エーゴンっぽい生徒が往くブルーアーカイブ   作:魚の名前はイノシシ

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はじめての【こわい】にとらわれて、わるいりゅうたちをみるとベールをおもいだしてしまってこらしめることもできなくなってしまいました。

くさはのかげでぷるぷる、ぷるぷるとちいさなどうぶつたちのようにみをひそめているととおりがかったたびびとがこえをかけてきました。そのたびびとは、かつてのエーゴンをおもいださせるようなおおおとこで、おおゆみをつがえたいさましいおとこです。
「エーゴンさん、どうしたんですか?」

たびびとがそうたずねると、ぽつりぽつりとエーゴンははなしはじめるのです。「ぎざやまのちょうてんにいるぼうりゅうベールがとてもとても【こわい】んだ。やまのみんなをいじめるわるいりゅうたちのたいしょうで、かれらをこらしめてくらしていたらベールになにもかもがうばわれてこわされてしまったのだ」と。

そのはなしをきいた、【センセ】となのったたびびとはひどくかなしみ、じぶんがあゆんできたたびのはなしやぼうけんのはなしをしてエーゴンをなぐさめました。

エーゴンははじめ、ほっといてくれ、あっちにいってくれとよわよわしくきょぜつしていましたが、はなしをきいていくうちにかつてのじぶんをおもいだし、しだいにしずかにセンセのはなしをきくようになりました。

はなしをさいごまでききおわったエーゴンは、もうよわいエーゴンではなくなりました。センセのおはなしに、ベールにおられたこころがふたたびふるえたち、かつてのりゅうのせんし、エーゴンがもどってきたのです。

「そうだ。わたしもかつては【こわい】をしらなかったせんしだったんだ!いや、【こわい】をしっていてなおたちむかう【ゆうしゃ】だったんだ!」とエーゴンはさけび、いたいたしいきずがのこっているりょうあしで、つよくだいちをふみしめたちあがった。

センセは、「わたしはこれからやまのちょうてわにいってわるいりゅうたちのたいしょう、ベールをこらしめにいく。エーゴンはどうする?」とききました。エーゴンは、
「センセよ。そんなのきまっているだろう。わたしをつれていってくれ!ベールをともにこらしめよう!」とおおきなこえでいいました。



第2話

 

ここはどこかの薄暗い路地裏にある小屋の一室。明かりはついておらず、掃除もまともにしていないのか埃がつもりまくって酷く汚い。ここまで汚いと、ここに住んでいる人間の調査もしくは捕縛を依頼されていてもそんな人は居ないと思ってしまう。しかし、依頼主が確認したカメラには路地裏に入り小屋に入る様子がバッチリ映っていたため人は居るのだろう。

 

「ちっ…んでこんな薄汚ねぇ小屋ン中を3人で調べなきゃなんねぇんだ…?」

 

赤い眼鏡をかけた水色ショートヘアの高校生ほどの子供がぶつぶつと文句を垂れている。

 

「気持ちは分かるが依頼主の言っていたことが本当ならここにいるやつは相当ヤバい。かつてはゲヘナとトリニティにたった一人で戦争をしかけて痛み分けしたってやつだ。本名は知らないが【エーゴン】という名で活動していた元戦場漁りだ。」

 

それを窘めるのは漆黒のロングヘアーで、薄ら黄緑色をした眼鏡をかける少し背の高い女。声からして、おそらく高校3年程の歳だと分かる。

 

「エーゴン?それに戦場漁りって?最近この界隈に入ったものでちょっと教えてください。」

 

新米を名乗る、ボロい帽子をかぶり両足に包帯が巻かれ腕には火傷跡が残っている子供。手に獣の爪を形どったグローブをはめており大人しそうな見た目からは戦闘スタイルが想像できないようなギャップがある。蜂蜜色の瞳をロングヘアーの女に向けて【エーゴン】なる人物について尋ねる。

 

「…依頼文にはベテランのって書いたあっただろ。ったく…いいか新米。エーゴンってのはな、そこら辺にいる不良生徒と同じようなやつだったらしい。だが度々ヘルメット団同士の抗争があったり後暗いシッポがある企業同士の小競り合いがあったら誰も気づくはずのない場所や時間でもいつのまにかその跡地で道具やら使える部品やらを漁っては風に吹かれた煙のように姿を消す。」

 

調べた情報と依頼主から渡された情報を整理しつつわかりやすいように説明するロングヘアー。ショートヘアの少女は

「知ってて当たり前の事なのに知らないだ〜…!?舐めてんのかこの業界をよォ〜ッ!」

と荒れていたが無視して話す。

 

「5年ほど前に発見されて、その隠密性や情報を得る速さを恐ろしく思ったヤツらがこぞって刺客を送り込んだり捜索に乗り出したりした。が、結果は悉くが返り討ちにあい、拠点の場所もよく利用する店も、なんならプライベートでの姿も一瞬たりともみつけられなかったようなやつだ。」

 

ロングヘアーの女も捜索に参加したことがあるのだろう、苦い顔をして話す様子に生唾を飲み込む新米。ショートヘアの少女はイライラした様子を隠していないが黙った。

 

「今までそいつはこの土地に取り憑いている都市伝説の存在だと言われていたんだ。」

 

「え?でも姿は5年前に発見されてるんですよね?それに、返り討ちって事は誰かしら覚えてたりとか…」

 

新米は発見されていることと返り討ちにあったやつが存在しているという事実があるというのに都市伝説となった矛盾に疑問を抱き、話の途中で思わず聞いてしまう。

 

「してねェからそういう話になってんだろうが。話聞いてたのか?これだからお気楽な新米ってやつは…!」

 

事前に情報を集めない、話の途中でこの界隈でやっていくには必要なスルドサもない態度を隠さず質問をする、更にはビビった様子を見せているのがイラつかせ今にも怒鳴り散らしてしまいそうなショートヘア。

 

「落ち着け。新米、お前も要らん質問をするな。…でだ、そう言われていたのも過去のこと。やつの存在がハッキリと、明確に見つけられたのが2年前、場所はアビドス砂漠だ。噂では砂漠に眠るお宝を探しに行っただのただのバカンスに行ったんだのと言われているが真偽は不明。ただ1つ分かるのが、ヤツは都市伝説なんかじゃあ無くなったってことだ。」

 

ショートヘアをなだめ、新米に注意して話を再開。エーゴンの存在が確立された理由を教える。

 

「そういうのも、やつの戦闘スタイルは弓矢だ。初めて発見された時に装備がこのキヴォトスでは珍しい弓を背負っていた。矢はヤツのオリジナルの赤黒くトゲトゲしたものだ。それが、アビドス砂漠でボキボキにおられた状態で見つかった。」

 

「要するにだ!ヤツの矢の形状は超特殊で!それの残骸が見つかった!だから存在が証明された!そんだけだろ!!長すぎんだよ話が!」

 

ショートヘアは長い話を聞いてイラつきすぎてうんざりした顔で要約する。それに対してやれやれ、と声が聞こえてくるような首を竦めめ頭をふってため息を着く。

 

「はあ、何も知らないヒヨっ子なんだから一から話さなきゃわかんないだろ。…とある企業が調査をかけたところ、エーゴンの戦った形跡にもうひとつ、デカイ化け物と戦ったような跡も見つかったと報告されたが、企業はそのくらいの抗争があったんだろうと結論づけた。私もそうだと思っている。」

 

「エーゴンの名前は、ヤツの背格好から見ておとぎ話にある主人公の名をそのまま付けたのがいつしか定着してたんだ。【りゅうのせんし】…知ってるだろ?ハイハイ歩きのミルキーガール時代から寝る前に読み聞かせられるんだ。主人公エーゴンは、元戦場漁りであるにもかかわらずその大弓と大声、そして己の姿を竜に変貌させる奇跡で竜を狩り、そこからあらゆる苦難を打ち砕き乗り越えた恐れ知らずの英雄だ。」

 

「英雄の名前を付けられるなんて…!凄いですね!」

 

「お前、ホンッットーに頭がスカスカなんだな。一周まわってイラつきもしないぞ。いいか?俺たちがこの後この店を出て相対するのはその英雄モドキだぞ?そんな軽い気持ちでいられちゃあ困るんだよ。えぇ?おい。」

 

「おい、落ち着けって。どうせ入りたて3日だろ。目くじら立てたってコイツに通じるわけがねぇだろ。時間と体力の…」

 

「テメェは黙ってろ…!こういうやつには!この界隈の!常識っつーもんをよォ!!教えてやらねぇと!!俺たちの足を引っ張んだよ!!!そもそもなんでテメェはこんな簡単なァ!1+1は2ぐらい簡単な常識を知らねぇんだ!?オイ!舐めやがって!ムカつくぜ!クソっ!クソっ!クソがあああっ!

 

ひっ…」「なんだよアレ…

うわ、やばァ…」「お、おい、店員は何してんだよ…早くとめてくれよ…

 

怯えながら、あまりにも騒ぐショートヘアの少女に注意をかけようと店員が近づくが…

 

「あ、あのぉ…あまり大きな音を立てるのはほかのお客様の迷惑になりゃ!?」

 

バギャンッ! びちゃびちゃびちゃ! カンっカランカラン…

 

コイツも!!テメェも!!舐めやがってぇぇえ!!

 

張り詰めた風船のようにギリギリで収まっていたイライラが破裂する。顔を顰めに顰めて怒りで顔を赤くさせテーブルをバンバンと何度も叩きつける。異様な光景に周りの客はザワつき、店員が注意しようとすると、ショートヘアの少女はお冷のコップを掴み、力いっぱい振り下ろす。店員はその衝撃で一発で顔面がひしゃげ見るからに気絶している。空気が、冷え込んだ。

 

「キャーーーー!!」

「おい!ヤベぇよアイツ!」

「逃げろ、逃げろー!」

 

その凶行は周囲で様子を伺っていた客を恐怖させ店から出ていかせた。奥ですっこんでいる別の店員は恐ろしくなり急いでヴァルキューレに通報し嵐が過ぎ去るのをじっと亀のように丸くなり耐えていた。

 

「ちっ!この短気が!オイ!ずらかるぞ!もうじきサツが来る!」

 

返事を待たず、新米と一緒に店を出るロングヘアー。新米の顔は自体が大きくなってうへぇ…と言わんばかりに歪んでいる。

 

「ああ!?元はと言えばそいつが…!!置いていくんじゃねえ!」

 

置いていかれそうになっていることを認識して、怒りをそのままに収めることをせず足早にその場を去っていく2人を追いかけ、ショートヘアの少女もその場を去っていく。後には、冷房で冷えるよりも冷えている店と、凹んだ頭のほんの一部が凍っている被害者の店員ロボットがあるだけだった。

 

To Be Continued……




次回─「エーゴン伝説」

ここにビナー戦が終わったら番外としてのお題があるじゃろ?君の読みたい話をひとつだけ選ぶんじゃ。

  • エーゴン、現代のエーゴンと出会う
  • ベール擬人化!火に沈むゲヘナ!
  • プラキドサクス、トリニティを支配する。
  • 他のリクエストは活動報告にコメントじゃ!
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