「がッ!?」
「シュタルク様!?」
魔物との戦闘中、シュタルク様が私を庇って怪我を負った。
爪が脇腹に食い込み、牙が肩を食いちぎる。夥しい量の血が流れシュタルク様は膝をついた。
「『ゾルトラーク』」
シュタルク様を攻撃した事によってできた隙を狙いフリーレン様が魔法を放つ。お陰で魔物は討伐することができたが、シュタルク様の出血は止まらない。
「シュタルク様っ、無事ですか!?」
「まあ、なんとか……。でもすっごくいたい」
「出血がひどいね。すぐに教会で診てもらわないと」
「急ぎましょう」
私たちは近くの集落に引き返し、シュタルク様の治療を行った。
「お金なくなっちゃった……」
「ごめんよぉ、俺の治療費のせいで……」
「いえ、元はと言えば私が……」
治療が終わり一安心したが、罪悪感が蘇ってきた。私があの場面で対処できていればシュタルク様が怪我を負うことはなかったのだ。
路銀も底をつき、シュタルク様も安静にしなければならない。しばらくはこの集落で過ごす事になりそうだ。
「とりあえず何か仕事がないか聞いてくるよ。フェルンはシュタルクの側にいてあげて」
「わかりました……」
フリーレン様がいなくなり、シュタルク様と二人きりになる。
普段ならなんのも問題ないのだが、罪悪感に押しつぶされそうになっている今はどこか気まずい。
「あの、さっきはすみませんでした。私のせいでシュタルク様に怪我を……」
「そんなに気にするなよ。戦士ならこのくらいの怪我は普通だぜ」
シュタルク様はこう言っているが、今回の怪我は決して軽いものではなかった。一つ間違えていたら命を落としていたでしょう。シュタルク様がいなくなるなんて想像もしたくありません。考えただけで体の芯が凍てつき、目の前が真っ暗になる。そうなったら、私はもう生きていけない。
恐怖が体を支配し、たまらずシュタルク様の胸に飛び込む。
「いった!?フェルンさんいたい!そこすっごくいたい!」
シュタルク様が猛抗議するが関係ない。今身体を離したらどうにかなってしまいそうだった。それに涙が滲んだ顔も見られたくない。
「……お願いだから、もうあんな無茶はしないで」
震える声で、真剣に、切実に今の想いを伝える。もう大切な人を失いたくない。あの喪失感には耐えられない。どうか、私をひとりにしないで。
「……わかった。これからはもう少し気をつけるよ」
「すこしじゃだめ」
「はい……」
触れた部分から熱を感じる。シュタルク様は生きている。その事実に安心すると今までの疲労が波のように押し寄せ、そのままシュタルク様の胸の中で意識を手放した。
イチャイチャ度は低め。