ドラゴンボール 双子のハーフサイヤ人   作:狼ルプス

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セルゲーム開幕

セルゲーム当日を迎えたこの日、俺はセルゲームが始まる12時までの時間、アイの元へ訪れており、ここ7日の間はアイとほぼ過ごしていた。そしてセルゲーム開始まで残り30分…みんなと合流するため準備をする。

 

 

「よしっ!行くか!」

 

「………」

 

俺は万全な状態でこの日を迎え、靴を履きリストバン身につけて外に出る。側にはアイが心配そうに俺を見つめていた。

 

「悟聖君…」

 

「大丈夫だアイ…って言っても、説得力はないよな」

 

「……ううん、私は信じてる。悟聖君ならセルを倒してくれるって。悟聖君なら負けないんでしょ?」

 

「ああ、勝つさ」

 

「……」

 

「アイ?」

 

アイはなんだがもじもじしており何か言いたそうな様子だった。

 

「どうした?何か言いたい事でもある?」

 

「…えっと。セルゲームが終わったらさ…その」

 

「……」

 

俺は黙ってアイが何か言ってくれるのをまつ。

 

 

「その、セルゲームが終わって、またここに来たら…空の飛び方、教えてくれない!」

 

「ああ…もちろん!」

 

「……!」

 

そう言ってアイは俺に嬉しそう微笑んだ。俺もそれに笑顔で返す。

 

「じゃあ、行ってくるよ」

 

「うん。いってらっしゃい悟聖君!」

 

俺はピッコロさんの気を探り瞬間移動で神殿に向かう。アイにはもう隠し事はしていないので目の前で瞬間移動を見せても問題ないのだ。

神殿に移動するとそこには父さんとベジータさんを除いたメンバーが集まっていた。

 

「お待たせしました!」

 

「来たか悟聖」

 

「あの、皆さんなんでそんなに暗いんですか?」

 

そこには何故か未来の悟飯を除いて沈んでいる様子だった。するとそこに父さんも瞬間移動でこちらに来た。

 

「父さん!」

 

「いよいよだな。あれ?ベジータは?」

 

「一足先に行った…」

 

通りで姿がないと思ったら先にセルゲーム会場に向かったのか…

 

「そうか。ベジータのやつ、はりきってんな…相当腕あげたんだろうな。?なんだよみんな…何沈んでるんだ?緊張してるのか?」

 

「ご…悟空、まずいことになっちまったんだ」

 

どうやらドラゴンボールの事で問題が起こったらしく、クリリンさんがドラゴンボールは復活して願い事は増えたが、前と同じく、1回死んだ者はもう生き返れないと説明する。

 

「す、すみません。最初に言っておけば…」

 

「なーんだ、気にすんなよデンデ。オラ達は死ななきゃいいんだからさ!」

 

「し…死ななきゃって…あ、相手はあのセルなんだぞ!」

 

「いいから、早く行こうぜ!12時過ぎちまうぞ!行くぞ悟聖、悟飯達も!」

 

「「はい!/うん!」」

 

「は、はい!」

 

 俺達は神殿から舞空術でセルゲーム会場へ向かう。

 

 

「父さん、あれ…天津飯さんとヤムチャさんじゃ」

 

「ほんとだ!」

 

途中で天津飯さんとヤムチャさんが俺達を待っていた。

 

「オレ達も行くぞ。おそらく戦いには参加しないと思うが…」

 

「せめて、この戦いは見届けさせてくれ」

 

2人は戦士として最後まで戦いの行く末を見届けるようだ。

 

「天津飯さん、ヤムチャさん…」

 

「よし、みんな来いよ!」

 

そして、2人と合流した俺達はセルゲームの会場へ向かう。リングの真ん中にはセルが堂々と立っており、リング外には既にベジータさんもおり、後はリングにテレビカメラマンとアナウンサーらしき人もいた。後1人は…誰だ?見たことないおじさんだな…

 

 

 

 

「お揃いで、ようこそ」

 

「ち…ぞろぞろと来やがって…」

 

セルは笑みを浮かべながら俺達歓迎した。そんな中、17号と18号と一緒にいた人造人間、確か16号だったか?がクリリンさんを見付けるとこちらに歩み寄る。

 

 

「あ!良かった、直ったんだな16号」

 

「ああ、この通り完璧に直った。ありがとうクリリン、孫悟飯も…」

 

「え、なんだ悟飯、お前なんかしたのか?」

 

「えっと、一度カプセルコーポレーションに行って16号さんの修理を手伝った事があって…と言っても修理に必要な素材をブルマさんの指示で取りに行っただけだけど…」

 

「そっか、俺の知らない所でそんな事が…」

 

「………」

 

未来の悟飯は16号に対してやたら睨みつけているな…やはり未来じゃ人造人間に支配されているから味方として受け入れられないのだろう。

 

 

「お互い頑張ろうな」

 

クリリンさんと悟飯に礼を告げた16号。その顔は穏やかなもので本心から礼を言いたかった事が伝わる。16号の会話に加わる父さんだが16号は先ほどと違いギロっと父さんを睨んだ。

 

「オレはお前を殺す為に造られたんだ。その事を忘れるな孫悟空」

 

「……暗いやつだなこいつ」

 

「仕方ありませんよ父さん、人造人間は元々父さんを殺すためだけに作られた存在…そいつに何を言っても無駄ですよ」

 

未来の悟飯は怒気を含めた声で言う。人造人間だからか声色も普段と全く違う。

 

「それにクリリンさんも過去のオレも、そいつを信用はしないでください。お前、もし少しでもおかしな事をしたら、オレが即破壊してやるからな!」

 

「お、おい未来の悟飯、こいつはそんなに悪いやつじゃ…」

 

「いいんだクリリン……わかっている」

 

「……」

 

怒りが含まれた未来の悟飯の言葉に父さんは察して何も言わなかった。歴史が違うとは言え、未来の2人にとっては人造人間と言う存在は受け入れられないのだろう。

 

 

「さてと!だったらオラから行かせてもらおうかな」

 

「え⁉︎いきなり悟空さんから始めなくても…」

 

 

父さんが腕を伸ばし、やる気を出しながら一歩前に出る。トランクスは初戦から父さんが出ようとしている事に驚きを隠せなかった。

 

 

「いいだろ…ベジータ?」

 

「好きにしろ。どっちにしてもフィニッシュを決めるのはこのオレだ…」

 

 

ベジータさんも視線を僅かに動かしながら了承した。順番は兎も角、セルを倒すのは自分だと言っているような物だった。

 

 

「か、勝手に順番を決めるんじゃ無い!」

 

「あ…あの、もしかしてキミ達、このセルゲーム出場するつもりなのか?」

 

「そうだ。全員じゃねぇけどな」

 

父さんの態度にや言ってることに何か癪に触ったのかアナウンサーの人は青筋を浮かべる。

 

「悪ふざけはいい加減にしたまえ!!これは遊びじゃ無いんだよ!!キミ達は何もわかっちゃいないんだ!!」

 

「わかってねぇのはそっちだろ…」

 

「(こいつら馬鹿だよ。軍隊が現代兵器を用いても一瞬にしてやられたってのに、一般人留まりの格闘家が勝てるわけない…)」

 

 

 

アナウンサーの物言いに呆れるしかなかったが、未来の2人は何やらひやひやしている様子だ。それに素人と判断されていてちょっとイラっとした。

 

「ふっふっふ、こいつは驚いた。この世界No. 1であるミスター・サタンの事をよく知らない無知な田舎者がまだいたとはね…」

 

「彼は世界格闘技選手権のチャンピオンなんだよ!天才なんだよ!この世で一番強い男なんだよ!」

 

俺達からすれば聞くに耐えないな、それにこのおじさんより母さんの方が強いだろう。やり合ったら母さんにボコボコにやられる姿が容易に想像出来る。できればここから離れてほしいんだけどな…この人の名誉の為にも…

 

後、アナウンサーの言ってる事はスルーしよう…それに俺にとって天才と思う相手は父さんとベジータさんだ。ベジータさんは生まれ持った戦闘の天才とするなら、父さんは努力の天才だ。

 

「悟空、いいからまずあいつにやらせてやれ」

 

「い…いいけどさあ…」

 

「クリリンさん、時間の無駄だと思うんですけど…」

 

「時間だ」

 

セルと言葉に俺達は気を引き締める。時間…予定通り12時、世界の命運をかけたセルゲームが幕を開く。

 

「どいつからでもいい、さっさと出ろ」

 

「当然オレだ。オレに決まっている」

 

まだ言ってる。これは直接言わないといけないな…

 

「おめえ殺されっぞ」

 

「悪い事は言いませんよおじさん、あなたの名誉に傷をつけたくなかったらここから逃げた方がいい…巻き添えを喰らうだけですから」

 

俺と父さんの忠告に2人はやれやれと鼻で笑う。

 

「おいカメラ、ちょっとこのドアホ共を映してくれ」

 

「はい」

 

アナウンサーはカメラマンに指示して俺達の方にカメラを向ける。

 

「わたくしの耳には全世界の国民のやれやれ、と言う声が聞こえてくるようです。この男と隣の少年はミスター・サタンに向かってなんと言ったかお分かりでしょうか?なんと言うにことかいて[お前殺されるぞ]、[名誉を傷つけたくなかったら逃げた方がいい]こう申したのです!」

 

と、俺達を馬鹿にするようにそう言う、他の一部は若干目を鋭くしながら睨みつけていた…まぁ、うん。こいつらほんとなんも学んじゃ居ないな…

 

 

 

 

◇この放送を見ているある事務所では…

 

 

「い、壱護…と、隣にいる子!」

 

「ど、どうしたミヤコ…そんな衝撃を受けたような顔して…」

 

「こ、この子、2年くらい前にひったくりから私のカバンを取り戻してくれた子に似てるの…こ、こんな金髪と目じゃなかったけど…あの時の面影が…確かに」

 

「ま、前に話してくれた凄い動きをしたっつうガキの事か⁉︎」

 

「え、ええ」

 

「だ、だがそのガキンチョは黒髪に黒目なんだろ?」

 

「私が間違える筈ないじゃない!人の見た目の変化には敏感な方なんだから!」

 

「…お前がそこまで言うほどか、しかし、俺はカメラに写ってるメンツが気になる」

 

「?他の人達がどうしたのよ?」

 

「ああ、こいつら…知らん顔もいるが、確か十数年前に天下一武道会に出場した選手達だ…面影つうか、あの時と全然変わっちゃいねえ…ただ、あのターバンを巻いたやつ…ピッコロ大魔王に似てるような…」

 

 

 

 

そしてアイのいる施設では…

 

 

「そ、孫くん⁉︎ど、どうして孫くんが⁉︎さ、さっきまでここに来ていたのに⁉︎」

 

「あ、あの子、アイちゃんによく会いに来てくれてる…確か最近イメチェンした。それに…数十分前にはここにいたよな?な、なんであんな遠い場所に…?」

 

「な、何やってるのよあの子⁉︎逃げなさい!!そこから逃げなさい!!セルに殺されるわよ!!?」

 

「……悟聖君」

 

職員の人は案の定悟聖がいる事に驚いており、アイは指を組んで祈るようにセルゲームの様子を見守っていた。

 

 

 

 

 

◇戻ってセルゲーム会場

 

 

 

「まあいいからあの馬鹿に好きにやらせておけよ。殺されたってあいつはドラゴンボールで生き返られるんだ」

 

「やれやれ、しょうがねぇな…」

 

父さんは渋々だがあのおじさんにやらせるようだ。まあ…バカは死んでも治らないとも言うしな…

 

 

「と、トランクス…サタンさん…だ、大丈夫だろうか…?」

 

「さ、さあ…話に聞いた事はありましたけど…こ、ここまでとは」

 

何やら未来の2人は心配そうに見ているな…もしかして未来じゃ知り合いなのかな?まあ…聞く必要はないか。

 

チャンピオンのおじさんはリングに入るとカプセルからカバンを出し、中から瓦15枚を取り出し、つんでいくと瓦を14枚割る。

 

「………」

 

俺達はみんなはポカンとしている…いくらチャンピオンだとしても超人の俺達からするとアリ同然だ。例えは悪いかもしれないが…

 

「セル!この粉々に砕け散った瓦を見るがいい!これが、1分後の貴様の姿だ…」

 

物凄いどや顔をしている。俺達の中の一部の人は多分心で「あいつは殺されてもいいかもしれん」と思ってる筈だ。と言うかベジータさんは絶対思ってる。

 

 

「よーし、来い!この世界チャンピオンのミスターサタンが貴様を倒してくれるわっ!喰らえぇぇぇぇいっ!」

 

 

「………」

 

あっ…表情は崩してないがセルまでも呆れてしまってるな…あれ。

 

 

「あーっとでたーーっ!!サタン選手いきなり大技、ダイナマイトキックがセルに炸裂ーーーっ!!!」

 

チャンピオンのおじさんの飛び蹴りがセルの顔面に入る。セルは当然微動だにしなかったがアナウンサーは効いたと思っている様だ。多分放送を見てる世界中の人々も…

 

 

「セル、なす術がありません!滅多打ちにあっています!これは勝負あったかー!」

 

「だははははーっ!!!とどめだあ!!

 

「うるさい!」

 

チャンピオンのおじさんの猛攻?を受けていたセルは鬱陶しそうにハエを払うように平手で払い除けた。チャンピオンのおじさんは数十メートル先の岩まで弾き飛ばされ、リングアウトになった。

 

「……あれ?」

 

「ふうっ…正直言ってさあ、今オレ、ちょっとセルを応援しちゃったぜ」

 

「うん、その気持ちわかりますよクリリンさん」

 

 

「お、おうっ…痛……いだだだだ……!!!」

 

「ちっ……生きていたか。流石のセルもあんな奴を殺すのは嫌だったらしいな」

 

「あわわわ…た、大変だ!」

 

「だ、大丈夫ですかあの人!」

 

未来の2人は安否を確認する為チャンピオンのおじさんの元に向かう。

 

 

「だ、大丈夫ですかサタンさん⁉︎」

 

「あっ…よかった。生きてます!」

 

未来の2人は安否を確認して安全な場所へ運びこちらに戻ってくる。と言うかあの一撃を受けて意識がある時点でもかなり凄いのでは?

 

「ミ、ミスター・サタン、な…なんで負けてしまったのですか?」

 

「ちょ…ちょっと足を踏み外してしまったのだ…」

 

「吹っ飛んだように見えましたが…」

 

「心配せんでもいいぞ…ちょっと休憩したら今度は本気でやってやる…!」

 

まだあんなこと言える元気があるのか…そろそろここから離れて欲しいんだけどな…

 

 

「あ…あいつ、まだレベルの違いに気づいていないのか…ば、馬鹿の世界チャンピオンだ……!」

 

あのベジータさんがこの呆れ顔だ。こんな呆れた顔は初めて見たぞ!こんな顔させるあのチャンピオンのおじさんもある意味すごいのでは?

 

 

「さあ、早くセルゲームを始めるぞ。どいつからやるんだ。やはり孫悟空、お前からやるのか」

 

どうやらセルからすれば始まってすらいなかったようだ。まぁ…ここにいる全員がそう思っているだろう。

 

「ああ、そうだ」

 

父さんがリングに上がり、セルの闘いが始まろうとしていた。

 

「いきなり貴様からか…一番の楽しみは最後に取っておきたかったのだがな…」

 

気の量からして両者揃って最初から全力でやるつもりはないようだ。最初は準備運動程度だろう。

 

 

「い…いよいよですね」

 

「ああ……」

 

両者は構え緊迫した空気が流れる。セルゲーム第一戦が……始まる。

 

「(この戦い。しっかり目に焼きつかせてもらうよ…父さん)」

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