この透き通る世界を俺は機械と骨でハッピーエンドにしてみせる 作:多趣味なオタク
#何やってるんですか勉強してください
『じゃあ、さっそくだけど試験勉強をします!』
「わーいドンパフドンパフー(棒)」
『ねえもうちょっとやる気を出してもらうことって可能?』
「スマン、これ以上は有料なんだ。諦めてくれ。」
『お金とるんだ...』
補習授業部のメンバーたちが、教室内で繰り広げられた俺と先生によるコントのようなやり取りに呆気に取られている様子が視界の端に見える。なんだこれ、自覚したらちょっと恥ずかしくなってきた。
いやまあこれからこんな感じなのが続いていくんだし、早いとこ慣れてもらおう。どうせ長い付き合いになるだろうからな...(遠い目)
『あっ...ん”ん”!!じゃあ、まずは自習していこうか。前回受けた試験を渡していくから、答えを見ながらやり直しをしていってね。もしその最中でわからないところがあったら適宜私、もしくは巡回するサンズに聞いてね。あ、もちろん私たち以外の人にも聞いて大丈夫だよ。じゃ、頑張ろう!』
「俺にはあんま期待すんなよー。」
ということで先生が分からないところを教えていく感じで勉強会が始まってしまった。正直俺が教えられるのは国語(それも現代文)とか数学とかのキヴォトスに関係のない分野だけだから本当にやばい。
これは所詮言い訳だが、俺が元のサンズの記憶をたどった時に勉強している様子がまっっっったくなかったのが悪いと思うんだ。それなのにあのミレニアムで勉強面に問題ナシとか...どうなってんだホント!天才か?天才なのか?それとも何度も繰り返しているからそこら辺の知識は万全なのか?
...思い返せば俺のたどった記憶って完全じゃなかったような気がする。まあそのおかげでこの体が寝てたり機械いじりする様子をずっと見させ続けられることはなかったからよかったけど。あとどうせその見てない部分は
...それはそれとしてヒマリさんとリオ会長には特に細心の注意が必要なことに変わりはない。頭のいい人たちと会話すんの怖すぎんだけど!
「ハナコ、この文章は何?」
「ああ、これは古い叙事詩の冒頭部分ですね。「怒りを歌え、神性よ──」という...」
おや、教室の端にある椅子に座りながら頭の中で色々と考えているうちに補習授業部の間で教え合いを行っているようだ。
考えてる場合じゃねぇ!この地獄耳なデビルイヤー*1で会話を聞くとしよう。必要な時は間に入って...いや無理だわ。叙事詩とか全く分かんない。とりま聞くだけ聞こう。
「ああ、あれか。理解した。ありがとう。」
「いえいえ、またわからないことがあったら是非聞いてください。」
...俺いる?
「あ...ん...ええ?」
『...サンズ、コハルのことお願いしてもいい?今丁度ヒフミに教えてて...』
「ああ、わかった。ちょっと行ってくる。」
よかったー!俺にも存在意義あったわ!ハナコが優秀すぎてこのままだと一生教室の隅ですみっコぐらししてるとこだった。さてさてどんな内容かなっと...数学!?キタ、キマしたわこれー!こーれ俺が丁度教えられるヤツです。どれどれここはひとつ俺が教えてしんぜよう。
「ん~ここが分かんないか?」
「うえっ!?あっえっえっと...」(顔近っか!)
「大丈夫ダイジョーブ。まずはここを移項してな...」
「は、はい...」(集中できない!)
「...ん?」
「どうしました?アズサちゃん?」
お、また何か質問があるようだ。さっきコハルに意気揚々と教えてたらすぐに「も、もう大丈夫...!わかったから!」と言われてしまって暇してたし、またこのデビルイヤーは地獄耳♪を使うとしよう。ところでさっきのコハルの反応からしてちょっとノリがキモかったのかな...反省しよう。なんか死にたくなってきた。
「ここは何?」
「ここは...ああ、古代語を重訳したものですね。原文を理解するには辞書がないと厳しいかと。ちょっと待っていてくださいね。」
...ちょっとハナコさんの知識量がとんでもなくないですか?いやまあ二次創作とかでめっちゃ頭いい!とかいうような描写が...あったような?ああもう記憶がヤバい。覚えてねぇよそんなこと!
というかそもそも高校生で古代語って学ぶもんなの?日本で言う漢文とか古文みたいなものなのかなぁ...にしてもレベル高いけど。
まあとにかく、ここで俺の出番はなさそうだ。悲しいね。(´・ω・`)
「ん、ああ、ならこれは「Gaudium et Spes」、喜びと希望か?」
ん?
「えっと...はい。そのようですね。これは
お?
「ああ、
へぇ...
うわなんか急に怪しい!これアレだろ!原作やってた時にプレイヤー惑わせるヤツじゃん!「昔習った...」とか確定演出だろコレ!ミスリードだミスリード!
ま、俺はその全貌を知ってるからそれに惑わされたりしないんだけどな!残念だったなブルアカ運営!(名前を知らない)
俺をひっかけたいなら前世でストーリーの更新を遅くして二次創作やら掲示板やらにかき込ませないようにするんだったな!まあもう遅いが!
(なんでサンズさんはハナコちゃんとアズサちゃんを見ながら笑顔で頷いているんでしょうか...)
(なんでサンズは後方腕組みしてるんだろう...)
何を一人で興奮しているのですか、自分の役割1つすら満足に果たせずに笑っていられるほど、あなたに余裕はあるのですか?
「ウッ」
(なんかカメラを見てから急に胸を抑えて苦しみだしちゃいました!?)
(挙動不審だなぁ...後で注意しておかなくちゃね。)
ケイからクリティカルヒットを食らって死にかけていたが何とか気を取り直したところで、少し思いついた...思い出した?ことがあるのでしばし思考に浸る。
そういえば...というかあれか、今考えれば「アリウス」って現実...というか前世?で言うキリスト教のアリウス派のことか?たしか三位一体説がどうとか、アタナシウス派から迫害されたとか...だったっけ?あれ、違うかな。
で、さっきハナコが言ってた第二回公会議はたしか...ニケーア公会議だったよな?うっわ!もう前世でやってた高校の世界史で出てきたわ!どうせ受験にしか使わないと思ってあんま細かく覚えてないけど、こうして考えるとなんか元ネタ知ってるみたいで感動するなぁ。なんかこう、鳥肌立つ感じがしてすごいゾワッとした。これが...感動?(感動を知らない化け物)
正直あんまり確信がないというかはっきり覚えていないからモヤモヤするけど...うん、まあいいか。流石にソシャゲでそんなメタ知識使うことはないだろう。多分おそらくメイビー大丈夫。己を信じよ。
そんなことを考えながら、補習授業部での時間はあっという間に過ぎていった...
「あ、コハルのそこはテスト範囲じゃないぞ。」
「えっうそっ!?...ち、違うし!これは予習!そう!次の範囲の予習なんだから!」
「あー...まあ、なんだ、頑張れ。」グッ
「な、なによその目はー!?」
「あら、どうやらあちらはアツアツな様子♡これは私も一肌脱がなくては...」
「は?なっ、ちょっ、ぬ、脱ぐなー!エッチなのは駄目!しけぇ!」
「ウッ」
「ど、どうしましょう!?」
『...うん、ちょっと止めてくるよ。こら、ハナコ!君のせいで何回サンズが使い物にならなくなったことか・・・」
多少の問題はあったが、特に支障はないはずだ。このままいけばどうにかなる。俺の知ってる通りになるだろう。心配することは何もない。
そう、俺の、知ってる通りに...
ん?俺が知ってる通りにってことは、補習授業部が続くってことで、もしかして...
い、いやまさか...まさかそんな、ねえ?いくらエデン条約でミサイル来るまで存続してるからって、みんな試験を通過できないなんてそんなこと...
お、おおおおおおおちちちちつけ、ま、まだあわわわわわわわわわw
...いや、ストーリーなら無理じゃね?
──試験当日
さてさて、ついにこの日が来てしまいました。第一次特別学力試験ステークスです。
出場選手は1番阿慈谷ヒフミ、自称普通のいかれポンチです。なんと先日部室の黒板にペロロのポスター?を貼り勉強意欲を向上させようとしたテロリストということで、かなり注目されています。効果は当然ありませんでした。
ちなみにこれは先日のことですが、試験三日前だというのにDJペロロ様がとか言って勉強をほっぽりだしブラックマーケットに突撃しようとしたことで先生にこってり絞られています。何が彼女をそこまで駆り立てるのか、これはペロロが果たして危ないブツをキメているのかどうかという議論を終わらせるほどに難しいことでしょう。
さて、肝心の合格率(独断と偏見によるもの)は90%。補習授業部の部長ということもあり、試験を受けなかっただけで実力はしっかりあるようです。なら試験に出とけやという私の声は心の中に留めておきます。まあ普通に合格できるでしょう。
続いて2番、浦和ハナコ。露出狂です。以上。
そして3ば──はい?もうちょっと説明を?
...えーでは、2番の紹介を...えーはい。彼女はまぁその...うん、頭はいいはずなんです。ただ今日の様子を見る限り多分実力は出さなさそうです。はい。ゴールドシップみたいな感じです。以上。
で、3番の下江コハル。彼女は私の癒しです。あの色んな意味でヤバい補習授業部の中で真の常識枠と言えるでしょう。ちゃんとした女子高生という感じがしますね。今まで一癖も二癖もある人たちに出会ってきたので余計にそう感じます。
そして肝心の合格率は......2%です。
なんだ?文句でもあんのかァ!?ええ!?
すみません、取り乱しました。なぜそこまで低いのかというのは...単純に学力不足です。補習授業部が発足してから期間程度では埋めることなどできないくらいの。
と、いうことで合格はほぼ不可能となっています。いわゆる「大穴」ですね。これからに期待です。ハルウララみたいな。
最後の4番、白洲アズサ。光のテロリストです。テロに光も闇もないですが、まあ光ということにしておきます。
勉強への意欲が強いうえにあの理解に苦しむモモフレンズに適応する猛者でもあります。これはあくまでも個人的な考えですが、モモフレンズならペロロとビックブラザー以外はかわいいですからね。まああり得ることでしょう。
とまあ、なかなか期待度は高いですが、その合格率は23%。先ほどのコハルより割合が大きいことに驚きを隠せませんが、これもあの勤勉な態度の賜物ということでしょうか。
...さて、最後の選手が収まりました。スタートです!最初に抜け出したのは、やはり強い阿慈谷ヒフミ!普通の概念について一度問いただしたいところです。続いては──
”...ズ...サンズ!”
「...ん?な、なんだ?どうした?」
場所はとある教室の前。そこにあるベンチに座って妄想に耽っていると、横から先生に声を掛けられたために俺は意識を浮上させた。
”もう、忘れちゃったの?もうすぐみんなが試験を終えるから、近くで待機しておこうって話だったでしょ?”
「あーまあ、確かそんな話だったような...」
先生の話を聞いて思い出す。そういえばそんな話だったわ。というか俺が言い出しっぺだったんだけども。
でもあまりにも暇すぎてちょっと妄想しちゃったんだよな...いや、マジで下らん内容だったわ。競馬とか小さいころ父親に連れられて競馬場行ったことぐらいしかねぇ。
俺のどこか心ここにあらずな様子を見かねてか先生は眉をひそめ、腰に手を当てて俺に説教を始めるかのような雰囲気を醸し出す。あっなんか嫌な予感が!
”しっかりしてね?もしかして睡眠が足りてなかったりする?もしそうなら──「おおっと!みんな来たぞ先生!これは早く迎えに行かないとな!」って、もう...”
戦線離脱。逃げの一手を取った俺は後ろにいる先生の表情を見ることなく、すぐに教室の扉の前にいる補習授業部の面々に近づく。タイミング良すぎ!このままだとお説教コースだったからマジ助かった!という感謝の意も込めて気持ちいつもより優しく声を掛けた。
「よ、お疲れさん。」
「え、サンズさん!?もしかして待っていてくれたんですか?」
「まあな。でも俺だけじゃないぜ?ほら、あそこに先生もいる。」
「そうなんで──な、なんか呆れたような表情してますけど...」
「あー、あれは過労だな。気にしたら負けだぜ。見ればわかるだろ?どれだけ仕事がつら
「「「「....」」」」
”...ゴホン!で?何が気にしたら負けって?”
「ハハ、ナンノコトカサッパリダー...ツラスギ」
”まったく...みんな、お疲れ様。”
「は、はい!ありがとうございます!基礎が多くて、先生の教えてくださった内容も多く出てきたので
「へぇ、簡単...ねえ。」
「...」
「ま、まあまあだったわね!?」
「ふふっ...」
俺がヒフミの言葉を聞いてみんなの表情をよく見てみれば、明らかにヤバそうなのが一人。変化がないのが一人。不穏な笑みを浮かべるのが一人...
安心できる要素皆無!閉廷!
「...まあ、結果は後日だ。みんな今日は早く寝といたほうがいいな。」
だが流石にそんなことをこの場で言うほど俺も思慮がないわけじゃない。適当に言葉を濁しておくことにした。先生は笑顔でニコニコとしている...ように見えるが、どことなく不安そうな雰囲気を出している気がする。やっぱこの人も不安なんだろうか。
”そうそう、サンズの言う通り。みんな試験が終わったからって夜更かししちゃダメだからね?じゃ、今日は解散!”
と、いう感じで先生が先生がうまく締めたところで、一次試験は終わった...
だが、忘れてはならない。これはあくまでも「第一次」。ここにわざわざ「1」とあるからには当然「2」もあるはずであり、その結果...
こうなることは、当然だった。
「な、なんでこうなってしまうんですかー!!??」
「むう、失敗したか。だが次だ。」
「や、ちょ、ちょっと難しかったかなーって...な、何よその目は!?」
「あら、残念ですね。」
「うっわ、わかっちゃいたが...ヤバいな、コレ」
”あはは...みんな、次はがんばろうね?”
とりあえずみんなに勉強を教えることは前提として、そのほかにも頭を抱える事情がある。あのミサイルどうしようとか、ケイをどう扱っていくかというほどの難しいことではないが、まあそれなりに...だいぶ...かなりしんどいであろうことだ。
それは、「俺と先生が合宿に行くのでシャーレでの仕事ができなくなる→できない分仕事が溜まる→帰るまでにある程度処理できてないとその後が書類地獄になって詰む」とかいう地獄が出来上がること。なんだこれ地獄かね?しかも合宿だから泊まり込みね。What!?
何度も言うけど、なんだこれ地獄か?
そんな愚痴を心の中でこぼしつつ、俺は自室にて合宿用の荷物を詰め込むのだった。
...一応、こんなことをする必要はないとは思うけど、部屋に書置きでも残しておくか。「心配せず待っといていてほしい」とか。まあ俺を追ってトリニティに来るだなんてことはないだろうけど一応ね。
このサンズ君は変に真面目なので合宿中にも書類持って行って仕事をすることになります。可哀そう。しかもちゃんと部屋に書置きを残してから行くので、ワカモやアリスにもその情報が共有されます。
結果、両者めちゃくちゃ寂しがった後でトリニティに乗り込むか、書置きに書いてあった通りに大人しくしておくかという苦渋の選択を迫られます。
というかこの合宿の時の先生って軽く過労死してそうですよね。この世界って労基とかあるんでしょうか。
フロム民 様、ネビロス 様、☆9評価ありがとうございます!
筆者のモチベーション向上につながりますので、評価、感想、誤字報告のほどよろしくお願いいたします。
番外編を上にして本編を下に配置した方が見やすいですか?
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