この透き通る世界を俺は機械と骨でハッピーエンドにしてみせる 作:多趣味なオタク
「っと、まあこんなもんかな。」
いやはや、これまでの
てかアズサが特段ヤバいが、まあアリウスだしということで納得させておくことにする。他の露出狂とペロロ狂は知らん。もう俺の手に負えたものではない。あれらは儂らには救えぬものじゃ...
ということなのでここら辺は全部先生に丸投げ巴投げ~しておこう。
...俺も大分疲れてるな。
俺はあの怒涛の出来事の後、意気消沈したコハルを先生と一緒に慰めながら指定された補習授業部の教室に向かったんだが...まあ大変だった。
その落ち込みように流石のハナコも大人しくしていたし、アズサとヒフミも特に何も言うことはなかったのだが、その労わる雰囲気がより一層コハルを追い詰めてしまったのかさらに慰めることが難しくなって...これからの先行きが大分不安になったな。
これからの展望に絶望を感じていると、扉が数回ノックされ、先生が入ってきた。先ほどまで部のメンバーを集めてなんとかまとめようとしていたみたいだが、大分疲れた顔をしている。わりぃ、やっぱきついわ。そりゃあきついでしょうよ...言えたじゃねえか。
『お疲れサンズ...もうすぐで皆が揃うみたいだから、そろそろ来てほしいな。あ、自己紹介もするから何か考えておくと良いかも。』
「オーケー。了解だ。そっちもお疲れさん。で、これ。」
先ほど作ったまとめの書類を先生に差し出す。受け取った先生は最初理解できないといった表情をしていたが、その内容を理解した瞬間いつもより少し疲れの滲んだ笑顔を浮かべる。
『何?...あぁ...ありがとう。大変だったんじゃない?これ。』
「あぁ。それなりにな。でもまあ、オイラがこれを見て言えるのはただ一つだ。
後は頼んだぜ、先生
」グッ
それを聞いた先生は落ち着かないのか目を揺らがせ、そして少し言葉に詰まりながらも申し訳なさそうな声色で話をした。
『あ~...うん、まあ、半ば無理やり引きずりこんでおいてなんだけどさ。メインは私だから。無理しなくていいからね?』
「当たり前だァ!!」
『ひぃん...』
何を当たり前のことを言っているんだこの人は!俺は生徒であなたは教師!たったそれだけの話でしょうが...!
...まあ、この惨状を見て先生を一人にするのは流石に良心が痛むからな。
今、王女で何か妄想しましたね?死になさい
ひえ、怖い。
おかしいな。俺ネットにも何も接続させてないはずなのになぜかケイは俺の考えていることを読めるみたいだ。新手のスタンド使いか!?とりあえず後で頭にアルミホイル巻いとこう。
そして場所は移って補習授業部にあてがわれた教室。俺と先生に加えて補習授業部の面々が一堂に会していた。
その様子はと言うと...まあ、なかなかにキツイものだったな。ヒフミは他の部員たちの顔色をうかがっており「え、えと...」と半泣きになりながらどうにかコミュニケーションをとろうとしてうまくいってなかったり、ハナコは「うふふ♡...」とか怪しげな雰囲気を出しておいて特にアクションを起こさなかったり、アズサはガスマスクを外さないのでずっと呼吸音を響かせていたり、コハルは「なんでぇ...」だの「ウソ、ウソだぁ...」などと絶望した表情で呟いていたり...
「...なあ、オイラこの中で自己紹介しなきゃダメなのか?」
『...ごめん。お願いしていい?』
「はぁ...分かった。」
とりあえずこの終わってる状況を打開するため、俺は人柱となることが確定した。具体的には、この誰も会話という会話をしない気まずさレベル100の空間を俺一人の自己紹介でどうにかしなくちゃいけないということだ。
いや~もし前世でこれしなくちゃいけないことになってたら俺は即行で逃げ出していただろうな。だが幸運にも(もしくは不幸にも?)俺はこのキヴォトスに来てから銃撃戦や爆破に巻き込まれたりとかなぜか風紀委員会の朝礼で前に立ったりしたからな。慣れ...というか諦めを早くにつけられるようになってしまった。俺の価値観がキヴォトスの価値観に染められるのもそう遠くはない話かもしれない。
とにかく、この困った雰囲気をぶち壊すため、俺は教室に響くほどの音量で手を叩き注意を集め、そして口を開いた。
「あ~...とりあえず、みんな集まったんだ。自己紹介と行こう。」
そう言って全員の表情を見る。どうやら特に反感はないらしく、みんな今のところは素直に黙って俺に視線を向けてくれているようだ。このままの調子で突っ切るか。
「ン”ン”...オイラはシャーレのサンズだ。ちょっとばかし先生の補佐みたいなことをしてる。そんで一応ミレニアムの二年でもある。好きなものはマヨネーズとジョークと休みで、お気に入りはミレニアム駅徒歩十五分にあるバーに売ってる自家製マヨネーズだ。好きすぎて
最後に軽くウィンクをして締めくくる。この体顔がいい癖にウィンクに慣れすぎなんだよね。なんだホストでもやってんのか?だとしたらちょっと取り返しつかなくなるからやめてほしいんだけど、俺のメンタルが(倒置法)
あとさっき言った話、なんとこれ
この体になってから少ししてから...具体的にはアリスとかの騒動の後かな?で、定期的にマヨネーズ摂取しないとストレスがヤバいほど溜まっていくようになったんだよな。原因がよくわかんなかったからとりあえず最初の一週間とかは応急手段のストレス解消のために最高のマヨネーズを探しに行って朝帰りとかよくしてた。今はもうコレっていう至高の一品があるからいいんだが、あの頃は大変だったなぁ...
ちなみに最初に冷蔵庫に入ってたマヨネーズとかホットドックは一か月もしないうちに俺の胃袋の中に納まりきった。在庫処分の感覚で食べてたら後にコレだからなぁ、本当にヤバかったとしか言いようがない。なんとか乗り切れてよかったよ、マジで。
んで、話を戻して俺の自己紹介が終わってその反応はというと...
「なるほど、サンズ君と言うんですね...うふふ、よろしくお願いします♡」
「ん...よ、よろしく...」
「確かに作戦の前に連携を高めることは重要だな。うん、よろしく。」
ふぅ、悪くはなかったみたいだ。少なくともなんだコイツとか思われてなくてよかった。俺が男子ということにも特に触れられていないし、表面上は受け入れてくれてるってことでいいのだろう。とりあえず一安心だ。
...それはそれとして誰も俺の渾身のジョークに反応しなかったのは傷つくな。もしかして分かりにくかったか...?
「よろしくお願いします!...にしても、改めて聞くとなかなか個性的ですね...」
『ね、しかもマヨネーズ単体で食べるからね。』
ヒフミの個性的という発言に、先生が詳しい情報を付け加えることでその攻撃力が増加した。そしてハナコたちもその異常さに驚いたのか俺を凝視してくる...やめろ!俺をそんな目で見るなァ!
「え!?そうだったんですか!?」
「はい...?単体で、ですか?」
「え?マヨネーズを...そのまま?え?」
「いや、マヨネーズはエネルギー補給率が高いと聞いた。ゲリラ戦や立てこもりをするときには必要となるものなのだろう。」
「え、いや、それでも...えぇ?」
いや、自分でもちょっとおかしいとは分かってるけどさ...でもその驚いた反応は傷つくといいますか...アズサのフォロー?もそうだが、特にコハルの信じられないものを見るような目が一番きついといいますか...アッちょっと死にそう。ソウルが割れる...!砕ける...!
だが俺もそんな殺傷力の高い「うわぁ...」という視線を黙って受ける義理はない。せめてもの反抗に憎まれ口の一言くらい言っても構わないだろう。...え?いいよね?
「...へへ、みんな驚いちゃいるがな...べ、別にそんな悪いことたぁねえだろ?」
『いや、体が...』
「心配です!」
ヒフミと先生の連携技により崩れ落ちそうな体を、必死に気力を奮い立たせてなんとか踏みとどまる。ンンンン...まさに!正論!!!
だが!こういう時に使うとっておきの言葉があるんだなぁ!まさか本当に使うことがあるとは思わなかったが...
「フッ...知らんのか?人間にとって健康なのは好きな時に好きなものを食うことなんだぜ?」
フフフ...流石の先生もこの理論を真っ向から否定することは難しいだろう。なんたってこの理屈は絶対に間違いであるとは言えないからなぁ!ガハハ!勝った!エデン条約編、完!
『いや、それでもマヨネーズそれだけで飲むのはマズいでしょ。』
「そうですよ!体に良くないですよ!」
「...私も、ちょっと心配ですね。」
「...」
「...え?本当にマヨネーズ一本を?冗談じゃなくて?」
...
「ぐふッ...」
な、なかなかやるじゃねえか...今のは大分キタぜ...特にコハルの視線がよぉ...!
あとケイは無言だが何を思っているのかが手に取るようにわかるし、アズサは興味をなくして注意を違うところに向けないでほしい。割とちゃんと傷つくからな?一応俺も心はただの一般人だからな?そんな強靭なメンタルを持ってるわけではないんだぞ?
という感じで場を和ませるため自己を犠牲にしてみたが、流石に耐えきれなくなってきたので涙目になりながらも先生に視線を送り救援を求める。先生も俺の心が限界ということを察してくれたのか、たったの一言二言でこの俺を異質なものとして扱う空気をすぐに変え、皆が軽く自己紹介やらこの部についての軽い説明を始めた。どうせならもっと早くからやってほしかったなぁー!
そして、他のみんなの分の自己紹介の印象は俺がリストアップしたものと大して変わりなかったなかったので割愛。気になることと言えば、エ駄目死のコハルが一度もその言葉を用いず、ずっと反抗的だったことだが...アレってそんな頻繁に用いるものじゃないんだな。てっきり口癖かと思っていたからちょっと意外だった、ということぐらいだ。つまり異常なし!確認ヨシ!*3
全員分の自己紹介と説明が終わり、最後に先生が全員の前に立って呼びかけた。
『よおし!じゃあみんな、これから成績向上のため、頑張ろ~!オー!」
「おー。」
「お、おー!」
「...」
「あら...うふふ。」
「なんだ?何かのサインか?」
拳を突き上げるというお手本のような士気向上の行動も、この濃い面子には大して効果がないらしい。俺は先生とこの名誉ある部長サマに向かって苦笑いをするほかなかった。
「...前途多難だな。」
「あはは...」
かくして、補習授業部のカオスな顔合わせは終わり、ついに本格始動することとなった。
ーおまけー
・補習授業部のメンバーからサンズ君への印象やコメントなど(結成時点)
●ヒフミ
す、すみません!でもペロロ様のゲリラ公演を参加するには、こうするしか......
で、でも!いつも迷惑をかけてしまっているので(ブラックマーケットで)、今回ばかりは部長としてサンズさんのお手を煩わせないよう頑張ります!
ですので、その、笑顔のまま近づいてこないで欲しいなぁと...え?お説教?正座?
......先生!
サンズのことをしっかりしているお兄さん的な人だと思っている。叱られるのは怖いし迷惑をかけてしまうのは申し訳ない気持ちでいっぱいだが、ペロロの前では無力。
●ハナコ
あら、サンズ君をどう思うか、ですか?
...うふふ♡
キヴォトスでたった一人の男子生徒...私たちとは性別からして異なる、がっしりとした体つきをしていて、あんな体で無理やり乱暴されてしまったらと思うと...あら?どうしたのですか、コハルちゃん?そんなに顔を真っ赤にして♡
サンズはキヴォトス唯一の男子であり、よりによって権力のあるシャーレに所属していること、そしてシャーレの設立理由のこともあり怪しんでいる。それはそうとからかうと良い反応が返ってくるのでからかいはする。
●アズサ
...何だ?サンズの印象?
「弱い」な。
歩き方、重心...立ち振る舞いがあまりにも戦闘に慣れていない上に体が細く筋肉量も少ない。あれでは近接戦闘もままならないだろう。
...これでいいか?
言葉の通り、「弱い」としか思っていない。ばにばに。
●コハル
サンズの印象?え、えっと、かっこい...はっ!な、なんでもない!
と、というか私はエリートだし!ここに来たのもちょっと飛び級のために二年生用のテストを受けたからだから!わかる!?こんな場所すぐに抜け出してやるんだから!
顔がかっこいいという印象。初対面で特にかかわりのない人たちは大体こんな感じ。
先生(...あれ?サンズがまとめてくれた紙に書いてある”裏切り者”って、何のことだろう?)
サンズ君、知識がある故のミス!これは黒服の言葉も加わって後々響いてきますね。
また、筆者のモチベーション向上につながりますので、評価、感想のほどよろしくお願いいたします!
番外編を上にして本編を下に配置した方が見やすいですか?
-
本編を下に
-
本編を上に