「ブルマさん…あまり離れてないといいけど」
俺は全速力でブルマさんの元に向かう。あのメディカルマシーンは今後役に立つと思う。カプセルコーポレーションの人たちなら人々の為に有効活用出来そうだ…それにブルマさんなら今のメディカルマシーンをアップグレードすることも出来るかもしれない。
「(それに…魂を入れ替える技を使うやつが存在するとは、宇宙は本当に広い…もしかしたらフリーザ以上の敵もいるかもしれないな)」
そんな事を考えながら俺は飛び続けるとブルマさんの気が近づいてくる。
「この辺からブルマさんの気を感じる……いた!」
「ひえーーー!!」
ブルマさんの姿を見つけるとナメック星に生息している肉食動物に追いかけられていた。
「ブルマさん!」
俺はすぐにブルマさんを追いかけていた肉食動物を気絶させブルマさんを助ける。
「ふぅ…ブルマさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫なわけないでしょう!こっちは散々な目にあったんだからね!」
「そ、それはその、す…すみません」
「はぁ…助けてもらったからこれ以上は何も言わないわ。それに悟聖君だけなの?クリリン君や悟飯君はどうしたのよ?」
「それについてはしっかり説明しますので、ブルマさん…俺と一緒についてきてもらってもいいですか?ちょっと見てもらいたいものがあって」
「な、なによ?どこに行くって言うのよ?」
「飛びながら説明します。あまり時間がないんです!俺が背負うんで急いで!」
「わ、わかったわよ…」
俺はブルマさんを背負い出来るだけ負担がないように速く飛ぶ。全速力で飛べばブルマさんの体が保たない。そして俺はブルマさんにこれまで起こったことを簡潔に説明し…ベジータさんの事も話した。
「な、なるほど、つまり孫くんとそのギニューって敵と中身が入れ替わって孫くんの体を悟聖君がボコボコにしちゃって、なんとか元に戻れたはいいけど、仙豆がなくて今はメディカルマシーンって言う敵の宇宙船内にある治療装置で傷を癒してるって訳ね?」
流石技術者だけあって理解が早い。簡潔な説明だけで現状を理解している。
「はい、それで、ブルマさんにはそのメディカルマシーンを解析してほしくて…ブルマさんの技術力ならもしかしたら地球でも作れるんじゃないかと思って…」
「わかったわ!今まで退屈してたからちょうどいいわ!利用できるものは利用しなきゃ!」
「はい!少し速度をあげるんでしっかり捕まってください!」
俺はブルマさんの負担がないように速度を上げ宇宙船へ急ぐ
「ついた!あれです!」
「へぇー、大きい宇宙船ねぇ…」
「おーい!悟聖!ブルマさーん!」
「ヤッホー悟飯くーん!」
宇宙船につくと悟飯がドラゴンボールを見張っており、そのまま俺たちを出迎える。
「よかったぁ!無事だったのね悟飯君!」
「ブルマさんもご無事で!」
「悟飯…クリリンさんはまだ戻ってきてないのか?」
「うん、最長老さんの所までは往復で2時間はかかるって、後、ベジータさんは一眠りしてくるって言って宇宙船に戻ってる」
「そうか…っと、こんなことしてる場合じゃない。ブルマさん、宇宙船に入るので俺に掴まってください」
俺はブルマさんを宇宙船内に連れて行き船内を案内する。ブルマさんは興味深そうに周りを観察する。
「へぇー…悪い連中にしてはずいぶん文明が進んでるのね…地球とは大違いだわ」
やはり技術者とあってこの宇宙船の技術には興味が尽きないのだろう。
「ここです。ここに例のメディカルマシーンがあります」
俺は治療室につくとそこにはベジータが横で仮眠をとっていた。
「いいっ!も、もしかしてこいつがベジータ⁉︎な、なんでこんな所に…」
「しぃ〜!ブルマさん静かに!」
「…!」
ブルマさんはまさか治療中の装置の横でベジータさんが寝ているとは思わず大きな声を出すが慌てて口を押さえる。
「……」
ベジータさんは起きる気配はない…よかった。だが相当疲れているのか?
「あっ…孫くん!」
メディカルマシーン内にいる父さんに気づき駆け寄るブルマさん。しかしブルマさんは装置の周りや端末を観察していた。
「本当に治療中なのね…この中にある液体がダメージを負った傷を癒してるってわけね?」
「はい、隣にもう一機あるのでそれを使って解析をお願いしたいんです」
「任せなさい!私天才だもの!パパッと調べて終わらせちゃうんだから!」
「船内に敵はいないんで安心して作業してください」
「わかったわ。こっちの事は任せて頂戴!」
「俺は悟飯の所に行ってきます。何かあったらすぐに戻ってきますね」
ブルマさんは早速作業に取り掛かり、俺は悟飯と合流する事にする。船内から出ると悟飯がカエルを追っ払っていた。
「悟飯…何やってんだ?」
「あっ、悟聖、実はさっきカエルになったギニューって奴がドラゴンボールを奪おうとして来たからさっき追い払ったところなんだ」
「そうか」
どうやらドラゴンボールを奪い取ろうとしてたようだが、あんな小さな体じゃもはや何も出来ないだろう。これからの人生を考えると少しだけ同情するな。
「それに、クリリンさん大丈夫かな?ここから最長老さんの所へ行って帰ってくるまで2時間はかかるから…その間にフリーザが来たらどうしよう…」
「その時はその時で俺達が闘って父さんが治るまで時間稼ぎするしかないだろ…」
今のうちに覚悟を固めておいた方がいい。けど正直、悟飯じゃフリーザには勝てないだろう…
「…!誰か近づいてくる」
「ホントだ。それも一つじゃない」
拳を連続で突き出して準備運動をしていると二つの気がこちらに向かってきていた。
こちらに向かって来る2つの気を感知したので俺たち2人はそちらに向かうと、クリリンさんとピッコロさんに似た子供のピッコロさんがいた。
「クリリンさんの隣にいるピッコロさんに似た子は…」
「デンデだ!やった!」
「小さいピッコロさんだ。じゃあナメック星人ってことか…」
子どもピッコロさんみたいでデンデと呼ばれたナメック星人を凝視する。悟飯とデンデは再会を喜び握手する。
「物凄い速さでしたね!どうやったんです!?」
「なーに、デンデの奴が最長老さんに頼まれてこっちに来てたのさ!」
「えーっと…デンデさん…だっけ?」
「あ、はい…あなたは?」
「俺は孫悟聖、悟飯の双子の弟だ。よろしくデンデさん」
「こちらこそ!よろしくお願いします!それと呼び捨てで構いませんよ?」
「わかった。改めてよろしくなデンデ!」
「はい!」
お互い自己紹介を終え本題に入る。
「デンデ、ドラゴンボールの願いの叶え方を教えに来てくれたって本当!?」
「はい!」
つまりドラゴンボールさえあればすぐにでも願いを叶えられる状態だ。
「ところでベジータは?あいつに分からないように途中から気を消して来たんだが…」
「気付かれてないと思いますが…」
「今は睡眠をとって寝てますよ。後ブルマさんが今メディカルマシーンを調べているところです」
「そっか!よし、こっちにも運が回ってきたぞ!良いか3人とも、ベジータに悟られないようそっとドラゴンボールをこの辺りまで運ぶんだ…!神龍が出た時に気付かれても少しは時間が稼げるからな…」
「「わかりました!」」
俺たちはベジータがまだ眠っているのを確認して気付かれないようにドラゴンボールを運んで7つ並べた。
「ひゃっほー、やったぜ!」
「はあ、緊張した…」
「あ、悟聖さん、その手怪我してますね…」
デンデが俺の手を見ながら言うと手には切り傷が出来ていた、痛みに耐性が出来てるからこの程度じゃ痛みを感じない
「いつのまにか、でもこれくらいなら唾をつけておけば…」
「僕が治してあげますよ。それに傷口に何か入り込んだら大変ですから」
デンデが触れると傷だけではなく界王拳を使って消耗した体力まで全快した。
「す、凄い!傷もそうだけど体力まで⁉︎」
「デンデ凄い!」
「デンデにはこんな能力があったのかよ!くそー、それなら悟空も連れてくれば良かったぜ」
デンデに治してもらえば父さんもここで一緒にいただろう。けど関わりが多い2人の反応を見るに今デンデに治癒能力があったのは初めて知ったのだろう
「こればかりは仕方ないですよ。それより…この気は」
「な…何かがこっちに近付いている…す…凄い速さで…」
「こ、この気は…!」
「フリーザ……物凄い速さで向かってきている…(だが何だ…初めて感じた時よりも悪の気が濃くなってるような…)」
「ご、悟聖、お前勝てそうか?」
「…やってみないことにはわからない、としか言えません。父さんがいればもしかしたら……でしたけど」
「そ、そうか…」
だが、なぜフリーザの悪の気が濃くなったのかはわからない…初めて感じた時よりも大きいし何かおかしい…
「急げデンデ!早く願いを叶えさせてくれっ!」
「はっ、はいっ!」
そしてデンデはナメック語の合言葉を言うと、ドラゴンボールが光った。
「ひ…光った…」
次の瞬間、空が暗くなり、それに気付いた全員が空を見上げた。
「空が暗くなった!あの時と同じだ!」
以前サイヤ人との闘いの前に起きたのと同じ現象だ。するとドラゴンボールが一層輝きを増して巨大な龍が姿を現した。
「で、でかい!!あれが神龍なんですかクリリンさん?」
初めて見る神龍の姿に俺は度肝を抜かれる。しかしクリリンさんも俺や悟飯と同じくらい驚いている
「い、いや、地球のより全然でかい…!形も違う…!地球のは大きな龍のような見た目だ…」
「ここではポルンガと言います…“夢の神”と言う意味です…ぼ、僕も見たのは初めてですけど…」
「ドラゴンボールを7個揃えし者達よ…さあ、願いを言うがいい。どんな願いも可能な限り3つだけ叶えてやろう」
「み、3つ⁉︎3つも叶えられるんですか⁉︎」
確か地球じゃ1つと聞いたことがあったけどまさか3つも叶える事が出来るとは思わなかった。悟飯とクリリンさんの反応を見るに俺と父さんがナメック星に来る前に聞いていたのだろう。
「デンデ、地球でサイヤ人に殺されたみんなを生き返らせてくと頼んでくれないか?」
「分かりました!」
クリリンさんはまず地球の師匠達の復活をデンデに言うように頼む。デンデがナメック語で伝えると。
「それは叶わぬ願いだ。生き返らせることの出来る人数は1人ずつだけだ」
「えっ!?」
「ひ…1人ずつ⁉︎」
「そっ、そんな…」
ポルンガの返答にショックを受けるしかない。確か地球のは病死や自然死、同じ人を2回生き返らせることは出来ないと父さんから聞いたことはあったけど…こっちはいっぺんには生き返させることは出来ないのか…
「さあ…どうした。願いを言うがいい、可能な限り3つの願いを叶えてやろう」
「と、どうする!?1つの願いでたった1人ってことは…」
「3人だけですか!?い、一体誰を…!」
【悟飯!悟聖!聞こえるか…ピッコロだ!返事をしろっ!!】
「ピッコロさん⁉︎もしかして界王様に?」
宇宙船で経験した俺はすぐに分かった。界王様を通じてこちらに通信を寄越してきたのだろう。
【そうだ、界王を通してお前達の心に直接話しかけている!】
「こ、心に…」
クリリンが呟くと、ピッコロが言葉を続ける。
【ナメック星のドラゴンボールで叶えられる願いは3つ!1つの願いで生き返らせることの出来るのはたったの1人だと言うことは分かった!良く聞くんだ!1つ目の願いでこの俺を生き返らせるんだ!俺が生き返れば神も生き返る!そうなれば地球のドラゴンボールも復活して…他の連中も蘇らせることが出来るはずだ!】
「そっ…そうか!その手があったんだ!」
「流石ピッコロさん!」
「わ、分かりましたピッコロさん!」
「…?」
どうやらデンデにはピッコロさんの声が聞こえていないので俺たちの話している内容が理解出来ない様子だ。早いこと一つ目の願いを叶えないと…
【そして2つ目の願いを言う!生き返った俺をそのナメック星に飛ばしてくれ!俺は闘いたいんだ!生まれ故郷で、お、俺と同じ仲間だと言う連中を殺したフリーザって奴とな…!俺はここで遥かに力を増した!必ずそいつを倒してみせる!その星に俺を呼ぶんだ!】
「わかりましたピッコロさん!1つ目の願いでピッコロさんを生き返らせて、2つ目はピッコロさんをナメック星にワープですね?」
「わ、分かりましたピッコロさん!」
【頼んだぞ!3つ目の願いは好きにしろ!】
願いを確認し、それ以降ピッコロさんが語りかける事はなかった。俺たちはデンデに1つ目の願いを伝える。
「デンデ、1つ目の願いで地球のピッコロさんって言うナメック星人を生き返らせて!」
「あ…!は、はい!ピッコロさん…ですね!」
デンデはナメック語でポルンガに1つ目の願いを叶えてもらう。
そしてポルンガの目が光る。おそらく願いが叶えられたのだろう。
「2つ目の願いは一つ目の願いで生き返らせたピッコロさんをこのナメック星にワープさせて欲しいんだ!」
「わ、わかりました。さっきの願いで生き返らせた人をナメック星に呼べばいいんですね?」
「…!この気は!」
「デンデ、早くっ!ベ、ベジータが気付いた!」
「おそらくフリーザの巨大な気で目覚めたのかもしれないです!」
デンデが急いでナメック語で2つ目の願いを言う。
「それは容易い。2つ目の願いを叶えてやろう……2つ目の願いも叶えた。さあ、最後の願いを言うがいい」
目が赤く光り、最後の願いを促すポルンガ。
「デンデ、ピッコロさん…いないんだけど?」
「ほ、本当だ!ピッコロの姿がないぞ⁉︎」
「ど、どこ!?ピッコロさん!」
「こ、“この星に呼んで下さい”って言っただけですからど、どこかの場所に…こ、ここへ来て欲しかったんですか!?」
「そ、そう言う事か!くそ…ピッコロさんの気は…感じるけどかなり遠い場所にいる…!あっ…」
ピッコロさんの気を確認した後、ベジータが降り立った。随分と苛立っている様子だ。
「ベジータさん…」
「やはりそういうことだったか…!貴様らよくもこのベジータ様を出し抜きやがったな…許さんぞ!愚か者め…!貴様らはフリーザを倒すたった1つの手段を不意にしたんだぞ!勝てる方法はこの俺を不死身にするしかなかったんだ!く…くそったれ共め~!」
ベジータさんは拳に気を溜めている。俺は戦闘態勢に入りいつでも動けるように構える。
「まっ、待って!願いはまだ1つ残ってるんだ!」
「ば、馬鹿!?何でバラすんだよ!?」
「いや、父さんはまだ治っていない…やるしかないのか…」
父さんが復活するまでフリーザに対抗するにはベジータさんが不死身になるしかないだろう。これ以上の方法がない。
「ほぉ…そいつを聞いて安心したぜ…さあ!この俺を不老不死にしろ!早くするんだ!フリーザはもうそこまで来ているぞっ!」
「3つ目…最後の願いはまだか。さあ、言うがいい」
ポルンガが最後の願いを促す。ベジータさんがデンデに掴みかかり、願いを言わせようとする。
「何をぐずぐずしている。早く言わんかっ!さっさとこの俺を不老不死にするんだっ!フリーザに殺されたいのかっ!」
「……く……」
「ク、クリリンさん、フ…フリーザはも、もうすぐそこまで…!」
「こっ、こうなったら破れかぶれだ!デンデ…そいつの願いを叶えてやれ!ベ、ベジータもとんでもない悪だが、フリーザよりはマシだ!く、悔しいがそれしか今のピンチを凌ぐ方法はない…!」
悔しそうにデンデにベジータを不老不死にさせるように言うクリリンさん
「わ…分かりました…」
「よーし!それで良いんだ!(い、良いぞ!これでフリーザに俺を殺すことは出来ん!どこまでも食らい付いてやれば今は無理でもそのうち倒せる…!くっくっく…全宇宙を支配するのはこの俺だ!!)」
「で…では…」
デンデがポルンガに振り返り、最後の願いを言おうとした直後にポルンガが消えて空が明るくなり、ドラゴンボールが石となった。
「え…一体何が…」
「………ど…どうしたんだ…な…何故、化け物が消え…空が、ま、また明るくなった…んだ。な…何故ドラゴンボールが、あ…あんな石に…」
突然のことに理解が追い付かないのかベジータさんは拳を震わせながら石となったドラゴンボールを見つめた。
「さ…最長老様が亡くなられたのです…ドラゴンボールを作られた最長老様にと…とうとう寿命が…」
「なっ、何だとっ!?ガキ…!お、俺の不老不死はどうするんだ…!」
「そ…それは…」
ドラゴンボールがない以上、ベジータを不老不死にすることは出来ない。つまりこのままでフリーザと闘わなければならないことになる。
「き…貴様らがこの俺を出し抜きさえしなかったら…ゆ…許さんぞ…」
クリリンに食って掛かろうとするベジータだが言葉が途切れた。不思議に思った全員がベジータの見ている方角を見遣るとそこには…。
「……あ……あ……」
「あいつが…フリーザ…なのか…?」
「やってくれましたね皆さん…よくも私の不老不死への夢を見事に打ち砕いてくれました…」
クリリンさんは顔を真っ青にしており、岩の上でフリーザが俺達を見下ろしていた。
この時のフリーザは“紫黒いオーラ”に包まれていて、明らかに何かがおかしかった…
悟聖のヒロインについて
-
星野アイ
-
黒川あかね
-
有馬かな
-
寿みなみ
-
不知火フリル