「(一体何が…何故こんなにも複数の気を1人の身で宿しているんだ…)」
カメハウスを飛び経ってから数分…俺と未来の2人と一緒にジンジャータウンに向かっていると
「っ⁉︎こ、この気は!!」
突如と想像もつかない程の大きな気が現れた。しかもその気は俺達スーパーサイヤ人の気を遥かに超えていた。
「ま、また新たに凄まじい気が…!もう1人何者かが現れた…!それも知らない奴が…」
「この気…ピッコロさんなのか?」
「ああ、随分質が変わってるけど…ピッコロさんの気だ!!」
俺と未来の悟飯は巨大な気を発している正体に気づく…俺達兄弟がピッコロさんの気を間違えるはずがない!
「え…ピッコロさんですか⁉︎し、しかしこの気は…」
「多分、あの時クリリンさんが言っていたように神様と融合したんだよ」
ピッコロさんはクリリンさんが言ったように神様と融合してとてつもない力を得たのだろう。
「え…!融合…って、例の神様とですか…!?元々1人から別れたって言う…」
「ああ…やっぱりピッコロさんは凄いや」
「凄いなんてものじゃない…今のピッコロさんは、俺達のスーパーサイヤ人の力を遥かに超えてるよ!」
俺達は尊敬している師の超絶パワーアップに思わず笑みが出て、悟飯は表情を輝かせていた。
「(す…素晴らしい…!…ここまでパワーアップ出来るものなのか…)」
神様との同化により手に入れたピッコロさんの力は想像を遥かに超えていた。この力なら人造人間を倒せる可能性もある。その時大きな衝撃波が俺達の所まで届いてくる。
「いっ、今の衝撃波は…!?」
「今の衝撃…おそらく気功波を使ったんだ。ジンジャータウンの住民はいないから、ピッコロさんはあそこで思いっきり戦っているんだ!」
ジンジャータウンから2人以外の気は全く感じず、おそらく抜け殻から出た化け物が住民を何かしらの方法で殺害したのだろう。
「悟飯!トランクス!急ごう!!」
「ああ!」
「はい!」
正直今の俺達じゃピッコロさんの足手纏いにしかならないが、あの抜け殻の主を確認しなければ気が済まなかった。
「…!ピッコロさんの気が…急に減って…!」
「急ぐぞ!!」
2つの気の様子を伺いながら闘いの起こっている場所に近付き、2人の姿が目視出来た。
「いた!」
「やっぱりピッコロさんだ!本当に神様と合体したんだ!!…そしてあっちの化け物は…」
「多分あいつでしょう…!!例の脱け殻から出た…!!」
抜け殻の主の全貌を初めて見る怪物、その怪物はトランクスと未来の悟飯の存在に気付いて2人を見つめていた。
俺達はピッコロさんの近くに降りると怪物の姿を見る。フリーザ達の気を持つ怪物の姿はあまりにも醜い姿で不気味で仕方がなかった。
「こ、こいつ…」
「孫悟聖か…」
「っ!言葉も話せるのかよ…しかも俺の名前まで…」
「ば…化け物め…」
「……」
しかも俺の名前まで…不気味で仕方ない、俺達は迂闊に動く事が出来なかった。
「ピッコロさん、ヤツがジンジャータウンの人達を…」
「ああ、お前達、やつの尾に気を付けろ。この町の住民はあの尾で消されたんだ…」
「ピッコロさん、何故こいつから父さん達の気を感じるんですか?」
「詳しくは後で話す。こいつを片付けるのが先だ…」
「片付けるだと?そう上手く行くと思うのか?」
「この状況ではお前にとても勝ち目があるとは思えんがな」
「確かにこの場は退散するしかないだろうな」
「逃がしはせん…もうさっき程度のかめはめ波ではどうしようもない」
「え…奴はかめはめ波を!?」
「こ、こいつは父さん達の気を感じるだけじゃなくかめはめ波まで使えるんですか⁉︎」
ピッコロさんが戦って直接見ているのだから本当なのだろう。と言う事は、おそらく奴は俺達の技を使えると言うことになる。
「かめはめ波だけではないぞ孫悟飯、そして孫悟聖。その気になれば元気玉さえ多分できるだろう…」
「はは…それを父さんが聞いたら驚くかもな…」
「ああ…」
「ほう…お前達の父親……孫悟空は生きているのか?」
「当たり前だ!!」
「勝手に父さんを殺すなよ!!」
俺達の言葉に怪物は笑みを浮かべた。気持ち悪い奴だ…
「そうか、まだ生きていたか…やはり私の知っている歴史とはいささか違ってきているようだな…17号・18号は必ず手に入れてみせる!お前達には私が完全体になるのを邪魔しようとしてもどうにもなるまい!17号達と少しはマシに闘えるのがピッコロ1人ではな!」
「え⁉︎」
「完全体…?」
「あ、あの構えは⁉︎」
「ま、まずい⁉︎みんな目を…」
「太陽拳!!」
その直後に怪物は技の印を結び、目を瞑るように促すが、気付いたが遅く、怪物から眩い光が放たれた。
「っ⁉︎」
「しっ、しまった!!」
「ぐっ!!」
「め…目が…!!」
その光を受けてしまい、それによって目は眩み視界が遮られてしまった。
「く…そ…!」
「く…ううっ…!」
激しい光でまだ眩んだ状態で俺達は辺りを見回す。
「しまった…逃げられた!!」
「畜生!た…太陽拳は天津飯の技じゃなかったのか!」
「ぴ、ピッコロさん、太陽拳はそれほど難しい技じゃありませんよ。オレや未来の悟聖、トランクスも使えるんですから」
「あ、ああ…こっちも父さんから太陽拳は教わってるので今の俺も使えます。なのでピッコロさんも使おうと思えば使えるはずなんです」
太陽拳は全身を発光させる技。気のコントロールさえ出来れば簡単に出来る技だし、目眩しにもなり上手くいけば逃げる時の時間稼ぎさえも可能で使い勝手のいい技で、後は光に弱い相手には効果は抜群だ。
「おのれ…!!」
ピッコロさんは舞空術で飛び上がり周囲を見渡す。
「ち…!気配を消してやがる…あいつ…そんな事までできるのか!!これでは悟聖の瞬間移動も意味をなさないか!」
しばらくすると上空で探していたピッコロさんが俺達の前に降りてくるのと同時に怒りで気を解放した。
「くそ~~~っ油断した…!!あっさり倒しておくべきだったんだ…!!おのれ…!!完全体には絶対させんぞ…!」
「う…うおっ…」
「す、すごい…」
「……」
気は想像を遥かに超えたものでありその気の大きさに俺達は息を呑んだ。
「は…話せ…今ここで何があったのか…」
「ベジータさん!」
ベジータさんも気の異変を感じて来たのだろう。しかしベジータさんの表情は優れなかった。気持ちは察せるが口にはしない方がいいだろう。それは自身が一番わかっている事だから。
「天津飯もこっちに向かっているようだ…奴が着いたら纏めて話す…」
「…ではその前に、これだけは聞いておきたい…貴様は本当にピッコロなのか…!な、何故急にそれほどの戦闘力を身につけたんだ…!」
「ピッコロさんは神様と再び合体したんだそうです…」
「な…何だと…合体…?そ…それだけで…(あ…あの時感じた戦闘力はこ…このスーパーサイヤ人のオレを確かにこ…超えていた…ば…馬鹿な…あいつはたかがナメック星人だぞ…)」
「天津飯さんが来られましたよ!」
未来の悟飯が天津飯が到着した事を伝える。この様子だと餃子さんはいないみたいだ。
「(…どうするか…17号と18号、更に16号までいては確かにいくら俺がスーパーパワーを得たとしても手には負えんだろう…やはりセルそのものを倒すしか…)」
「えっと……」
正直今俺は困っている。今のこの人をなんと呼べば良いかわからないからだ。神様と融合したから別の名前になるのかな?ピッコロさん?神様?どうしよう…
「なんだ?何か言いたいことでもあるのか悟聖?」
「えーと、神コロ様?天津飯さんが来ましたよ」
そう呼ぶと何故がこの場にいるみんながズッコケてしまう。おかしな事言ったかな?
「名前まで合体させるんじゃない!!今まで通りピッコロと呼べばいい」
「す、すみませんピッコロさん!」
俺は直ぐに謝罪する。よかった…神様と合体してもピッコロさんはピッコロさんのままだ…
「取り敢えず全てを話そう。ベジータと天津飯は見ていないが、さっきの化け物はドクター・ゲロのコンピュータが独自に造り出した人造人間だ…」
「な…何っ…!?」
「ドクター・ゲロが…!!」
「あ、あんな人造人間まで作っていたのか⁉︎」
「…あれも人造人間…いや、人造人間でもバイオタイプの人造人間なのか?俺達が見た機械の人造人間と違って気もしっかり感じ取れていた…」
「その化け物の名は人造人間セル…奴はオレ達の細胞を集めて合成させた人造人間だ」
「お、オレ達の細胞を…⁉︎」
「どうりで1人の身から複数の気を感じ取れたわけだ…」
ピッコロさんの説明に全員が息を飲み戦慄する、あのベジータさんまでもだ…そしてセルがやって来たのは悟飯達の別の未来から来た存在で、どうやらその世界では何かしらの方法で人造人間を倒す事に成功し、セルの奇襲により2人は命を落としたとのこと…
「セルが完全体になるのを阻止するには…奴を何とか探して殺すか、17号、18号をやはり探して殺すか…そのどちらかだ…オレとしてはまだそれほどでもないパワーの内にセルを倒すしかないと思うが…」
「……」
正直、あの化け物…セルとまともに戦えるのは現状ピッコロさんだけだろう…ピッコロさんが除いた俺達が挑んでも勝てるかどうかも怪しい…それにベジータさんに関しては悔しさの表情も浮かんでいた。
「(ふ…ふざけやがって、どいつもこいつも…!宇宙一の超サイヤ人をあっさり出し抜きやがって…!頭に来るぜ…!なあ、カカロット…)」
「(くそ、こんなにも悔しいなんてな…けど、この悔しさが不思議と心地がいいと思うのも不思議だ…)」
不思議と今回の事は…悔しくもあるが…同時に更なる強さを求める気持ちがいっそう高くなる。父さん風に言えば…こんなやばい状況なのにワクワクもするし、ドキドキもする感覚だ。
「…何とかセルと言う怪物を見つけて倒さないと…或いは17号と18号を倒して完全体になるのを阻止しなければ」
「探せるでしょうか…あいつもピッコロさんの予想以上の強さを知って上手く気配を殺しながら人々を襲うんじゃないでしょうか…」
「な…何としてもセルと17号・18号との合体を避けないと…とんでもないことに…」
「地球だけではない…宇宙の星々も大変なことになるはずだ…奴にはフリーザ親子の血も流れていることを忘れるな…」
ピッコロさんと天津飯さん、未来の2人も険しい表情を浮かべる。
「このオレの血もな…せこい作戦ばかり立てやがって…合体したいならさせてやれば良いだろう!倒す相手が減って手間が省けるってもんだ…オレは敵がどうなろうと構わん…ぶっ殺すだけだ」
「甘く見るなベジータ、あの全く手に負えなかった17号達をセルは遥かに超えると言うのだぞ」
険悪な空気になった2人の間に俺が入る。
「2人とも今は喧嘩している場合じゃありませんよ!ベジータさん…あなたもやっぱり俺と同じ考えに至っているんですね?」
「ふんっ!貴様と考えが合うとは珍しいな…ならばその答えを聞こうじゃないか悟聖…」
「…スーパーサイヤ人を更に超える…ですよね?」
「ふん、貴様にしては上出来だ!」
ベジータさんは満足するように不敵な笑みを浮かべる。
「スーパーサイヤ人を超えるだと…?本気か貴様ら?そんなことが可能なのか?」
「今はイメージが朧げですけど、出来る気がするんです!」
「…悟聖だけじゃない…このオレも超えてやる…必ず超えてやるぞ…!スーパーサイヤ人を更に…!カカロットもそうなろうとするはずだ…必ずな…!」
そのまま飛び去っていくベジータさん、おそらく今から修行をするのだろう。
「よし!スーパーサイヤ人を超える前に、取り敢えずドクター・ゲロの研究所に行ってこの時代のセルを破壊しに行こうと思う…2人はどうする?」
「そうだな。それがいいかもしれないな」
「少なくともこの次元の未来ではもうセルは誕生出来なくなりますからね」
「わかった。お前達3人で研究所に行ってくれ。オレと天津飯はもう少しこの付近を探ってみる…」
「わかりました。お二人とも、気をつけて」
俺と未来の2人でこの時代のセルを破壊するためにドクターゲロの研究所に向かう。
俺達はドクター・ゲロの研究所に向かい話に聞いた地下に繋がる道を探す。
「ここのどこかに地下に通じる場所があるはずなんだ」
「しかし見つからないな…それにしても寒いな…あの時は気にする余裕もなかったしな。2人とも、いっその事この辺り一体を吹き飛ばしてしまうか?」
「あ…悟飯さん、悟聖さん、ありました!多分ここですよ」
トランクスが地下室への入り口を発見し、俺達はゆっくり降りていくと、そこには大きなコンピュータと大型のカプセルの培養液に浸かった小さな生物がいた。
「何て機械だ…これが例のコンピュータなのか」
「…この機械が!」
未来の2人からすればこれが絶望の世界を生み出した物だから怒りが顕になる。
「2人とも、これを!」
近くにはカプセルの中にいる手のひらに満たない生物がいた。おそらくこいつが…
「こ、こいつがセルなのか?」
「ええ、きっと時間をかけてあのセルになっていくんでしょう」
この小さな生物がいずれ大きくなり混沌の世界へと導くのだろう。ならばやる事は一つだ!
「よし、2人ともやるぞ!」
「ああ!」
「あ…2人ともちょっと待って下さい!」
手にエネルギーを溜めていたその時、トランクスが机にあった何かしらの用紙に目に入った。
「これは…設計図だ!!」
俺と未来の悟飯はトランクスが見つけた設計図に目を通す。正直俺は専門外でわからないが、技術者のブルマさんの息子であるトランクスは設計図の凄さに驚いていた。
「トランクス、その設計図はセルって奴のか?」
「…いえ…ここに17号って書いてありますよ!!こ、これを母さんに見てもらえばもしかして17号達の弱点が掴めるかも知れませんよ!!」
「他に設計図は?」
「いえ、確認する限りこれだけのようです。取り敢えずここを破壊しましょう!」
「「ああ!」」
トランクスは設計図を丸め小脇に抱える。俺は両方の掌を額の前で重ねる。
「2人とも…準備はいいな?」
2人も俺の構えを見て頷くように返事をすると、俺と同様に掌を額の前に重ねる。トランクスは設計図を持ってる為片手の掌で行う。
「いくぞ!」
「ああ!」
「はい!」
俺達はエネルギーを溜め…ある程度チャージし周囲に向けて気功波を放つ。
「「「魔閃光!!!」」」
俺達は辺りの機械を破壊する。特にあのセルは徹底的にだ!
「こいつのせいで…オレ達の世界は!!」
「この世界を、あんな地獄にはさせない!!!」
研究室の内部を徹底的に破壊すると俺達は地上に飛び出る。
「これで……最後だーーーっ!!」
未来の悟飯は渾身の気弾を叩き込み、着弾すると大きな爆発が発生し、俺達3人は研究所から飛びる。
「思いがけない収穫があったな!!」
「はい!!」
「よし、早速その設計図をブルマさんの所に持っていくぞ!!」
そういう未来の悟飯の言葉にトランクスはしばらく黙り込む。
「…………悟飯さん、悟聖さん。オレ、父さんと一緒に修行をしてみようと思うんです…もしスーパーサイヤ人を超えられるならオレも…」
「そっか」
「トランクス、多少丸くなっているとはいえ…ベジータさんが一緒に付き合ってくれるとは限らないぞ?」
「ああ、確かに…ベジータさんは1人で修行して強くなるイメージが強いからなあ…仮に一緒にするとなるとマジの真剣勝負に近い内容だからな…逆にトランクスが心配になるな…」
「そ、そうなんですか?」
「ああ…3年の間に手合わせした事があったんだが、ベジータさんには勝ち越されているからな…」
3年間の修行で俺はベジータさんとも手合わせをした事がある。しかもお互いスーパーサイヤ人の状態でだ。油断したら殺されると思うほどで、手合わせと言うよりはほぼ真剣勝負だった。
「トランクス、その設計図は俺がブルマさんの所に届けるよ。修行…頑張れよ!」
「はい、ありがとうございます」
トランクスはベジータさんの気を探してその方向へ向かっていく。
「(トランクス、頑張れよ)」
「(そうだよな。あっちのトランクスは赤ん坊の時にベジータさんを亡くして、父親との思い出なんて全くないんだ…少しでも…どんな形でもいいから、思い出が欲しいんだろうな)」
俺は何となくだが、ベジータさんの元に行った理由が分かる。いや、わかってしまう。おそらく未来の悟飯も気づいているはずだ。
「よし未来の悟飯…俺達はこの設計図をブルマさんに届けたら修行するぞ!!正直状況が状況だ…父さんが目を醒めるまで間、時間も惜しいしな!」
「もちろんさ!悟聖と修行かあ…懐かしいな…」
俺達は設計図をブルマさんに届けた後、スーパーサイヤ人を超える為、修行を始めるのだった。