「はあああああ……!!!」
「………」
「ウーン…」
俺と悟飯達は今ベジータさんとトランクスが部屋から出てくるまでの間、こっちの悟飯をスーパーサイヤ人にする為特訓をしている。父さんは瞑想をしながら地上の気を探っている。
「悟飯、一旦ストップ」
「ううっ…はあ…はあっ!」
俺は悟飯にストップをかけ力を抜かせる。
「それじゃあだめだ悟飯、それはただ気を高めてるだけで意味がない」
「そうだぞ過去のオレ、スーパーサイヤ人になるための条件は未来の悟聖曰く、一定の高い戦闘力と穏やかな心と激しい怒りだ。オレは過去にピッコロさん達を人造人間に殺された時のことを思い出しながら教えてもらった変身のコツで変身出来た」
「そ…そんなこと言われても…怒れないよ…」
「(…こればかりは性格が影響してしまってるな…)」
悟飯は元々戦うこと自体否定している考えなので難しいのだろう。
「ねえ2人とも、スーパーサイヤ人に変身する時はいちいち怒らないといけないの?」
「え?」
「いや、なれるとそうじゃないんだが…そうだな、悟飯…この辺に気を集中させてみな。そのさい気がざわついたら気を爆発させみろ」
「背中?」
「うん。背中…この辺りかな」
俺は悟飯の肩甲骨に触れながら教える。
「後は怒りを含めながらそれをやってみな…そうだな、俺と同じようにサイヤ人が地球に襲来した時とフリーザ一味がした事を思い出しながらやってみろ」
「あ、あの時の…」
俺はフリーザ達の一味がナメック星で悪さをしているのは聞いていたが、どんな事をしたのかは直接見ていないのでわからないので、実際見ている悟飯なら怒りを募らせる事も可能なはずだ。
「過去のオレ、スーパーサイヤ人になれなければ守りたいものも守れない。オレは未来じゃ力がなかったせいで…弱かったせいで多くの人の命をゴミのように扱われ奪われた!君の怒りを、悔しさを思い出すんだ!」
「は、はい!はああああ…!!」
こっちの悟飯が過去を思い出しながら怒りを募らせていく。すると徐々に気が上昇を始め思わず笑みが出てしまう。
「悟飯、お前の力を見せてくれ!その気になればお前は…この世界で誰よりも強くなれる!」
悟飯の髪が逆立ち始め、気も金色に変化し、髪が黒から金色へと交互に変化し始める。
「そうだ!もっと気を上げるんだ!!」
「そのまま気を高めた上で爆発させるんだ悟飯!!」
「くっ!うああああ…!!」
悟飯は過去の出来事を振り返りながら怒りを含め気を高めてそのまま気を解放した。髪色と気は金色に変化し、瞳の色もスーパーサイヤ人特有の物になっている。
「出来た!!」
「いいぞ過去のオレ!後はそのままゆっくりと、少しずつ興奮を抑えこむんだ!」
「うううう…!はあっ!」
維持出来ずに元の状態に戻った悟飯。最初は俺もこんな感じだったな。後は自在に変身出来るようにするだけだ
「む、難しいよ2人とも…」
「最初はそんなものだよ。後はベジータさん達が出てくるまでの間は自分の力で自在に変身出来るようにならないと、感覚もおそらく覚えてるはずだ」
こっちの悟飯もスーパーサイヤ人に覚醒する事に成功した。後は自分の感覚で自在にスーパーサイヤ人になれれば十分だ。
その後はベジータさんが出てくるまでの間…ただ待つことしかできなかった…正直アイや施設の人達が心配だが、生憎神殿は電波が届いていないから携帯やラジオでの情報を得ることが出来ない…日本地区の方の気を探るが…今の所気の乱れがないからセルによる被害は出ていないのだろう。
「………」
俺は神殿の端までいき下を眺める…雲の上にこの神殿があり普通なら絶景と呼べる景色だが、状況が状況でそんな気分にはなれない。
「…っ!この気は!」
そろそろ1日が経とうとした頃…地上から大きな気を感じ取れた。この気はピッコロさんの気…
「始まった…!!闘っているのはピッコロか…」
「相手の気を感じられない、恐らく相手は人造人間かと…」
「…そんなっ!ピッコロさん殺されちゃう!」
「行っても無駄だ過去のオレ!ピッコロさんの足を引っ張るつもりか!!」
人造人間3人を相手に不利な状況な中、ピッコロさんを助けに向かおうとした悟飯を未来悟飯が強引に止める。
「どうして止めるんですか!」
「わがままを言うな!今のままじゃレベルが違いすぎる!!それに君が行ったところでピッコロさんの足を引っ張るだけだ!」
「取り敢えず落ち着くんだ悟飯。ハッキリ言って俺達の中じゃピッコロさんが一番強い…もう少しすればベジータさん達が部屋から出てくる。それにそう簡単にピッコロさんは負けはしない!だから、ピッコロさんを信じろ悟飯…」
「…わかった」
悟飯が落ち着いたのを見た父さんは安堵して出入り口の扉を見つめる。
「(…まだかベジータ…!やっぱスーパーサイヤ人を超えるのは無理なんか…!?)」
しかしその後、セルの気まで動き始め、ものすごい速さでピッコロさんところに向かっていた。今も部屋で修行している2人を黙って待つがセルの気が異常な上昇を始める。おそらく17号か18号のどちらかを吸収したのだろう…そしてピッコロさんの気が感じることが難しいくらい小さくなる。おそらくセルにやられてしまったのだろう…そして天津飯さんがセルに攻撃をしているがどんどん気が小さくなっている。おそらく諸刃の剣の技を使っているのだろう。このままでは…そう思った瞬間父さんが瞬間移動で天津飯さんと辛うじて生きていたピッコロさんを助け出し、仙豆を食べさせ回復させる。
「セルは異常なまでの強さだ…ハッキリ言って誰も勝てない…オレはそう思う…」
「ええ、ここからでもセルの気は感じました…今の俺たちじゃどう足掻いたって勝てない…今はベジータさん達が部屋から出て来てどれほど力を上げているか…」
「おーい!!ベジータとトランクスが部屋から出て来だぞーっ!!」
「ほんとか!!」
2人から事情を聞いているとようやくベジータさんとトランクスが部屋を出たようで全員が部屋の前に向かう。
「どうもすみません。お待たせしました」
「と、トランクス…なのか?」
「ず、随分雰囲気が変わったな…」
「はい、お久しぶりです。と言っても…そちらにとっては1日ぶりになりますが…」
出てきたトランクスを見て、俺と未来の悟飯は驚かずにはいられなかった。1日前とは違い髪が長くなり、身長が伸びている。いや、それだけではない。雰囲気も随分違い、内に宿る気もピッコロさんを容易に凌駕しており、途轍もなくパワーアップしていた。今の状態でスーパーサイヤ人になれば一体何処まで…
「(た、たった1日でここまで…いや、向こうからすれば1年修行しているんだ…)」
「本当に待ったぞ~」
「父は中に入って2ヶ月ほどで既にスーパーサイヤ人の限界を超えたようでしたが…それでも納得がいかないらしくて今まで時間がかかってしまったんです…」
「トランクス!余計な事は言うな!」
「(ベジータさんが名前で…まぁ…距離は縮まったのか…?)」
ベジータさんがトランクスの名前を呼んだことから2人の親子の距離が縮まっているように見えた。
「トランクス、本当に見違えたぞ!今のオレを超えたみたいだな!」
「ありがとうございます悟飯さん。そう言ってもらえると自信がつきます」
「そうか、この姿を…オレ達の時代の悟聖にも見せてやりたかったな…」
「そうですね…」
「多分未来の俺ならこう言うんじゃないかな?立派になったなって…」
「はは!確かに」
「悟聖さんならそう言いそうですね」
俺たち3人は笑いあいトランクスに労いの言葉をかける。
「上手く行ったんだなベジータ」
「さあな…だが、貴様らがこれから中に入って特訓しても無駄になる…このオレが全てを片付けてしまうからだ。セルも人造人間共も…」
「なに⁉︎」
ベジータさんの言葉に驚くピッコロさんと天津飯さん…
「オラはさっき17号って奴を吸収して進化したセルをチラッとだけ見てきたが…とんでもねえ化け物だったぞ」
父さんがそう言ってもベジータさんの余裕の笑みは変わらない。勝てる自信があるのだろう…トランクスも動揺していないのを見ると自信があると見える。
「ちょっとー!みんなここにいるー!?」
「ブルマさんの声だ!」
外から聞こえたブルマさんの声に全員が外に出ると、ブルマさんがカプセルのケースを持って待っていた。
「いたいた!」
「ブルマ!何でここに?」
「クリリン君に聞いてきたのよ。みんなここだって…ハッ!?ねえねえちょっと!あんたトランクスじゃないの!?そうでしょ!?」
「え…ええ」
後ろにいるトランクスの姿を見るとブルマさんは驚く。そりゃそうだろう。ブルマさんからすれば最後に会ってから数日しか経っていないのに大きく成長した未来の息子に驚くのも無理はない。
そうなると一年修行した後アイや施設の人に会いに行ったらどうなるんだ?気づいてくれるかも怪しくなって来たし、今のブルマさんみたいに数日も会っていない間に何があったのかと驚かれてしまうかもしれない。
「何で髪型が変わってんの!?鬘!?あらー!?背も伸びてない!?」
「あ…こ、ここには不思議な部屋があって、そこでの1年は外のたったの1日なんです…その部屋でオレと父さんは修行して…」
「へえ…!ねえ、でもそのわりにベジータは髪の毛伸びてないじゃん」
「純粋なサイヤ人は頭髪が生後から不気味に変化したりはしない…」
「へ~」
「サイヤ人は生まれた頃からその髪型なんですね。言われてみれば父さんの髪もずっと変わってないよね?」
「どおりでオラの髪型は全然変わらねえわけだな」
「俺と悟飯はその辺は地球人の血が濃いみたいだね…髪型も変わるから」
「そんなどうでもいいようなことを喋っている時ではないはずだ!一体何しに来たのだブルマ!!」
「そうそう。ほら、ベジータに頼まれて作ったその戦闘服さ、凄い防御力高いじゃない。だからみんなの分も作らせてさ、持って来たってわけよ」
ブルマさんは持って来たカプセルを投げると大型のケースが出た。ブルマさんが持ってきた戦闘服を着る父さんと悟飯。俺と未来の悟飯は部屋に入る際に着るのでまだ着ない
「あんた達は着ないの?」
「俺は未来の悟飯と部屋に入る時に着るのでまだ大丈夫です」
「オレはサイヤ人やフリーザどもが着ていた服など着る気にはなれん」
「オレも同様だ」
ピッコロさんと天津飯さんは否定し修行の際は着ることを拒否した。
「そう拘るなよ。なかなか動きやすいぜこれ」
「さっきも言ったが…カカロット、貴様らがその服を着ても無駄だ。活躍の場がない」
「おめえがセルを倒しちまうからだろ?そんならそれが一番いいさ」
「直接戦いを見られないのが残念ですけど…精神と時の部屋での修行の成果…ここから感じさせてもらいますよ」
「ふん…」
2人の言葉にベジータさんは笑うだけだった。
「さあ行くか」
「オラの瞬間移動で連れてってやる」
「ふざけるな、貴様の力なんぞ借りはしない」
帰ってきたのはベジータさんらしい返事。そしてそのまま1人でセルの元へ飛びたった。
「やれやれ、相変わらず突っ張っちゃって…」
「ではオレも行きます」
トランクスもベジータさんの後を追うべく俺たちに告げる。
「あ、ちょっと待った」
行こうとするトランクスを父さんが止めると皮袋から仙豆を2粒取り出しトランクスに渡す。
「ベジータとおめえの分の仙豆だ。持ってけ」
「どうもすいません」
「トランクス、いくら強くなったからって決して無理はするな。やばいと思ったらすぐ逃るんだぞ?」
「わかってます悟飯さん。悟空さんと過去の悟飯さんも修行頑張ってください!」
受け取った仙豆をしまいながら2人からの言葉にトランクスは笑みを返す。
「絶対に死んじゃ駄目よ2人共、分かったわね!」
トランクスはブルマの言葉に頷き、未来の悟飯はサムズアップで見送りトランクスも同じように返した後、ベジータさんを追って飛んだ。
「よし、悟飯!今度はオラ達親子の修行の番だ!」
「はいっ!!」
「悟飯!父さん!修行頑張って!」
「2人とも、どうか気をつけて!」
「ああ!そんじゃ行ってくる!」
「行って来ます!」
やる気満々の2人は満足そうに精神と時の部屋に向かう。2人が何処まで強くなれるのか楽しみだ。俺と未来の悟飯が部屋に入るまでの残り1日…高みの見物と行こうか…
次回はある程度すっ飛ばす事になりますが、いよいよ悟聖達も精神と時の部屋に入ります。
この修行である程度セル編は原作と異なる事になる予定なのでお楽しみに!