エーゴンっぽい生徒が往くブルーアーカイブ 作:魚の名前はイノシシ
誰かからの依頼で現代の竜狩りを探るためミーティングを行った3人の少女はエーゴンについて情報を擦り合わせていたぞ!
エーゴンは大弓を番えた強いやつ!
あの後あの3人組は1人を除いてボコボコにされて発見されたぞ!
あらすじ終わり!
そしてこの先絵本の続きがあるぞ。ご笑覧あれ!
ちょうてんにいくまでにたくさんのわるいりゅうたちがエーゴンたちをおそいました。しかしかつてのじぶんをとりもどしたエーゴンはすべてをいっしゅんでこらしめるとずんずん、ずんずんとおおまたあるきでぎざやまをのぼっていきます。
エーゴンとセンセはついにベールがねぐらにしているちょうてんまでやってきました。
「ベールよ!おまえをこらしめにきた!」
センセはおおきなこえでそういいます。すると、そらからふたりのなんびゃくばいものおおきさをしたりゅう、ベールがとんできます。
「おれをこらしめるとはいいどきょうだな!そこのおまえはむかしおれがいじめていたやつだろう?こんどはあのときいじょうにいじめてやる!」と、ベールがそういうとふたりにこうげきをはじめます。
とある山の麓にある1つの四角い小屋の中。見た目は山に溶け込むようなギリースーツ見たいな色をしている。その中には1人の少女が特徴的な大弓と矢筒を壁に立て掛けて帽子を置きながら独り言を呟いていた。
「フゥー…身バレするのを覚悟してわざわざ監視カメラにちょっと姿を現したがバレなかったのは僥倖だ。」
その正体は先日カフェで話を聞き出していた新米を名乗った少女だった。髪は炎に炙られたかのような褪せた金色、瞳は煮えたぎった溶岩のような赤、そしてなにより目を引くのは、腕に残っているものと同じような顔の半分を覆っている痛々しい火傷跡。1部爛れていたところがあった所があるため火傷跡なのに背筋が凍るようなとてつもない火力で焼かれたのだと分かる。そして、身体中に刻み込まれたひび割れのようにも見える雷紋。
「…ッ…!震えるなこの足め!!落ち着け、落ち着け…ここにやつはいない。ここはやつの縄張りの外…!ここならやつに壊されない…ここならやつに奪われない…ここなら…ここなら…!」
両腕で体を抱きしめるようにして、ガクガクと震える少女。それでも過去のトラウマは落ち着いてくれるどころかより鮮明に再生され脳内を占領する。顔色は青白くなり、歯はカチカチと噛み合わず抑えられない。ついには過呼吸を起こしてバタリと倒れ込み蹲ってしまう。
「うぅぅぅ…痛い…痛いぃ…!やめてくれ…奪わないでくれ…私から、何も…」
思い出す。巨大で凶悪な大蛇を。ぶり返す。大切な思い出がつまりに詰まった相棒の大弓が無惨にも打ち砕かれてしまう無力感、絶望、嘆き。そして湧き上がる。絶大な怒りが。憤怒の濁流、復讐の炎、漆黒の殺意。
「うぅぅぅ…あぁぁぁ…!うおおおおおお!!!【ビナー】!!!おおお!ビナーよおおおお!!私は此処だあああ!ここにいるぞおお!!お前が壊しきらなかったが故の亡霊が!!この 【虎越 ユウキ】が!うおおおおおお!!!」
呻き声をあげたと思えば床に指を突き立ち上がり咆哮する。堪えきれぬ怒りをこめ、彼方にいる傲慢な大蛇、ビナーに向けて怒りを向ける。
「はあ、はあ…大弓の手入れをするか…矢も銛も、もっともっと作らねば。」
ようやく落ち着きを取り戻した彼女はボロボロの大弓の手入れを始める。継ぎ接ぎに修復された大弓。とても耐久性があるとは思えないが素材には良くしなる木材が、接着剤は1度乾いてしまえば二度と取れることの無い柔軟性と粘着性を兼ね備えた究極のアロンアルファ*1、殺意を忘れぬようにさざれ石の装飾をしている。頑丈な素材に究極の接着剤、さざれ石の装飾により上がっている耐久性能はどんなに攻撃を受けても壊れることは無い。
「忘れるものか…!晴らさでおくべきか…!疼く。疼くぞ。この火傷跡が…この雷紋が…!この、両足が…!忘れるものか…!!」
そうブツブツと呪詛のように呟き続ける様ははっきり言って近づきたくないし全力で逃げ出してしまいたいオーラをだしている。
「良し。相棒、より強く、硬くなったな。最高グレード…!!これでやつの命を…ハ、ハッハ!ハーッハッハッハッハァ!」
どこを向いているのか分からないし限界まで開かれ血走っているおそろしい目付きをしながら赤い瞳を輝かせ、矢の制作に取り掛かる。
「打ち抜いてやるぞ…その装甲を!打ち砕いてやるぞ。その慢心を…打ち壊してやるぞ…その静観をぉぉお!」
手馴れた手つきでいくつかのさざれ石を繋げたものを加工する。ギャリギャリギャリ、と火花を散らして鋭くギザギザに。貫通力を高め決して抜かれることの無い反しを鏃から半分、びっしりと作り上げて。今までに作り上げた数を含めて、2000を超える数制作し続けている。
擦れるだけで大ダメージを与え、生徒相手に打てばただの1発受けただけで致死となる。これを受けて生きて帰れるのはかのゲヘナの風紀委員長、ミレニアムのど根性メイド、そしてトリニティの狂戦士だろう。そんなものをバカスカ打てるヤバいやつがこの現代の竜狩り。
「この位でいいだろう。次。」
3時間かけて矢を作り続け、次に銛を作り始める。
「目にも見よ…魂に刻め…これがエーゴン。これが竜狩りの戦士!これが、勇者たる所以!この銛はお前を穿ち抜き!!恐怖を刻むのだ!!」
矢の時とは比べ物にならない程の量のさざれ石をズラリと並べ、接合し、研いでいく。ゴリゴリ、ゴリゴリ。ただひたすらに。
6時間後、汗を大量に流し倒れ込むユウキと、大槍のような大きさをした1本の銛。ギザギザとした反しがドンと威圧感を放ち、ただ振り回すだけでもヘイローもちをも一撃で殺しうる。
「ッ、あぁぁぁッ!ハァ!!はあ、はあ…ぅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」
集中し続けて疲労した彼女はおっさんのような呻き声をあげて大きく呼吸をする。大弓の強化に3時間、矢の製作に3時間、銛の作製に6時間。計12時間休みなくただただ気合と気力で作り続けたから体力は底を尽く。
ぐううううううう!!!
すわ竜の咆哮かと間違えるような腹の音が小屋に響く、いや轟く。
「飯にしよう…腹が減ってはビナー殺せずだ。…ク、フフフ、ビナー!ビナーよ!必ずやお前にも恐怖を!!うおおおおおお!!!」
ぐおおおおおお!!
ユウキの叫びに呼応するかのように腹の虫、いや腹の竜が咆哮する。
食事を済ませたユウキは装備を整える。大弓と矢筒を背負い、帽子を深く被りドアノブに手をかける。首元には、心臓を模したさざれ石のお守りをかけている。
「いざ、いざゆかん!!待っていろ、我が恐怖よ!ビナーよ!!」
手の震えを無視して1歩踏み出そうとするその時、普段全く使わないスマートフォンからピロン♪と通知がなった。
「この音はモモトークか。どれ?ユメか、ホシノか…」
覚束無い操作でスマホを開きトーク画面に移動し、内容を確認。次の瞬間ユウキは表情を変えて全速力で駆けだした。哀れかな、開かれる前にスマホを弄ったせいでドアは吹き飛んだ。
from:ユメちゃん
「ユウキちゃん」
「たすけて」
「あのへひか」
「はなぬ」
かつてともに生き延びた戦友からの緊急ヘルプ。そして、怨敵たる大蛇、ビナーの出現。それを見て飛び出したのだ。手の震えは無く、トラウマを思い出してすくむ臆病な足は無く、勇ましく大地を蹴りあげる足がそこにはあった。
アビドス砂漠まで約2キロ。
到着まで、
ドドドドドドドド!
ザーッ!
「ひぃん!攻撃が効いてないよぉ!ユウキちゃん早く来て〜!」
「ユウキさんの家からここまで1キロくらいは離れてるって言ってたでしょう!急いできてもだいたい
「せっかくホシノ先輩救出できたのにこんなのが出てくるなんて!も〜!許せない!」
「ちょっと前にユメ先輩とホシノ先輩に教えてもらった大蛇…!火力支援を行う!」
「く、流石に強いですね。でも負けませんよ〜!」
「ホシノ先輩、ユメ先輩、後方支援到着しました!」
ビナーがミサイルや砂を巻き上げて攻撃する。それをホシノとユメが防いだり各自回避して目立ったダメージは無い。それはビナーも同じで、自慢の装甲で弾を弾いている為入ってないことは無いが微々たるダメージしか入っていない。
ビナーがミサイルを多く発射したあと、大きい口に光を溜め始める。
『かなりの熱源反応、先生、ビームです!』
‘’ビームが来る!ユメ、ホシノ!シールドを!みんな、ユメ達の後ろに!”
「「シールド展開!」」
「うわわ、危ない!」
「支えます♠」
「ん、みんなで支える。」
展開したシールドの内に急いで駆け込み、盾を構える2人を支える。数秒して、ビナーが超高出力のビームを放つ。
展開されたハニカム構造の半透明なシールドは、ビームを防ぎ切り誰も被弾することがなかった。けれども衝撃は逸らしきれず皆歯を食いしばり耐えた。
「うへぇ、こんなの当たったら一溜りもないよホシノちゃん!」
「でもちゃんと防げたね〜。おじさんは腰が…痛たた」
ユメとホシノのいつもの声にハッと意識が戻ってくる。辺りは衝撃で巻き起こった砂が煙幕のようになっている。
「あんなビームを撃った後じゃまたビームを撃つなんて出来ないはず!反撃に出るわ!」
「ん、私も。」
感じたことの無い緊張感、それ故に蛮勇が勝ってしまった2人を責めることは出来ないだろう。
「あ!ダメだよ2人とも!戻って!」
「シロコちゃん!セリカちゃん!危ない!」
そして、ビームを防げた安心から、沸いてきた蛮勇を自覚しないままただただ高揚感に身を呑まれてしまった2人が見たビナーの姿は口から煙を出してダウンしている姿──
「GRUUUUU…!」
キィィィィ…ン!
──ではなく、確実に仕留めんと甲高いチャージ音を唸らせて2発目のビームを溜めているところだった。
「「セリカちゃん!シロコちゃん」」
「ダメ…!2人とも!!」
‘’セリカ!シロコ”
シロコの脳は死を幻視して、周囲の時間がゆっくりと流れる。
──思い出すのは1か月前。先生がアビドスに来るちょっと前のホシノとユメが教えてくれたこと。
『いーい?みんな。アビドスの砂漠にはとーってもおっきくて強くて怖い大蛇が居るの。もし、シルエットだけでも見かけたら、絶対に私達に連絡をするんだよ!』
『あと、絶対に戦おうとしちゃダメだよー?おじさん達はさ、戦ったことがあるんだけどもし何かが違ったらこの世には居ないからね。』
『分かりました。でも、お2人がそんな状態だったのでしたらお2人に連絡しても危ないんじゃあ…』
『大丈夫だよアヤネちゃん!前に大蛇に襲われた時にね、一緒に戦って撃退してくれた子がいるんだよ!虎越 ユウキちゃんって言って、とっても強くて勇敢な大弓使いなんだよ!』
『戦い終わって一緒に入院してた時に、またあの蛇が出たら絶対、ぜーったい呼んでって何回も念を押されてこうやってモモトークの番号も渡されたんだ〜。』
ホシノがぴらぴらとモモトークの画面を見せてくる。あの時はよく見えなかったけど思い出してみると虎越 ユウキではなく竜狩りの戦士と書かれている。
『本人の家から砂漠まではだいたい1キロあるらしくて、急いできてもらっても''
『絶対1人で戦っちゃダメだからね!』
さっきユメ先輩が連絡してからまだ5分も時間が経ってない。
死──
セリカとシロコはゆっくり流れる時の中、世界に痕跡1つ残さず死んでしまうことを思いキュッと瞼を強く閉じた。
最期にみた光景は必死に叫んで手を伸ばす対策委員と先生、極光を放つビナーの口元。放たれたビームによってシロコとセリカは蒸発する…
ドパンっ!
「GYAAAAAA!?」
─ことはなく。耳を劈く破裂音の後にビナーの悲鳴が上がり、ビームは明後日の方向へと打ち上げられた。
「な…」
「はぇ…?」
目を丸くして呆けるシロコたち。
「一体何が…」
「ユウキちゃん…!良かった!間に合ってくれたんだ〜!」
「あ…あっ!シロコちゃん!セリカちゃん!」
‘’一体…いや、それよりも2人は!?…良かった、怪我は無いみたいだ!”
いきなりビームがそれたことを目の当たりにして驚いているアヤネ、ユウキちゃんが間に合った!と喜んでいるユメ、シロコとセリカの無事を認識して安堵するノノミ。遠目から見て尻もちを着いている以外に傷もやけどもないことを確認する''先生''。
「セリカちゃん、シロコちゃん…良かった…はあ〜〜…」
心底安心して大きな溜息を吐くホシノ。
ビナーは不意に与えられた衝撃から立ち直り、攻撃を受けた方を睨みつける。
そちらに目を向けたとき周囲には轟く咆哮が発せられた。
「ビナアアアアアアアアアアア!ビナアアアアアアアアアアアよ!お前にも!恐怖を!!うおおおおおおおおお!」
ただの咆哮で竜を幻視するような圧力が放たれ、周囲の砂煙を吹き飛ばしビナーの1部の防御AIを一時的にバグらせた。*2先生達は鼓膜に甚大なダメージを受けた。
帽子の下から覗く限界まで開かれた燃える眼球、呼吸で砂を吸ってしまうことを防ぐスカーフのようなマスク、両手両足に包帯を巻きボロい薄汚れたマントをはためかせる1人の少女がソニックブームを発生させながら走り寄り、信じられないジャンプ力で飛び上がるとビナーの顔面を拳でぶち抜いた。*3
「GYAAAAAAAA!?」
「うおおおおおおおおおおおお!」
仰け反るビナー、すぐに体制を整えようとしていたがユウキの蹴撃がそれを許さない。もろに食らってしまう。
「貴様に私という恐怖を刻み付けに来てやったぞ!
ビィィイナアアアアアア!!」
「GYAAAAAAAA!!」
ビナーも咆哮し、ユウキを睨みミサイルを発射する。
怪物と英雄はここに。絶望の壁と相対する矮小な存在は希望を運んで咆哮をあげる。
現代の竜狩りの、その始まりだ。
to be continued……
こいつもう恐怖してねぇだろという感想はユウキの咆哮が打ち消しました。
次回─「暴竜、ビナーVS現代の竜狩り、ユウキ 」
名も…き戦…が…参……た。
ここにビナー戦が終わったら番外としてのお題があるじゃろ?君の読みたい話をひとつだけ選ぶんじゃ。
-
エーゴン、現代のエーゴンと出会う
-
ベール擬人化!火に沈むゲヘナ!
-
プラキドサクス、トリニティを支配する。
-
他のリクエストは活動報告にコメントじゃ!