「かめはめ…波ー!!」
俺は今巨大な氷の山に向かってかめはめ波を放つ。この精神と時の部屋の温度の差は激しく氷山が出来るくらいの氷点下となっている。かめはめ波が直撃した氷山は跡形もなく消え去ってしまう。
「おー…力を抑えているとはいえ、わかりやすいくらい威力が上がってるな…スーパーサイヤ人に慣れた証拠かな?」
俺は今スーパーサイヤ人の状態を維持しながら寝る時以外はほぼ1日をこの状態で過ごしている。これを維持しながら修行を続けて4ヶ月、おかげで俺と未来の悟飯も父さんや悟飯のようにスーパーサイヤ人の状態でも自然体でいられるようになった。
「だりゃあ!!はあっ!!」
そして少し離れた場所では未来の悟飯が風に乗って飛んでくる氷の塊を破壊し修行をしている。このように、スーパーサイヤ人の状態で組み手や基本動作や自然の環境を利用し、それを繰り返しながら行っている。
「(この修行方法を思いついた父さんもマジで天才だよ。未来の俺がこの方法を思いついていたかはわからないが…)」
俺はこの修行方の絶大な効果に確かな手応えを感じていた…おそらく半年経つくらいにはスーパーサイヤ人を超えられそうだ…
「さてと…取り敢えずここまでにするか、おーい悟飯!そろそろ飯にするぞー!」
「ああ!わかった!」
昼も抜きでぶっ通しでやっていたので、かなり空腹だった。食事と言っても器に粉を盛って飲み物は水だ。一応普通の食材もあるが量は一年分とは言え俺たちサイヤ人にとっては一年もたない量だ。この部屋の主な食事は先程言った粉と水だ。
正直あまり美味くはないが、必要な栄養はある上に腹はしっかり膨れる。恐らく仙豆と似た効果がこの粉にはあるのだろう。仙豆は傷の回復の他には一粒食べるだけで10日は食事を取らなくても大丈夫な代物だ。おそらくこの粉は回復効果はないが満腹感を得る所は似ているのだろう。
「ふぅ…ご馳走様でした!」
「ご馳走様!」
俺たちはしっかり食後の挨拶をする。
「よし、少し休憩してから再開するぞ悟飯」
「ああ」
俺はベットに腰をかけ、悟飯は椅子に座ったままリラックスする。
「それで…そっちはどんな感じだ悟飯?」
「……今まで苦労して修行していた時のことが嘘のようだ…こんな手応えを感じる感覚は初めてだ」
「未来のお前達はこの神殿には行かなかったのか?」
「いや、そもそもこの部屋の存在自体を知らなかったし、神殿の事は話に聞いた事はあったが…場所までは知らなかったんだ」
「成る程な」
「未来に戻ったら確認してみるよ…この場所の存在がわかったし、これならあの3人を鍛えられそうだ!」
「ん?3人?未来じゃ戦えるのはお前とトランクスだけじゃなかったのか?」
「あ…」
未来の悟飯はしまったみたいな顔をし口を手で抑える。今悟飯は3人と言っていた。間違いなく未来の戦士は2人だけではなく悟飯とトランクスを含め5人いる事になる…
「おい、その3人は誰なんだ?もしかしてその3人も俺たちと同じサイヤ人の血を引いているのか?」
「あ、いや…ち、違うよ!クリリンさん達と同じ地球人だよ!!」
「……悟飯、お前嘘つくの下手だな」
顔に出てるし、まず普通の地球人が俺達みたいに強くなるのは難しいだろう。未来での環境を考えれば尚更だ。この嘘の下手さは父さん譲りのようだ。アイに関しては嘘をつくレベルが高いのでどちらが真実か時にわからない時がある。
「……うう」
「全く…もしかしてだけど、そのサイヤ人ってもしかして」
「……ああ、オレの子どもだよ。奥さんもいるんだ。悪いが過去のオレにも今後関わるかもしれないから名前は言えないけど…」
観念したのか自分の子どもだと認めた。そっか…そうだよな…未来の悟飯はもう28になるんだよな…
「わかってる。そっか…奥さんや子どもがいてお前が父親か…なんか変な気持ちだな」
悟飯が三児の父親か…絶望的な環境で恋愛どころじゃないと思ったが、悟飯は悟飯で大切な存在を見つけたみたいだ。
「ああ、大変だけど…それでも幸せなのは確かだよ(その内の2人は、お前の子どもだっていうのは…黙っておこう)」
「みたいだな。お前の顔を見ればわかるよ…その、本当は未来の俺が言うべきだったと思うんだが言わせてくれ。おめでとう…悟飯」
「…!ああ…ありがとう悟聖」
その後は会話を楽しみながら俺たちは修行を再開する。気温の変化が激しく、さっきまで吹雪や氷山などがあり氷の一面だったの今は真逆の炎が燃え盛る炎庭となったり、嵐や凄い過酷な環境だ。
…更に数ヶ月後
「ふぅー…」
精神と時の部屋で修行を初めて半年、俺は気で全体に膜を覆うように炎によるダメージを回避していた。これは悟飯の気のドーム状のシールドを見て考案した技だ。そのシールドを体に纏うように、膜状にして覆う事で防御力をあげる事に成功した。やってみなければわからないが…恐らく物理攻撃による毒攻撃も防げるかもしれない…
「(よし、防御による技はこんなものか…後はこれを一瞬にして展開するように…!)」
俺は予備動作なしに気を解放と同時に一瞬にしてドーム状のシールド張る。これならシールドを張った際に敵も吹っ飛ばす事も可能かもしれない。
「よし!後はこいつを実戦形式の組み手をしながら慣らさないとな!それと…そろそろ本格的にスーパーサイヤ人を超えてみるか…」
俺はその場で構え呼吸を整えてスーパーサイヤ人を超えた理想の姿に変身する。原理はおそらく…素の姿からスーパーサイヤ人に変身する応用なようなものだ。
「悟聖!」
「?どうした悟飯?」
気を解放しようとした瞬間、突如悟飯が何か物凄い自身に満ちた顔でこちらに向かってくる。そう言えば最近1人離れた場所で修行していたな…
「悟聖、オレはスーパーサイヤ人を超えることが出来たぞ!!」
「なに⁉︎本当なのか⁉︎」
悟飯が先にスーパーサイヤ人を超えることが出来ただと⁉︎くそ…先を越されてしまったみたいだ。
「ああ、見ててくれ!」
「よし、なら見てせもらおうか」
「ふぅ…はあああ……!!」
悟飯はスーパーサイヤ人となり、そこからかなりの普段の体格からかけ離れた筋肉質な体格となっていく。
「………」
「まだだ悟聖!!更にもう一段階変身が出来る……はああああ…!!」
そして未来の悟飯はさらに気をあげ更に上昇させ筋肉が膨張する。
「どうだ悟聖!オレはスーパーサイヤ人を超えることが出来「駄目だな…」…え?」
俺の呆れたような指摘に、未来の悟飯は驚くように呆けた声を出す。
「俺の理想にはかなり離れている。確かに気は凄いが…それじゃあ完全体のセルには勝てないぞ」
「そ、そんな…だが、パワーは今まで比べ物にならないのは確かなはずだ…」
「…なら、かかってこい、その変身はただの見せかけだってのを教えてやる」
「…わかった。後悔はするなよ悟聖!」
未来の悟飯が拳を振るい、俺は容易に回避し少し後退すると、振るった拳の拳圧で床が吹き飛ぶ。
未来の悟飯は俺を追い掛け攻撃をするも動きが鈍い。
「はあっ…はぁっ…はぁっ!な、なんで⁉︎」
それを繰り返していると息を切らし始める。このくらいでいいだろう。
「わかったろ悟飯…その形態は確かに凄いがそんなに膨れ上がった筋肉じゃパワーや防御は上がってもスピードが大きく殺される上、気の消耗も激しいだろ?それに攻撃が当たらなきゃ何も意味もない。だからその変身はお勧めしない…それにその形態は俺もやろうと思えば可能だ。まっ、する気はないけどな…バランスを考えれば普通のスーパーサイヤ人がベストだ…それはお前も身をもって理解したろ?」
「………」
未来の悟飯は俺の指摘に普通のスーパーサイヤ人の状態に戻り呼吸を整える。
「ふぅ…なら、悟聖のスーパーサイヤ人を超えた理想の姿ってなんなんだ?」
「そうだな、父さんと悟飯の状態を見て確信したことだが、スーパーサイヤ人の状態で今のように普段通りの状態でいられるようになってから、さらにそこからスーパーサイヤ人の変身をする。それが俺にとっての理想のスーパーサイヤ人を超えた姿だ」
「す、スーパーサイヤ人の状態から更にスーパーサイヤ人の変身をするだって?」
「ああ、父さんがこれを思いついているかはわからないが、それが俺の理想としたスーパーサイヤ人を超えた姿だと思ってる。それに…今の俺ならそれが可能な気がするんだ」
「な、なんだって⁉︎」
「今からそれを試してみる。悟飯は念の為離れててくれ」
「わ、わかった!」
未来の悟飯は少し離れ、それを確認すると改めて構えを守る。俺は目を瞑りながら精神を統一させる。
「はあああぁぁ………!!!」
「っ⁉︎(き、気が更に上昇している⁉︎)」
俺は気を解放する。そしてしばらくしたら俺の身体から普段無かったはずの稲妻が発生し始める。そして頃合いを見てそこからさらにスーパーサイヤ人に変身をする!
「ううう……!!はぁあああああああああッッ!!!!!!」
ボォオオオオオオオッッ!!!!!
「か、変わった…」
「………」
オレは自身を確認する…見た目は普通のスーパーサイヤ人と大して変わらない気がするが、スーパーサイヤ人の時よりも更に凄まじい力を感じる。そして俺の身体からは稲妻がバチバチ!と言うように発生している。
「…凄い力がみなぎってくる。これが…スーパーサイヤ人を超えたスーパーサイヤ人の姿か…」
確かな手応えを感じながら一通り確認する。ただやはり初めて変身したせいか通常のスーパーサイヤ人より消耗が激しい。
「す、凄いぞ悟聖!!それが悟聖のスーパーサイヤ人を超えた理想の姿なんだな!!」
「みたいだな…正直驚いてる。オレもここまでとは思わなかったからな…」
未来の悟飯もどうやら普通のスーパーサイヤ人と違う何かを感じたようだ。取り敢えず俺はこの状態から普通のスーパーサイヤ人へと戻る。
「ふう…スーパーサイヤ人は確かに超えたが、やはり普通のスーパーサイヤ人よりも負担が大きい事には変わりはなさそうだ」
「そうなのか?」
「ああ、見た目の割に更に凶暴性がましてるから理性を保つのも大変だしな、今後はこのスーパーサイヤ人を超えたスーパーサイヤ人……長ったらしいから名前決めないとな…」
ここからに関しては今後の課題だ。まだ時間はあるし慣れるには十分なはずだ。
「よし、次は悟飯の番だ!!お前も俺と同じスーパーサイヤ人を超えた姿になってもらうぞ!今のお前も変身は可能なはずだ!」
「…ああ!望むところだ!」
やはり強くなる事に前向きな未来の悟飯は気合いを入れる。俺は未来の悟飯もスーパーサイヤ人を超えさせるべく修行に入る。俺たちの修行も最終局面へと突入する。