ブルーアーカイブ 曇り空はやがて晴れ渡る 作:智也0424316
生塩ノアは少女に違和感しか感じていなかった。
『…ただいま。』
私は誰もいない部屋にむかって言った。返事が返ってこないことはわかっている。
『…。』
私の部屋にはベッドが2つあり一つはシワ一つない新品だ。その他にも制服、カバン、教科書。そのどれもが新品で置いてあった。…まるで…そこに誰かがいるはずだったかのように。
『…。』
私はその空間を見て薄く息を吐いた。…彼女がいたら…また笑ってくれるかな。…また…一緒に遊ぼうって言ってくれたのかな。…どうして。
『どうして…いなくなっちゃったの。』
私は誰もいない部屋でポツリと呟く。届いているか。なんてどうでもいい。私は…気持ちを吐き出した。
『…。』
__助けて__
__死にたくないよ…__
__殺さ…ないで…__
バンッ!
『……。』
…自分の手のひらをみた。そこには…《血まみれの手》が…映っていた。
『……。』
ぽすっ…
お風呂に入る気力すらなくなりそのままベッドに寝転んだ。
…そして私は目を閉じた。
___どうして…助けてくれなかったの?___
___どうして…見捨てたの?___
___どうして…___
___私を…殺したの?__ちゃん…___
『っ……!?』
ガハッ!
…あぁ…最悪だ…思い出したく…なかったのに…。
『…ぅっ…!』
私は喉に登ってくる液体に気がついて慌ててトイレに駆け込んだ。
『げほっ…!』
びちゃっ!
私は嘔吐していた。
『っ…げほっ!』
そして全部吐き出してようやく落ち着いた。
『…。』
彼女を死なせた…いや…殺した罪は消えない。…いつか…捕まるかもね。
ドンドンドンっ!
『…噂をすれば…かな。』
『はい。』
ガチャッ。
『やっぱりヴァルキューレの皆さんでしたか。』
「まるで来るとわかっていたような口ぶりだな。」
『もちろん。お久しぶりです。カンナさん。』
カンナ「久しぶりだな。」
『…例の件ですか?』
カンナ「あぁ。ご同行願おう。」
『わかりました。』
そして私はヴァルキューレに任意同行した。
〜取調室〜
カンナ「単刀直入に聞こう。…彼女を殺したのはお前か?」
『…そうですね。殺したのは…私ですよ。』
カンナ「そうか。じゃあもう一つ質問だ。」
『はい。』
カンナ「何故お前は《あの時泣いていた?》」
『…驚いた。そこまで見えてたんですか?』
カンナ「撃ち殺した犯人が泣いているとなったら異質だと誰でもわかる。」
『…そうですか。…はぁ…カンナさんには敵わないな。』
カンナ「それで…あの日…あそこで何があった。」
『何があった…ですか。…わかりました。お話します。』
そして私は自分の手で地獄の蓋を…いや…蓋をしていた記憶をこじ開けた。
〜二年前〜
私にはとても仲が良い女の子がいた。私の…唯一の友達だった。いつまでも…そんな生活が続くと思っていた。
…あの日までは。
私達は頭がおかしい連中に誘拐されて…。私は…自分が助かるために…あの子を…殺した。
私が最後に見たあの子の顔は…絶望に包まれてた顔だった。
『これが一連の…事件の流れです。』
カンナ「…そうか。」
『逮捕…しますか?』
カンナ「いや。逮捕はしない。本当に裁くべき相手はお前じゃない。」
『そう…ですか。』
カンナ「…お前は強いな。」
『急に…どうしたんですか?』
カンナ「いや…こっちの話だ。悪かったな。朝早くから。もう帰っていいぞ。」
『わかりました。…失礼します。』
少女が取調室から出た後
カンナ「はぁ…。」
…あの子は…どれだけの闇を抱えているんだ?…確かに…戦闘力は高いが…あの姿を見て…彼女が化け物に見える?…そんな訳あるか。…ただの…弱っている女の子じゃないか。
カンナは何度目かのため息を付いた。そして少女の境遇に同情していた。
『…。』
…気持ち悪い。…目眩がする。…消えたい。…私は…なんで生きてるんだ?
『…。』
もう…いいや。寝よ。
ドサッ…
「ちょ…っ!?ちょっと…!?」
なんか…声が…聞こえる…?
そこで私は意識を失った。
次回 第3話 悲鳴