒッヒッ…」

 

その場に男とイェーガーの卑しい笑い声が、静かに響いた

 

 

 

 

 

 

『さぁー!!

待ちに待った1回戦、第4試合!

対戦カードは、デュエルの仕事人 来宮 虚堂!

対するは、実績 経歴何一つとして不明な14歳の謎の可憐な美少女、東城 ユキー!!』

 

第3試合の熱が冷めないまま、司会の実況に観客達は盛大に盛り上がりを見せた

 

「次はユキ姉ちゃんのデュエルだ!!」

 

「ユキさんなら、大丈夫だとは思うけど…」

 

はしゃぐ龍亜とは対照的に、龍可は不安そうに右腕を押さえていた

 

「どうしたの、龍可?」

 

「けど、何だよ?」

 

顔を覗き込む天兵と龍亜に、龍可はフィールドに立つユキを見ていた

 

「…何だか、凄く嫌な胸騒ぎがするの」

 

暗くなったその場の空気を変えるように、矢薙は惚けたように言った

 

「……そういえば、お嬢ちゃんのデッキはどんなデッキなんかねぇ?」

 

「風属性デッキだよ

オレ、前にユキ姉ちゃんとデュエルした事あるんだ」

 

 

 

 

 

「「─決闘(デュエル)!!」」

 

互いのデュエルディスクが起動して、ユキVS来宮 虎堂のデュエルが始まった

 

ユキ LP 4000

来宮 LP 4000

 

「私のターン、ドロー

『ガスタ・ガルド』を守備表示で召喚」

 

ユキのフィールドに、翡翠色の鳥が現れて青くなった

 

ガスタ・ガルド

☆3 風属性 鳥獣族 ATK 500 DEF 500

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

「…ククククク」

 

ユキの出方を見た来宮は、卑しく笑い出した

 

「……何?」

 

「ククク、風属性の鳥か

鳥や風から連想出来るものは自由、お前が手に出来なかった物だな」

 

(この人、何を……?)

 

謎の発言をする来宮に、ユキは警戒心を持ち始めた

 

「オレのターン、ドロー

『怨念のキラードール』を召喚」

 

来宮のフィールドに、斧を持った不気味な人形が現れた

 

怨念のキラードール

☆4 闇属性 悪魔族 ATK 1600 DEF 1700

 

「怨念、お前にはピッタリの言葉だな……お前は数え切れない程の人々を傷付けて来たんだからなァ!!」

 

来宮の発言に観客達は戸惑い、ユキはある確信を持った

 

(この人、まさか…!!)

 

「バトルだ!!

怨念のキラードールで、ガスタ・ガルドを攻撃!!」

 

キラードールの斧が、ガスタ・ガルドを真っ二つに斬り裂いた

 

「っ…ガルドの効果発動

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、デッキからレベル2以下のガスタと名のつくモンスターを1体 特殊召喚出来る

デッキから『ガスタ・ファルコ』を守備表示で特殊召喚」

 

ガルドが消えたフィールドに、緑色の小さな鷹が現れて青くなった

 

ガスタ・ファルコ

☆2 風属性 鳥獣族 ATK 600 DEF 1400

 

「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ

この2枚は片方がお前の運命が変わったあの日を、もう片方がお前の存在そのものを表している」

 

 

 

 

 

 

「何だ?

さっきからアイツ、妙な事ばかり言いやがって…」

 

観客席にいる氷室は、来宮の発言に首を傾げていた

 

「そうじゃのぅ」

 

「何か、挑発的っていうか…侮蔑的っていうか……」

 

「何でユキ姉ちゃんの悪口言うんだよ!!」

 

氷室に続くように矢薙・天兵・龍亜が怒る中、龍可は右腕を押さえ続けていた

 

(何なの?

この、凄く悲しい感じは……?)

 

 

 

 

 

 

「私のターン、ドロー

…『ガスタ・コドル』を守備表示で召喚」

 

ユキのフィールドのガスタ・ファルコの隣に、深緑色の鳥が現れて青くなった

 

ガスタ・コドル

☆3 風属性 鳥獣族 ATK 1000 DEF 400

 

 

 

 

 

 

…試合を終えてD-ホイールのメンテをしながらモニターで観戦していた遊星は、ユキの次の手を推測して呟いた

 

「ガスタ・ファルコはチューナー、という事は……」

 

 

 

 

 

 

 

「─レベル3 ガスタ・コドルに、レベル2 ガスタ・ファルコをチューニング」

 

2つの光の輪になったガスタ・ファルコを、3つの光の球となったガスタ・コドルがくぐり抜ける

 

「─大空に舞う大鳥よ 雷鳴と旋風轟かせ その力を振るえ

シンクロ召喚!!

─鳴り響け 『ダイガスタ・ガルドス』!!」

 

ユキのフィールドに、稲妻を瞬かせた杖を持つ少女を乗せた深緑色の大鳥が現れた

 

ダイガスタ・ガルドス

☆5 風属性 サイキック族 ATK 2200 DEF 800

 

 

 

 

 

「ユキ姉ちゃんが先にシンクロモンスターを出した!!」

 

「ユキさんは鳥獣族デッキかと思ってたけど、サイキック族も使うんだ…」

 

「ガスタシリーズは、風属性 サイキック族がメインのモンスターだ

鳥獣族は、あくまでサポートだな」

 

「「「へぇ~/ほぉ~」」」

 

氷室の解説に、龍亜・天兵・矢薙が関心したようなため息をついた

 

「氷室ちゃん、物知りじゃのぅ」

 

「あのなぁ……」

 

矢薙の呑気な一言に、氷室は脱力感に襲われた

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダイガスタ・ガルドスのモンスター効果発動

1ターンに1度、自分の墓地のガスタと名のついたモンスター2体をデッキに戻す事で、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体を破壊する」

 

ユキは墓地から、ガスタ・コドルとガスタ・ファルコを取り出した

 

「私はこの2枚をデッキに戻し、怨念のキラードールを破壊する

─ディーム・ウィン!!」

 

ダイガスタ・ガルドスに乗る少女の杖から放たれた稲妻を纏う風が、怨念のキラードールを包み込んで破壊した

 

「チッ…!!」

 

「ガルドスでダイレクトアタック

─行け、ストーム・ヴォルト!!」

 

大鳥が上昇し、少女の杖が稲妻の嵐を来宮に浴びせた

 

「ぐあああああーっ!!」

 

来宮 LP 4000→1800

 

 

 

 

 

「やった!!

ユキ姉ちゃんが有利になった!!」

 

「敵のライフは残り半分を切ってる、このまま押せば…!!」

 

 

 

 

 

「…ククク、フハハハハハ!!」

 

いきなり笑い出した来宮に、ユキは警戒して1歩後ろに下がった

 

「ククク……何だこの攻撃は?

痛くも痒くも無いじゃないか!!

お前の本当の力で攻撃してみろよォ!!」

 

来宮の一言で、観客達はざわつき始めた

 

「隠しても無駄だ!!

お前の14年間は全て調べさせて貰ったからなァ!!

─東城…いや、黒薔薇の魔女 十六夜 アキの妹、堕天の魔女 十六夜 ユキ!!」

 

明かされた異名と本名に、ユキは来宮に憎悪の眼差しを向けた

 

その名前を聞いた観客達は、一斉にユキを恐怖の対象として見始めた

 

「堕天の魔女!?」

 

「アイツが!?」

 

「姉妹揃って魔女なのかよ!!」

 

「ヤダ、怖い…!!」

 

 

 

 

 

 

「ユキ姉ちゃんが…」

 

「堕天の魔女…?」

 

話を聞いた龍亜と天兵は、呆然とフィールドのユキを見つめた

 

「こいつはたまげたねぇ……ん?

どうした、龍可ちゃん?」

 

矢薙の声に龍亜と天兵が振り返ると、龍可は右腕を強く押さえていた

 

「腕が…熱い……!!」

 

龍可の右腕は、微かに赤く光っていた

 

 

 

 

 

 

 

「…何だ、アイツのやり方は?」

 

ビップ席でデュエルを見ていたジャックは来宮のデュエルに疑問を感じて、隣にいたゴドウィンに顔を向けた

 

「こんなデュエルもあるのです

あの来宮という男は、プロファイラーと呼ばれるデュエリストです」

 

「左様…」

 

引き継ぐように言いながら、イェーガーが後ろからやって来た

 

「対戦前に相手のプロフィールを調べつくし、デッキを組み上げるのです

ヒッヒヒヒヒ……」

 

「……フン」

 

その答えに、ジャックは不愉快そうに鼻を鳴らした

 

 

 

 

 

 

「お前達姉妹の存在、それはコレだ!!

─罠カード『罪と罰』を発動!!

自分が直接攻撃でダメージを受けた時、攻撃モンスターを破壊する…消えろ、魔女の下僕が!!」

 

カードから放たれた不快な音波を浴びたダイガスタ・ガルドスは、体を軋ませながら破壊された

 

「っ……」

 

「更にバトル終了後、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚する

オレは『メタボ・サッカー』を守備表示で特殊召喚!!」

 

来宮のフィールドに、紫の頭と茶色のヒョロヒョロな体の悪魔が現れた

 

メタボ・サッカー

☆3 闇属性 悪魔族 ATK 800 DEF 300

 

「……ターンエンド」

 

「オレのターン、ドロー!!

メタボ・サッカーをリリースして、『虚無魔人(ヴァニティー・デビル)』をアドバンス召喚!!」

 

ヒョロヒョロの悪魔が消え、赤い髪に黒いローブの男が現れた

 

虚無魔人(ヴァニティー・デビル)

☆6 闇属性 悪魔族 ATK 2400 DEF 1200

 

「このモンスターは、お前そのものだな

お前は他人と仲良く有りたいと願う…だが、お前はその力のせいで周りから疎まれて来た……結果、お前に残ったモノ…それは虚無だ!!

まあ当然だよな、お前みたいな化け物と一緒にいたいと思う奴なんかいる訳がねぇからなァ!!」

 

一方的に話す来宮を、ユキは表情を変えずに憎悪の眼差しで見ていた

 

「チッ、気に入らねぇなその目

…メタボ・サッカーのモンスター効果、コイツをリリースして闇属性モンスターをアドバンス召喚した時、自分フィールドに『メタボ・トークン』を3体 守備表示で特殊召喚できる!!」

 

来宮のフィールドに、ヒョロヒョロな悪魔が3体現れた

 

メタボ・トークン×3

☆1 闇属性 悪魔族 ATK 0 DEF 0

 

「─このトークン3体をリリースして、『マッド・プロファイラー』を特殊召喚!!」

 

トークン達が光に包まれ、ワーカーホリックの科学者な悪魔が現れた

 

マッド・プロファイラー

☆8 闇属性 悪魔族 ATK 2600 DEF 1600

 

「このモンスターは、自分フィールドのモンスターを3体リリースして特殊召喚できる

バトルだァ!!

くたばりやがれ、化け物がァ!!」

 

2体の悪魔がユキへ襲い掛かっていく

 

「まずいよっ!!

攻撃力 2400と2600のダイレクトアタックを受けたら、ユキ姉ちゃんのライフがぁ!!」

 

龍亜が叫ぶ中、フィールドのマッド・プロファイラーがユキを襲う

 

「マッド・プロファイラー!!

魔女を攻撃しろォ!!」

 

マッド・プロファイラーの放った不気味な硫酸が、ユキに向かっていく

 

「─…罠発動『ガード・ブロック』

相手の戦闘ダメージを、1度だけ0にする」

 

ユキの前に出たバリアが、マッド・プロファイラーの攻撃を防いだ

 

「その後、カードを1枚ドローする」

 

「だが、この攻撃は防げねぇ!!

行け、虚無魔人(ヴァニティー・デビル)!!」

 

虚無魔人(ヴァニティー・デビル)が広げたローブの中から出た闇の衝撃がユキを襲った

 

ユキ LP 4000→1600

 

「良いぞーっ!!」

 

「魔女を倒してしまえーっ!!」

 

ダメージが発生して観客達が来宮を応援するが、ユキは何事も無かったように黙り込んだままだった

 

「黙りかよ、気持ち悪ィ化け物め……カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

「…私のターン

─手札を1枚墓地へ送り、魔法カード『ライトニング・ボルテックス』を発動

相手フィールドの表側表示のモンスターを全滅させる…いけ」

 

来宮が話せば話す程冷たくなっていくユキの一声で落ちた雷は、来宮の2体の悪魔モンスターを破壊した

 

「チッ…!!

どうした、力を使ってみろよ!!

姉のようにその化け物の力を見せて見ろよ魔女がァ!!」

 

「あなたに力を使ってやる価値を見出だせない

けど…そんなにあの身の程知らずで愚かな騎士の後を追いたいなら、使ってあげてもいいわ……命の保障は無いけれど」

 

底冷えする程に冷たい声に観客達は怯え、遊星達は戸惑いを隠せずにいた

 

「……ライトニング・ボルテックスの際に墓地へ送った『ガスタ・グリフ』の効果発動

グリフが手札から墓地へ送られた時、デッキからガスタと名のつくモンスターを1体 特殊召喚できる…『ガスタの静寂 カーム』を特殊召喚」

 

ユキのフィールドに、物静かな雰囲気を纏った少女が現れた

 

ガスタの静寂 カーム

☆4 風属性 サイキック族 ATK 1700 DEF 1100

 

「…カームの効果発動

1ターンに1度、墓地のガスタと名のつくモンスター2体をデッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローする

私はガルドスとグリフをデッキに戻して、カードを1枚ドローする」

 

墓地から1枚をデッキに、もう1枚をエクストラデッキに戻してカードを引いたユキは、そのカードをディスクにセットした

 

「チューナーモンスター『ガスタ・イグル』を守備表示で召喚」

 

ガスタの静寂 カームの隣に、緑色の小さな鳥が現れて青くなった

 

ガスタ・イグル

☆1 風属性 鳥獣族 ATK 200 DEF 400

 

 

 

 

 

「チューナーモンスター…って、何だっけ?」

 

「「だぁーかぁーらぁーっ!!」」

 

大会が始まって何回目か分からない矢薙のボケに、龍亜と天兵が同時にツッコんだ

 

 

 

 

 

 

「─レベル4のガスタの静寂 カームに、レベル1のガスタ・イグルをチューニング」

 

4つの光の球になったガスタの静寂 カームが、1つの光の輪になったガスタ・イグルをくぐり抜ける

 

「─大空に舞う大鳥よ 雷鳴と旋風轟かせ その力を振るえ

シンクロ召喚

─再び鳴り響け ダイガスタ・ガルドス…!!」

 

ユキのフィールドに、再びダイガスタ・ガルドスが降り立った

 

「チッ、またそいつか!!」

 

「ダイガスタ・ガルドスで、ダイレクトアタック

─ストーム・ヴォルト…!!」

 

大鳥に乗る少女が、稲妻を纏う嵐を来宮に放った

 

「─罠発動『反転世界(リバーサル・ワールド)』!!

フィールド上の全ての効果モンスターの攻撃力と守備力を入れ替える!!」

 

ダイガスタ・ガルドス ATK 2200→800 DEF 800→2200

 

「構わない、攻撃続行っ」

 

ダイガスタ・ガルドスの攻撃で、来宮は感電して悲鳴をあげた

 

「ぐああああぁーっ!!」

 

「…お望み通り、力を少しだけ使ってあげたわ」

 

それを見た観客達は悲鳴をあげて、ユキを蔑み始めた

 

「魔女だ!!」

 

「本当に黒薔薇の魔女と同じ力だ!!」

 

来宮 LP 1800→1000

 

「ぐぅ…痛ェ……これが魔女の力か…この力が覚醒したのはお前が8歳の頃だ

10月14日、友人とのデュエル中お前は力を使って大木を破壊した

その日を境に、お前は孤立した…お前の世界は反転した!!」

 

「……残りの手札4枚全てを伏せて、ターンエンド」

 

平静を装った来宮だったが、内心ユキを恐れていた

 

(体が引き裂かれる…!!

さっきまではこんな事無かったってのに、魔女は本気でオレの命を削る気だ…!!

ライフが0になったら報酬どころじゃない!!

オレの命まで…割りに合わねぇぞ!!)

 

 

 

 

 

 

「……阿久津くん、どうですか?」

 

個室でデュエルを観戦するゴドウィンは、別のモニターで1人の研究員と話していた

 

『モォーメントは微かに動いております』

 

「そうですか……引き続き、観測をお願いします」

 

『分かりました』

 

通信を切ったゴドウィンに、椅子に腰掛けるジャックは話し掛けた

 

「─あの女が『シグナー』だと言うのか?」

 

「その可能性は極めて高いです

このデュエルで、彼女がシグナーかどうかがハッキリするでしょう」

 

 

 

 

 

 

「…オレのターン!!

リバースカードを発動!!

─永続罠カード『リビングデットの呼び声』、自分の墓地のモンスターを特殊召喚する!!

戻って来い、マッド・プロファイラー!!」

 

来宮のフィールドに、再びマッド・プロファイラーが現れた

 

「バトルだ!!

マッド・プロファイラーでダイガスタ・ガルドスを攻撃!!」

 

マッド・プロファイラーが放った不気味な硫酸で、ダイガスタ・ガルドスはあっという間に溶かされる前に、ユキの4枚の伏せカードの内の1枚が開いた

 

「─罠発動『サイコ・ヒーリング』

自分フィールドのサイキック族モンスターの数×1000ポイントのライフを回復」

 

「バカめ!!

お前のフィールドのモンスターは1体、回復出来るライフは1000!!

この攻撃でお前の残りライフはたったの800になるだけじゃねぇか!!」

 

「─更に速攻魔法『緊急テレポート』を発動

手札かデッキから、レベル3以下のサイキック族モンスターを1体 特殊召喚出来る

デッキから『ガスタの巫女 ウィンダ』を守備表示で特殊召喚」

 

ユキのフィールドに、緑の髪の快活そうな少女が現れた

 

ガスタの巫女 ウィンダ

☆2 風属性 サイキック族 ATK 1000 DEF 400

 

 

 

「そうか!!

チェーンの順番は、後から発動したカードが優先されるから…」

 

「嬢ちゃんのフィールドには2体のサイキック族

サイコ・ヒーリングの効果で2000のライフを回復出来る」

 

天兵と氷室が納得いったように言う中、フィールドのユキは罠カードから光を浴びていた

 

ユキ LP 1600→3600

 

「だが、オレの攻撃は止められねぇ!!

このまま攻撃だ!!」

 

マッド・プロファイラーの攻撃が、ダイガスタ・ガルドスを直撃した

 

ユキ LP 3600→1800

 

「フハハハハハ!!

どうだ魔女がァ、このままジワジワと苦しめてやるよォ!!」

 

そのまま来宮は、残りの手札をデュエルディスクにセットした

 

「─装備魔法『デストラクション・インシュランス』をマッド・プロファイラーに装備する!!」

 

 

 

 

 

 

「あの装備魔法は厄介だぞ

装備モンスターが破壊された時、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える効果がある」

 

「マッド・プロファイラーの攻撃力は2600、その半分は1300!!」

 

「ユキ姉ちゃんのライフは1800、効果を使われたら残り 500しか残らないよ!!」

 

氷室の解説に天兵と龍亜が嘆く中、龍可は腕の痛みに耐えていた

 

(っ……痛い…この痛みは一体……?)

 

 

 

 

 

 

気を良くした来宮は気味の悪い笑みを浮かべたまま、演説するように話し出した

 

「…14年前、お前は十六夜 アキの妹として生まれた

多忙な父親との触れ合いが殆ど無いという事以外、ごく普通の子供としてお前は育った……そう、あの日までは

あの日…物心ついた時にお前は、姉の力の覚醒を目の当たりにした!!」

 

話し続ける来宮をユキは嫌悪の眼差しで睨み、アキは控え室で1人で悲しそうな眼差しでモニターを見つめていた

 

「力の覚醒以降、姉に暴力をはたらくようになった父親をお前は憎んだ…そして、とうとうお前自身も力を手にしてしまった!!

親はお前達をデュエルアカデミアに押し付けた

実習デュエルで力を暴走させて孤立したお前達を拾ったのは…『アルカディア・ムーヴメント』だった」

 

 

 

 

 

 

「…とうとうその名前を出しましたか」

 

「アルカディア・ムーヴメント?」

 

ゴドウィンとイェーガーが笑みを浮かべる中、ジャックは聞き覚えの無い名前を繰り返した

 

「はい

『サイコデュエリスト』の理想郷……密かに結集、活動を展開していた、繊細な怪物達……」

 

 

 

 

 

 

 

「お前等姉妹みたいな奴は、誰からも愛されねぇ!!

お前達は生きてる価値の無ぇ化け物なんだからなァ!!

それを思い知ったかァ!?

化け物はデュエルを汚すな、巣に帰んな!!

ここは人間の世界だ!!」

 

「…人の心を土足で踏み荒らし、自分の為ならばどんな姑息な手も使う者が人間だと言うなら……私は化け物で構わない」

 

途中から俯いていたユキの目には憎悪がハッキリと滲み、その右腕には小さな羽根のような痣が浮かんでいた

 

その瞬間、ジャックの翼の痣とアキの足の痣……そして消えていた遊星の尾の痣が反応した

 

「痣が…!!」

 

「コレは…!!」

 

「まさか…!!」

 

「オレはターンエンドだ」

 

「この瞬間、緊急テレポートで特殊召喚したウィンダは除外される…私のターン、ドロー

─永続罠『ウィキッド・リボーン』を発動

800のライフを払って、自分の墓地のシンクロモンスターを効果を無効化して自分のフィールドに特殊召喚する

戻って、ダイガスタ・ガルドス」

 

ユキのフィールドに、またダイガスタ・ガルドスが降り立った

 

ユキ LP 1800→1000

 

「っ…またか……

(落ち着け、今の魔女のモンスターは効果が無効化されている

ならマッド・プロファイラーが破壊される事はねぇ!!)」

 

自信を持っている来宮を見ながら、ユキは手札を1枚引き抜いた

 

「チューナーモンスター、ガスタ・ガルドを守備表示で召喚」

 

ユキのフィールドに、再びガスタ・ガルドがやって来た

 

「チューナー!?

まさか、またシンクロ召喚を!?」

 

「─レベル5 ダイガスタ・ガルドスに、レベル3 ガスタ・ガルドをチューニング」

 

5つの光の球となったダイガスタ・ガルドスが、3つの光になったガスタ・ガルドの輪の中をくぐり抜ける

 

 

 

 

 

 

その様子を見ていたゴドウィンの元に、再びモニターで研究員が連絡を入れてきた

 

『長かぁーん!!』

 

「どうしました?」

 

『モォーメントが、ビンビンに反応を見せ始めましたぁー!!』

 

「やはり、そうですか…」

 

 

 

 

 

 

 

「─永久(とわ)に吹き行き 過ぎ往く風よ 清廉なる力宿し 今吹き荒れよ

シンクロ召喚!!

─舞い踊れ 『ボレアス・ガスタ・ドラゴン』」

 

ユキのフィールドに、白銀の冠をつけた翡翠色の天使の翼を持ったドラゴンが降り立った

 

ボレアス・ガスタ・ドラゴン

☆8 風属性 ドラゴン族 ATK 2600 DEF 1900

 

「スゲー…!!」

 

「綺麗……」

 

龍亜と龍可は、現れたドラゴンの美しさに呆然とフィールドを見つめていた

 

 

 

 

「ユキ、お前にもやはりこの痣があるんだな……」

 

モニターで観戦していた遊星は、右腕に手を添えながらユキのドラゴンを見ていた

 

 

 

 

 

…別の場所では、アキが遊星と同じ事をしていた

 

「……私達は化け物

私達を認めてくれるのはディヴァインだけ……なのに、なのにどうして……!!」

 

 

 

 

 

 

「…ボレアス・ガスタ・ドラゴンのモンスター効果発動

自分の墓地の風属性モンスター1体をゲームから除外して発動

相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を、エンドフェイズまで除外したモンスターのレベル×200ポイントダウンさせる」

 

「何だと!?」

 

「私はレベル5のダイガスタ・ガルドスを除外

─ゲイナー・ミストラル」

 

ボレアス・ガスタ・ドラゴンの翼の羽ばたきで起きた霧を纏った風を受けたマッド・プロファイラーは、みるみる弱体化していく

 

マッド・プロファイラー ATK 2600→1600

 

「攻撃力の差は1000ポイント!!

敵のライフと同じだ!!」

 

「これが決まれば…!!」

 

「何言ってるのよ、2人共」

 

天兵と龍亜がはしゃぐ隣で、龍可がピシャリと言い切った

 

 

 

 

 

「だ、だが攻撃してもマッド・プロファイラーに装備されたデストラクション・インシュランスの効果が発動して、お前のライフも0になるんだぞ!!」

 

「…構わない、バトル

ボレアス・ガスタ・ドラゴン、マッド・プロファイラーを攻撃」

 

ユキの指示で、ボレアス・ガスタ・ドラゴンは上昇すると同時に伏せられた最後のカードが開いた

 

「─…罠カード『ガスタの風塵』を発動

このカードを発動したターン、ガスタと名のつくモンスターが攻撃する際に相手は魔法・罠・モンスター効果を発動出来ない」

 

「何だと!?」

 

来宮の悲鳴に近い叫びを聞きながら、ユキは冷たく言い切った

 

「…人の心を土足で踏み荒らすあなたを、私は絶対に許さない!!」

 

「や、止めろ…助けてくれぇ……!!」

 

「─フレース・ヴェルグ」

 

「止めろォーッ!!」

 

無情に放たれたボレアス・ガスタ・ドラゴンの風のブレスが、マッド・プロファイラーを直撃した

 

来宮 LP 1000→0

 

……だが、来宮は攻撃で体にダメージを負っていなかった

 

「…これ以上、あなたに力を使ってやる必要は無い

精々そこで醜態を晒し続けるといいわ」

 

仰向けになって倒れている来宮は白目を向きながら泡を吹き、失禁しながら痙攣していた

 

『け、決着ー!!

勝者は東城…いや、十六夜 ユキー!!』

 

 

 

 

 

 

「ユキ姉ちゃんの勝ちだ!!」

 

「ヒヤヒヤしたけど、何とかなったのぅ…」

 

「ん?

龍可、本当に大丈夫?」

 

観客席で龍亜と矢薙がはしゃぐ隣で、天兵は腕を押さえ続ける龍可を見た

 

「だ、大丈夫…

(腕の熱さが、止まらない…)」

 

 

 

 

 

 

 

「阿久津くん、結果はどうでしたか?」

 

モニターで話すゴドウィンに、阿久津と呼ばれた研究員は手元のパソコンのディスプレイを見た

 

『モォーメントがビンビンに反応を始めたのは、最後のシンクロ召喚の時

その数値は、規定を超えています』

 

「そうですか……」

 

「長官、これで……」

 

傍に控えるイェーガーに、ゴドウィンは1つ頷いた

 

「…間違いありませんね

─彼女…十六夜 ユキは、シグナーの1人です」




今回はユキの初デュエルです
……なのに、暗い・相手のキャラ酷い・デュエルの内容がイマイチ
3拍子揃ってしまった感が拭えません…

フォーチュン・カップが終わるまでは、設定上暗めなデュエルが多いかもしれませんね…
早くフォーチュン・カップ編を終わらせて、ダークシグナー編に移りたいです

ではでは、また次回……の前に今回登場してこれからずっと登場し続けるユキのオリジナルエースモンスター『ボレアス・ガスタ・ドラゴン』のステータスを書いておきます




オリジナルカード データ

 ボレアス・ガスタ・ドラゴン
☆8 風属性 ドラゴン族
ATK 2600 DEF 1900

【ドラゴン族・シンクロ/効果】
・自分の墓地の風属性モンスター2体をデッキに戻す事で、カード効果の発動を無効にして破壊する
この効果は1ターンに1度しか使えない
この効果は、相手ターンにも発動出来る

・自分の墓地の風属性モンスター1体をゲームから除外して発動する
相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力をエンドフェイズまで、除外したモンスターのレベル×200ポイントダウンさせる

見た目
体の色は翡翠色
背中に翡翠色の6枚の天使の翼を持つ、天使のようなドラゴン
頭に銀色の王冠のようなモノをつけている
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