ドラゴンボール 双子のハーフサイヤ人   作:狼ルプス

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初めての友達

「この辺りだな」

 

あの雨の日から数週間後、俺は修行の合間を使いある児童養護施設に足を運んでいた。施設に入ると見覚えのある職員がいたので、挨拶する。

 

 

「こんにちは」

 

「あら、孫くん!いらっしゃい」

 

施設の職員の人に快く向かい入れられる。今じゃ顔を覚えてくれている。

 

「あの、今お時間は大丈夫ですか?」

 

「ええ、大丈夫よ。もしかしてアイちゃんに会いに?」

 

「はい」

 

あの日以降あの子と会う機会が増えた。何故だかわからないけど…放っておけなかったのもあるが…彼女から会えるか聞かれ、会える日があればここに足を運ぶと約束して今に至る。もちろん修行の手は抜いていないぞ。それに、この世界で初めて人の同い年の友達ができた気がする…ちなみに父さん達にはこの事はまだ話していない、まだ内緒の状態だ。

 

「そう、アイちゃんがあそこまで誰かに懐くなんて今までなかったのに…」

 

「そうなんですか?」

 

「ええ。孫くんは、何でアイちゃんがここに入ったのか聞いるかしら?」

 

「ある程度は…」

 

アイは母子家庭だったらしいが、母親はロクな養育をせずに彼女をほったらかし、しかも暴力を振るわれる始末、何年か前に窃盗で捕まってアイはこの施設に来たらしい。そして最近母親が釈放されたらしいが、アイを迎えに来ることもなければ連絡もつかずに行方知れず。そんな事実に耐えかねた彼女が施設を飛び出したのがあの雨の日だった。

 

 

「孫くん、これからもあの子と仲良くしてくれないかしら?」

 

「…もちろんです」

 

 

職員の方に言われなくてもそのつもりだ。

 

「アイちゃん!孫くんが来たわよ!」

 

職員の人はアイに声を掛ける。すると、奥から見覚えのある紫の髪と星を宿した瞳の少女がこちらにやってきた。

 

 

「悟聖君!」

 

「こんにちは、アイ」

 

「今日も来てくれてありがとう!」

 

彼女は俺を見ると笑顔でこちらに駆け寄ってきた。最近はこんな感じで嬉しそうに駆け寄ってくれる。

 

「孫くん、来てくれて申し訳ないんだけど、アイちゃんの宿題を見てもらえないかしら?」

 

「宿題?何かあったんですか?」

 

「今の時期夏休みでしょ?アイちゃん宿題を全くしなくて…」

 

「ああ…」

 

職員の人の言ってることに納得する。そう言えば今の時期は夏か…サイヤ人やナメック星、フリーザの事、未来で起こる人造人間の事件やら、修行に夢中になっていたりで季節すら気にすることがなかった。そっか…今は学生にとっては夏休みの時期なのか…俺と悟飯は学校には行っておらず塾やら通信教育で勉強をしている。

 

 

 

「何かわからない所があったら教えようか?」

 

「いいの?」

 

「ああ、一緒にやろう」

 

「…!うん!」

 

アイの宿題を見てあげると、彼女は嬉しそうにする。

 

「じゃあ孫くん、アイちゃんをよろしくね」

 

「はい!」

 

職員の人にそう言うと彼女は仕事に戻る。俺はアイと一緒に彼女の部屋へと向かう。部屋に着き中へ入ると、彼女はすぐさまランドセルから夏休みの宿題を取り出した。

 

 

「これとこれがわからないの!」

 

「いや…全部じゃないか」

 

出してきた宿題はまさかの全部だった。まさかここにきて勉強していた事が役に立つとは、俺はともかく…学者を目指しており、まだ10代も満たない悟飯の学力は下手な高校を卒業出来るレベルはあるため、勉強を一緒にすることもある俺も学力が前世よりも上がってしまっている。

 

彼女に勉強を教えながら宿題を一緒にやる。

 

 

「(俺たち、まだ出会ってそんなにたってはいないよな?流れとはいえアイの部屋に来てしまってるし…)」

 

 

「悟聖君…ここわからないんだけど…」

 

「ああ、そこはだな」

 

出来るだけ自分の力で解けるように教える。悟飯のおかげかこう言う物の教え方の技術も上がった気がする。学者を目指してる悟飯は俺が出来なかった問題もわかりやすい解説で教えてくれる。

 

 

「そろそろ休憩に入ろうか」

 

「はあー、やっとだあ〜……」

 

「お疲れ様。うん…これなら問題はなさそうだね」

 

俺は解いた問題を確認したが、ほぼ解けているので大丈夫だろう。力を使い果たしたアイは机に突っ伏す。

 

 

「何でこんなことしないといけないの~」

 

「あはは、多分みんなアイと同じこと思ってるはずだよ」

 

「…悟聖君も?」

 

「うん(前世の時もこんな感じだったのかな…俺)」

 

最近前世の記憶が年々薄れてきてる気がする…知識や経験は覚えているのだが…前世で関わってきた人の名前と顔、それに思い出も一部忘れてしまっている。

 

 

 

「でも悟聖君すごい勉強できるじゃん。私でもすごいわかりやすかったし」

 

「そう?多分悟飯の影響だろうな」

 

「ご飯?」

 

「多分字が違うと思うけど…孫悟飯、俺の双子の兄だよ」

 

俺は紙に悟飯の名前を正しい字を書き教える。

 

「へぇ〜、悟聖君お兄さんいたんだ」

 

「双子の兄だけどな。母さんから将来学者になるよう言われていたんだけど、悟飯は将来学者を目指してるから小学生以前から勉強してるから俺も成り行きで一緒に勉強する事になったんだ。まぁ…俺は学者になるつもりはないけど…」

 

「ふーん…」

 

「興味なさそうだな。まあアイの場合、もうちょっと頑張らないと中学の時は大変になるよ?」

 

「ほえ?まだ小学生だよね?何でそんなことわかるの?」

 

「……実を言うともう高校の範囲までやってるからかな?」

 

「すごい勉強できるじゃん」

 

「こればかりは母さんの教育熱心の賜物かな?今はそんなに嫌じゃないけど…」

 

まぁ…俺の場合前世の事もあるかもしれないが…暫くすると、職員の人がおやつを持ってきてくれたのでそれを食べることに。

 

「おやつだー!」

 

「お腹すいてたんだな」

 

アイはおやつのクッキーを食べ始める。俺はその様子を見ているが……ん?口元にクッキーのかけらがついてる。

 

「アイ、口元に付いてるぞ?」

 

「え?」

 

アイはキョトンとすると自分で取って食べようとする。

 

「取れた?」

 

「いや、反対側だ」

 

「取ってー」

 

そう言うと彼女はこちらに顔を近づけてきて俺に取ってもらおうとする。俺はアイの口元についているクッキーを手で取り、自分の口に運ぶと……

 

「……っ!」

 

「ん?」

 

アイは何故か顔が驚いておりほんのり顔が赤くなっている。どうしたんだ?

 

「どうした?」

 

「な、何でもない!その、ありがとう」

 

「?どういたしまして」

何か様子が変だな……まあ本人が大丈夫ならいいか。そしておやつを食べ終わり、再びアイの宿題を手伝う。暫くすると職員の人が様子を見に部屋に入ってきた。

 

 

「どう?アイちゃん……って、あら、お邪魔しちゃったかしら?」

  

職員の人は俺たちを見て何かを察したのかそんな発言をする。

 

「?」

 

「……っ!」

 

俺は思わず首を傾げるが、別に邪魔になるような事はなかったが…

 

「後は私がやっておくから孫くんはそろそろ帰ったほうがいいんじゃないかしら?ご両親も心配するわ」

 

「はい、わかりました。またなアイ」

 

「あ…うん、またね」

 

俺は席を立ち部屋を出ようとするが……何故かアイは名残惜しそうな顔でこっちを見てくる。一体どうしたんだ? そして俺は施設の職員の人に挨拶をした後施設から出る。

 

 

「この辺りでいいかな…」

 

人がいないのを確認してから俺は額に人差し指と中指を添え、父さんの気を捉え瞬間移動でパオズ山に一瞬にして戻る。

 

 

 

「あれ…父さん?1人で何してるの?」

 

「………」

 

この時間だと既にピッコロさんと悟飯は帰っており、父さんが1人で座って目を瞑っていて何かしていた。この座り方は父さん流の瞑想だが、これは…ただの瞑想じゃないな…なにか…こう、先を見てるようなそんな感じだ。

 

 

「(邪魔しない方がよさそうだな…)」

 

俺は父さんの邪魔にならないようにその場から離れる。

 

 

「悟聖」

 

「っと…な、なに?」

 

急に呼ばれ俺はなんとか踏みとどまり父さんに振り向く。しかも声色からしてかなり真剣だ。

 

「人造人間が現れた時、もしその人造人間が修行したオラ達よりも強かったらおめえはどうする?」

 

「え?ウーン……その場合は体制を立て直して対策を考える…かな?」

 

「普通ならそうするな…だがその後の事はどうする?」

 

「…そいつらより強くなる為にもっと修行する。それこそ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーサイヤ人を超える為に」

 

 

 

 

 

 

父さんは俺がそう言うと父さんは笑みを浮かべながらこちら振り向く。

 

「へへっ……おめえならそう言うと思ったぞ!」

 

「?あ、ありがとう」

 

「よし悟聖!わりいけど時間ギリギリまで組み手に付き合ってもらってもいいか?」

 

「…うん!構わないよ!」

 

俺達はお互い構え、組み手を始める。けど……一体何なんだ?父さんがどうしてあんな質問をしてきたのか気になりつつも、夕食の時間ギリギリまで父さんと修行をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして時は過ぎ……運命の5月12日を迎えるのだった。

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