この透き通る世界を俺は機械と骨でハッピーエンドにしてみせる   作:多趣味なオタク

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樹木伐採中のサンタです(投稿が大幅に遅れて申し訳ありませんの意)


CHOSEN ANEW

 

 なんとか自然な流れ?で先生たちのいる部屋に合流し、事の顛末をある程度聞き終えたところで各自休息をとる運びとなり全員が部屋を戻ることとなった...

 

「あ、サンズ君。ちょっといいですか?」

 

「え、いいが...何だ?」

 

 少し遠慮気味に、そしてあからさまに何か企んでそうな悪い笑顔を浮かべたハナコに呼び止められたことで、俺だけがその休息を得られなかったが

 

「そのですね、私が盗みぎ...アズサちゃんから共有していただいた情報なのですが......」

 

 うつむいて嫌に言葉を溜めるハナコの様子に、俺は何か不吉な予感を感じてならなかった。とりあえずその先の言葉を聞くため、俺は無言で顎を動かすジェスチャーをして話の先を促した

 

「...実は、サンズ君が狙われているようでして」

 

「そりゃあまあシャーレの人間だからな、狙われはするだろ。オイラはいいとして先生は?そっちも狙われてんのか?」

 

「いえ、先生の方には何も言及していませんでした。ただ、サンズ君は...()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようにとのことで...」

 

「ッスー...」

 

 おおっと、これは思ってもみなかった事態だ。まず一旦情報を整理しようそうしよう

 

 とりあえず先生は現時点で狙われてはいない。これはいいだろう...というか狙われてなくてよかったというべきか。原作の先生は調印式で腹パン(貫通)されるのは確定だからてっきりこの段階でアリウスからヘイトを買っているものだと思っていたから、狙われていないということはつまり直接命を狙ってくる可能性は低いだろうということ。やったねたえちゃん!バットエンドフラグは折られたよ!まああの人流れ弾一つでお陀仏なんだけど(頭を抱える猫ミーム)

 本当に何度でも言うけどキヴォトスで一般人が暮らすとか難易度スペランカーだろ、運営早く強化しろください

 

 次、本題の俺。...これマ?

 え、なんで俺の体狙われてんの?これ指令が「サンズを排除しろ」とかだったら、あぁシャーレの人間が邪魔なんだなで納得...したくないけどなんとかできはする。なぜ生け捕り? Dead or alive とかでもなく alive オンリーとか何を考えてるわけ?

 

 ...ふむ、拷問か?

 ヤダーッ!!

 

 いや、そうか。冷静に考えれば俺からシャーレの機密情報とか聞き出そうとしているに違いない。そしてその脆弱性を突いてあの調印式でボンバー!(迫真)をするんだろうそうだろう。まあ俺大した情報も何もないんだけども

 書類作業も俺の権限でしか扱えない内容ばっかだし、唯一機密を知れそうな書類の仕分け作業でもそんなにがっつり見て作業してないから内容とか特に覚えてないし...骨折り損のくたびれ儲けってやつだな。可哀そうに

 ...ところで今の俺の状態でこれはジョークになりえるのだろうか。今のところ骨も秘匿してるから骨要素一切ないんだけど...ん?俺のアイデンティティ??

 

 俺のキャラ立ちについて悩んでいると、ハナコがやけに深刻そうな顔でこちらの様子を伺っていた。あっなんか勘違いの予感が

 

「そう、ですよね。まさか自分だけが特に狙われて、その上攫われてしまうかもしれないなんてこと、いきなり言われたら普通ショックと不安でいっぱいになってしまいますよね......すみません、もう少しゆっくりとお話しできたらよかったのですが、時間がなく、不必要なまでに怖がらせてしまったかもしれません」

 

「え、ちょ」

 

「ですが安心してください。サンズ君が隠れておくための最善であろう場所は既に目星がついていますし、万が一のための逃走ルートも確保しています。私たちが()()()()()にあたっている間にそこで隠れてさえいれば、その余波にも巻き込まれることなく、身の安全を確保した状態で問題が解決次第すぐに助けが来るはずです」

 

 俺に一切の発言をさせないほどに矢継ぎ早に繰り出された最高の提案を言ったところでハナコは一息つき、そしてこちらの答えを聞き出すようにじっと見つめてくる

 ...なんかすごい過保護じゃない?どしたん?話きこか?うんうん、それはアリウスが悪いね...ではなく、なぜこうなったのか。俺はそこまで守られるようなもんでもないと思うんだが

 

「...なんだ、俺を守り切ろうっていう気持ち?は凄くありがたい。いや本当にな?」

 

「...はい」

 

「だが、あまりにも過保護じゃないか?いくら俺が狙われてるとはいえ、ちょっとな...」

 

「あ...すみません。少し気持ちが先行してしまいました...」

 

 ハナコは一瞬だけ突き放された子供のような顔をし、すぐにとってつけたような笑顔を上から被せる。その様子に俺はただ黙るしかなく、ハナコは誤魔化すように理由についてより詳しく説明をした

 

「ただ、今回ばかりは連れ去られることもありえます。少し厳しいことを言ってしまうのですが...仮にサンズ君を()()()に巻き込むとしても戦闘中にサンズ君が連れ去られ、人質としてとられてしまうことや被弾して大きなけがをしてしまうことも考えてしまうと、どうしてもその分全員のリソースをそちらに割くことになってしまい、戦闘のみに集中できなくなってしまうので...」

 

 なるほど、俺は囚われの姫君...というか早い話こちら側の弱点そのものという扱いらしい。そりゃあ部屋で安全にしておいて欲しいわけだ。弱点が独りでに出歩いて捕まるとかたまったものではないもの

 

 ただまあ、被弾して重傷とか先生も同じこと言えんじゃねーか!とは一瞬考えたが...それを言うにはあまりにも俺と先生とで戦力的アドバンテージが違いすぎた。方やクソ雑魚DEFで避けるだけのバフも何もないピーキーなやつ。方やよわよわDEFだが味方へのバフがとんでもないサポーター。まあ当然後者の方が優先されるな。ここは大人しく引き下がるか...

 

「...わかった、オイラはその部屋の中に居といたほうがいいんだな?じゃあそうしとく」

 

「...!本当ですか?」

 

「ああ、そっちのほうが楽に仕事もサボれそうだしな?」

 

「ふふ...そんなことを言って、本当は仕事をサボる気なんてないんじゃないですか?」

 

「どうだかな、あの仕事量を前に逃亡を考えるのは当然だと思うが」

 

「それは...そうかもしれませんね」

 

 おそらくハナコは俺が持ってきていたあのとんでもない書類の量を思い返しているのだろう、どこか同情しているかのような表情で苦笑した。同情するなら人手をくれ!(血涙)

 

 先ほどの妙に気まずい空気も晴れ、軽い談笑が続いていく。五分も経った頃にはいつものハナコ節が戻ってきていた。変な緊張が無くなったようで何よりだ、そんなもん引きずっていいことなんて何もないしな

 

 ...と、そういえば

 

「なあ、ちょっといいか?」

 

「はい?どうかしましたか?」

 

「この後の作戦について聞きたくてな。いや、敵をおびき出すのはわかるが先生にすら隠してたところあっただろ?そこがちょっと...な?」

 

「ああ、そこですか。そうですね...」

 

 ハナコは少し考えるようなそぶりをしたが、意外と答えはすぐに帰ってきた

 

「...いえ、分かりました。サンズ君にだけは話しておきますね」

 

「ん、いいのか?なんか悪いな」

 

「いえいえ、実は...少し、猫ちゃんに手痛い仕返しをしようかと♡」

 

「...は?猫に手痛い仕返し?」

 

 何故猫?まさか過去猫に近づいて引っかかれてしまったのだろうか...?だからといってなぜ今?そんなことしてる暇あるのか?

 そんな俺の疑問を知ってか知らずか、どこかいつもより影のある笑顔...いわゆる”何か企んでそうな悪い顔”でその内容を語り始めた

 

「はい、まずですね......

 

セーフハウスに殴り込みます

 

「セーフハウスに殴り込む!?」

 

そしてヒフミさんの力で脳を破壊します

 

「ヒフミの力で脳を破壊!?」

 

 

ヒフミ「ヤーッ!!パワーッ!!」

 

猫「」コナゴナ

 

 

?????????

 

 

 いや、流石に動物虐待は...あ、ティーパーティーのナギサの話?あ、そうなの。ならまあいいのか?えっと、ほどほどにな...?

 

 

 

 ムキムキマッチョマンのヒフミ...???(大混乱)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、部屋に閉じ込められて数十分。そろそろあいつらも動いてるはずだが...」

 

 特にこれといった家具もない寂しい部屋にて独り言ちる俺、絶賛ボッチ中である。寂しいね

 

 なので脱出します(黄金の意志)

 

 ということで保護されてる立場なのに脱走する狂気のRTAはーじまーるよー!

 今回は閉じ込められた(自ら入った)部屋から脱出(脱走)していきます。部屋に入る前に事前説明があり入る理由については私自身重々承知しています。が、これはRTAなので脱出していきます。孤独は辛いからね、しょうがないね。何やってんだお前ら~俺も仲間に入れてくれよ~(マジキチスマイル)

 

 タイマースタートは先生たちがアリウスと接敵するであろう時間...まあ外から明らかに戦っているだろうという銃声が鳴った瞬間に計測開始です。それまでは待k

 

 ドガーン!!

 

うわあああっ!?

 

 うーんあまりにも早い爆発音、走者じゃなきゃ見逃してるね。ということでスタート!...はい、ストップ。記録は1.25秒でした。もはやここまでくると反射神経の勝負になってくるので、視聴者ニキネキたちは刹那の見切りで練習しましょう。終わり!閉廷!

 

「えーっと、確かこっちの...あの部屋か」

 

 あーっと、なぜかまだ画面が動いていますね。残念ながら法廷は半開き状態です(そうでもないけど)

 

 当然です、なぜならここからが本番なのですから。部屋からの脱出なんてテレポートしたら一瞬ですし、何も苦労はありません。しかしここからはヤバいです。ヤバすぎてホシノがサクサクになっちゃいます。アツクテヒカラビチャイソウ...

 

 なんと建物内で巡回しているアリウス兵に見つからないように動き、目的の部屋までたどり着いたうえでその中に居る人物とコミュニケーションを取らなければなりません

 しかもその人物は韓国版先生によると”救いようがないパラノイア”のようです。言うはずが無いだろうそんなことを!俺たちの先生が!!(解釈違い)

 

 とまあ、つまりはここからがしんどいです。パラノイアとまでは言わずとも周りの全てを疑うような人相手に全て最適の行動をしなければなりませんからね...しかもちょっと言葉のニュアンスが違うだけでグッドコミュニケーションがバッドコミュニケーションに急降下です。ジェットコースターに乗りたいわけじゃないんだよ!

 

 ...あ、そんなこんなで目的の部屋までやってきました。いやーハナコに場所を聞いといてよかったです。流石にちょっと訝しがられましたが、おおよそ自然な流れて聞き出せましたしまあ大丈夫でしょう。面倒事はとりあえず先生に投げれば何とかなります(他力本願)

 では、さっそく...イクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)デデデデ!

 

「よし、失礼しm」

 

 ...鍵がかかってますね。一応ノックしてみますか...反応なし。予想通りです(メガネクイッ)

 

 マイクチェックの時間だオラァ!...ではなく、まあテレポートで中に入ります。これが一番早いです。はい

 

や っ ぱ こ れ だ ね

い つ も の

伝 統 芸 能

 

 

 ややっ!なんと中には気絶したもはや誰も信じられなくなった疑心人(うたがいんちゅ)が!まあこの人が目的の人物なんですけどね、初見さん

 

「あ...う...」

 

 ティーパーティーの人間がなぜここに...(記憶喪失)とりあえず起こします。寝るなー!こんな戦場(予定地)で寝たら死ぬぞ!!

 

「...さい」

 

 ...??

 

「...ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい...」

 

 ......

 

 

 

 

 

 

 私は初めから間違っていたのでしょうか

 

 あの日...襲撃によってセイアさんが亡くなってしまった日から、私は周りを信じることができなくなってしまいました

 

 ティーパーティーとして政務を行っている時も、休憩しようとティーカップを傾けている時も、ミカさんがいつものようにフラッとどこかへ行ってしまった時も、お風呂に入っている時も、パジャマに着替えて寝る時も...ずっとどこかからか見られているような気がしてなりませんでした

 

 ずっとずっと、私を恨んでいるような、隙があればすぐにでも殺されてしまうような、肌がピリピリとする感覚を感じていました

 一時たりとも気を抜くことなどできず、常に笑顔を貼り付けたまま周囲に目を光らせては些細な行動をした人を不安要素だと決めつけて、遠ざけて、また目を光らせて...

 

 毎日毎日自分が今していることは正しいことなのかと自問自答を繰り返しては、そのたびに「これが正しい」「こうしなければ自分が危ない」...そんな風に言い訳をしては現実から目を逸らし続けて逃げるばかり。ずっと目が覚めているような感覚で、まともに寝ることのできたのかいつだったかすらも覚えていません

 

 それどころか日が経つにつれ、その視線は私を恨んでいるような、隙があればすぐにでも殺されてしまうような、肌がピリピリとする感覚を感じることにまで発展して...その感覚をどうにか振り払おうともがいてみても、得られたのは周囲からの不評とさらに募る周囲への疑いばかり

 

 そうして疲れ果てて、やっと安心できるセーフハウスに帰ることができても不安で、ずっと頭がモヤモヤして、胸がズキズキして

 

 いっそ自分から...なんて考えては、そのたびに他の不安と共に押し込んで、見えないように蓋をして、()()()()()()()()()()()()()()に徹し続けて必死に目を逸らし続けて

 

 ですが、そんな日々を繰り返している中でとある知らせが届きました。それはトリニティに在籍する怪しい人物たちについて

 

 ヒフミさんがリストに載っていた時は驚きましたが、同時に嬉しくも思いました。ヒフミさんが裏切り者でないのなら、きっと私の策に協力してくれるだろう、と

 仮に裏切り者だったとしたら排除できるいい機会ですし、そうでなかったとして除籍してしまったとしてもすぐに撤回すればよいだけ。少し悲しませてしまうかもしれません、絶望してしまうかもしれません。ですが、ヒフミさんならそれでも笑って許してくれるでしょう

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 あまりにも醜い考えでした。あまりにも自己中心的で他者を顧みることのない、稚拙極まる唾棄すべき考え。ティーパーティーが、いえ、人がしていい考えでは到底なかった

 

 ...ですが、私にはそれが救世を謳う聖書の言葉のように輝いて見えたのです。私を救うことのできる、危機を脱することのできるすばらしい名案だ、というように

 

 かくして私は各所に根回しをして、シャーレから先生たちを呼んで、裏切り者の可能性がある人たちといっしょに保険(コハル)も入れて、試験の妨害もたくさんして

 

 そのころには、ついに自分が飲んでいる紅茶の味すらも分からなくなってしまいました

 

 でも、もうすぐこの苦しみからも解放されると信じて、これが最後だと思ってたくさん妨害をして、絶対に合格できないようにして...

 

 それで、それで...

 

 

 

 

「こんなとこで寝てんじゃない、さっさと起きろ」

 

 誰かが私を叱る声が嫌に脳に響く。ばらばらに散らばってしまった意識がふっと浮き上がるような感覚で覚醒していきます。気づけば私の体がずっと揺らされていたようで、つまりどなたかが私を起こしてくださったようですが...

 

「う...」

 

 目覚めた瞬間、なぜか頭にズキズキとした痛みを感じました。今の状況を把握するため私はここで気絶してしまった原因について思い出そうとして、そして...

 

「あはは...楽しかったですよ。ナギサ様とのお友達ごっこ」

 

 何があったのかを理解してしまって、

 

 視界が回って

 

 体がよろけて

 

 とっさに体制を整えた時に打ち付けた肘が痛くて

 

 あたまもいたくて、あせがとまらなくて、こわくて、かなしくて、つらくて

 

 

「おえ...」

 

 

 

ごめんなさい
 
どうしてなの

 

 

迷惑をかけてしまってすみません
 
誰も私を助けてくれなかったくせに

 

 

どうか、私をゆるして
 
どうか、私をゆるさないで

 

 

 私は横に人がいるにもかかわらず、こみあげてくる吐き気を抑えきれませんでした。そのまま自分の中からすべてが抜けていくような感覚に身を任せていれば、いつの間にか私の口元にはビニール袋が用意されていて、背中をさすってくれている確かな温もりも感じられて...

 

 そんなことを一通り終えた後も、私の気分は一向に晴れることはありませんでした。これまでのこと、これからのこと、今の事。いろいろなことを考えて、ずっとぐるぐるとして止まりません。でも、私には聞かなければならないことがありました

 

「どうして...ですか?」

 

 自分でも発しているかわからないほどに小さく震えた声で呻くように発された疑問。この様子ではまるでおとぎ話の魔女のようだと心の中で自嘲しつつも、脳を通らない心からの言葉は止まることはありません

 

「...私はあなた方を陥れました。きっと何度も絶望させたはずです」

 

「...」

 

「何度も試験を妨害しました」

 

「圧力を掛けました」

 

「無理を押し付けました」

 

「それなのに、どうして、あなたは...」

 

 その先の言葉はありません。何を言えばいいのか、何を言いたいのかもわからないぐちゃぐちゃな頭を、私は未だに整理できていなかったのです

 

 おそらくこの人...いえ、()はミレニアムサイエンススクールに所属しながらもシャーレに加入しているという異例の二足の草鞋を履く”サンズ”という生徒。公に広く公開はされていないものの、おそらくキヴォトスで唯一の男子生徒その人なのでしょう

 

 女性とは似ても似つかない低い声色に諜報部からの情報通りの身長...フードを深くかぶっていることから、どのような顔をしているのかという判別をすることは不可能ですが、彼であることはわかります

 

 ではなぜ彼がここに?

 

 まさか、まだ生き残っている私にトドメを?

 

 心のどこかで裏切りを疑う自分を嘲る。先に裏切ったのは...()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そんな私の心情を知ってか知らずか、彼はいつになく感情の乗っていない声で淡々と用件を話していきました

 

「さて、あまりおしゃべりしている暇もない。もとよりこれは俺の身勝手な自己満足で、完全に偽善的な行為だが...」

 

 そう言って、彼は手を私の方に差し出して...え?

 

「アンタにはソレを知る権利(義務)があるのだろうと思った。だから...来てくれ」

 

 心のどこかで、この決断が後に重く響くのだと...その手を見て、そう感じました

 

 何も考えずに本能のまま、そのさし伸ばされた手を取ろうとして...”裏切り”を想像して手を引く。視線はその手から地面へと落ち、視界に見える自分の手は情けなくガタガタと震えていた

 

 ああ、ここにまで来て私は重要な選択をためらうばかり。自分で自分が嫌になる。そんな自己嫌悪も自分を擁護するための手段のように思えて、ずっと続く堂々巡り

 

 わかっています。わかっているのです

 

 きっと、彼は善意で私に手を差し伸べている。希望的観測ですが、その先にあるものが私にとってどんな影響を与えるのかはわからないけども、彼が私を悪いように扱おうと...利用しようとしているわけではないでしょう

 

 浅い呼吸を整えるために一つ深呼吸をして、揺れた視界を止める。しっかりと視界のピントが合うことを確認し、手を開いて、閉じる。心は揺れていますが、これで表面上はもう、震えはない。これで()()()()()()()()()に戻った。決断ができる

 

 笑顔を作れ、相手にこれ以上の弱さを見せるな、醜態を晒すな。ティーパーティーのポストにふさわしくあれ

 

 そして私は...()()()()()()()()()()()()()()は、その手を──

 

 ❋てを とる

 ❋てを とらない

 

ナギサ   LV 1   HP          36/52

 

 





アラナク 様、☆10評価ありがとうございます!
コーカサスオオカブト 様、soraaaaa 様、☆9評価ありがとうございます!

余裕があれば年内もう一つ投稿するかも...?
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