コードギアス 狂王(偽)と狂犬が行くロススト 作:ミストラル0
今回はタイトル通り………あのお話
感想にてライを擁護する声をいくつもいただきありがとうございます
色々と思うところはあるとは思いますが、本作ではここに関しては原作ルートをいかせてもらいます
そして、今回もう一つここで書いておかないといけない事があります
この作品、一部のキャラクターへライ君がかなりアンチな発言をしていますが、今回その1人である朝比奈省吾との描写がございます
念の為、朝比奈省吾ファンがいたらブラウザバックを推奨致しますとだけ書いておきます
「行政特区日本、か………」
あれからユーフェミア様とスザクは行政特区日本の設立に向けて忙しそうに動いている。
俺もコーネリア総督の命で色々と手伝ってはいる。
忙しくしていれば“この後”の事を考えなくて済むからだ。
“ユーフェミア様を見捨てる”そう覚悟したはずの俺だが、罪悪感が無いわけではない。
それくらい彼女は俺の心にも影響を残していた。
少し距離を空けていた俺がこの有様なら間近で接していたスザクがこの後のブラックリベリオン以降にああなってしまったのも無理はないだろう。
「ライ、こんなとこにいたのか」
「スザク?何か問題でも起きたのか?」
「ユフィがそろそろ一息入れようって」
「それでお茶会のお誘いってか?むしろ2人で楽しめばいいものを」
「ユフィが君の淹れた紅茶がいいんだってさ」
「わかったよ」
こんな関係もあと僅かと考えると惜しくも感じるがこれは俺の力不足が原因でもあるのでそう思う事自体が烏滸がましいのだろう。
そうして残された時間を過ごし………その日を迎えた。
***
そして行政特区日本設立記念式典当日。
俺は警備の一員として会場内で待機だ。
勿論KMFではなく生身で………一応会場の裏のトレーラーにグロースター・カスタムは置いてあるのでいざという時には乗り込めるようになっている。
『ゼロです!ゼロが現れました!』
そこへゼロがガウェインで会場入りしてくる。
当然警戒されるもユーフェミア様の指示でガウェインが着陸しゼロが降り立つとユーフェミア様と2人で話したいと、会場の一室へと行ってしまった。
こうなってはほぼ原作と同じ流れになるだろう。
そこは覚悟していた事なので問題は無い………問題なのはこの後だ。
この後、ルルーシュのギアスの暴走のせいで「日本人を殺せ」という命令を受けてしまったユーフェミア様は会場に戻ると日本人達に自害を指示し、それが受け入れられないと知ると自ら発砲して1人を殺害。
その後は会場の兵達に指示して日本人の虐殺が始まる………これが後に『血染めの
ここでわかるブリタニア兵の民度よ………いくら命じられたからとはいえ何の疑いもなく嬉々として虐殺始めるとかさぁ………
そんな事を考えているとガウェインのコックピットが開きC.C.の姐さんが出てくる。
という事は………
姐さんの様子から何かがおかしいと察したスザクが姐さんに触れてしまい昏倒する。
それを見た他の衛兵が姐さんに銃を向けるもスザクと同じように昏倒してしまう。
「スザク!姐さん、何が起きた?」
スザクを心配する振りをして近付き姐さんに事情を聞こうとするが、姐さんも首を横に振るだけでルルーシュの身に何かあったとしか把握できていないようだ。
とりあえず俺も状況把握*1の為に動くべきか?
そう思って中へ向かうと、逆にこちらに向かって小走りでやってくるユーフェミア様。
その瞳は明らかに正気とは思えない“赤い狂気”を纏っていた。
そんなユーフェミア様に俺は無駄だとわかっていながら声を掛ける。
「ユーフェミア様、ゼロは?」
「そのゼロからの命令で日本人を皆殺しにしなければなりません。ライ、貴方も手伝って下さい」
「何を言ってるんですか!今日の行政特区日本の為に貴女とスザクがどれだけ頑張っていたか!」
「むぅ………ライは手伝ってくれないのですね………残念です」
ユーフェミア様がそう言うと、バシュッという気の抜けた音と共に腹部に痛みが走る。
「ユー……フェミア…様………何を………」
その手にあるのはゼロの持ち込んだニードルガンか………
「手伝ってくれないのであればそこで大人しくしていて下さい。急所は外したはずですからすぐに手当てすれば死にはしないでしょう」
傷口を押さえて蹲る俺にそう告げるとユーフェミア様は再び式典会場へと歩き出す。
「待っ…て………」
ここでオリジナルと同様に俺が半分日本人だと告げればもう少し………ゼロが追い付くまでの時間は稼げたかもしれない。
しかし、俺にはオリジナルと違いギアスもなく、そもそも俺の血筋もクローンという紛い物だ。
故にその言葉を口にする事は出来なかった。
『日本人を名乗る皆さんにお願いがあります………どうか、死んでいただけないでしょうか?』
そして、それは始まった。
甲高い悲鳴と共に会場から銃声が響き始め、その虐殺は始まってしまった。
「ライ!?どうしたんだ!?」
そこへ遅れてやってきたゼロが俺の腹部を見て驚愕する。
「俺はいい………ユーフェミア様を、彼女を止めろ」
「………あぁ、わかった」
そうしてゼロを送り出すと、念の為に持ち込んでいたファーストエイドキットで傷口を塞ぎ、鎮痛剤を打って歩き出す。
向かうのは裏にあるトレーラーだ。
この先、ここは戦場となり、更にはよくネットのネタにされているゼロの合衆国日本の宣言がされる場所なのだからこんなところで寝ては居られない。
黒の騎士団の初期メンバーに見つかるなら兎も角、ブリタニア軍人の格好をした俺が他の団員に見つかればどうなるかわかったものではない。
スザクやマーヤ同様暴走したブリタニア軍の鎮圧もしくは脱出の為にもKМFは必要不可欠だ。
トレーラーに辿り着くと既に慌ただしく人々が行き交っていた。
「ラインハルト中尉!?」
ああ、実は澤崎の一件で昇進していて中尉になっている。
「俺のグロースターを出す、準備を」
「し、しかし、中尉のその怪我は………」
「応急処置はした。それよりも騒ぎを何とかするのが先決だ」
「わ、わかりました」
怪我の事で止められそうになるも、緊急事態を言い訳に俺はグロースターへと乗り込む。
「ラインハルト、グロースター・カスタム。出るぞ」
トレーラーを飛び出した俺はまずブリタニア軍と交戦している黒の騎士団の無頼を攻撃する。
一応殺さないようにランドスピナーや武器を持つ腕、頭部等を狙い戦闘力を奪うと脱出装置を起動させたものを無視して交戦の意志を持つものを優先して攻撃する。
『た、助かった』
「俺は他の友軍の援護に回る。損傷が多い者は一度下がれ」
その後もなるべく日本人のいない場所を回り友軍の援護をしていると、1機の月下と無頼の混成部隊に攻撃されている部隊を見つける。
友軍の方は部隊とは言ったが、そのほとんどは月下の持つ廻転刃刀で斬り倒されており、残っていたのは動きの拙いサザーランドが1機のみ………相当な手練れであるのは疑いようもなく、おそらくは乗っているのは四聖剣の誰かだろう。
ここで見捨てるのも気分が悪いのでサザーランドへと斬り掛かる月下の前に電磁ランスを突き入れて妨害する事にした。
すると、流石は四聖剣と言うべきか、ソイツは即座に機体を後退させる。
『チッ、新手か!』
その声を聞いておそらく俺は笑みを浮かべていただろう。
何故ならその月下のパイロットは推測通り四聖剣の1人………“朝比奈省吾”だったからだ。
そう、四聖剣の中で………いや、黒の騎士団の中においてもトップ3に入る程俺が嫌っているキャラクターの1人だ。
その理由は前に散々語ったと思うので割愛するが、コイツ相手ならば遠慮は必要無い。
なので、“思いっきり動く邪魔になる”生き残りのサザーランドへと通信を入れる。
「そこのサザーランド、コイツらの相手は俺がするから命が惜しかったら下がれ」
『お、お前はあの時の!?』
「ん?何処かで会った事あったか?」
『さ、採用試験の時の事を忘れたとは言わせんぞ!』
「あ〜、あん時の………」
そのサザーランドに乗っていたのは採用試験の時にフルボッコにした貴族クラスのリーダー格だったボンボンだった。
そんな風に悠長にしていたせいか、体勢を立て直した朝比奈が率いる部隊が攻撃を仕掛けてきたのでボンボンのサザーランドを引っ掴んでその場から後退する。
『う、うわぁ!?』
「舌噛みたくなかったら口閉じてろよっと!」
そして建物の陰に放り投げて避難させると近くのビルにハーケンを飛ばして跳躍し、俺達を追ってきていた無頼に空中からアサルトライフルを掃射する。
『うわぁ!?』
『伍藤!?』
その一発が運悪く1機の無頼の当たりどころの悪い箇所に命中して爆散する。
聞き覚えの無い名前だし、俺が抜けてから入ったモブだろう。
そんな中、俺の行動を予測した朝比奈機は一歩引いた位置で止まって回避したようで、俺がハーケンを巻き取りビルの側面に着地した瞬間を狙って腕部のアタッチメントに取り付けられているハンドガンを撃ってきた。
「そんな攻撃が当たるとでも?」
それも予想出来ていたのですぐさま別のビルにハーケンを刺して飛び退き、アサルトライフルを月下へと投擲する。
『なっ!?』
慌ててそれを廻転刃刀で切り払うが、俺の狙いはそこだ。
その一瞬の隙に電磁を突き出し、空いた反対の手でロングソードを引き抜きスタントンファーで後ろから奇襲をかけようとしていた無頼の腕を斬り落とす。
狙いは良いが、そこは接近戦じゃなくてアサルトライフルでの射撃にするべきだったな………まあ、その場合は避けて射線上の朝比奈にフレンドリーファイアさせてやるが。
***
Another Side 朝比奈
青兜………報告にあった九州での戦いに現れたグロースターの改修機と思われる機体のコードネーム。
ゼロからは「危険度はコーネリア以下親衛隊レベルと推察される。よって奴との交戦は相応の実力者を除き避けるように」と言われていた。
それを聞いた時はそんなまさかと思っていたが、今回実際に交戦して思い知らされた。
親衛隊レベル?あれは白兜やコーネリアと同等クラスのバケモノだ。
奴は僕達が増援として現れたブリタニア軍の部隊と交戦している時に現れた。
僕自身最後の1機を仕留める寸前だったので油断していたのは認めるが、あの一突きは背筋が凍る程だった。
『あれは報告にあった青兜!?』
『あ、朝比奈隊長!』
「全機警戒!」
黒の騎士団は日本解放戦線の時に比べたら装備は充実しているものの、そのほとんどが民間人上がりのレジスタンスで練度は言わずもがな………そんな部隊を率いて青兜を相手するのは危険だと頭ではわかっていたが、その時の僕は奴を過小評価しており、この人数差であれば倒せると驕っていた。
故に友軍と何か話しているだろう隙を狙って攻撃を仕掛けたが、青兜は友軍を連れた状態でそれを回避し、迂闊にも前に出た部下があっさりと返り討ちにされてしまった。
その間にサザーランドには逃げられ、ブリタニア軍の撤退命令までの間に部下を2人、無頼を4機失う事となった。
全体で見れば勝利であったその戦いは僕にとっては手痛い敗戦となったのだ。
そして、この後の戦いにおいて僕は再び奴と対峙する事になる。
Side Out
***
結局、撤退命令までの間に4機の無頼を撃破する事となったが、正直な話朝比奈にはがっかりした。
いくら部下が素人集団の黒の騎士団とはいえ、その統制すらまともに出来ないとは………ルルーシュからカリスマ:20点と評されるのも納得だった。
これでは壱番隊隊長とか壱番隊隊員が可哀想だわ。
でも、劣化版沖田総司*2と見れば納得だけど………
撤退命令の後、俺は親父殿のグロースターに乗ったマーヤと合流し、シズハマ基地へと立ち寄った。
「お互い無事で何よりだ、マーヤ」
「うん、ライも………ってその怪我はどうしたの!?」
「あ〜、ちょっとヘマして流れ弾をな………」
「医務室に!」
「やめとけ、今は何処もそれどころじゃないだろうからな」
「でも!」
「特派と合流出来たら“あっち”の医務室借りるから」
「絶対だからね?」
“あっち”というのは同じくシズハマ基地に補給に訪れた特派の航空母艦アヴァロンの事だ。
まあ、あっちはあっちで大変なんだろうけど………
そう俺達はシズハマ基地に到着した時にマーヤが所属を伝えた際にアヴァロンがここに寄港していると知ってそのアヴァロンへと向かっていたのだ。
そして、アヴァロンに到着すると特派所属のマーヤは勿論、九州の一件で乗艦した俺の事を知っている人が対応してくれ、そのままブリッジへと案内された。
俺の怪我についても今は医務室が使えないとあってブリッジまでスタッフを寄越してくれるとの事。
「マーヤさん!それにラインハルト中尉!2人とも無事だったのね!」
「俺は無事とは少し言い難いですけどね………」
「あの混乱の中でここまで生き延びて来れたなら充分無事の範疇だと思うよ」
そこからマーヤが親父殿からグロースターを借りて奔走していた事が語られ、その親父殿もシズハマ基地に搬入されたと聞かされた。
「よかったね、ライ」
「ああ………」
だが、俺はこの後親父殿がどうなるのかを知っている。
今動けば避けられる結末かもしれないが、俺は………
「ライ?」
「………何でもない」
「それにしてもダールトン将軍と同じ箇所を怪我するなんて血は繋がってなくても親子だね〜………もしかして君もユーフェミア様に撃たれたとか?」
「ーーッ」
「ロイドさん!」
「ごめんごめん、今のは不謹慎な発言だったね」
ほんと鋭過ぎね?この人………
流石に今のはちょっと動揺を隠し切れないわ。
「怪我人は!?」
「彼です!」
そこへ丁度医療スタッフが到着し怪我の処置が始まる。
「応急処置は君自身が?」
「はい、いつもファーストエイドキットを持ち歩いていたので、それで」
「キチンと処置はされていたが、傷口が開きかけているね………少し痛みますよ?」
「はいっ」
俺の治療が進む中、マーヤはスザクの行方を気にし、そのスザクは医務室でユーフェミア様と最後の時を過ごしていると聞かされた。
となればもう止められはしないだろう………“黒き反逆”の幕は既に上がってしまったのだから。
ということで次回はブラックリベリオンのお話となります
途中まではマーヤと同行しますが、朝比奈のパートにあったようにライ君は四聖剣らと交戦する事になります
また、その前にとある人物と邂逅する事にもなりますが、それは次回のお楽しみということで………
感想等がありますと執筆の励みになります