「………」
「よし!釣れた!」
俺達孫家は今外にドライブピクニックに出ている。父さんの提案で始まったお出かけだ。場所は綺麗な湖の近くにおり、俺と未来の悟飯は釣りをしている。
「おっ、向こうも相当釣れてるみたいだな…」
父さんが火の準備をしており最初に釣った大物を焼いている。こっちの悟飯は父さんの手伝いをしている。
「ね、ねえ、お父さん…本当にこんなのんびりしてていいの?」
「心配すんなって、何とかなるさ! 」
「な、なんとなるって、そんな呑気な…」
「大丈夫だ勝てるって!言ったじゃねえか。一気にこれ以上修業したって意味ねえって。限界までやったんだ。あの2人だってそれがわかってるからオラと同じ考えに至ったんだ。悟飯は何も心配しなくてもいいさ」
こっちの悟飯の心配事はわかる。確かに俺が悟飯の立場だったら不安でしょうがないはずだ。
「みんなー!お弁当の用意ができただぞ!」
「お、サンキュー!ほれ、そんなこと気にしないでのんびり楽しくやろうぜ。悟聖と未来の悟飯も切り上げて戻ってこーい!」
「はーい!」
「わかりました!」
俺と未来の悟飯は竿を引き上げ父さん達の元に戻る。そこには母さんが弁当を用意しておりそれはもう食欲をそそられる物だった。
「うほーっ!」
「わあ!」
「美味しそうですね!」
「………」
俺達は母さんが作ってくれた弁当を食べる。もちろん俺も少しは手伝いをした。会話がはずみながら食事をしていると、戦闘機が飛んでいくのが見えた。
「何だありゃ…?」
「軍の戦闘機…だな」
「セルの事もありますからね…馬鹿な事をしないといいのですが」
この感じ、おそらく未来でも人造人間に軍は関わったのだろう。結果は…俺達からすれば分かりきっている。
その後、俺達は車に乗り町へと行く。車の事だが、父さんは3年間の修行の間に母さんが父さんに免許を取れと強くいい教習所に通っていた。何故かピッコロさんもだ。
最初の結果を聞いた時は大笑いしたのもいい思い出だった。母さんは気絶してしまっていたけど…
「どの店もやってねえな。みんな休みだ」
「そりゃあ、あと7日間で死んでしまうかもしれねえって時だ。誰も働かねえべよ」
「残ってるとしたら相当肝が据わる人くらいだよ」
「まぁそうだろうな。そんな人は少ないだろうが」
「ウーン、どうしよっかな…亀仙人のじっちゃんに土産買いたかったんだけどな…」
「(これじゃあアイや施設の人達に差し入れも難しいな…)」
正直お小遣いでお土産をアイや施設の人達に買いたかったが、これは日本に行った時に買わないと難しいかもな、日本の方み営業してる店があるか分からないが…
『番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えします』
すると、車のラジオからニュースが流れる。やはり放送局の方は情報主集のため働いているのだろう。
「おっ、働いてるやつがいたぞ」
『セルと名乗る怪物を倒すべく、28KSの5地点に向かった王立防衛軍ですが、間もなく攻撃が始まる模様です』
「何っ!?ば、馬鹿!!何考えてんだ!!無駄に殺されるだけだって分かんねえのか!!」
ラジオに向かって叫ぶ父さん、隣に座っている未来の悟飯も険しい顔をしていた。
「い、行っても返り討ちにされるだけって分からないのか!!現代兵器も全く通用なんてしないんだぞ!!」
「悟聖、オレ達を除いては彼らは普通の人間だ…気の概念なんて分からないから相手の強さが分からないんだ」
「…その感じ、未来でも人造人間を相手に…」
「ああ…17号と18号に皆殺しにされてしまった…」
「そうか…」
しかし、王立防衛軍…一般の人々はセルが爆撃や銃撃で倒せると本気で思っているようだ。
人は撃たれれば致命傷や当たりどころや物によっては死に至るが、それは常人の世界の話だ。俺達のような超人みたいな強さを持つ者には意味がないことに気付かない。銃弾やバズーカ砲はキャッチ出来るし、当たったとしてもかゆい程度だ。
するとスピーカーから砲撃音が聞こえ始め一斉攻撃が始まったのだろう。
『物凄い一斉攻撃が始まりました!こっ、この轟音をお聞き下さい!す…凄まじい攻撃です。まだ、まだ続いています!これほどまでの攻撃をまともに受けては、とっくに肉片すら残っていないでしょう!』
「に…逃げろ…早く…殺すなセル!!」
砲撃や轟音が続いたが、しばらくして攻撃が止んだ。しかし結果はもう分かりきっている。一般人からしたら残酷な結果となる。
『しっ、信じられません!!生きています!!セ、セルは…まるで、な…何事もなかったかのように……』
「やめろぉーー!!」
父さんが叫ぶように言った瞬間、でかい轟音が聞こえ、一瞬アナウンサーの悲鳴のような声が聞こえたが、それからは何も聞こえずノイズの音がするだけだった。セルによって放送していたクルーも軍隊ごとセルによって消し飛ばされてしまった。
「ち…畜生…」
「くそ…セルめ」
父さんラジオを切ると未来悟飯に振り返る。
「未来の悟飯、悪いがオラに着いてきてくれねぇか?」
「は、はい。わかりました」
「チチは2人を連れて先に家に帰っててくれ。オラはピッコロに用事が出来た」
母さんに運転を任せて父さんと未来の悟飯はピッコロさんのいる神殿の方に瞬間移動で向かってしまう。
「な…なあ…ピッコロに用事って…何だべ?」
「父さんには何か考えがあるんだと思う。態々未来の悟飯も連れて行くんだ。ピッコロさんと言ったら…もしかしたらドラゴンボールの事じゃないのか?」
「え、でも、ドラゴンボールは神様と合体してなくなったんじゃ…」
「いや悟飯…よく考えてみろよ。ドラゴンボールがあるのは地球だけじゃないだろ?」
「あっ…もしかして!」
「ああ、もしかしたらだ…」
「…?」
俺の考えている事に悟飯は気づく、多分未来の悟飯を連れて行ったのもそう言う事だろう。
俺達は母さんの運転で一度家に帰り、1時間もしない内に父さんが戻ってくる。
「お、お父さん」
「あれ、お帰り父さん…思っていたより早いね」
「悟飯!悟聖!ちょっとついてきてくれ!オラと未来の悟飯で新しい神様を連れてきたんだ!おめえら2人が知ってるデンデっちゅうナメック星人だ!」
「え、本当ですか⁉︎」
「デンデが⁉︎」
父さんからまさかのナメック星人の友達であるデンデが地球の新しい神様としてきてくれたのだと聞かされた。俺達は早速父さんの瞬間移動でクリリンさんを迎えに行った後神殿へと瞬間移動で向かう。
「クリリンさん!悟飯さん!悟聖さんも!」
「ほ、ほんとだ!!」
「あはっ!!」
「デンデ!久しぶりだな!元気にしてたか!」
俺達は再会を喜ぶ。それとなんか未来の2人の顔が明るくなっている。
「未来の悟飯、トランクス、なんか嬉しそうだな」
「ああ、もしかしたら未来でもドラゴンボールを復活させる事が出来るかもしれないんだ!」
「はい!これなら、殺されたみんなや…オレ達の方の悟聖さんも!!」
「成る程…だから未来の悟飯も連れて行ったのか…」
父さんは俺と未来の悟飯との精神と時の部屋での修行内容を記憶を覗いているので未来の悟飯が瞬間移動が使えるのを知っている。これで未来側もドラゴンボール復活と言う本当の希望が見えてきた。
「よく来てくれたなーデンデ!!信じられるか?こいつら悟飯と悟聖なんだぜ」
「ねえ、地球の神様になってくれるってホントなの⁉︎」
「はい!」
「デンデ…本当にお前が、ドラゴンボールを使えるのか?」
「大丈夫だ。最長老のおっちゃんがデンデは優秀だって言ってたからな!」
「100日ぐらいあればドラゴンボールはできあがると思います。或いは龍の模型があれば今すぐに復活できますよ」
「ほんとか⁉︎」
復活させる前にみんなに願いの事について聞いてきた。願いは3つ叶えることができるが、たくさんの人達を生き返らせるとなるとに2つの願いになるとの事、そして内容が決まると、ポポさんが神龍の龍の模型を持ってくる。
「ーーー」
そして、デンデはナメック語で呪文を唱えると龍の模型から7つの光が各地へと飛んでいく。
「これでドラゴンボールは復活したと思います」
「え!?も、もう!?」
「凄いじゃんデンデ!!」
「よし!じゃあオラがブルマにレーダー貸してもらってドラゴンボールを集めてくる!後 悟聖とこっちの悟飯はセルゲームまでデンデと遊んでやれ」
「え⁉︎で…でも」
「いいからいいから、心配すんなって」
「いってらっしゃい父さん!」
「おう!じゃ、行ってくる!」
父さんはドラゴンレーダーを取りにブルマさんの所へ瞬間移動した。これはちょうどいい機会かもしれない。
「じゃあ、俺も行きたい所があるのでここを離れます。デンデにも挨拶出来たし」
「おい悟聖、一体どこに行くつもりだ?」
「ふふ、秘密です。それじゃあ!」
クリリンさんの問いかけを誤魔化し、俺はその場から走り出し神殿から飛び降り舞空術で日本へと向かう。
「悟飯さん…」
「ああ、多分…アイの所に向かったんだろうな」
未来の2人は悟聖がどこに向かったのかを察しており微笑ましくしながら飛んでいった方向を見守っていた。
「見えた…日本だ!」
数十後、高い高度の位置から見る日本は形も分かり俺は高度をおとしてある場所に向かう。所々の車道は渋滞しておりおそらく避難している人達だろう。
「他の場所じゃ気が移動してるな…避難しているだろうが。正直言ってセル相手じゃ無意味だろ」
逃げたところで気を感知出来るセル相手には何処に逃げても無駄だろう。逃げるとするなら宇宙の何処かへ逃げなければ無意味だ。
「よし、到着。それにしても静かだな…この辺も避難してる人もいるにはいるのか」
この辺は普段から静かだがセルの事がありそれ以上の静けさだ…俺はいつもの様にアイのいる施設に向かうと見覚えのある職員の人の姿が目に入る。
「……こ、こんにちは」
「あら、こんにちは。こんな所にどうしたのかしら?」
「えっと…その、アイ…いませんか?」
「アイちゃん?なんで君がアイちゃんの事を…」
ああ、やっぱり怪しまれてるな。スーパーサイヤ人の状態の上、こっちじゃたった一週間見ない内に、背も伸びているから余計にだろう。
「その、こんな見た目してるかもしれませんが…俺ですよ、孫悟聖です!」
「え…そ、孫くん?そ、そう言えばよく見たら何処となく面影が、それに声も似てる気が…」
「えっと、はいこれ、前に撮ってくれた写真です」
俺は職員の人に証明するため携帯を渡して写真を見せる。職員の人は何度も交互に俺を見つめる。
「きみ、ほんとに孫くんなの?アイちゃんと仲良くしてくれてる」
「はい。孫悟聖です…」
そして、職員さんは携帯を少し顔から離すと…
「えぇえええええええッッ!!!!!?」
分かりやすく声を上げ驚いていた。うん、トランクスや悟飯の時も驚いたが、ここまでは驚いていないな。この反応が普通なんだろうな…
「ほ、本当に孫くんなの⁈あら〜、背も伸びちゃって!髪と目の色まで!イメチェンかしら?けど、目はカラコン…じゃないわよねそれは」
「あ、あはは…」
正直イメチェンと認識してくれてるとありがたい…髪と眉毛は染めたと言えば誤魔化せるし…
「えっと、信じてくれますか?」
「もちろんよ!アイちゃんと仲良くしてる子なんて孫くん以外いないもの!」
「よかった…その、アイって今「悟聖君?」…あ」
職員さんの後ろから見覚えの紫髪に両目に星を宿した少女の姿が見えた。おそらくさっきの声で気になりこっちに来たのだろう。
「アイ、その…来ちゃった」
「……!」
「おっとぉ!」
アイは俺の姿を見るなり走り出し俺に抱きついてきた…ど、どうしたんだ…いつもと様子がおかしい気が…
「えっと…アイ、こんな見た目なのに俺がわかるのか?」
「うん…悟聖君でしょ?見間違えるわけないじゃん…」
「す、凄いな…職員の人にも説明してようやく気づいてもらったのに」
「………っ」
「あ…」
アイの体が震えている…俺は落ち着かせる様に手を背に回し頭をポンポンと撫でながら落ち着かせる。
「その、孫くんも、いえ…世界中の人が知ってるかもしれないけど…セルの事があって、アイちゃん…すっかり怯えちゃってるのよ」
「っ、そうでしたか」
確かにセルがやってきた事はまだ幼い子どもにとっては恐怖やトラウマを植え付けられてもおかしくはない。下手したら残り7日で死んでしまうかもしれないんだ。こうなっても…しょうがないとしか言えない。
「大丈夫だアイ、暫くは一緒にいれるから…落ち着こう…な?」
「……うん」
「ふふっ、飲み物出してあげるから孫くんもどうかしら?」
「すみません…いただきます」
俺は職員の人の後をついて行く様にお邪魔する。その際アイは俺の腕に手を回して離れようとしなかった。ニュースで見ただけでも相当怖かったんだろうな…