じいさんの日常?   作:狗餓雷

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っと、まあこんな感じ、じゃったな

 

「いや、いや、違うじゃろ!その後わしらも合流したぞ!」

 

うるさいのう、まったく

 

「そんな細かい事はいいじゃろうに」

 

「細かくはないじゃろう!」

 

「そうじゃ、最近嬢ちゃんには会っとらんな、元気にしとるのかのう?」

 

「わしはあれから二、三度しか会っとらんからのう」

 

「その内に会いに行くか」

 

「そうじゃな」

 

周りを見渡してみると雪女と楽しく話している

 

絢嶺、わやわやと酒を呑みかわす妖怪ども

 

「っと、わしは少し用があってな、下町に出るが一緒に行くか?」

 

「そうじゃな、わしも暇だしのう」

 

「んじゃ、行きますかのう」

 

そして、年寄り二人は旅館を後にし、下町に向かった

 

「所で、お主は何をしに行くんじゃ?」

 

「ん、なに、頼んどいた得物が届いたんでな、取りに行こうとな」

 

「そうか、しっかしお主はでかいのう、わしの2倍はあるじゃろう?」

 

「まあ、そんなもんかのう」

 

懐から、徳川に渡された地図を取り出した

 

「ん、そらぁなんじゃ?」

 

「ここに来たときにな水戸のやつから貰ったもんじゃ」

 

「なんじゃい、徳川もいたんか」

 

「ん、ちょうど会っての」

 

「しっかし、徳川に頼んだんかいな」

 

「楽じゃったからのう」

 

ぬらりひょんと話しているといつのまにか、目的地にたどり着いていたので地図を取り出し確認した

 

「ここじゃな、地図があっとるならのう」

 

「ん、これは、人払いの札じゃな、ちょいと待っとれ」

 

ぬらりひょんは札を剥がし懐から別の札を出し取り換えるように貼り付けた

 

「これで大丈夫じゃい」

 

「何をしたんじゃ?」

 

「何に、札が古くなってまともな効果を発揮しとらんかったからな、今変えたんじゃ」

 

そう言って、黒く霞んだ札をこちらに見せてきた

 

「そうじゃったんか、わしはそっち方面はてんで駄目でのう」

 

「それを言ったら、わしはこれくらいしか出来んよ、ん?」

 

後ろから気配がしたので、わしらはすぐさま振り返ると

 

「私の店に何か用で?」

 

そこには、提灯を片手にもった店主らしき男が立っていた

 

「わしは頼んだ物を取りに来ただけなんじゃが」

 

「おお!そうだったのですか!では、どうぞ中へ!」

 

「邪魔するぞ」

 

「では、わしも」

 

伊藤に続く様にぬらりひょんも店へ入っていった

 

店に入って見ると、そこには壁一面にずらりと武器がぶら下げてあった

 

「これは、どれも綺麗に出来とるのう」

 

「確かに、しかし、これらは全て呪われとる」

 

「なに、これくらい、わしなら使える」

 

「?!なるほど」

 

何故か、納得された

 

「で?頼んだ物は?」

 

「出来てます、しかし、私では持てませんので工場まで来てくれますか?」

 

「分かったのじゃ」

 

「わしはここで待っとるよ」

 

「はいよ」

 

ぬらりひょんに返事をし、男の後を着いていった

 

「ここです」

 

大きな音を立て、扉が開いた

 

「これです」

 

男は奥の方を指差した

 

「あれか、どれ」

 

奥に行くと、巨大な刀が地面にめり込んだ状態で置いてあった

 

「私では1mmも動かせませんでした」

 

「うむ!」

 

伊藤は50cmはありそうな柄を掴みゆっくりと刀を持ち上げた

 

「なんと?!片手で!!」

 

「これは」

 

刀を振り重さを確認する、1回振る度に周りに突風が吹き荒れた

 

「良いぞこの刀は!」

 

「凄いですね、あの刀を手足のように扱うとは」

 

伊藤は刀をじっくり見て、うなずきながら言った

 

「呪われとるのう、この刀は」

 

「頼まれたとき、素材が足らなかったので、倉にあった妖刀を片っ端から混ぜましたからね」

 

「なるほどのう、鵺殺し、暮れ桜、化羅軋、魂刀、これくらいかのう?」

 

「?!、よく分かりましたね」

 

「なに、呪いにも種類があるでな、見れば分かるわい」

 

「なるほど」

 

「依頼料は届いておるのか?」

 

「ええ、たんまりと頂きました」

 

「これ程までにわしに合う刀は今までなかった」

 

「そう、言っていただくと造った甲斐があります」

 

「所で、この刀には鞘はあるのかのう?」

 

「ございますよ、今お持ちしますしかし、鞘はより強力な呪いが掛けられているので気を付けてください」

 

そう言って、黒く塗り潰された鞘を持ってきた

 

「うむ、分かったのじゃ」

 

それを受けとると、刀を収め肩に掛けた 

 

「この刀の名はなんと言うのじゃ?」

 

「長美扇と言います」

 

「なるほどのう、確かに美しかった」

 

「そろそろ、戻りましょうか?」

 

「じゃな、奴も待たせてとるしのう」 

 

刀を肩に掛け部屋を工場を出た

 

すると、ぬらりひょんが一振りの刀を持ちながら待っていた

 

「すまない、亭主この刀を売ってはくれまいか?」

 

「こちらですか?少し待ってください」

 

そう言って、亭主は奥の部屋に行くと、黒塗りの箱を持って出てきた

 

「こちらで、よろしいですか?」

 

「ああ、これじゃ」

 

ぬらりひょんは刀を持ちじっくりと見た

 

「そんなに良いのか?」

 

「ん、いや、これは、友にやろうと思うてな」

 

「亭主この刀はどういうものじゃ」

 

「この刀ですか?この刀は女々切りと言って女を切っても傷がつかなく、この刀で何をしても殺せないが痛みだけは与えることができる、女に優しい刀です」

 

「そうなのか、わしは女は一度も殺めたことはあらんのでな」

 

「その、友と言うのには何か会ったのか?」

 

「いや、ただ、敵の女に惚れたのだが、滅法強くで本気を出したら殺してしまうのでと、前

わしに言いに来たんじゃよ」

 

「成る程ちょうどいいじゃないか」

 

「では、こちらは差し上げますよ」

 

「なんと!」

 

ぬらりひょんは驚き、亭主はそれにと続けて

 

「伊藤さんが買ってくれたので、この刀もお付けしますよ」

 

「そんなことは」

 

「ぬらりひょんよ貰っておけ」

 

伊藤の声でぬらりひょんと亭主は場を収め

 

「では、わしらはこれで」

 

「ありがとうございました、またのお越しに」

 

「また来るでのう」

 

ぬらりひょんと二人で一礼して、店を出た

 

「またのお越しをお待ちしております!」

 

店主を声を後ろに、旅館へと向かっていった

 

ー 裏通り ー

 

「あの店主は太っ腹じゃったのう」

 

「ああ、しっかし本当にでかいのう、その刀は」

 

「わしにはぴったりじゃろう?」

 

「確かにのう」

 

「うむ、っと!」ドッ!

 

あうっ!と可愛らしい声をあげ少女が尻餅をついた

 

「大丈夫かい、嬢ちゃん?」

 

そう言って、手をさしのべたが少女は何も言わずに走って大通りに出ていってしまった

 

「なんじゃ?よっぽどぬらりひょんが怖かったんかのう」

 

「ちょっ!わしのせいにするんじゃないわい!」

 

「わるい、わるい、冗談じゃよ」

 

「まったく」

 

下らん言い合いをしていると、一人の黒服の男が近寄ってきた

 

「あー、すいませんがここらで黒髪の女の子を見ませんでしたか?」

 

「いいや、わしらは何も知らんが、ついさっきそ、この路地裏で女の声はしたがのう」

 

「ああ、確かにしとったのう」

 

「そうですか、ありがとうございます」

 

男はそのまま、路地裏に走って行った

 

「所でいつまでそこに居るんだ?」

 

伊藤が言うと、後ろの物影から先程ぬらりひょんにぶつかった少女が出てきた

 

「た、助かったのじゃ」

 

小柄の少女からは涙がたれていた

 

「おいおい、女がそうやすやすと涙を流すんじゃねえよ」

 

そう言って、少女の涙を袖で拭った

 

「すなぬのじゃ」

 

すると、ぬらりひょんは何か気づいたのか、少女に近寄った

 

「よく、見えなかったが、お主はもしや九重じゃなかろうか?」

 

「なんじゃ、ぬらりひょん、知ってるのか」

 

「ぬらりひょんじゃと!」

 

「うむ、久しいのう」

 

「ホントなのじゃ!」

 

「おうおう、こら止めんか九重」

 

「おじちゃんは誰?」

 

「わしか?わしは伊藤弦來じゃ、そこのぬらりひょんの友人じゃよ」

 

「なんと!」

 

九重と言う少女はぬらりひょんから離れ、わしにしがみついてきた

 

「お主があの武神か!」

 

「あ、ああ、確かにわしは武神と呼ばれたりはするが」

 

「会いたかったのじゃ!」

 

「会いたかったじゃ、ありませんよお嬢様」

 

九重の後ろから、先程会った男が表れた

 

「貴方方は先程の、お嬢様がこ迷惑を掛けました」

 

「いやいや、とんでもない」

 

「では、私どもはこれで」

 

「これ、放すのじゃ!」

 

「まったく、奥方様がお待ちですよ」

 

「もっと、おじちゃんと話すのじゃ~」

 

「後で会いにゆくでな、今回は帰るのじゃ」

 

「むぅ~、分かった」

 

「お騒がせしました、では此にて」

 

男は九重のてを引き、裏通りを出ていった

 

「ぬらりひょんよ、わしらもそろそろ帰ろうかのう」

 

「うむ、そうじゃな」

 

ー 旅館 ー

 

「あら、良い肌してるんじゃない?」

 

「あっ!ちょっとやめなさい!毛倡妓!」

 

毛倡妓は雪女から手を離し、絢嶺の胸に手を出した

 

「あ、あう!」

 

「ちょっと!絢嶺ちゃんにもあんた!あんっ!」

 

毛倡妓は絢嶺の胸を揉みながら、髪の毛を伸ばし雪女の体を締め上げた

 

そして、部屋に入った伊藤とぬらりひょんはこの惨状を見、固まっていた

 

「お、お主はなにやっとるんじゃい!」

 

はっ!と意識を戻し、伊藤は毛倡妓に拳骨を落とした

 

「にゃ!」

 

「まったく、お主はなにも変わっておらんのう」

 

「だって、良い体をしてたんだもん!」

 

「もんじゃないわい!」

 

「絢嶺大丈夫じゃったか?」

 

「う、うん##」

 

絢嶺は緩んだ服を戻して、わしの後ろに隠れた

 

「かなり呑んでるようじゃのう、首無よぉつまみだしとけ」

 

「はい」

 

首無は毛倡妓を縄で縛り部屋から連れ出した

 

「まったく、毛倡妓は」

 

「のう、ぬらりひょんや、呑みなをすか?」

 

「いいのう、呑むか」

 

そう言い、二人は一升瓶片手に、窓側へ向かった

 

「す~、す~」

 

「雪女や、絢嶺を部屋まで運んどいいてくれまいか?」

 

「分かりました、ほら絢嶺ちゃん部屋にいきますよ」

 

「う~」

 

はいはい、と雪女は絢嶺を背負いながら、部屋を出た

 

わしとぬらりひょんは互いに酌をし、同時に口に含んだ

 

「しかし、今日はやたら良い月が出てやがらぁ」

 

「確かになぁ」

 

「もう一杯、いくか?」

 

「ああ、頂くかのう」

 

今日、この夜、旅館からは騒ぎ声が響き続けた

 

 

 

 

             

 

 

 

                                                        

 

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