この透き通る世界を俺は機械と骨でハッピーエンドにしてみせる   作:多趣味なオタク

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「どうやらUNDERTALEが9月15日に十周年を迎えたらしい(大遅刻)」

「十周年を迎えるとどうなる?」

「知らんのか Youtubeでコンサートがアップロードされる」

7周年のものを編集したものらしいですが、演出が最高ですね!まさか最後のアレがコンサートの表現で出てくるとは....
やっぱUNDERTALEって...神なんやなって(再確認)

大阪の公演は終わってしまいましたが、東京と横浜、仙台での公演はこれかららしいので、チケットを取れた方は是非楽しんできてください(・ω・)ノシ


地獄の門

 

「...さん...ンズさん...サンズさん!

 

 寝ている俺に、どこかからか呼ぶ声が聞こえた。眠気眼で周囲の状況を確認してみれば、消していたはずの部屋の電気がついておりその光が俺を刺すかのように感じる。続いて分かるのは、俺のベットの横に誰かがいること。目を擦りようやく合ってきたピントでその人物を見てみれば、そこには自称普通の人ことヒフミがいた

 

「...何だ、寝てたんだけど」

 

「すみません...で、でも!緊急事態なんです!これを見てください!」

 

 寝起きのせいでいつもよりやや低めの声で要件を確認するも、そう言って差し出されたヒフミのスマホの画面に映る文字は...

補習授業部の「第二次特別学力試験」に関する変更事項のお知らせ

 

「......」

 

 猛烈に嫌な予感がする。しかしここで二度寝をキメたところですぐさまヒフミに起こされてしまうだろう。逃避は許されなかった。悲しい

 冷や汗をかきながら微かに痛む頭を押さえ、重りでもついているのかと疑いたくなるほどに重い人差し指で画面をスライドさせていく

 

・試験範囲を既存の範囲から約三倍に拡大

 

・合格ラインを60点から90点に引き上げ

 

「...あ゛??」

 

 最初の二つを見た時点で脳が理解を拒否し、同時に低い声が出てしまった。寝起きの頭にこれを正常に理解しろというのはなかなか酷なことではなかろうか

 

「なに...ん?夢?」

 

「夢じゃないです!いや、夢の方が嬉しかったんですけど...ってそれだけじゃなくて、これも」

 

 ヒフミによってさらにスライドされた画面には、俺の軽い現実逃避をも許してくれなさそうな内容があった

 

・試験時間の変更

 

・会場をゲヘナ自治区の~~~に変更

 

「~~っ......ふぅ...」

 

「さ、サンズさん?」

 

「待て、今アンガーマネジメント中...よし」

 

 しっかり六秒待ち、深呼吸して冷静な心を取り戻す。怒りのままに罵詈雑言をこの場に居もしない相手に浴びせたところで意味はない。それどころか目の前にいるヒフミを不必要に怯えさせてしまうだけだろう

 横で一緒にスマホをのぞき込んでいたヒフミがこちらの様子を伺っているが、一旦とりあえずベットを出て部屋を出ることにした

 

 補習授業部のメンバーのみんなは既にいつもの教室に集まっており、この情報を共有した時、同時に例の退学処分のことも共有したとか。退学のことはともかく、試験内容の変更のタイミング終わり散らかしてんねぇ、まあ十中八九わざとだろうが

 

 心の奥底で感じた冷えるような感覚を努めて無視しつつ、ヒフミと共に教室に入る。先生たちは既にゲヘナの会場に向けての道筋を議論しており、俺とヒフミの事に気が付くと同時にいつもよりややひきつった笑顔で挨拶してきた

 

「よう、散々だな」

 

『えーと、おはよう...かな?起こしちゃってごめんね。今ちょっと会場までのルートを調べてて...』

 

 シッテムの箱を使って調べているらしい先生だが、その様子にはいつものような余裕は見受けられない。先生も突然の事態にかなり焦っているようだ

 

「...先生、そろそろ行こう。みんなが揃ったようだし、今行かないと時間がない」

 

『えっ?...確かに。開始時間は「深夜の三時」。今からじゃないと...』

 

「いくら嘆こうとも、怒ろうとも、現状が変わることはない。今はひとまず試験を受けよう。...それからでも遅くない」

 

『...そう、だね。ありがとうアズサ。みんな、用意を持ってすぐに出発しよう』

 

「各自装備を忘れずに。五分後にここで集合だ」

 

 アズサのその言葉を合図に、俺たちはすぐ自分たちの部屋へ戻る...が、その道中、やっと今の事態を理解し終えたコハルが早歩きのまま叫んだ

 

「...え!?装備って、武器がいるの!?」

 

「そうですね...ゲヘナはただでさえ無法地帯ですし、今は条約前なので風紀委員会も対処しきれていないでしょうし...」

 

 そう言ってちらっとこちらの方を見るハナコ。もしかしたら俺が風紀委員会でやった所業がバレているのかもしれないが...とりあえず適当に頷きを返しつつ、その視線から逃れるようにしてヒフミを見やる

 

「まあ、アホほど治安の悪い場所だ。攫われることも視野に入れて、十分な準備が必要だろうな。なぁヒフミ?」

 

「?...!!そ、そうですね!はい!全くその通りだと思います!」

 

「「「??」」」

 

 ほか三人がよくわかってなさそうな様子でこちらを見ているが、これはただの忠告だ。前科何犯かはもう覚えてないが、ブラックマーケットでのあの経験はそれはそれは体に刻み込まれているだろう。もしかしたら今回一番頼りになるのはヒフミなのかもしれない。そう考えながら用意を終え、俺たちはゲヘナの会場に向けて出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...控えめに言って死ぬ。今すぐ死ねる」

 

「もう少しで会場だ、サンズ。あと一息」

 

「先生たちは無事でしょうか...」

 

 俺の服は所々煤で汚れており、さらには破けている場所もある。ハナコはなぜか水着姿だし、アズサは俺と同じように服が少し汚れているが俺より格段にマシ。でもなぜかガスマスクを着けている。相対的に俺が一番の負傷率で目に付くはずだが、ガスマスクと水着とかいう見るからに不審者集団の中に居るとあら不思議、俺の服装の怪しさが何とも思われなくなる。テクノロージア!

 

 こんな惨状でなんとか試験会場までやってきた俺たちだが、この道中はなかなかに悲惨だった。最初の方はチンピラに絡まれたから適当にボコボコにしたくらいだったのだが、その後は検問に引っかかった上にコハルの正義実現委員会の服装で問題が複雑化しかけたところでいい感じに美食研究会の横やりが入って助かった...かと思えばカーチェイスが始まり俺たちと先生たちが分断され今に至る。流石はゲヘナその名に恥じない地獄っぷりだ。もうちょっと手加減してくれても...ええんやで?

 

 ちなみに分断されてから目的地に来るまで何があったというと...MGS3(メタルギアソリッド3)ばりのスニーキングミッションだった。俺は当然かのように爆発に巻き込まれたし、アズサは隠密行動(目撃者を次から次に消すタイプ)を心がけていたし、ハナコは水着にならざる負えない状況に...なってたかアレ?後方支援してくれてたけど、別に水着になる必要はないと思うんだが

 

 とまあ、ピンチには陥りつつもなんとか五体満足で着いた俺たちだったが、向こうも向こうで大変だったらしい。目をはらしたヒフミと、未だに抱えるようにしてぎゅっと銃を抱きしめているコハルの様子からしてそれは明らかだった

 

『みんな無事でよかった。コハルとヒフミも無事で...』

 

「む?先生とヒフミたちは一緒ではなかったのか?」

 

「いえ、それが...」

 

「...私たちの前にいた車が川にダイブしたの」

 

「それは...大変でしたね」

 

 いつになく疲れた顔のヒフミの言葉に、流石のハナコも真面目に彼女を労わっていた。そしてそこで突っ込むのが我らが性夷大将軍ことコハルである。やはり性には厳しい

 

「いやそれよりハナコの服装でしょ!なんで水着なのよ!なんで着てるの!?なんで持ってきてるの!?」

 

「私にもわからん(メタルマン)俺も聞きたいとこだな」

 

「あら、サンズ君は意外と大胆なんですね♡」

 

「そんな要素今あったか!?

 

『みんな、安否確認は大事だけど今はとりあえず会場に向かおう。時間もあと十五分しかないし』

 

 無事を確認したおかげで緊張が解けたのかみんなが無秩序にわちゃわちゃしだしたところを先生がすぐに収め、俺たちは再度気を引き締めて目的地の廃墟の中に入った

 

「こ、ここなの?」

 

「ええ、この建物で合っているはずですが...」

 

「こんなとこで試験とか正気じゃないだろあの愛の伝道師」

 

「愛の伝道師??」

 

「あぁ、いらんことを言った。とりあえず試験を...ってなんだこれ」

 

 建物には試験を受ける用の机や椅子といった設備すらなく、まさしく廃墟と評するに正しい内装だ。その中でもひと際目を引くのが大きな筒状の何か。怪しいモノには触れたくないため遠巻きでソレを見ていたが、何を思ったのかアズサはそれに近づき、あろうことかそれをパカッと開けた。あまりにナチュラルにやるもんだから怖すぎて心臓取れるかと思った

 

「これはL118、牽引式榴弾砲の弾頭だ。雷管や爆薬を取り除かれているな...」

 

「なるほど、L118ということはティーパーティーの...ナギサさんが用意したもの、ということですね」

 

 それに頷くアズサ。追いついていけない俺と先生。L118ってなぁに?おいしいの?な状態である。コハルやヒフミの様子はわからないが、モモイが狙撃された時といい、銃弾を見て一発で看破できるのってキヴォトス人特有なのかなーとどこか他人事のように考えていた。ちなみに”前の俺”の時にはそんなことを覚えた記憶はない。謎である

 

「これは...試験用紙?」

 

「通信機もありますね...」

 

 ハナコが取り上げた通信機をみんながじっと見つめると、やがてそこから映像が流れ始めた。内容を要約すると、ここまで来れたとは流石。恨み言とかは録画だから聞こえないけど、まあ精々気を付けなさいということだった

 

「え、これ叩き潰していいか?」

 

『ストップサンズ!落ち着いて、今はモニタリングされてるから穏便にいこう、ね?』

 

「寝てるところ叩き起こされてコレとかふざけてんだろ今度から飲む紅茶に牛乳1L入れてやろうか」

 

『落ち着いて!?』

 

「ここまで怒りを露わにするなんて...」

 

「あはは...サンズさん、寝起きでこれですからね。相当ストレスが溜まっていたのかと...」

 

「まぁ、わからなくもないような」

 

「と、とりあえず!みなさん試験を頑張りましょう!」

 

 アンガーマネジメントを忘れて怒りのままに通信機を振り回す俺とそれをなだめる先生を横目に、ヒフミたちは持参した物を使って試験を開始した

 

 

 

──試験開始して三分経過

 

「......」

 

『......』

 

 試験が開始してからのヒフミたちの集中力は素晴らしいものだった。この劣悪な教室の環境の中、それでもすべての気力を試験に向けている

 

 俺と先生は彼女たちの集中力を少しでも乱さないよう、体の動き一つにも注意し、そして周囲の警戒を続ける

 

 

 

──試験開始して五分経過

 

 先ほどの状況から変化なし。聞こえるのは時計が鳴らすカチカチという不気味なまでの無機質な音と、試験をしている彼女たちがペンを走らせる音だけだ

 

 

──試験開始して十分経過

 

 同様。周囲への警戒は続けているが、ペンを走らせる音が途切れないことに安心感を覚える。このままいけば、きっと──

 

 

 そんな心に油断が生まれた瞬間を狙ったかのように、遠くの方からか細く何かが鳴くような音が聞こえたような気がした

 

 

『ッみんな!伏せt』

 

 

 ドカーン!

 ボーン!

 

 

 先生の響くような声は、それを上回るほどの大きな轟音によってかき消されてしまった

 

 その爆発の後、そこに残っていたのは......

 

第二次特別学力試験、結果──

 

全員、試験用紙紛失により不合格

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ッ!みんな、ケガは!?』

 

「大丈夫です、ゴホッ、ま、まさかここまで...」

 

「試験用紙が、用紙がなくなっちゃった!?」

 

「跡形もなく吹っ飛ばされた、か」

 

「...は?」

 

「ここまで...そうですか、ここまでやるんですね、貴方は...ふふ、ふふふ♡」

 

「マジでここまでやんのか...?アレのために、ここまで...死ぬかもしれないんだぞ?それを、こんな簡単に?」

 

『...とりあえず戻ろうか。試験が終わった今、もうここにいる必要はないし、また爆発される可能性がある。早く帰らないと、明日にも響くからね』

 

「...なんでよ!なんでこんなことされなきゃいけないのよ!ちょっとテストの点数が悪かっただけなのに...納得できない!」

 

「コハルちゃん...」

 

「...クソッ、ヒナさ...ヒナに連絡してどうにかできねぇかな...いや今は向こうも忙しいだろうし、ティーパーティーのナギサが操作したものなら尻尾を掴めるかも怪しい、か」

 

「ふふ...みなさん、今はひとまず帰宅することに集中しましょう。まだリベンジの機会はあることですし...ね?」

 

 不満の声は出たものの、この場所のあまりの危険さからすぐに先生とハナコの意見に全員が頷き、俺たちは爆発音や銃声が鳴り響く街から逃げるように戻った

 

 その時、俺はどうやって帰ったのか覚えていない。覚えているのは、ここまでやるナギサへの疑問だけだった

 


 

ーオマケその1

・MGS(めっちゃ(M) 頑張った(G) サンズ君(S))(別行動中の一部抜粋)(キャラ崩壊注意)

 

アズサ「ここからは無線を使って連絡を取り合っていく。ハナコ、サンズ、二人は共同で動いてくれ。私は二人が動きやすいように攪乱しておく」

 

ハナコ「了解です。武運を祈ります」

 

サンズ「なんか乗り気じゃね?というかアズサが攪乱せずともここら一帯が美食研究会のおかげで混乱してるから必要ないと思うが...」

 

アズサ「戦場で気を抜いてはいけない、蛇」

 

サンズ「蛇!?」

 

アズサ「そうだ、我々はコードネームを使ってこのミッションを成功に導く。サンズは蛇、ハナコは山猫、そして私は...ハリーだ」

 

山猫「私が山猫ですか...もしかしてこの前の動物特集に出ていて、それを私が話したからでしょうか?」

 

ハリー「...そうだ」

 

蛇「そう...ところでなんでハリー?」

 

ハリー「先生が『運がいいトンネルだ』って言ってその名前を言いながらタブレット片手にトンネルに突っ込んで行ってたからだが?」

 

蛇「そんなことでピックアップ排出率が上がるわけないだろ!どうして補習授業部には変人しかいないんだ!」

 

 

 

 

 

山猫「私のリロードは、革命(レボリューション)です!」

 

蛇「やめろ、マジで。水着で言うな、リロードするな。戦闘中だぞ!?それしてる間に色んなとこから爆弾がとんでェ!!??」

 

ハリー「蛇!応答しろ!蛇ぃぃぃぃ!!」

 

蛇「生きてるわ殺すな!ハナk「山猫だ」...山猫は!?」

 

山猫「私のガンスピンを舐めないでください...きゃあ!?」

 

蛇「ダメじゃねーか!てかアサルトでガンスピン出来ねえだろ!クッソ、とりあえず逃げるぞ!」

 

山猫「ちょ、ちょっと待って...ひゃあ!?」

 

蛇「口開くな舌噛むぞ!とりあえずハリーと合流する!今どこだ!?」

 

ハリー「その必要はない...なぜなら」

 

「私が全て、全滅させたからだ」

 

蛇「ぼ...BOSS...」

 

山猫「あ、あの、サンズ君?見とれてないで下してくださると嬉しいんですけど...それに私水着ですし、か、かなり密着していますし、これではまるでお姫様だっこみたいな...」

 

蛇「ん?ああ、すまん。忘れてた」

 

山猫「はい?」

 

蛇「それよりも助かった...アンタのおかげでこの程度の被害で撤退できたよ。感謝する」

 

ハリー「いや、山猫を連れての逃走は見事だった...いいセンスだ」

 

山猫「いや、ちょっと」

 

蛇「BOSS...いや、BIG BOSS!!」

 

山猫「あの?サンズ君?サンズくーん?」

 

 

 

ーオマケその2

・報告義務

昨夜は随分と騒がしかったのですが...いったい何が?

 

「んーと、端的に言うとな...地獄(ゲヘナ)に行って不運(ハードラック)踊る(ダンス)っちまったんだよ...」

 

は?

 

「落ち着け、キレるなよ」

 

キレ...怒りなど抱いていませんが。私に怒りなどという機能は不要です

 

(当機じゃなくて私って言ってるあたりどうなんだろうか)

 

 

「何でもない。...あ、そういえば試験失格になって勉強まだ伸びるから。あと一週間くらいか?」

 

そうですか、私には関係のないことですね

 

「ザ・青春って感じの勉強風景を見てても何か感じたりは?」

 

しません

 

「あ、そう。まあそこらへんは難しいしな。ゆっくりやってくしかないか...」

 

そんなことよりも、今日の王女のお写真ですが...

 

「うわ、忘れてた...はいこれ。今ケーブル繋げて送信したから。つくづくゲーム〇ーイみたいだなこれ」

 

......

 

「集中しすぎて聞いてねぇ...」

 




MGS(メタルギアシギント)好き
スネークの扱われ方が伝説の傭兵のソレじゃなくて好き
ラストバトルのシーンはちゃんとしてるのも好き
みんなもMGSΔ(デルタ)を買おう!

屋根裏 様、ロスト眼鏡 様、☆9評価ありがとうございます!
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