ドラゴンボール 双子のハーフサイヤ人   作:狼ルプス

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セルゲーム第一戦

 

「いよいよ始まるな」

 

「ああ」

 

俺と未来の悟飯は冷静に2人の勝負を見守る。他はかなり緊張を持っている様子だ。

 

 

 

気の量からして両者揃って最初から全力でやるつもりはないようだ。恐らく身体を温めるための準備運動レベルだろう。

 

「来い!」

 

セルの言葉に父さんは地面を蹴り先制攻撃を仕掛け、そのまま蹴りを繰り出すがセルは難なく左腕で受け止める。父さんは拳を打ち込み、セルは右手で防ぎ、そのまま左腕で攻撃する。

 

セルの攻撃を頭を下げて躱す父さん、互いの拳と脚がぶつかり合い衝突音を立てながら、互いに攻撃を繰り返す。

 

バック転で一度距離を取る父さんにセルが頭突きを繰り出すが、両腕でそれを受け止め防御し、両足でセルを蹴り飛ばして、父さんは飛び上がり…

 

「かめはめ波っ!!!」

 

上空へ蹴り上げたセルにかめはめ波を放つが、セルは体勢を立て直しそれを片腕で弾き飛ばす。父さんはセルの背後を取り背中に拳を叩きつけるが、お返しと言わんばかりにセルの反撃を受けてしまい地面に叩き付けられそうになったが父さんは落下中に体勢を整えて着地する。

 

 

 

「準備運動はこれくらいで良いだろう…」

 

「ああ…」

 

再び向かい合う両者。流石今回の戦いはレベルが違うな…見応えがある。

 

「い…いよいよ本格的に死闘が始まるぞ…」

 

クリリンさんの言葉によってより全員の神経が2人に向けられ緊張がはしる。

 

「(孫悟空か…流石に戦い慣れている…他の奴らとは一味も二味も違う…)」

 

「(こいつは想像以上に強えようだ…ほんのちょっとでも気を抜くとあっという間にやられちまうぞ…)よし!」

 

「…!」

 

「(悟空さんの目付きが変わった!)」

 

「(いよいよか)」

 

父さんの目付きが鋭い物になる。これは今の状態で気を更に解放するつもりだな…それも現段階で出せるフルパワーで。

 

「(フルパワーで来るな)」

 

父さんは腕を交差させ、気合を入れ自身の気を解き放つ。父さんを中心に暴風が吹き荒れ、その放たれる気にほとんどの者達が圧倒される。

 

「(こ…これが今のあいつの…真のパワーか…)」

 

「す…凄い…やっぱり悟空さんはとてつもなく凄い…」

 

「ほ、本当に凄え気だ…!さ…流石に抜けてるよな」

 

「……」

 

「(こっちの悟飯は気づいてるみたいだな…)」

 

父さんの気に圧倒される中、こっちの悟飯は違和感を感じているようだ。

 

 

 

 

 

 

いや、おそらくこっちの悟飯も父さんを超えてしまっているのだろう。

 

 

「(…ど…どうしてみんな、そんなに驚いてるんだろう…確かに凄いとは思うけど…)」

 

「(今の力でどう対抗するか学ばせてもらうよ…父さん)」

 

「(久しぶりだな、父さんが戦う姿を見るのは…)」

 

俺は父さんの動きを学び、未来の悟飯は久しぶりに見る父さんの戦いにわくわくしていた。するとセルも動きを見せる。

 

「は!!」

 

セルは不敵な笑みを浮かべて気を解放する。

 

「ぐ…!!」

 

 

父さんと同様のことが起きた。俺と悟飯達を除いた者はセルの解放した。その余波に吹き飛ばされないようなんと踏ん張る

 

「(…セルも気を解放したか、だがあれは…)」

 

「(全力ではなさそうだ…完全に遊ぶつもりでいるな)」

 

俺と未来の悟飯はセルがまだ全力ではないと察知する。リングの中央に歩み寄った2人は静かに対峙する。

 

「来いよ」

 

「ああ…」

 

父さんの拳がセルの腹に叩き込み、更に肘打ちがセルの頭に炸裂し、蹴り上げて浮いたセルを殴り飛ばす。叩き付けられてリング外に落ちそうになるがセルはその場で舞空術で浮く。

 

 

「…良いぞ孫悟空!これだ!闘いはこうやってある程度実力が近くなくては面白くない」

 

「ああ…オラもそう思う」

 

互いに笑みを浮かべ、セルが口元の血を拭いながらリングに戻ると見覚えのある構えを取る。

 

「か…め…」

 

「な、セルのやつ、まさか…⁉︎」

 

「かめはめ波を撃つつもりか⁉︎」

 

「いいっ⁉︎」

 

構えを見て全員がギョッとする。あんな場所でかめはめ波をぶっ放そうとしてる。いくらまだ力は出していないとはいえ…今の状態でも充分星を破壊する力はある…

 

 

「や、止めろ!そんなにパワーを上げた状態でかめはめ波を…」

 

「は…め…」

 

「よ、止せ…!!!」

 

「波…」

 

「…!!こっちだセルーッ!!」

 

セルはお構いなしにかめはめ波を撃とうとしたが、その直前に父さんが上空へ飛び上がる。

 

上空へ移動した父さんに向けて放たれたかめはめ波は真っ直ぐ父さんに迫り

 

「わっ!!!」

 

放たれたかめはめ波の余波がこちらに来て手を覆うみんな…父さんは…

 

「くっ…!」

 

「はっ!!!」

 

 

父さんはセルの背後を取って強烈な蹴りを喰らわせて吹き飛ばす。瞬間移動でギリギリ回避したが、一歩遅ければ間違いなくかめはめ波に呑まれていただろう。

 

 

「ひゅう…」

 

「あ、危なかった…」

 

「流石に今のはひやひやしたな…」

 

「ああ」

 

 

 

 

セルは手を付いて体勢を整えて睨みつける。

 

「何故だ…あのかめはめ波なら間違いなく当たっていた……貴様は以前にも突然現れ消えた事がある……私のいた時代の孫悟聖も似たような事をしていたが」

 

「瞬間移動だ…オラと悟聖はそいつが出来る……」

 

「瞬間移動…!?そうか…私のいた時代の孫悟聖もそう言う事だったか、そいつは厄介な技だな…」

 

あの発言、おそらく別次元の未来でもセルが生まれるまでの間、悟飯達を監視していたのだろう。瞬間移動は見ていたがおそらくなんらかの高速移動技として認識されていたのだろう。

 

「オラも聞きたい……オラが空に飛び上がらなければそのままかめはめ波を撃って地球を破壊していたか…?」

 

 

父さんの問いにセルはニヤリと笑みを返した。

 

 

「さあ、どうかな…だが、貴様は飛び上がるしかないと分かっていた…」

 

「なるほどな…おめえは頭も良さそうだ……」

 

「だが、これだけは言っておく…私は地球を破壊することなど何とも思っていない。ただ楽しみが減ってしまう…それだけだ…」

 

「………」

 

「あの発言…」

 

「ああ、フリーザを思い出す…」

 

セルの言葉を聞いてフリーザの姿がよぎった。改めてセルがフリーザ親子の細胞を持っていると理解される。

 

そしてセルは父さんに向かって一直線に飛び、先程よりも速いスピード反応が遅れてしまい顔を殴られるが、父さんは即座に反撃に出る。

 

「(さっきまでより速い…少しスピードを上げたのか?)」

 

「ぐっ!!」

 

父さんは反撃をするもその拳は空を切ってしまい、セルが父さんの後頭部を打ち、地に伏せながら反動を利用し体勢を立て直そうと飛び上がるが、背後に回ったセルが攻撃するが父さんは回避しセルの背後を取りそのままセルを叩き落とす。

 

「おおっ!!いいぞ悟空!!」

 

「(流石父さんだ。実力の差を技術と経験で埋めている)」

 

「(父さんはやっぱり凄いや…勉強になるな)」

 

リングに落ちるセルに追撃し迫りそのまま拳を振るうがその攻撃も空を切り、その後ろにセルが腕組みをして立っていた。

 

「私もスピードには自信があるんだ。瞬間移動とまではいかないがね」

 

「みたいだな…けどオラだって簡単に負けるつもりはねえぞ!」

 

「ふふふっ、そうでなくては面白くない!!」

 

 

セルが片腕で連撃を繰り出し、父さんは手で受け止めて防ぐ。父さんは防ぎながら体勢を低くし、上空にセルを蹴り上げて気弾を背後を取り叩き付けようと拳を振り下ろすが空を切る。セルが父さんの背後を取り逆に叩き付けてやろうとしたが、またも父さんはそれを躱す。

 

互いの攻撃が空を切る繰り返しの攻防が続くが、父さんの膝蹴りが炸裂する。

 

「グアっ……!!」

 

「ふっ!」

 

追撃を加えようとすると回避され、セルが父さんの顔に攻撃を与え吹っ飛ぶが、父さんは即座にブレーキをかけ留まり一定の距離の中2人は睨み合う。

 

 

「な…なんて速さだ2人とも…」

 

どうやら一部は完全についていけていないようだ。おそらくこの中で完全に見えているのは俺と悟飯達だろう。

 

 

 

「やるじゃないか本当に…ここまで楽しめるとは正直思わなかったぞ」

 

「へへっ…オラもだ」

 

「この闘いを場外負けなどで終わらせるのは惜しい…」

 

「え?」

 

「場外負けと言うのは…ルールから外そう。私達には何の意味もない」

 

 

「何だ!!何をする気だ!?」

 

セルがリングに向けて手を向けた。こ、これはまずい!!

 

「まずい⁉︎みんな、リングから離れてください!!セルはリングを破壊するつもりです!!」

 

「いいっ⁉︎」

 

「な、なんだって⁉︎」

 

「くっ…!!」

 

俺達は慌ててリングから離れた次の瞬間、セルはセルゲームのリングを破壊した。

 

「ひゅう〜…あ、あぶねえ…!」

 

「結局あのリングの意味って…」

 

「ああ、だったら最初から作らなきゃいいんだ…」

 

流石にこう言わずにはいられない。一体なんのためのリングだったのか。リングがあった場所は巨大な穴が空いていてた。ここからは大地全体がリングとなるみたいだ。

 

因みに一般のチャンピオンのおじさん達は16号によって助かっている。

 

 

そして父さんとセルは再び戦いを始め、大地が揺れるほどの激しい攻防を繰り広げている。セルは上空に飛び、気弾を連射し父さんは気弾の雨をかわしていると噴煙から上空に飛び上がる。

 

「か…め…は…」

 

「ふはははは!貴様にその位置からかめはめ波は撃てはせんぞ!撃てば地球そのものが大変なことになる!」

 

「め…」

 

「お…おい…!」

 

しかし気を高めたことにセルは驚く。それはピッコロさん達もだ。

 

「かめはめ波だ…!!!悟空のやつ、フルパワーでかめはめ波を撃つつもりか⁉︎」

 

それを聞いたクリリンさん達が引き攣った笑みを浮かべる。確かにあれは本気だな…

 

「う、撃つわけないさ…!!あんな位置関係で撃ったら地球が…ぶっ壊れちまうぞ!!」

 

「父さんが考えなしにあそこから撃つわけないじゃないですか、だからそんなに動揺はしなくても大丈夫ですよ」

 

「ああ、それにそんなこと父さんが一番わかっていますよ」

 

「お、お前ら何を呑気に…」

 

その瞬間、父さんはかめはめ波を最大に溜めた状態でセルの目の前に瞬間移動し…

 

 

 

「しっ…しまっ…「波ーーーっ!!」ごあっ!!!」

 

不意を突かれたセルはまともに父さんのかめはめ波を喰らって上半身が吹き飛んだ。

 

 

「ミスター・サタンが華麗に再登場する前に、あの謎の無名の青年がセルを倒してしまいました!」

 

 

◇その瞬間をテレビで見ているある事務所は…

 

 

 

『謎の無名の青年がセルを倒してしまいました!』

 

「す、すげぇ…」

 

「せ、セルを…倒しちゃったの…?」

 

「ら、らしいな(こ、こりぁ、あの時の天下一武道会以上じゃねぇか!!)」

 

少し強面なサングラスを身につけている男性はここまでの戦いを見て最後まで目を離さず勝負を見守っていた。

 

 

 

◇そして中継を見ているアイのいる児童養護施設では

 

「す、すごい…」

 

「ほんとにセルを…倒した…のか?」

 

「み、みたいね…」

 

「よ、よく見たらあの人…孫くんに似てないかしら?」

 

「た、確かに…同じ髪に同じ目の色だよな?」

 

「あの人、悟聖君のお父さんみたいだよ」

 

「え…そ、孫くんのお父さん⁉︎」

 

「あ、あの人が孫くんの父親⁉︎ず、随分若いわね…」

 

施設では悟空の戦いに驚いていたり、悟聖の父親だと知り驚く職員、アイに関しては悟聖から話を聞いているため悟空のスーパーサイヤ人の状態を知っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「(セルの気が消えていないな…)」

 

「や、やった!!!やったぞ!!!」

 

「そうだ、悟空には瞬間移動があったんだ!!」

 

「おいっ!やったな!!ははは…」

 

 

「「「………」」」

 

「な、なんだよ?う、嬉しくないのか?」

 

「ヤムチャさん、天津飯さん、セルの気をよく探ってみてください」

 

「え……」

 

「ま、まさか…!」

 

未来の悟飯の言葉に2人はセルの気を探ると喜びから再び険しい表情へと戻る。

 

 

 

「(…どういうことだ…こんな状態なのに気が随分残っている…)」

 

「気を付けろ悟空ーっ!!セルは多分復活する!!」

 

クリリンさんが忠告した瞬間、セルの下半身が起き上がり上半身が再生された。

 

「ひいっ…!」

 

「せ…セルが生き返ったーー!!?」

 

アナウンサーはまさかの事態に恐怖を感じながら実況する。随分肝が据わった人だな…スポーツの実況も行けるんじゃないか?それに…

 

「(ピッコロさんの細胞があるから再生能力も…あの様子だと父さんとベジータさんの細胞を持ってるなら、サイヤ人の死の淵からの復活の戦闘力アップもあるとみていいな…)」

 

ピッコロさんの細胞を持っているならあの再生も可能だろう。あの様子だとサイヤ人固有の死の淵から復活して戦闘力をあげる能力も備わってるのだろう。それをさせてまた復活したらセルは今以上に強くなってしまう恐れが出てきた…これはセルを肉片一つ残らずに倒すのが理想だな。

 

「そういや再生出来るんだったな…」

 

「そういうことだ。ピッコロのようにな…」

 

「ちぇ…やけにあっさり勝てたと思った…だが今ので流石のおめえも随分気が減ってしまってるぞ」

 

「ふん、お互い様だ。貴様も随分息が上がっているぞ。忠告しておくが、同じ手は二度と通用せんぞ。無駄な攻撃で体力を減らしてつまらん闘いにだけはするな」

 

「分かってる!」

 

「そうかな!?」

 

2人は気を入れて再び戦闘を再開する2人。しかし僅かにだがセルが父さんを上回っている。

 

そしてこっちの悟飯は俺に疑問を聞いてくる。

 

「悟聖、未来の僕、お父さんはどうして本気で闘わないんだろう…?」

 

やはりこっちの悟飯は父さんのフルパワーの状態が低く見えてしまい出し惜しみをしているのだと思ってるのだろう。

 

「過去のオレ…父さんは本気で戦っている。君には父さんが出し惜しみしているように見えてるだろうが…」

 

「つまり悟飯、今のお前が父さんを見て手を抜いてるように見えるって事は…お前が父さんより強いってことだ」

 

「え…ぼ、僕がお父さんよりも?」

 

「ああ…お前じゃ自覚するのは難しいだろうが、お前は今回の件で真剣に修行に取り組んだ。それでお前に秘められている潜在パワーが蓋を開け始めとてつもない速さで成長したんだ。父さんを超えるほどに…まっ、今のお前じゃ未来の悟飯には到底及ばないがな…」

 

正直俺にとって現状この中で強いと言ったら間違いなく未来の悟飯だ。俺も同格の力を持っている自信はあるが…生まれ持った潜在能力だけはどうしても負けてしまう。だからそれに負けない技術を精神と時の部屋で身につけた。

 

未だ父さんを超えたことが信じられないこっちの悟飯は困惑したような表情を浮かべている。おそらく父さんは俺達がスーパーサイヤ人を超えられなかったら悟飯に任せるつもりだったのだろう…しかし、話し合いくらいはして欲しかったかな…仮に超えられなかったら何も相談もせずにこっちの悟飯に任せるつもりだったのだろう。

 

 

2人の闘いに視線を戻すと、両者とも体力を消耗しているのにハイレベルな戦闘を繰り広げる。父さんはセルの拳を受けて吹き飛ばされ岩に叩きつけられた気合いで岩を気で吹き飛ばすとセルに向かって全力の気弾を連射する。

 

 

「だだだだだだ……!!!」

 

「ぐっ!!!」

 

「おおっ…やった!!」

 

「効いてる…いいぞ悟空さん!!」

 

確かにあの気弾はセルに相当効いている。このまま畳み掛けるか…まだ何かあるのか…

 

 

 

「だだだだだだあああ…… !!!」

 

「お…お……」

 

 

 

 

 

「波ぁぁーーーっ!!!」

 

 

「くっ…!!」

 

父さんは連射をやめ、かめはめ波を放つ。セルは両腕で防ぎなんとか飲み込まれまいと踏ん張る。

 

「いいぞ悟空!!」

 

「そのままセルをぶっ倒してしまえ!!」

 

天津飯さんとヤムチャさんもかめはめ波が当たりこのままセルを倒せるとふんだが…

 

 

 

 

「フルパワーだーーっ!!」

 

父さんは力を振り絞りかめはめ波を最大限に上げセルを押し出す。このまま勝てればいいが…どうやらそう簡単にはいかないようだ。

 

 

「ぐ……ぐぐ……ずあーーーっ!!!」

 

セルは巨大なバリアを展開しかめはめ波を押し返した。バリアの範囲は凄まじく俺達のいる場所まで届きそうな範囲だ。父さんはバリアが解けると瞬間移動でセルに接近し、そのまま殴り飛ばす。

 

 

 

「はあ…はあ…ちえ」

 

2人は一定の距離を取る。2人はここまでの激しい攻防で呼吸を荒げていた。

 

 

「フフフ、この私にバリアーを張らせた貴様の攻撃は評価に値する…今のは流石に危なかった…先ほどの一撃も中々の物だったぞ」

 

「はあっ…はあ…へへ、そんなスカした顔で言われっと自信無くすぞ…さっきはフルパワーでかめはめ波を使ったてのに…」

 

「ハァ…どうやら先ほどの攻撃で相当に体力が低下してしまったようだな…ハァ…仙豆とやらを食うがいい孫悟空…更に素晴らしい試合になるはずだぞ」

 

「はあ…はあ………」

 

「あ、あいつの言う通りだ!悟空さんに仙豆をあげて全員でかかれば今のセルならきっと倒せる!」

 

「そうだ…それがいい!!」

 

「………」

 

「クリリンさんっ!早く仙豆を…!」

 

トランクスは仙豆を父さんに渡すよう促すが、しかしクリリンさんは仙豆を渡そうとしない。クリリンさんもわかっているんだ…父さんの気持ちが。

 

「黙ってろトランクス!お前にはサイヤ人の誇りがないらしいな。そんな勝ち方をするぐらいならあいつは死を選んだ方がマシだと思うだろうぜ…今のあいつは地球のためになんか闘ってるんじゃない。そいつを覚えとけ…」

 

長年付き合いのあるクリリンさんは父さんの気持ちを理解している。そしてベジータさんは同じ純粋なサイヤ人として父さんの気持ちを理解していた。

 

「…し…しかし、このままでは…」

 

「やられるだろうな確実に…あ…頭に来るが認めてやる…オレはあれだけ特訓したがカカロットを超えられなかった。あ…あの野郎は天才だ…だが、セルはそんなカカロットを一歩も二歩も更に上回ってやがるんだ…」

 

「だ、だったらどうしろと言うんですか…!?黙って、み、見ていろと…!?」

 

「てめえも言ってただろ!あいつには何かきっと作戦があるはずだと。そいつに期待するんだな…」

 

ベジータさんの言葉に全員の視線が父さんに向けられる。そして父さんは頃合いを見たように笑みを浮かべて身に纏っていた金色のオーラを消す。

 

 

「参った!降参だ!おめえの強さは良ーく分かった!セル、オラはもう止めとく」

 

 

「…⁉︎」

 

「なっ、なにっ⁉︎」

 

「こ、降参⁉︎」

 

「な、なんだって⁉︎」

 

「そっ、そんな⁉︎」

 

「悟空が降参するなんて⁉︎」

 

「お、お父さん…」

 

「な、何を考えているんだ…あいつは⁉︎」

 

「「……」」

 

突然の降参宣言に俺と未来の悟飯を除いた者が耳を疑った。それはセルも例外ではなかった。

 

「…孫悟空…その言葉の意味することが分かるか?…セルゲームで闘う者がいなくなればこの地球の人間共は1人残らず死ぬことになるんだぞ」

 

「勘違いすんな。闘う奴がいなくなったわけじゃねえだろ」

 

「同じことだ。ベジータやトランクス、未来の孫悟飯では力を上げたとは言え貴様より劣っているはず…」

 

わぁ…名前がないところを見るに、子どもだからか舐められてるな完全に…

 

「じゃあ、次に闘う奴をオラが指名しても良いか?」

 

「貴様、本当に降参する気か…!」

 

父さんはセルに笑みを見せながら言葉を続ける。

 

「ど…どう言うつもりだあいつは…!か…勝てるヤツなどおらんぞ…!!」

 

ベジータさんはもう全てを諦めている感じだ…この人こんな人だったか?

 

 

 

「次の試合でセルゲームは終わる。だがオラはさっきおめえと戦ってみてやっぱりそいつならおめえを確実に倒せると思ったんだ」

 

「何!?」

 

父さんの言ってることに興味を惹かれたセルの顔つきが変わった。父さんは確信を持って言っているのだから…それに父さんは嘘を吐ける性格ではない、嘘を吐くのが超下手だ…

 

「だから、オラは全てを任せて降参した……」

 

「ということは、そいつは貴様はもちろん私より強いとでもいうのか?」

 

「ああ…おめえを跡形もなく消し去っちまうくらいにな」

 

「くっくっく……面白い。では聞こうか…その存在するはずもない者の名を……」

 

セルの言葉に応えるように父さんの視線は俺達に向けられた。

 

 

「おめえの出番だぞ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟聖!!」

アイは筋斗雲に乗れるか乗れないか

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