決勝戦を終えて観客席へ走る遊星の後ろから、ユキが追い掛けて来た
「遊星さん…!!」
「ユキ…!?」
「龍亜達を逃がして、ゴドウィンの所へ行くんですよね…?」
「ああ…お前も龍亜達と一緒に「いいえ、私も行きます」
立ち止まった遊星に続いて、ユキも立ち止まった
「だが…」
「1人くらい、付き添いがいても問題は無いでしょう?
それに…私はもう当事者……ぃや、あなたの仲間ですし…」
居心地が悪そうに言うユキに、遊星は優しく笑った
「…わかった」
「…ありがとうございます」
小さく頷き合った遊星とユキは、再び観客席へ走り出した
「皆っ!!」
観客席にいた龍亜達に、遊星と再びフードを被って顔を隠したユキがやって来た
「遊星!!」
「嬢ちゃんも一緒か」
「皆、早くこの会場から出るんだ」
「しかし、あんちゃんはキングとの対決があるだろう?」
「この会場には痣を持つ人が、5人もいるわ」
「これ以上、痣を持つ者同士が戦うのは危険だ
オレやユキ、十六夜のデュエルを見てても分かるだろう」
遊星に言われて龍亜達は、酷く荒れた観客席を見渡した
「でも、遊星のお友達が……」
「ゴドウィンとはオレが話をつける、みんなは早くここから離れろ」
「私も遊星さんに付き添うわ
氷室さん、皆をお願いします」
それだけ言うと、遊星はユキを連れて去っていった
VIPルームへ走りながら、遊星とユキは話していた
「…やっぱりこの大会、仕組まれてますよね?」
「だろうな
こうも次々と痣を持つ者が現れるのは、どう考えても不自然だ」
「…ゴドウィンとイェーガーは、一体何を考えて……」
「あまりロクな事では無いだろうが、それも聞き出さないとな」
「はい……それと、遊星さん」
「何だ…?」
「……姉さんの心を動かしてくれて、ありがとうございます」
「オレも、完全にお前の姉の心を動かせた訳じゃない」
「でも、私の時よりもずっと反応があったのは確かです
だから、ありがとうございました…」
「……ああ」
話をそこで区切り、2人はそのまま走り続けた
VIPルームの扉の前には、4人のガードマンが立っていた
「止まれ!!
ここから先は立ち入り禁止だ!!」
4人のガードマンの内の2人が遊星に殴りかかるが、遊星は流れるような動作で返り討ちにした
「ユキっ!!」
2人のガードマンを倒した遊星が振り返ると、倒れた2人のガードマンを見下ろして両手を払うユキがいた
「ふぅ…歯応え無いなぁ……ん?」
「……強かったんだな」
「力が無くても、自分の身は自分で守れないとですしね……さあ、行きましょう」
「長官、即刻大会を中止すべきです」
先に中にいた捜査官の牛尾が、一礼してゴドウィンに言った
「この大会は、何かにとり憑かれている」
「……ほう、何かとは?」
ゴドウィンは手元のグラスをあおりながら牛尾に聞く
「分かりません
ですが、すでにそんな事は問題じゃない
観客に怪我人も出ています、これ以上の続行は危険です」
「成る程、最もなご意見です」
「それでは……」
牛尾が顔を上げると、ゴドウィンは牛尾ではなく外を見ていた
「大会は続行します
市民はこの大会を心待ちにしていた
そのファイナルが中止となれば、治安維持局の面目が立ちません」
「─貴様の面目などどうでもいい」
「─本当に、果てしなく下らない理由ね」
話に入ってきた声の方には、遊星とユキがいた
「お前……!!」
「ゴドウィン、話がある」
「まあ、内容は予想しているでしょうけど」
「貴様、何のつもりだ!?」
遊星を押さえようとする牛尾の前に、ユキが立った
「邪魔するなら、あなたの相手は私よ」
「ハッ、魔女がサテライトのクズ野郎と仲良しこよしってか!!
お似合いだぜ!!」
嘲笑を浮かべながら鼻で笑い飛ばす牛尾に、ユキは冷たく言い放つ
「…身の程を弁えなさい、セキュリティ
あなたも、大会に出ていた愚かな騎士達のようにボロボロにされたいの?」
「っ……」
ユキの放った冷たい声に、牛尾は怯んで何も言い返せなかった
「待ちなさい」
ゴドウィンが言うのと同時に、2人のガードマンがゴドウィンの後ろに控えた
「話、とは?」
話を始める前に、遊星は牛尾を見た
「…その前に、お前は外してくれ」
「何ィーっ!?」
牛尾が遊星の胸ぐらを掴む前に、ユキが間に立って牛尾を睨み付けた
その間にゴドウィンがガードマン達に合図し、牛尾を無理矢理連れて部屋から出て行った
「ゴドウィン…お前はオレの友を拉致し、大会出場を強制してきた
教えてもらおうか、そこまでする本当の目的は何だ?」
「ここにイェーガーがいないという事は、今も龍可達に何かしてるんでしょう?
…吐きなさい、さもないと……「オレが変わりに答えてやる」
デュエルディスクを構えるユキを見て、ジャックが前に出た
「本当の理由は……コレだ」
ジャックは右腕の袖を捲り、竜の痣を遊星達に見せた
「赤い竜の痣?」
「その痣が、何なの…?」
「この男の目的は、この痣を持つ者たちをシティに集める事
その為にオレもキングと煽てられ、利用されてきた」
「デュエルキングとして君臨するのはジャック…あなたの望みではなかったのですか?」
「本当に求められるキングならな」
そう言い放ったジャックは、ゴドウィンを鋭く睨みつけた
(…ジャック・アトラスが遊星さんの昔馴染みだって話は聞いたけど……悪い男という訳では無い、のかな…?)
「2年前、オレはお前を誘いにのってシティに来た
だが…本当の目的はオレではなく遊星、お前だ」
ジャックは真っ直ぐに、遊星を見つめた
「どういう事……?」
「この男は、オレを引っ張り出せばお前もサテライトから追ってくる……そう考えた」
「それは妙ですねぇ…彼に用があるなら直接誘えばいいだけの事」
「無理でしょ
2年前も今と変わらない遊星さんだったなら、そんな話に乗るとはとても思えない
……ジャック・アトラス、あなたは遊星さんがここに来るまでの旗印として利用された…まるで道化のピエロのような存在だったのね」
「…その女の言う通りだ
だからお前たちはオレを利用し、オレ達にサテライトから抜け出すきっかけを与えた
あの時、お前はカードではなくラリーを選んだ…そしてオレは、お前とは違うキングへの道を……だが今となってはそんな事はどうでもいい
人質を解放しろ、遊星も今更逃げはしまい
オレと戦うこいつに枷など必要ない!!
道化の報酬として、そのくらいは払ってもよかろう」
「……それがキングの意地なら、いいでしょう」
ファイナル開始の時間が迫り、D-ホイールに乗った遊星がスタート地点に着く
「遊星……」
「やっぱり、ジャックとやるのか……」
龍可と氷室の呟きの後ろから、フードを目深に被ったユキがそっと入って来た
「皆、やっぱり逃げれなかったのね…」
「すまねぇ…副局長のイェーガーに邪魔されちまってな……」
「…あの場にいなかったからもしかしてって思ってたけど、やっぱり……」
「お嬢ちゃん、あんちゃんは交渉に失敗したのかい?」
「……ゴドウィンが言う事を聞いてくれたのかまだ確証が無いけれど、ジャック・アトラスが味方してくれたから人質は解放されていてもおかしくはないと思う」
「そっか、良かったね!!」
「……けど、まだ油断は出来ないわ
またゴドウィンが遊星さんの仲間だけじゃなく、皆も人質にする可能性は高い
だから皆、出来るだけ私から離れないで
これは遊星さんからの指示よ」
「わかったわ」
遊星の後ろから、白いD-ホイール『ホイール・オブ・フォーチュン』に乗ったジャックがスタート地点に着く
「遊星、このデュエルでどちらが真のキングの印を持つ者なのか、決着をつける!!」
「だが、もう一度赤い竜が現れればオレ達もただではすまないぞ!!」
「怖じ気付いたか?
その時は赤き竜を己の力にしてみせるまでだ!!」
警戒する遊星に、ジャックは自信満々に言い返した
(そういえば矢薙のじいさんが赤い竜の痣は6つあると言っていた……まさか、すでにあと1人がこのどこかにいるのか……?)
【デュエルモードON、オートパイロットスタンバイ】
「「─ライディングデュエル、アクセラレーション!!」」
2台のD-ホイールが同時に発進して、デュエルが始まった
遊星 LP 4000
ジャック LP 4000
「先行はチャレンジャーであるお前からだ」
「オレのターン!!
『シールド・ウィング』を守備表示で召喚!!
カードを2枚伏せターンエンド」
遊星のフィールドに、現れた緑の鳥が青くなった
シールド・ウィング
☆2 風属性 鳥獣族 ATK 0 DEF 900
「オレのターン!!
『ツイン・ブレイカー』を召喚!!」
ジャックのフィールドに、三ツ又の剣を持った剣士が現れた
ツイン・ブレイカー
☆4 闇属性 戦士族 ATK 1600 DEF 1000
「ツイン・ブレイカー、シールド・ウィングを攻撃!!
ツイン・ブレイカーは攻撃力が守備力を上回っている場合、その差分のダメージを与える!!」
ツイン・ブレイカーの攻撃を受けたシールド・ウィングは破壊されなかったが、衝撃が遊星を襲った
遊星 LP 4000→3300
「貴様が守備モンスターを召喚する事など読めている!!
キングのデュエルは、常に相手の一歩先を行くものだ!!」
「だがシールド・ウィングは1ターンの間、2度の攻撃まで破壊されない」
「愚か者が!!
ツイン・ブレイカーは守備モンスターを攻撃した時、再度攻撃できる!!」
「何!?」
「キングの中でもオレのようなキングは二歩先を行く!!
─行けぇ、ダブルアサルト!!」
再びツイン・ブレイカーの攻撃をシールド・ウィングは防いだが、衝撃が遊星を襲う
遊星 LP 3300→2600
「カードを1枚伏せ、ターンエンド
このデュエルで、キングの誇りを見せてやろう!!」
……序盤から攻め続けるジャックに対抗する遊星
だが異変は、ジャックが『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を召喚した時に起こった
「あれは…?」
「さっきまで、ずっと晴れてたのに…」
双子が空を見上げると、雲行きが一気に怪しくなっていく空があった
「ま、まさか本当にあんちゃんの言う通り、シグナー同士が戦う呪いがあるんじゃないだろうな!?」
「んなもんあるか!!
それより、しっかり遊星を応援しろ!!」
(何なの、この妙な胸騒ぎは……)
右腕を押さえ、ユキは真剣な眼差しでデュエルを見ていた
「長官、差し出がましい事をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
VIPルームに戻って来たイェーガーが、ゴドウィンの後ろで口を開いた
「何だね?」
「我々の目的は残りのシグナー5人を覚醒させる事でした
それが達成された今、これ以上の大会続行に何か意味があるのでしょうか?
市民の安全を慮るセキュリティの意見もまんざらではないかと」
「では、あなたは見たくないのですか?
赤き竜の力を」
ゴドウィンは目線だけをイェーガーに向けた
「しかし、赤き竜の力はシグナーが6人集まって……まさか!!
会場に6人目のシグナーが!?
すでに、赤き竜の痣は完成しているのですか!?」
「どうでしょう
ですが、このデュエルが終わる頃には、面白いモノが見られるでしょう」
ゴドウィンは妖しく微笑んでいた
……ゴドウィン達の話が続く中、遊星達のデュエルも続いていた
「……オレのターン!!
─罠発動『ロスト・スター・ディセント』!!
墓地のシンクロモンスターのレベルを1つ下げ、守備力 0の状態で特殊召喚する!!
─蘇れ『ジャンク・ウォリアー』!!」
遊星のフィールドに現れた紫色の戦士が、守りの体勢のまま青くなった
ジャンク・ウォリアー
☆5→4 闇属性 戦士族 ATK 2300 DEF 1300→0
「そして『ハイパー・シンクロン』を召喚!!」
遊星のフィールドに、青い機械のモンスターが現れた
ハイパー・シンクロン
☆4 光属性 機械族 ATK 1600 DEF 800
「─レベル4となったジャンク・ウォリアーに、レベル4 ハイパー・シンクロンをチューニング!!」
「おお!!
4+4は!?」
「「8ーっ!!」」
矢薙に答える龍亜と天兵は嬉しそうだった
「─集いし願いが 新たに輝く星となる 光差す道となれ!!
シンクロ召喚!!
─飛翔せよ『スターダスト・ドラゴン』!!」
遊星のフィールドに、星屑の竜が現れた
スターダスト・ドラゴン
☆8 風属性 ドラゴン族 ATK 2500 DEF 2000
「来たか、スターダスト!!」
遊星・ジャック・アキ・ユキ・龍可の腕が光り、反応するように2体の竜が咆哮をあげた
「ハイパー・シンクロンの効果発動!!
ハイパー・シンクロンをシンクロ素材とした時、シンクロモンスターの攻撃力は800ポイントアップする!!」
スターダスト・ドラゴン ATK 2500→3300
「─この瞬間、罠発動『チューナー・キャプチャー』!!
相手がシンクロ召喚をおこなった時、その素材となったモンスターを相手の墓地から特殊召喚できる!!
我がフィールドの糧となれ!!
来い、ハイパー・シンクロン!!」
ジャックのフィールドに、守備表示のハイパー・シンクロンが召喚された
「スターダスト・ドラゴン、レッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!!」
「貴様のやる事など、このキングはお見通しだ!!
─罠発動『チューナーズ・マインド』!!
自分のシンクロモンスターが攻撃対象になった時、そのシンクロモンスターを素材となったモンスターに戻す!!」
ジャックのフィールドに、ツイン・ブレイカーとダーク・リペアナーが現れた
「スターダスト・ドラゴン、ツイン・ブレイカーに攻撃!!
響け、シューティング・ソニック!!」
ツイン・ブレイカーの前にダーク・リペアナーが出て、身代わりとなって破壊された
「何!?」
「言ったはずだ、貴様の戦略は全てお見通しだと!!
チューナーズ・マインドで現れたチューナーモンスターは攻撃宣言をしたモンスターと必ずバトルを行う!!」
「─永続罠発動『シンクロ・ブラスト』!!」
ジャック LP 2800→2300
「シンクロ・ブラストは自分のシンクロモンスターが攻撃した時、相手に500のダメージを与える!!」
「ダーク・リペアナーが墓地に送られた事によりカードを1枚ドローする!!」
「ターンエンドだ」
……一進一退の攻防が繰り広げられる中、ジャックのレッド・デーモンズ・ドラゴンの攻撃で、遊星のライフが900になった時、会場とシグナー達に異変が起きた
「遊星!!」
「まずいぞ、遊星のライフが1000を切った!!」
龍亜と氷室が叫んだ後、空から赤い雷がレッド・デーモンズとスターダストの間に落ちた
「来たかっ!!」
「赤い竜……」
ジャックと遊星は、確信を持って空を見上げた
雷はだんだんと翼 尾 背 手 足の形を作り、そして竜の顔が現れた
「あ…あ、赤い竜……!!」
矢薙が口を大きく開けて驚く隣で、ユキと龍可の痣に強い反応が起きた
「これは…?」
「何…?
痣が、熱い…」
「現れましたか、赤き竜
…阿久津くんに繋いでください」
「はっ!!」
固まっていたイェーガーは、ゴドウィンの一言で阿久津に通信を繋いだ
『おおおっ!!
このモーメントの輝きは!!
すんばらしい事になってまいりましたー!』
1人で感動している阿久津に、ゴドウィンは言いきった
「阿久津くん、すぐにモーメントを停止してください」
『ええ!?
な、何を言ってるんです?
モーメントがこれ程作動しているのに』
「これは命令です
命が惜しければ今すぐ停止しなさい
あなたも、ボマーの故郷のように消え去りたいのですか?」
それだけ言うと、ゴドウィンは一方的に通信を切った
「ちょ、長官?」
阿久津が固まっている間に、モーメントは温度が上昇していきシステムが耐え切れない状態になっていた
ボマーの故郷の事を思い出した阿久津は、周りの研究員に指示を出した
「全職員に告げる!!
モーメント停止!!
今すぐモーメントの全システムをカットしろ!!」
赤い雷だった赤き竜は、遊星とジャックの真上を飛ぶ
「やっと会えたな、赤き竜よ!!
オレ達のデュエルをとくと拝んでいくがいい!!」
「ジャック、危険だ!!
これ以上、デュエルを続ければ、何が起きるか分からない!!」
遊星は先を行っていたジャックの真横に車体を走らせる
「臆したか遊星!?
目先の恐怖に怯える者にデュエリストの資格はない!!
オレはこの天地が砕け散ろうとデュエルを続ける!!」
遊星の言う事を聞かないジャックは、先へ進んで行く
(これで全ての条件はそろった
真の力を発揮するシグナー同士が戦う時、デュエルは新たな次元に突入する
今こそ6つに分かれた力を束ねよ、ドラゴンヘッド)
シグナー達の痣が疼きを増したと同時に、赤き竜は突然暴走を始め強烈な風を起こした
「何だと!?」
……次の瞬間には、遊星とジャック……そしてアキ・ユキ・龍可は永遠と続く光の道が有り、周りは一面の星空が広がる世界にいた
「ここは?」
「何だ?」
遊星とジャックは辺り見渡しながらD-ホイールで走り、遊星達を追いかけるようにアキ・ユキ・龍可は空中を飛んで進んでいた
「ここは、どこ?」
「何が何だか……姉さんまでここに?」
「どういう事だ……遊星?」
遊星達の目の前には神殿のような建物が迫っていた
「あれは……」
「何なの、これ?」
神殿の一番下には人々が何かを拝むように頭を下げ、一番上には5人の人間が横一列に並んでいた
「これは、いつかゴドウィンが語った星の民」
「星の民?」
遊星達は流されるように神殿の上を渡っていく
ふいに遊星が後ろを向くと、手を挙げている6人の腕には赤い竜の痣があった
「オレ達と同じ痣…!!」
「シグナー…オレ達は遥かな時を超え、その因縁で結ばれているとでもいうのか?」
「っ…あれは、ネオドミノシティとサテライト!!」
遊星達の前に、ネオドミノシティとサテライトが映った
サテライトの町が次々と消滅していき、地面に蜘蛛の地上絵が現れた
「サテライトが滅んでいく?
何だこれは?」
「何なの…?
この異様な光景は……」
遊星とユキは、誰に言うで無く滅んで行く街を見て呟いた
「まさか…これがサテライトの未来なのか…!?」
「サテライトが何もかも、人も街も…あの地上絵に…!!」
遊星と龍可が叫ぶ中、ジャックはエンジンを強く踏んだ
「…遊星、デュエルを続行する」
「何!?」
「オレはこのデュエルの果てが、たとえ地獄に続こうと貴様とは決着をつける!!」
「ジャック!!」
「分からんのか!?
オレ達のデュエルがオレ達をここに運んだ!!
ならばここから出るには、オレ達のデュエルを完結させるしかない!!
カードを2枚伏せ、ターンエンド!!」
……そこからは再び激しいカードの攻防が繰り広げられ、ダメージの度にサイコパワー以上の力が両者を襲い続け……遂に、決着が着いた
「オレのターン!!
─『Sp-ファイナル・アタック』!!
Sカウンターが8以上ある時、モンスター1体の攻撃力を2倍にする!!」
スターダスト・ドラゴン ATK 2500→5000
「攻撃力 5000だと!?」
「これでファイナルだ!!
オレ達の絆は誰にも負けはしない!!
スターダスト・ドラゴン!!
─響け、シューティング・ソニック!!」
スターダスト・ドラゴンの攻撃を受けてライフが尽きたジャックは、D-ホイールから転倒した
「ハァッ…ハァッ…ハァ…ハァ……!!」
決着と同時に、シグナー達は元の場所に戻っていた
フィールドには動かないスターダストとレッド・デーモンズの姿があったが、2体ともゆっくりと消えて行った
「何が起きた!?」
「赤い竜が飛んだと思ったら、目の前が光になっちまったよ!!」
氷室と矢薙が慌てる隣で、龍亜が電光掲示板を指差した
「あっ!!
あれ見て!!」
電光掲示板には、ジャックのライフが0と表示されていた
「このデュエル、遊星が勝ったわ」
「ええ、間違いなくね」
「「ええーっ!?」」
言い切る龍可とユキに、龍亜と矢薙はギョッとして叫んだ
『ど、ど、どうなってんだ……!?』
司会も混乱している中、ゴドウィンから通信が入る
『どうしました?
勝負はつきましたよ』
『あ……つ、ついに決着ーーー!!
Winner 不動 遊星!!
キング ジャック・アトラスの無敗神話はうち破られ、ここに新たなキングの誕生を我々は見る!!
新たなるキング、その名は不動 遊星!!
ニューキングは不動 遊星!!
サテライト出身のキングの誕生だーー!!』
これまでのざわめきをかき消すように言った司会のアナウンスが、会場に歓声の嵐を起こした