この透き通る世界を俺は機械と骨でハッピーエンドにしてみせる 作:多趣味なオタク
「ッぷはぁ!!ハァ、ハァ...い、生きてる?」
目が覚めると同時にすかさず自分の体を触って確認する。先ほど吹っ飛ばされたはずの右足も右腕も、ついでに腹も全て何事もなかったかのように元通りになっている。さらに言えばなぜか妙に体の調子がいい気がする...なんで?
いや、それよりも周囲の確認だ。ざっと周りも見渡してみればそこら中の建物は崩れてしまっていたり、崩れはせずともかなりギリギリの状態であることがわかる。...しかし人的被害は少なそうだ。明らかに混乱している状況だが、辺りで血を流していたり倒れている人は少ない。その人たちもすぐに安全な場所に担ぎ込まれているようだしギリギリ許容範囲内だろう
...そういえば何か忘れているような気が...こう、空にあるよな...
「...あっ飛行船!」
弾けるようにして空を見上げてみればはるか上空に未だ健在の飛行船が浮かんでいた。前回では結局何が原因で落とされたのか分からなかったが、今回は襲撃の内容を事前にサオリによって伝えられているため何で墜落する予定なのかはっきりとわかる。どれくらい気絶?寝ていた?のかわからないが、まだ浮かんでいるということは沈むまでそう時間はないということだ
俺はとっさに近くにあるナイフを拾おうと手を伸ばす...無い!?
そういえば俺が吹き飛ばされたのは
まだ自分に起こった出来事を把握しきれていないが、そんなことよりもナイフが欲しい。とりあえず周囲に都合よく落ちてないかと思い見て見るが...ナイフどころか刃物すらなかった。...まあ当たり前か、だってここは銃社会だしな!でも少しぐらいナイフを持っててもいいのでは?
そうして手ごろな刃物を探しながら右手を所在なく握って開いてを繰り返していると、いつの間にか俺の右手には慣れ親しんだ何かを握る感覚が...
驚いて右手を開いて見て見れば、そこにはなんと今まで使っていたナイフがまるでおもちゃのような鋭さ、使いやすさを示すかのような見事な
そのナイフがもしやガラスやプラスチック製なのではないか?と疑い、太陽にかざして確認しようとしたところで
「...!やっばい!」
あの音は間違いなく先ほどの巡航ミサイルに相違なく、つまりはあと数十秒もしないうちにあの船は堕ちるということだ。俺はとにかく近くのまだ残っている高台にテレポートして船と自分との距離を測った
...遠い、遠すぎる。前回の俺よりは長めのテレポートをできるようになったが、それでもあの上空にある船にまでテレポートをすることは不可能だ。それこそ強力な推進力であの船にまで近づかないとテレポートなどできやしない
...ん?強力な推進力?...あるじゃないか。それを生み出すものが、
俺は先ほど古聖堂の時と同じようにナイフに力を込めた。すると、ナイフは先ほどよりも短時間でより大量のオーラを纏い始める。なんか効率よくなってウケる
先ほどの約5倍ほど...回数にして15回分のオーラを貯めたところで、俺は力を込めるのを止めて船に向き直る。まだミサイルは着弾していない。...が、遅くともあと二十秒ほどだろう。余裕はない。だが..
「十分だ。」
俺はなるべく先ほど古聖堂上部を吹き飛ばしたことを意識し、線ではなく面で空間を切りつけた。すかさず俺は衝撃波の延長線上の空中ににテレポートをし、その衝撃を体で受け止める
すると俺のこの痛みを全く感じない体質によるものか、それとも切るときのイメージがよかったのかはわからないが、想像よりも軽微なダメージで俺は吹き飛ばされる。一応足が吹っ飛ぶくらいは覚悟していたが、五体満足で吹き飛んでいるようでよかった
しかしその強力な推進力により吹き飛ばされることはよかったが、その速度とGに俺の体は耐えられなくなってきている。ミシリミシリと全身の骨が軋むのを感じるし、未だ残っている仮面がずれた瞬間回収不可能になるので、悲鳴をあげる左手の筋肉を酷使して必死に死守している。そんなことをしていれば当然ガタがやってきて、俺の左手は言うことを聞かなくなってしまった
それに対して特に感傷を抱くこともなく勢いに身を任せていると、ついに飛行船間近にまでやってきた。とりあえずテレポートで飛行船の乗れそうな上部に移動し、少し遠くにある真正面のミサイルに目をやる。今回は先ほどの失敗を活かして力を制限して切るとしよう
一通りの算段を付け、再度テレポートをしてミサイルの目の前までやってくる。そうして俺は先ほどと同じようにナイフで切り裂いた
「...フッ!」
そしてそのまま回避するためにテレポートを...あれ?空中じゃ逃げ場なくね?
ドガーーーーン!!!!!
またもや学習しなかった俺は全身をミサイルの爆風に晒し、下半身が全て吹き飛び、上半身は右肩がえぐられるという瀕死の重傷を負いながら爆風の勢いのまま飛行船の窓に突っ込んだ
ガシャーン!!!
「キャー!!??」
「何だ!?何が...は?」
「ま、マコト先輩...あ、あれって...」
万魔殿の飛行船の中、彼女たちが目にしたのは上半身だけの焼け焦げた死体だった
ケツイ
| Sans LV1 |
↓
| Sans LV4 |
契約は調整中だ
「デジャブゥ!!...またかよ。」
またもやアホをしてもろに食らってしまったサンズ君です。いやーいけると思ったんだけどな。ダメだったっぽいわ
ついでに今俺の身に何が起こっているのか分かった気がする。これあれだ、UndertaleのPルートでフリスクが最後にやってた無限復活編だわ。あの無法なヤツ...まあなんで体力が全快してるかとか、体の調子が妙にいいのかはわからんが
そして意識が回復したと同時に立ち上がり、まるで何か信じられないものを見ているかのような表情で俺を見ている銀髪の...名前何だっけ?
「っとぉ...おい、銀髪のアンタ。」
「ヒッ!...な、何だ...」
むっ、ここまで怯えられるとこっちが何か悪いことをした気になってくるな...もとはと言えばコイツがアリウスをそそのかそうとしたのが悪いんだが
俺はソイツの前まで歩き、だんだん俺との距離を縮まっていく
「な、何だと言うんだ!」
「...」
「...い、イロハ!サツキ!コイツを撃て!コイツを私に近づけるな!」
俺が何も言わずにいると、ソイツは怯えた声で周囲の人間に指示を飛ばした...しかし誰も来なかった
俺は周囲で唖然としているソイツの仲間?部下?の間を通り抜け、ソイツの目の前に立つ...しかし、その前でボサボサした赤い髪の毛の少女が割って入った
「...マコト先輩に、何か御用でしょうか...」
俺の前に立つのも精一杯という様子であるというのに、俺の目を睨むようにしてこの少女は俺にそう尋ねた
...これじゃあ俺が完全に悪役みたいだな。まあ
ああそういえば、コイツ...いや、この人の名前って確か...
「..おい、赤い髪の毛のアンタ。名前は...イロハで合ってるんだな?」
「...?...は、はい。そうですが...?」
おお、予想通り合ってたみたいだ。なんかさっきから復活するたびに前回の分の記憶が薄れてってる気がするな...不穏!でもいまはそんな場合じゃねえや!とりあえずこの人がイロハってんなら、俺の目の前の銀髪は...
「...じゃあ、銀髪のアンタがマコトってわけか。...おい、マコト。」
「な、何だ!?」
そこまで震えなくても...なんかすごく可哀そうになってきた。これが俗に言う”すごかわ”(すごくかわいそうなやつら)...ってコト!?
「...待ってください。マコト先輩に何かする前に、私が要件を「アンタは適役じゃない。」ッ!」
俺が文句を言いたいのはイロハじゃなくてマコトなんだよなぁ...いやほんとコイツロクなことしねぇし、ここいらで一旦釘でもさしとくか
目の前に立ちふさがるイロハの方をなるべく優しくつかんで横にどける。女性に触れる時、男はいつでも危機的状況にあるのだ(社会的な意味で)
そうして俺は足がすくんでしまったのかペタンと座り込んでいるマコトの前に立った。そういえば今の俺ってちゃんとマスクしてんのか?なんか急に不安になってきたな...まあいいや
「...マコト、アンタは今回の襲撃に加担している...そうだな?」
「ッ!...そ、それは...」
「...いや、答えなくてもいい。やることは決まっている。」
「ッ待て!お前の要求を聞こう!何が欲しい!?何が「いいと言っている」なっ...!」
この期に及んでそのムーブはマズいぜ...完全に死亡フラグじゃねぇか!
俺は右手にナイフを持っていることを確認して、それを持つ手を左手に移し替える。そうして俺は右手を握りしめ、マコトの顔の前まで持っていく...
「ッ待って!待ってください!マコト先輩には!」
必死に呼びかけるイロハを無視し、俺は指に力を込める。...すまんな、これは必要なことなんだ
「止めて!マコト先輩は...!」
俺は、いつしかやったことと同じようにマコトの顔に拳を付ける。そうして俺はマコトの顔に──
「──だめッ!!」
パチンッ!
「──え?」
「はい、終わり。...どうせ先生に叱られるだろうからこれで終いだ...二度とこんなことすんじゃねぇぞ。」
以前にサオリにやった時よりも少し強めなデコピン。まさかここまで怖がられるとは思わなかったが...やっぱ体罰って駄目だな!
「......」
──バタン!
「...ま、マコト?」
俺がマコトにしたいことを終え、次はこの船を下さないとな...と考えていると、突然マコトが泡を吹いて倒れてしまった...え?また俺なんかしちゃいました?(殺人容疑)
「...よ、よかったぁ...」
イロハもなぜか緊張がほどけたかのように座り込んで...いや何も良くないが?地上じゃ絶賛地獄なんだが???
とりあえず周囲の奴らを説得(物理)して船を下させる。なにやら俺を見て大層怯えているが...「まさかあれってあのナイフの悪魔じゃ...」「そんなわけ...でも、あの赤いナイフは...」「生き返ってたし、やっぱり人間じゃないんだ...」
...今すぐにでもその誤解を解きたいところだが、今はとりあえず次のミサイルを警戒しなければ。ついでにアリウスから受け取っていた謎の
とりあえずこの飛行船を操縦してる奴らに指示を飛ばしていると、無邪気にも俺の服を引っ張ってくる少女がいた
「ねえねえ、あなたって悪魔なの?人間じゃないの?」
「...えぇ...」
言葉だけなら魔女を糾弾する人々みたいなことを言っているが、実際はものっすごいキラキラした目で聞いてきているから対処に困る。周囲の人はひそひそ何か話してるし、俺を監視しているだろうイロハはまるで”自分の子供が不審者に話しかけているところを見てしまった親”みたいな顔してるし...いや怖ッ!
とりあえず俺は懐からいつもの飴を取り出す...取り出そうとして気が付いたが、二回も体を失っておいてズボンの中身はそのままなのだろうか。そもそもズボンが元通りになってるのもなんか怖...あ、あった
「イチゴ味しかないから悪いが...ほい。」
「...!ありがとう!」
うおっ眩しッ!あまりの善性に体を焼かれるところだったぜ...まあ一度焼かれてんだけどな!
その後は地上に付いたら先生の援護に行くこととか、その後の動きに関して軽く指示した。とりあえずこれで俺のやることはなくなったかな...
そうして俺は片手にナイフ、もう片方に先ほどの”取り扱い注意”の箱を持って侵入してきた窓の前に立った。結構高いな...なぜか特に怖いとかは思わないが
俺が窓に手をかけ、さあ紐なしバンジーだ...!と意気込んでいると、突然後ろからとてつもない力で引っ張られた
「...あなたは何をしようとしているんですか!ここから落ちればまず間違いなく死にますよ!」
「だ、ダメだよ、危ないよ?」
誰だ誰だと見て見れば、涙目になって震えているイロハにこちらを心配そうに見るイブキ。二人が俺の服を思いっきり掴んで窓から離れさせたようだった。...確かにちょっと刺激が強すぎたか?
「...あ~...何と言うか、俺に心配は不要だぞ?別に何も無策で突っ込むわけじゃない。イブキは...そうだな、確かにちょっと危ないか。ありがとうな。」
軽くイブキの頭をなでてやると、イブキは少し困惑しながらもうれしそうにはにかんだ。...天使か?あっちょっとまってくださいイロハさんこれはちがくてべつにそんなよこしまなアレじゃないんですよ信じて!!!
「...はぁ、これじゃ最初にあれだけ怯えていた私がバカみたいですね。...それで、なぜ急に飛び降りようとしたんです?」
「え、ショートカットだが?」
「...訂正します。バカはあなたのようですね。」
「ええ...」
なんかさっきまでの怯えた様子から一転、急に罵倒されたんだが?これ訴えても勝てるよな?...え?飛行船の器物損害?...示談で!
「...まあ、俺にはパラシュート的なのがあると思ってくれりゃあいい。そう簡単に死にゃあしないさ。...それに、俺の身の危険を案じるほどアンタと俺は関係がない。だろ?」
「...いえ、あなたは一時ゲヘナで賞金稼ぎをしていた方ですよね?確かナイフの悪魔などと呼ばれていた...いえ、正確には
「そんなことまで割れてんのかよ...情報部怖いな。」
なんと相手が俺のことを一方的に知っていたらしい。やだ、俺ってば有名人!?...それにしても
「はぁ...まあいいや、俺はとりあえず下の地獄をどうにかする。アンタらはさっき言ったように先生に加勢だ。そうすりゃ仮にバレても多少は温情をもらえるはずだしな。...OK?」
「まあ、はい。分かりました。こちらとしてもマコト先輩のやってしまったことは寝耳に水だったので助かります...はぁ」
なんかすごいめんどくさそう...まあ俺には関係ないし知ったことではないが
そんなこんなで少しばかり時間を取ってしまったが、俺は当初の予定通り窓から飛び降りていった。前回の時点では普通に怖がってた気がするんだが、なぜか今はそんなことないんだよな...あの
「はぁ...少し...いえ、かなり恐ろしかったですね...なぜ彼はあんなにも圧を出していたのでしょうか?しかも無意識なようですし、あまりこれから先は関わりたくはないですね...」
「すみませんイロハ先輩!こちらの指示をお願いできますか!?」
「あぁ...分かりました。今行きますね。...めんどくさ。」
・サンズ君
ヒソカより酷い状態になった。でも体は五体満足で復活です。よかったね。
爆破の瞬間は思ったより痛みを感じなかった。例えるならタンスの角に小指をぶつけるくらい。もちろん
知らない間に契約をしてしまった。クーリングオフはない。
・マコト
単身でアリウスと接触して今回の襲撃を引き起こした。外交能力やその他もろもろの能力が高いが、それを行う理由によってすべてが台無しになっている。
今回サンズによってかなりトラウマを植え付けられたため、二度とアリウスに関与しないことを心から決めた。
・イロハ
通称ゲヘナアカモップ。かなりのめんどくさがり屋だが、流石に上司の命の危機は見過ごせなかった。なお勘違いだった模様。
「ナイフの悪魔」に関しては以前聞いたことがある程度だったが、一年ほど名前を聞いていなかったので忘れかけていた時に出会ってしまった。思ったより常識的だったので驚いている。
・イブキ
天使