ベジータさんが神殿から飛びたって数分後、ベジータさんはセルと接触すると途轍もない気の上昇が感じ取れた。
「…⁉︎」
「こ、この気は…ベジータさんの気⁉︎」
「は…始まったぞ。気がどんどん増えていく!!」
「す…凄まじい気だ…あの時よりも比べものにならないくらい…」
ピッコロさんは神殿の端までいくとターバンとマントを身につけ地上を見下ろす。
「見せてもらおうベジータ…スーパーサイヤ人を超えたと言う力を…!!」
ピッコロさんは地上を見つめる…見た感じ状況がわかるのだろうか?その能力の内容を聞きたいが、気を逸らすわけにも行かないので状況だけを聞く事にする。
すると巨大な気がぶつかり始め戦いが始まった…気の様子から察するにベジータさんがセルを圧倒しているように感じる。
「ちょっと、ベジータはトランクスはどうなってんの!?悟聖君は何かわかんないの!」
「気の様子からして…ベジータさんはセルを圧倒しています。もの凄い気です…!トランクスは気が動いていないのを見るに待機してる状態です」
「ホント⁉︎」
「これがスーパーサイヤ人を超えるパワーなのか…!?これほどまで力に差がついてしまうのか…!?」
するとセルも気を溜める。セルも凄まじい気だが、それでもベジータさんが圧倒している。これなら本当に出番がなく終わってしまうだろう。だが…
「ピッコロさん…未来の悟飯」
「なんだ?」
「どうしたんだ悟聖?」
「嫌な予感がするのは俺だけでしょうか?ベジータさんの性格を考えたら…調子に乗って余計な事をしそうな気がするんですが…」
「……否定はできんな。だが、ベジータはあのセルを圧倒している事に変わりはない」
「もし何かあったらトランクスもいるんだ…今はトランクス達を信じよう」
「そうだな…」
それでもこの嫌な感じは払拭できなかった。数分後、ピッコロさんの表情が険しい物へと変わっていた。
「ピッコロさん?」
「ピッコロさん、どうしたんですか?」
「ベジータめ……」
「なに…?ベジータになにがあったの…?」
「最悪な事態だ…ヤツは調子に乗りすぎてセルを完全体にしようとしている!」
「なっ⁉︎」
「な、なんだと⁉︎」
「何を考えているんだベジータさんは⁉︎」
「それって、かなりまずいんじゃないの!?」
「と、トランクスならセルが完全体になるのを阻止する…!もう、あんな地獄のような未来はたくさんだ!!」
「まだか…早くしろ…悟空!」
「父さん…悟飯」
ベジータさんめ…なんてバカな事を!!そんなんじゃこの先余計に厄介になる上、地球その物がどうなるかわからない…それに止めに行こうにも今の俺じゃ何もできないし、完全に力の差が大きい…父さんと悟飯が出てくるのを待つしかない…
するとセルの気が莫大な上昇を始める。完全体というものになってしまったのだろう。
「どうしちゃったのよ!何が起こってるのよ!トランクス達は無事なの⁉︎」
「セルの気だ!まだ上昇を続けている!ピッコロさん…まさかこれは⁉︎」
「ああ、なってしまったんだ…完全体っていうやつに…!」
「ベジータさんめ…なんて事を!!」
「え…!?」
「ベジータめ!責任持てよ…」
「最悪だ…!」
そう呟かずにはいられなかった。この感じ…凄まじい物で今のベジータさんでは勝てない。確実にやられてしまう。すると状況はわからないがその場にいたクリリンさんの気が小さくなるが…直ぐに気は正常に戻った。おそらくトランクスが持っていた仙豆を食べさせたのだろう。
そして直ぐに気の衝突が始まり、完全体となったセルとベジータさんが戦い始めた。
しかし感じるのはベジータさんの気の揺らぎだ。セルとベジータさんの差は歴然…いつやられてもおかしくないくらいだ。
するとベジータさんの気が膨れ始める。この感じは気功波をチャージしているのだろう。そしてそれを放ったのか気が小さくなり始め、そして更に小さくなってしまった。
「べ、ベジータがやられた!!」
「……やっぱり」
「ベジータさん…!!」
「う、嘘でしょ⁉︎」
状況は地上が視えているピッコロさんにしかわからずやはり気の減少はやられてしまったようだ。
するとまた別の気が凄まじい上昇を始める!しかもこの気はベジータさんやセル以上の!
「こ、この気は⁉︎」
「トランクス…トランクスの気だ!!」
「も、物凄いパワーだ!セルをさらに上回っているぞ…!」
「え、トランクスが!?」
「はい!凄い気ですよ!ベジータさんやセルを上回るくらいの!」
「トランクスが!?やった!!」
するとセルとトランクスの気の衝突が始まる。両者とも凄まじい気のぶつかり合いだ。しかし数分衝突した後セルの気も上昇し、直ぐに元に戻るとトランクスの気が大きく減少する。しかし、この感じはやられて減ったわけではない…自分でスーパーサイヤ人を解いたのか⁉︎
「トランクスはもう勝ったかしら?」
「ピッコロさん…と、トランクスは?」
「す、凄いヤツだ…」
「そんなに凄いのトランクス?」
「いや、凄いのは、完全体のセルだ…トランクスは、殺される!!」
「く、くそっ!トランクス!!」
「え!?冗談じゃないわよ!なんとかできないの!?そ、そうだ…悟聖君!瞬間移動でトランクスを今直ぐに助けに行きなさい!!」
「は、はい!!」
あまりの勢いに俺は瞬間移動の準備をする。
「待て悟聖!!その必要はない!殺されずにすんだ」
「え?」
「ほんと⁉︎」
「ピッコロさん、トランクス達に何があったんですか?」
未来の悟飯がピッコロに状況を聞くが、ピッコロの表情は険しかった。
「……お前達の次はこのオレも入らねばいかんようだ…精神と時の部屋に…」
「……ピッコロさん、何があったのか教えてください…俺たちは気を感じ取るだけで状況はわからないんです」
「…わかった。未来の悟飯もよく聞いておけ」
「は、はい」
ピッコロさんから地上での正確な事を話した。セルは武道大会開くとの事…しかも、世界の命運をかけた…そして開催日は追ってテレビで全世界に向けて宣言する事も説明する。
「ぶ、武道大会?」
「それって確か…俺と悟飯が生まれる前にピッコロさん達が参加した天下一武道会の事ですか?」
「そうだ…」
「そ、そんなの…オレ達を使って遊ぼうとしてるって事じゃないですか!!」
「………」
完全に舐められているな…果たして悟飯と父さんがどこまで強くなれているか…
そして一旦戦いが終わった後、ブルマさんは一度家に戻りここにテレビと電波を受信する装置を置いて行き、いつでもテレビ放送が見れるように用意してくれた。携帯の方も電波がある為状況の確認も出来る。
「悟飯!ピッコロさん!!天津飯さん!セルが現れました!」
『おはよう世界の諸君…これからほんの僅かな時間だけテレビにお邪魔させてもらう事にした…』
テレビにセルが現れ、俺は3人を呼ぶ。セルは中の都の北西28KSの5地点で セルゲーム という武道大会を行うと告げた。ルールは降参するか、リンク外に体の一部がつくか、殺されてしまっても負けらしい。後は代表選手全員が負けてしまった場合、世界中の全ての人間を殺すと言ったのだ。
そして脅しなのか、冗談ではない事を知らしめたかったのか、テレビ局の壁と街の一部を気功波で吹っ飛ばし、去って行った。
セルがテレビで宣言して数十分後…ベジータさんトランクスがやって来た。
「これは…」
「ああ…世界中パニック状態だな…」
「(アイ…)」
正直アイと職員の人達が心配だ。セルゲーム開催場所とはかなり距離がある為か移動している気配はない…腹を括っているのか距離があるから大丈夫だろうと言う甘い考えがあるのかのどちらかだ…
セルがセルゲーム開催の宣言をしてからは携帯で状況を確認していた。あの放送を見た世界中の人々が身を隠そうと動き始める。気を感知出来るセルには意味がなく、もはや無駄な努力と言ったところだ。父さんと悟飯が出てくるまで3時間…俺と未来の悟飯はいつでも入れるように戦闘服に着替えている。初めて着るが着心地も悪くないし動きやすい、その上軽い…ほんと宇宙の技術は凄いな…
「悟空さんと悟飯さんはあとどれくらいで出てくるんでしょうか?」
「まる1日までにはまだ3時間近くある」
「ふん…まる1日ちょうどで出てくるとは限らんぞ…欲張ってかなり時間オーバーをすると見た…」
「まだ焦ることはない。まだ勝負の日まで9日もあるんだ。次は悟聖と未来の悟飯が入る。その次にオレだ」
「それこそ時間の無駄だ。ここから先はサイヤ人にしか踏み込めん領域だぞ…まあ好きにさせてやるが、残りの7日間は全てこのオレがもらう事にするぞ」
「そいつは残念だったな。あの精神と時の部屋には生涯で2日間…48時間しか入っていられないのだ」
「え!そうなんですか!?」
衝撃の事実に思わず声が出てしまう。あの部屋はそんな制限があったのか…
「ぴ、ピッコロさん、仮に48時間超えてしまったらどうなるんですか?」
未来の悟飯は時間オーバーしたらどうなるのか気になりピッコロさんに聞く。
「部屋の出口が消え二度と出られなくなる」
「ち………」
「大丈夫ですよ父さん、オレ達はまだ20時間以上は使えますよ」
「…!こ、この気…」
「あ、ああ…間違いない」
父さんと悟飯の気を感じ俺たちは驚きを隠せなかった。3時間も早く精神と時の部屋から出てきたのだ。
「あいつら、もう部屋から出てきたのか!」
「なんだと…!?な、なんでこんなに早く…」
神殿の出入り口から2人が姿を現す。しかも2人はスーパーサイヤ人の状態だった。
「あれ!? やっぱりベジータもトランクスもいるぞ…セルの気も感じるから生きている…どうなってんだ?一体…」
「あ、あれが悟飯か…!見違えた…」
「(な、なんで2人はスーパーサイヤ人のままなんだ?)」
「(なんだ…スーパーサイヤ人…だよな?でも、スーパーサイヤ人特有の荒々しい感じがしない…雰囲気も…なんか、素と同じ自然体のような?)」
父さんと悟飯はスーパーサイヤ人状態だ。しかし荒々しさはなく、素の状態と同じで穏やかだった。
「何があったのか教えてくれ、あ…その前にミスター・ポポ、メシにしてくれないか?オラ腹ペコペコで…」
「(やっぱりそうだ…スーパーサイヤ人の状態の父さんはオレと言っていたはず!そうか…わかったぞ!)」
スーパーサイヤ人の状態でも2人は素の姿と同じだ。おそらくスーパーサイヤ人の状態で過ごす事で自然体の状態と同じようにいられるようになったのだろう。
2人の状態を見て俺はある核心へと至った。
そして2人はポポさんが用意した食事を一心不乱に食べ始める。
「悟空、ちょっと聞きたいことがあるんだが…お前達、ちゃんとメシ食ってたはずじゃなかったのか?」
「勿論食ってたぞ。でも、オラも悟飯もまともに料理ができねえからな…悟聖がいりゃよかったんだが、こんなうめえもん久しぶりだ!」
「そっか、こっちの悟聖も料理が出来るんだな?」
「ああ、母さんの手伝いもしてたからな。修行中食事の心配はいらないからな、未来の悟飯」
「はは!期待してるぞ?」
そしてトランクスは状況を知らない2人に今までのことを話した。
「そういうことか…おもしれえこと考えやがったな…」
「お、面白いだと…?」
「ミスター・ポポ、オラの道着捨ててねぇか?」
「ああ、捨ててない。ついでに洗濯しておいた」
「サンキュー、ミスター・ポポ」
父さんはポポさんからいつもの胴着を受け取り着る。やはり父さんは山吹色の道着が似合っている。そしてこっちの悟飯はピッコロさんに新しい服を欲しいと頼む。悟飯はピッコロさんと同じ胴着になり、さらにマント付きだ。
「おお!似合ってるじゃないか!」
「あは!!ありがとうございますピッコロさん!」
「で、どうなんだ?セルを倒す自信はあるのか?」
「分からねえさ。これからちょっと見てくっから」
お父さんはセルの元へ瞬間移動する。暫くすると、戻ってきた。
「ど、どうでしたか、悟空さん?」
「正直言ってあそこまで凄くなっているとは思わなかった...やってみなきゃ分かんねえが、このままじゃオラは多分勝てねえだろうな」
「そ、そうですか…」
「もう一度精神と時の部屋を使うがいい。時間はあるんだ。今順番を決めた。この後悟聖と未来の悟飯が入り次にオレが入り、次はベジータが1人で入るらしい。そしてトランクス…それからまたお前達が入れ」
「いや、オラと悟飯はもういい。外界で修業する。9日間もありゃなんとかなるさ」
「な、なに…!?」
「え…!?」
「(父さん?)」
未来の悟飯も驚いている。しかし、父さんは余裕の顔をしている。勝算があるのだろうか…そして父さんはベジータの問いかけに随分上と答える。確かに今の父さんはベジータさんを遥かに退く力を持っている。ベジータさんもそれを感じたのか強くは言い返せなかった。
「じゃ、お互い頑張ろうな!悟聖と未来の悟飯も修業頑張れよ、期待してっからな!2人は家で!他は武道大会でまた会おう!」
「うん!父さんを驚かせるくらい強くなって見せるから楽しみにしてよ!」
「ああ!そんじゃ行こうか悟飯」
「あ!はい」
そうして、父さんとこっちの悟飯は下界に降りた。
「じゃあ、俺も先に入りますか、いくぞ未来の悟飯」
「あ、ああ」
「もう入るのか?」
「はい。早い方がいいですからね。それじゃあ行ってきます」
そう言って俺と未来の悟飯は部屋までの道中ポポさんから部屋の中について説明を受けた。
「よし、いくぞ悟飯!」
「ああ!」
俺は扉を開けて入り、ポポさんが入ったのを確認した後閉める。
「こ、これは…」
「凄い…真っ白だ」
俺たちは外に出て辺りを見渡す。それは何もない真っ白い空間、ポポさん曰く地球ぐらいの広さがあるとの事、空気も薄く重力は10倍、重力修業のおかげで俺は大丈夫だ。気温はマイナス40度から50度まで激しく変化し正に過酷な修業場だ。
「父さんが一ヶ月も保たなかったって言ってたのが分かる気がする」
「ああ、そうだな」
俺は白い地面に足を踏み入れる。すると少し体が重くなりここから重力の負荷が掛かるのだろう。
「っ!か、体が…」
「もしかして重力の負荷がかかる環境での修行は初めてか?」
「あ、ああ」
「まあ、今の悟飯なら直ぐになれるはずだ」
未来の悟飯は軽く体を動かすと直ぐに普通の動きが出来るようになる。
「よし、これなら問題ないぞ…悟聖、これからどうするんだ?」
「そうだな、取り敢えず一年でスーパーサイヤ人を確実に超えるつもりだ。それに、超える方法についても目処もたってる」
「…⁉︎本当なのか?」
「ああ、父さんとこっちの悟飯を見て確信した。おそらくあの2人もべジータさんとトランクスも確実にスーパーサイヤ人を超えたわけじゃない。超える前に先ずは……はあああ!!」
オレはスーパーサイヤ人に変身し構えを取る。スーパーサイヤ人を超える方法…先ずは父さんと悟飯みたいにスーパーサイヤ人で素と同じ自然体でいられるようになるのが先だ。
「先ずは父さんと悟飯みたいにスーパーサイヤ人に慣れる所だ。超えるのはその後だ」
「わかった。はあああ……!!」
未来の悟飯もスーパーサイヤ人となり構えとる。
「よし、先ずは軽く組み手からだ!こい悟飯!」
「ああ、いくぞ!!」
オレ達時空を超えた兄弟の1年間の過酷な修行、互いに笑みを浮かべながら拳と蹴り、気功波や気弾を繰り出しながら実戦形式の修行が始まった。