この透き通る世界を俺は機械と骨でハッピーエンドにしてみせる   作:多趣味なオタク

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ブラックマーケット編です。ついにあの伝説の犯罪者が...!

そして、なんとUAが15000を超えていました!皆さん本当にありがとうございます!
また、お気に入りも450を超えていました!こんなに読んでいただけるとは...!これからも執筆活動頑張ります!


あと、AOHARUTRIOめっちゃいいですね!バックグラウンドと音楽が最高に素敵です!



では、本編どうぞ。


ブラックマーケットはこわい

 

 俺がアルを看病している間に事は進んでいたらしく、アルが未だ眠り続けている間(気絶している間?)にちらっと対策委員会の部屋を覗いてみるとすでに縄を解かれて今後のことについて話している先生たちがいた。見たところ穏便に済んでいるようで心底安心した。ないだろうとは思うがハルカが急に爆発したりしたら収集がつかなくなっていたかもしれない。それこそ先ほどの襲撃の続きが行われることになるだろう

 

 

 半開きのドアから中の様子を伺っていると、俺に背を向けていたはずの先生がぐるんっと顔をこちらに向けてきた。怖すぎない?ホラゲーとかで全然ありそうだったよ?しかも滅茶苦茶笑顔だし...なんか顔が陰っている気もするし、あそこだけなんか黒いオーラが出てるし..周りの人たちドンびいてるよ?ムツキとか冷や汗流してるよ、可哀想...

 

 

 などと考えている間に先生はこちらを向いて手招きをしていた。猛烈に帰りたい!死の危険が肌にひしひしと伝わってくる。セリカやシロコたちに助けてくれ!という視線を送っても目線を逸らされたりアルカイックスマイルのような悟った笑みを返されたりした...どうやら俺の味方はいないらしい。諦めて先生のもとへと向かう

 

 

『さて、サンズ。とりあえずさっきまでのことを説明するね?』

 

 

 そう言って先生はいたって普通の様子で説明をしてくれた。この襲撃の首謀者がアビドス高校の借金元のカイザーであることや、これからの便利屋の行動について綿密に。こういうことを聞くと先生の上に立つ者としての能力はとても高いと思う。本人の様子からしてあまりそうは感じていないかもしれないが、戦闘中だけでなく平時にも人をまとめられるのは強力なリーダーシップがあるが故だろう。さすがは連邦生徒会長が選んだだけのことはある

 

 

 などと現実逃避をしても居られない。こわい。ただひたすらに先生が怖いのだ。字面だけ見ればいたって普通の会話だったのだが、一向に雰囲気が緩和しない。今は先生のあの笑顔が般若のお面を被っているかのような威圧感さえ感じる。一体何があったというんだ...!?考えてみても一向に答えは出ない。かといって状況が好転するわけでもない。周りの目が早く何とかしろと言っているようにも見えるが、俺にはどうしようもないのだ...

 

 

 ひとまず、この雰囲気を変えるために話題の転換を試みる

 

 

「あー、アヤネ?そういえばあのヘルメットたちが使ってた入手経路が不明な武器に関してはどうなったんだ?」

 

 

 まさか自分に話が振られるとは思わなかったのだろう。アヤネは少しワタワタとしてからすぐに平静を取り戻してその説明を始めた。ちなみに、便利屋の社員たちは俺が先生に説明をしてもらっている間に対策委員会のメンバーに挨拶をして帰っていった。俺はおとりになったのだ

 

 

「は、はい!...先日の戦闘で手に入れた戦略兵器を分析した結果、現在は取引されていない型番だということが判明しました。」

 

 

「それってもう生産してないってことよね?そんなのをあいつらはどうやって手に入れたのかしら?」

 

 

 すかさずセリカが疑問を口に出す。みんなが疑問に思っていることを代表して言ってくれるのは会話がスムーズに進むからありがたい

 

 

「生産が中止された型番を手に入れる方法は...キヴォトスではブラックマーケットしかありません。」

 

 

「ブラックマーケット...とっても危ない場所じゃないですか。」

 

 

 ...ああ、もうブラックマーケットに行くのか...あの現場にはできるだけ居合わせたくないもんだな

 

 

「そうです。あそこでは中退や休学、果てには退学したような様々な生徒たちが集団を形成しており、連邦生徒会の許可を得ていない非認可の部活もたくさん活動していると聞きました。」

 

 

 その通りだ、まともな感性をしている者ならば絶対に出向くことのないような場所なのだ。...この後会うであろうペロキチ*1のことを考えると頭が痛くなってくる

 

 

「さっきの便利屋みたいに?」

 

 

「はい、それから便利屋68も、ブラックマーケットでいくつか騒動を起こしていると聞きました。」

 

 

 まあ、あいつらの様子を見たら容易に想像ができるな。アルは少し不憫だが、まあ社長の責任として甘んじて受けるべきだろう

 

 

「では、そこが重要ポイントですね☆」

 

 

「はい、襲撃の件はカイザーコーポレーションだとわかりましたがヘルメット団の方はわかっていません。もしそこに関連性が見つかれば、一気に進展すると思います。」

 

 

 

「よし、じゃあ決まりだねー。ブラックマーケットを調べよー。」

 

 

「意外な手掛かりが見つかるかもしれないしね。」

 

 

 いつの間にか戻ってきていたホシノが最後にまとめてくれて、俺たちはブラックマーケットに行く準備を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガヤガヤ

 

 

 

「相変わらず騒がしいな、ここは。」

 

 

 

『サンズはここに来たことがあるんだね。』

 

 

 

「まあ、ちょっとした野暮用でな。」

 

 

 

 ブラックマーケットを調査することを決めた俺たちは、さっそくその場所へ足を運んでいた。あ、先生についてはあの後俺が食事を奢ることを約束したら何とか機嫌を直してくれた。やはりあれは空腹ゆえの状態だったらしい。先生も自分がそんな恐ろしい状態であったことに気付いていなかったらしいし、よっぽどお腹が空いていたのだろう。今度めいいっぱい美味しいものを食べさせてあげたいと思った

 

 

 

「にしても、本当に大きいですねー☆」

 

 

「本当に。小さな市場を想像していたけれど、町一つくらいの規模なんて。」

 

「連邦生徒会の手の及ばないエリアが、ここまで巨大化していると思わなかった。」

 

 

 わかるぞ、シロコ。ここまでとは思わないよな。俺も商店街くらいの規模かと思っていたけど、記憶を見てみたら思ったよりも規模が大きくて度肝を抜かしたものだ

 

 

 後方保護者面をしていると、遠くの方から銃声と誰かが追いかけられているのかこちらへ走ってくる音が聞こえた

 

 

「う、うわああ!まずっ、まずいですー!!つ、ついてこないでくださいー!」

 

 

 うわでた。ペロキチだ。関わりたくないが、さすがに助けざる負えないか...

 

 

 シロコの方にぶつかりそうになったソイツの首根っこを掴むと、ブランブランと体が揺れる。なんか猫の動画を思い出すなあ

 

 

「わ、わあ!...あれ?もしかして、サンズさんじゃないですか!?」

 

 

 コイツは反省の二文字を知らないのだろうか。俺はこの光景を今まで何度見たのだろうか...

 

 

「おう、この前ぶりだな?ええ?まあ、それはそうとしてあの時”も”オイラはちゃんと注意したはずだが?」

 

 

 いつもの笑顔に若干圧をかけると、ソイツはやってしまったというような表情で顔を青くする。まったく、やってはマズイことだとわかっているのになぜやってしまうのだろうか...まあ、それもコイツの狂信ゆえなのだろうが

 

 

 後でこいつにはキツイ説教をすると決意して首根っこを離す。若干怯えた目でこちらを見ているが知ったことではない

 

 

「あ、おい!いたぞ!トリニティのお嬢様だ!」

 

 

 そうして戯れていると、コイツを追いかけてきた不良たちと相対した

 

 

「って、なんだ?あんたら。もしかして同業者か?ならいっしょにこいつをー」

 

 

 

 その不良が言い切る前に俺は拳銃をホルスターから素早く取り出し、そのこめかみに銃弾を叩き込む。まったくの無音で行われたその行為に、先生を含めたみんながポカンと呆ける

 

 

「誰が人さらいなんてするかよ。とりあえず、お前らには寝ててもらうぜ。」

 

 

 そして、戦いの火蓋が切られた

 

 

 

 

 

 結果はこちらの圧勝...蹂躙と言ってもよかったかもしれない。傭兵相手に対等以上に立ち回った俺たちなんだ。この程度の不良たちに後れを取るわけがなかった

 

 

「あ、ありがとうございました。皆さんがいなければ、学園に迷惑をかけてしまうところでした...」

 

 

 コイツはすごくしおらしそうに感謝の言葉を述べる...が、俺は知っている。コイツはこんな申し訳なさそうな雰囲気を醸し出しているが、内心まだここに来た目的を果たす気でいるのだ

 

 

「まあここにいる時点で学園に迷惑は掛かっていると思うけどな。」

 

 

 俺はコイツを責めるような視線で、若干の悪態をつきながらそうつっこむ。当のコイツは”うっ”と苦し気な声を出している。なんだ、まだぐうの音を出せる余裕があるのか。それならもっとキツイお説教ができそうだな

 

 

 

 そんな風に俺が考えていると、先生がおずおずとこちらに質問してくる

 

 

『えっ...と、サンズ?この子は?それと、なんでそんなに雑に扱ってるの?』

 

 

 まあ、当然の反応だろう。俺がこんなにあからさまに悪態をつくのもコイツくらいのことだ...もうちょっといるかもしれない。なんでこのキヴォトスには問題児が多いんだ...!

 

 それに、俺が意識せずともこんな態度をとっちゃうんだよなあ...まるで体が覚えてるみたいな感じで

 

 

「ああ、そうだったな。悪い、先生。いきなりこんなこと見せちまって...ほら、みんなに自己紹介しろ。」

 

 

 体をビクッと震わせるが、すぐにコイツは自己紹介を始める

 

 

「トリニティ総合学園の二年生、阿慈谷ヒフミです!部活は特に入っていません。趣味はペロロ様のグッズ集めです!」

 

 

「よろしくお願いしますー☆ところで、ペロロ様、というのはモモフレンズの事でしょうか?」

 

 

「そ、そうです!まさかモモフレンズを知っている人と出会えるとは...!」

 

 

 なぜか知らないがすごく会話が弾んでいる...そういえばノノミもモモフレンズの何かが好きだったような...ニコライだっけ?

 

 

 と、俺がそう考えているうちにも物凄いハイペースで会話が進んでいく、ある程度区切りがついたのか、先生は俺にもう一度質問をしてきた

 

 

『うん、ヒフミがそのペロロのことが大好きなのはわかったよ。それで、なんでサンズとはそんなに砕けた仲なのかな?」

 

 

 ま、また先生から黒いオーラが発されている...まあ、隠すほどの事でもないし、話すか

 

 

「ああ、別に話すのは構わないが、ちょいと長くなりそうなんで歩きながらでいいか?」

 

 

 周りの同意を得た後、ブラックマーケットを散策しながら話始める

 

 

「オイラがコイツと初めて出会ったのはな......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺がこのペロキチ...阿慈谷ヒフミ...と初めて出会ったのは"元の俺”が滅多に見つからないビックガンの制作素材をブラックマーケットにまで赴いて探していた時だった。その時も今回みたいにコイツが追いかけられていたっけな...

 

 

「ハア、ハア、ハア、こ、ここまでくれば...!」

 

 

 ブラックマーケットの中、一人の少女が息を切らしながら周囲を見渡す。その手には舌を出して目の焦点が合っていない鳥のぬいぐるみが握りしめられている

 

 

 あいつはどこに行ったー!

 

 

 あっちの方に向かったぞー!

 

 

 

 その後方から彼女のことを探す声が聞こえる

 

 

「ま、また!逃げないと...うわっ!」

 

 

 不幸にも彼女は曲がり角で通行人とぶつかって派手にこけてしまった。後ろからの声は段々と近づいてくる

 

 

「す、すみません!なにかお詫びしたいのですが、今ちょっと時間がなくて...!」

 

 

 そう言って立ち上がりすぐに駆けだそうとするが、ぶつかった相手がそれを許すことはなく、目の前に立ちふさがる

 

 

「っ!ご、ごめんなさい!でも本当に今はマズくて!」

 

 

 なんとか隙間を見つけて逃げ出そうとするも、すでに背後にはたくさんの不良たちがヒフミを見つけ、その銃口を向ける

 

 

「っおい!見つけたぞ!こっちだ!....なあ、アンタ。ソイツを引き留めてくれたらしいな、どうだ?そのまま渡してくれたら報酬の何割かは分けるが?」

 

 

 そしてその通行人に取引を持ち掛ける。足止めをしたことで同業者だと思われたのだろう、ヒフミも見るからに怯えた目で通行人を見やる

 

 

 その通行人は黄色のストライブが入った青いパーカーにフードを深くかぶっていて、目元はよく見えないが口元には笑みを浮かべていた

 

 

「おう、いいぜ。」

 

 

 そして、その口から出たのは取引に応じるという言葉。ヒフミは脳内で早く逃げろ、という警告を受けるが、前後を挟まれた絶望的な状況。ヒフミは恐怖で体を動かすことができず、その不良は嬉しそうに口元を歪める

 

 

「ははッ!じゃあ早速、ソイツを渡しtーパンッーっが!?」

 

 

 が、不良はその言葉を言い切ることができずに意識を失う。何が起こったのかわからないままに周囲の不良たちも小さな乾いた音と共に続々と倒れていく。気づいたころには不良たちは既に倒れ伏していた

 

 

「報酬はお前らの意識でな。ツケはナシだぜ?」

 

 

 その通行人はいつの間にか取り出していた拳銃をホルダーにしまい、フードを上げてヒフミに向き直る。ヒフミは自分の番かと思い、目を閉じてガクガクと震える

 

 

「...あーすまんな、嬢ちゃん。怖がらせちまった。どうだ?ケガとかないか?」

 

 

 ヒフミは恐る恐る目を開ける。そこには白髪の男子生徒がこちらに手を出して申し訳なさそうにしているという、先ほどの危機的状況からは考えられない光景があった。極度の緊張状態から解放されたヒフミは自力で立ち上がることはできず、その手を借りて立ち上がった。足は生まれたての小鹿のように震えているが、目線はしっかりと男子生徒の方向へ向いている

 

 

「あの!ありがとうございました!それと、先ほどはあの不良たちの仲間だと思って怯えてしまって...すみませんでした!」

 

 

 そう言って頭を下げる。さすがはトリニティの生徒、礼儀がきちんとできている

 

 

「いや、オイラが油断を誘うためにあいつらの誘いに乗ったのが悪かった。すまんな。」

 

 

 互いに謝罪をして、ひとまずはこの場を収めた。男子生徒はヒフミをブラックマーケットの出口まで送り、自分はまた入ろうとするところで背後からヒフミに声をかけられる

 

 

「あの、お名前を聞いてもよろしいですか!?」

 

 

 男子生徒は立ち止まり、一瞬逡巡して振り返ることもなく答える

 

 

「いや、名乗るほどのモンでもねえよ。ま、今度出会ったら教えるかもな。」

 

 

 そう言ってブラックマーケットへと姿を隠した

 

 

 

 その一週間後...ヒフミは懲りずにまたブラックマーケットへと足を運んでいた。そもそも前回の一件は初めてのことではなく、今までいくつものあった事件の中でのたった1ケースなのだ。この少女、なかなかに肝が据わっているのである。

 

 

 さて、今回彼女がここに訪れたその理由はいつものペロロ様グッズの収集だけでなく、あの時助けてくれた男子生徒に出会って名前を聞くことであった。彼のあの時の様子からしてここに来ることがそう珍しいことではないと判断したヒフミは鼻歌交じりにブラックマーケットを闊歩する

 

 

 そして、お目当ての人物を見つけることができた。どうやら素材屋でいろいろと物品を見ているようだった

 

 

「すみません、あの時のパーカーの人ですよね!?」

 

 

 突然後ろから自分のことを尋ねられたその生徒は、大して動揺することもなくヒフミの方に振り向く。呆れたような表情と共に

 

 

「ハア...よう、どうした。なんか用か?」

 

 

 それから、ヒフミと彼...サンズは何度かブラックマーケット内で出会うこととなる。おおよそはヒフミが不良たち(面倒事)を引き連れて

 

 

 それを何度注意しても改善されることがなく続けられたので、今のような態度へと変化したのだ。...それと、特に知りたくもなかったモモフレンズ、特にペロロについての知識も無駄についてしまった。だってコイツ俺が聞いてなくても横でずっと話してくるし...

 

 

 

 

 

 

 

 と、そんなこんなで今日に至るわけだ。何か質問は?」

 

 

 とりあえずビックガンなどについては誤魔化しながら、諸々の説明を終える。...振り返ってみると、ヒフミって結構ロックな性格をしてるよな。何度言ってもブラックマーケットを来るのをやめないくらい頑固だしな。石頭ってやつか

 

 

 ...まてよ?石頭、ロック...また一つ天才的なジョークが生まれちまったな*2

 

 

『ま、まあ。特にはないかな...あ、そうだ。ヒフミ、わかっててほしいんだけど、ここは本当に危ない場所なんだよ。って言ってもとっくにサンズが言ってくれてるとは思うけど、一応ね?』

 

 

 先生がきちんと釘を刺してくれた...いや、そこは明確に”行くな”と言ってほしかったんだがな

 

 

 そんなこんなでこのブラックマーケットについてなどを駄弁って2、3時間ほどが経過したころ、セリカたちが音を上げてきた。ま、当然か。というか、先生の方は大丈夫だろうか。そう思い先生の方を振り返ってみると、先生は顔に笑みを貼り付けていながらも額からは汗を大量に出し、いかにも疲労困憊という状態だったため、俺が休憩を提案するとみんなはすぐに賛成してくれた。幸いにも近くにたい焼き屋があったため、そこで一服することにした

 

 

 

 みんなでベンチに座り、そこら辺の自動販売機で買った飲み物と共にたい焼きを頬張る。ちなみに俺が選んだたい焼きの具は餡子だ。日本人なら当たり前だな...ちょっと言い過ぎたかも

 

 

 

 そうみんなで和んでいる間に俺の頭に1つの原作の内容が思い浮かぶ。そう、銀行強盗だ。確かこのたい焼きを食べた後にカイザーの現金輸送車が来て、なんやかんやで銀行強盗をするはず...

 

 

 

 マズイ!こんなことをしている場合ではない!責任取りたがり系先生と当事者のアビドス高校の面々、それと世紀の大犯罪者のファウスト(笑)が犯罪行為に手を染めることはもはや許容範囲だが、俺があちら側(犯罪者)になることはイヤだ!一応俺にも現代日本の倫理観があるので、そこを破ってしまうのは心理的に非常にいただけない

 

 

 

 思い立ったが吉日。俺は先生に用事があると言ってその場を抜け出す。危うく俺の人生に新たな黒歴史を作り出すところだった...

 

 

 そうして人気のない路地裏に入り、先ほどからこちらを伺っていた背後の存在たちに注意を向ける。4,5人ほどか。まあ、どうにでもなるな

 

 

 

 俺は周囲に人がいないことを再度確認し、背後から尾けてきたヤツラに声をかける

 

 

「おう、出て来いよ。こんな時を待ってたんだろ?」

 

 

 すると、予想通りに後ろから5人の不良生徒たちが現れた

 

 

「気づいてたか...だがもう遅い!さすがに1対5では勝てないだろう!諦めな!」

 

 

 今日最初に不良たちを倒していたのを見ていたのだろう、その姿に油断は見られない

 

 

「...ハア。わかったよ、降参だ。」

 

 

 そう言って両手を上げ、降参のポーズをする。そうするとさすがに何もできないと思ったのだろう、不良たちは銃口をこちらに突きつけながらもこちらへじりじりと歩み寄ってくる。それこそ目の前の俺以外には気づかないほどに集中して

 

 

ゴンッ!

 

 

 そして、目の前まで来た不良は突然下から生えてきた骨に対して何もすることができずに鈍い音を立てて崩れ落ちる。すかさずその後ろにいた奴らも骨で頭を軽く小突いて気絶させる。初めて人に対して使ったが、調節はうまくいったようだ。

 

 

 漫画のようなたんこぶを拵えた不良たちをひとまとめにして横に置いた後、テレポートをして建物の上に移って先生たちの様子を観察する。どうやら件の銀行強盗は終わったらしい。望遠鏡を使って様子を見ると、銀行からアルが何かを追いかけるかのように飛び出していくのが見えた

 

 

 

 アルに覆面水着団のファンサービスを終え、俺が戻ってもその銀行強盗に気付かないくらいのタイミングで顔を出す

 

 

「おー。ここにいたのか。戻ってきたら誰も居なくてびっくりしたぜ。そういえば、ここの近くで銀行強盗があったらしいんだが、先生たちは大丈夫だったか?」

 

 

 あくまで、またしても何も知らないサンズ(17)として発言をしてみたが、バレていないだろうか...と思いセリカたちの様子を確認すると、セリカは顔から滝のように汗を出し、先生はニコニコと笑顔を浮かべながらも体がすごく揺れている。ノノミも先生と同じように笑顔を浮かべているが、どこかぎこちないし目線がキョロキョロと動きまくっている

 

 

 

 わ、わかりやすい!!!隠す気あるのか!?あっ何か言おうとしたシロコの口を先生とセリカが必死に抑えてる...

 

 

 なんてこともありながら、俺たちは何事もなくアビドス高校へと帰ることができた

 

 

 

 ちなみに、覆面水着団のメンバーを知ったアルはまたしても驚愕の表情を浮かべていた

 

 

 

 

 

ー対策委員会の部屋ー

 

 

バン!

 

 

「なっ、何これ!?一体どういうことなの!?」

 

 

 セリカがあの銀行強盗により手に入れた現金輸送車の集金記録を見て怒りと困惑に満ちた声を上げる

 

 

「この記録にはアビドスで788万円集金したと記されてる。私たちのところに来たあのトラックで間違いない。けど...」

 

 

「そのあとすぐにカタカタヘルメット団に対して「任務補助金500万円提供」ですか...」

 

 

 アヤネがその紙に書かれていることを読み上げる。すると、それを聞いたセリカはもう我慢ならないといった様子で立ち上がり、口を開く

 

 

「それって、つまり私たちのお金を受け取った後に、ヘルメット団のアジトに直行して任務補助金を渡したってことよね!?」

 

 

『...そういうことになるね。つまり、こっちの方の黒幕は...』

 

 

「はい、カイザー。ということになります。」

 

 

 辺りが沈黙で満たされる。まあ、当然か。襲撃の方は便利屋が嘘を言っている可能性もあったからそれほど深刻なものではなかったが、こうも明確な証拠が出てくると真剣に考えざる負えないだろう。そんな中、ヒフミが口を開く

 

 

「ええと、部外者がつっこんで話すのは申し訳ないんですが、そもそもなぜカイザーコーポレーションはここを狙っているんですか?」

 

 

 当然の疑問だ。こんな砂漠しかない土地を手に入れてもメリットなど無いに等しい

 

 

「それは...」

 

 

「ふーむ...」

 

 

 皆一様に理由を考えているが、一向に答えは出てこない。そりゃそうか。それこそ(イレギュラー)のように原作を知らなければまず”宝探しのため”なんていう馬鹿げた理由は思いつかないだろう

 

 

 いくら考えてもその答えが出てくることはなく、俺が合間に出していたお茶やお菓子がすべて平らげられたのを見た先生は一旦解散することを提案し、その日はお開きということになった。

 

 

 校門の前でアビドスの面々はヒフミと別れを告げ、俺はヒフミをバイクで後ろに乗せて駅まで送る。さすがにここから駅までの長い距離を一人で行かせるのはよろしくない

 

 

「...今日はありがとうございました。サンズさん。」

 

 

「ん?ああ、襲われてた時のヤツか。いいぜ、というか毎度のことのように起こってるからな...そういえばまだ今回の分の説教をしていなかったな。」

 

 

 軽くからかってみると、ヒフミは本気にしてしまったのか少し体をこわばらせて俺の体に掴る手に力が入る。ちょっと腹が絞められて苦しい

 

 

「ま、いいや。先生も色々言ってくれてたし、今回はナシだ。」

 

 

 そして俺の体に掴る手が弱くなることを期待していたが、そんな期待とは裏腹にまた少し力が強くなる。わりかし痛いんだが!?

 

 

 そのまま何を話すでもなくバイクを走らせ続け、駅に到着する。ヒフミに着けてもらっていたヘルメットを回収し、軽く別れの言葉を述べた後にバイクにまたがり戻ろうとする。すると、ヒフミが声をかけてきた

 

 

「あの...アビドスの復興、頑張ってください!応援してますので!」

 

 

 ...根はいいやつなんだよな。それでペロロ愛がもう少し薄ければもっとマシなんだが

 

 

「おう、ありがとよ。じゃあな。」

 

 

 そうして俺はバイクを走らせ、駅を後にする

 

 

 駅からアビドス高校に向けて走り続けて1時間ほどが経ったころ、ポケットに入れていたスマホが揺れる。なんだろうと思いバイクを止めて画面をのぞき込むと、そこには便利屋 陸八魔アル と書かれた着信画面が目に入る。画面をスワイプし、通話状態にすると液晶の向こうから物凄く申し訳なさそうな声色でアルが声を出した

 

 

 その内容は、カイザーからまた襲撃をしろという依頼の催促が来たということだった

 

 

 そういえば原作ではあれを演習だかなんだかって勘違いされてたな...

 

 

 さて、どうしようか。正直このまま戦ってもらった方が便利屋のレベル的にも成長の見込みがありそうだから戦ってもらいたいところではあるが、色々と懸念点があるにはある。まあ、こういうのは直接話した方がいいだろう。そう思いアルに返事をする

 

 

「そうだな、色々と話したいこともあるから、明日紫関ラーメンでラーメンでも食べながら話そうぜ?アル自慢の部下たちとももっと話してみたいしな。」

 

 

 向こうからの承諾を得て、スマホの通話を切る。...そういえば、この後のイベントってなんだったっけな....まあ、忘れてるってことはそれほど重要でもないだろう。それよりも明日のラーメンの方が大事だ

 

 

 

 そうして、俺は鼻歌を歌いながら帰路につく。

 

 

 この時にあのイベントを思い出してさえいれば、あんなことにはならなかったというのに....

 

 

 

 

 

ーオマケー

・ブラックマーケットへ行く前

 

 みんなが準備を整えるため各々の場所へ向かい、俺も準備をしようと部屋を出ようとしたとき、後ろからアヤネに声をかけられた

 

 

「あの!サンズ先輩、あの時、何をしたんですか?」

 

 

「...?あの時ってどの時だ?」

 

 

「あ、ええと...便利屋の人と戦闘していた時です。あの時サンズ先輩は何かのボタンを押しているように見えました。そのあと、学校のチャイムが鳴ったんです。皆さんは戦闘に集中していて気づかなかったようですけど、私は教室の中に居たので気づけたんです。あの時、時計の針は本来チャイムの鳴る五分前で、チャイムが鳴るはずがなかったんです。もしサンズ先輩が何もしていないというのなら、疑ってしまいすみませんでした。」

 

 

 ...よくできた子だ。それに洞察力にも優れている。アビドスも安泰だな

 

 

「ああ、大丈夫だぜ。それに、俺がボタンを押してチャイムを鳴らしたのは本当だしな。まあ、俺もあれが勝負の決め手になるとは思っていなかったんだが...」

 

 

「あ、そうなんですね...いつのまにやったのかと思って...」

 

 

「あー、まあ。疑問に思うのは当然だよな。最初にセリカが倒れた時があっただろ?あの時、軽く何があったのかを聞いてな。俺の方でも何かできないかと思ってちょっと細工させてもらったんだ。勝手にいじって申し訳ない。」

 

 

「全然大丈夫です!むしろそのおかげで助かりましたし、こちらこそ感謝をさせてください!」

 

 

 そう言って俺たちは頭を下げ合い、おかしくなって笑いあった

 

 

「っふふ、すみません。お時間を取らせてしまいました。私も準備をするので、この辺で。」

 

 

「ああ、有意義な時間だったぜ。また後でな。」

 

 

 心なしか、アヤネと仲良くなれた気がした

 

 

 

*1
あはは...

*2
\ツクテーン/




さて、このサンズ君はなんと前科を背負うことのないきれいなサンズ君です。前科持ちサンズ君を期待していた方々には申し訳ありません。

なんかサンズ君の漢字の名前が死んで来てる気がする...変換が難しいからね!しょうがないね!(開き直り)

そして、
ABcD overjoy 様、
いか、 様、
luckyxdxc 様、
ヨワビ 様、
ととろろ 様、
tensai1031 様、
だんごのお兄さん 様、
黒龍蓮 様、
momumiso 様、☆9評価ありがとうございます!

また、筆者のモチベーション向上につながりますので、評価、感想のほどよろしくお願いいたします

感想ホシイ...


FNFのMODに逆転裁判ある...ウレシイウレシイ
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