ドラゴンボール 双子のハーフサイヤ人   作:狼ルプス

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もしかしたら今話で2024年、最後の投稿になるかもです。


一番星編
芽吹き始める感情


 

アイを落ち着かせて数分間撫でられていると落ち着いたのか名残惜しそうに離れる。

 

「グズッ……ごめん、悟聖君の服汚しちゃって……」

 

「別に構わないさ。はい…」

 

「うん、ありがと…」

 

俺はアイにポケットティッシュを渡し受け取り鼻をかむ。荷物の中には必要最低限の物は入っている。後は修行した時に怪我した際の傷薬とかもある。特に父さんが作るパオズ山産の薬草は傷に塗ると良く効く…

 

「はい、途中自販機で買った飲み物だけどお茶でいいか?」

 

俺はアイにお茶を渡す。俺は缶コーヒーだ。孫家はコーヒーを飲む者がおらず悟飯はまだ子どものため飲めない。いずれは飲めるようになるだろうが俺は前世の事があるため身体は子どもだが中身は大人のためコーヒーは普通に飲める。

 

「ありがとう。って言うか悟聖君のそれコーヒーだよね?」

 

「ん?ああそうだけど…」

 

「美味しいの?」

 

「ウーン、人それぞれだな…飲んでみる?」

 

「いいの?」

 

俺は飲みかけだがアイに缶コーヒーを渡して一口飲むと少し舌を出し…

 

 

「苦い…」

 

「あはは、やっぱアイは飲めないか」

 

「悟聖君よくこんなの飲めるね…」

 

「個人差はあるかもな。後は年齢を重ねるとアイも自然と飲めるようになると思うぞ」

 

俺は返してもらったコーヒーをそのまま一気に飲み近くにあるゴミ箱へ投げ捨て見事に缶はゴミ箱へ入る。

 

 

 

この時2人は自然と間接キスをしていた事に気づく事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…改めて聞くけど…セルは悟聖君が倒したんだよね?あのモジャモジャのおじさんじゃなくて…」

 

「ぶっ!モジャモジャって…ああ、世間はミスター・サタンがセルを倒した事にはなってるが…実際セルはこの手で俺が倒した」

 

「そっか…やっぱり悟聖君が倒したんだね…」

 

「アイはミスター・サタンが嘘をついてるのはわかってるのか?」

 

「うん。わかるよ…だってあのおじさんの目は嘘の目をしてたんだもん」

 

アイは他人の嘘を見抜く能力がある。あの時も俺の隠し事も見抜かれていたしな。劣悪な家庭環境で過ごした故身についてしまったと思うと複雑ではあるが…

 

「だけど俺からするとかなり助かってるんだよ。代わりに英雄になってくれて」

 

「どうして?」

 

「どうしてって…別に俺や父さん達は英雄になりたくて戦ったわけじゃない。ただセルの好きにはさせたくはなかった。それに…」

 

「それに?」

 

「俺の大切な人達を傷つけようとするなら相手が誰であろうとぶっ飛ばす。守るべきもののために戦う…それが俺の戦う理由だ。まっ、今回は世界規模になっただけだ」

 

「…守るべきものの、為に…」

 

「ああ。それに…ミスター・サタンのようになったらお前に会う事も難しくなるしな!」

 

「……っ!」

 

 

俺が明るく言うとアイは顔を赤くしモジモジし始める。

 

「どうした?顔赤くして…熱でもあるのか?」

 

「ち、違うよ!悟聖君が急に恥ずかしい事言うからじゃん!」

 

「恥ずかしい事って……俺は別に何も……」

 

「もー!知らない!」

 

アイはそっぽを向くが耳まで赤くなっていた。おかしなこと言ったかな?

 

「(うぅぅ、どうして君は私が望む事を言うの?)」

 

アイは内心でそう呟くと胸の中が温かくなるのを感じる。悟聖の何気ない一言が愛すら知らないアイの心に少しずつ変化をもたらしていた。

 

 

 

 

「アイ?」

 

「……悟聖君。君には助けられてばかりだけど……私も君に何かしてあげたいの」

 

「何もいらないよ。俺はただ自分のやりたい事をしているだけさ」

 

「……そう言うと思った……」

 

アイは小声で言うとため息をつくがその顔は嬉しそうだった。この気持ちは何なのだろうか?悟聖はその時はまだ分からなかった。

 

「(……この気持ち、この感情は多分…嘘じゃない)」

 

 

アイは内心そう呟く。悟聖の側にいたい、それは紛れもない事実だ。

 

 

「(ああ…こんなにも何かが欲しいと思えたのは悟聖君、君が初めてだよ……)」

 

アイは内心そう呟くと再び悟聖の肩に頭を寄せる。

 

「?どうした?急にくっついて…」

 

「んー?なんとなく」

 

アイは満面の笑みで言うのだった。アイと雑談していた悟聖だが時間は刻一刻と迫ってきていた。

 

 

 

「さて、そろそろ行こうかな」

 

「あっ……」

 

俺は立ち上がり荷物を持つ。アイは何処か寂しそうな表情で俺を見ている。俺はアイを送る為一緒に施設まで行き近くまで送る。

 

「そんな顔しなくても時間がある時には来るよ…」

 

「うん……」

 

「…なあ、施設の人達はどうしてる?」

 

「悟聖君の事心配してたよ…みんな会いたがってた」

 

「…そうか、次来る時は顔出すよ」

 

出来るだけ騒ぎになるのは避けたかったけど、向こうも心配させてしまってるからな。次は施設の人達にも会うようにしよう。

 

「それじゃあまた。あ、そうだ。次来た時には約束した空の飛び方教えるから。明日でも大丈夫か?」

 

「…!うん!全然大丈夫だよ!またね悟聖君!」

 

俺はアイに挨拶して舞空術で家に向かう。取り敢えず元気そうで良かったが…心配させてしまって申し訳なかったな。俺は心の中でそう呟くのだった。

 

 

 

「(そう言えば父さんと母さんにはアイの事話してなかったな…悟飯には話してたけど…)」

 

流石に教えようにも人目着く場所はまずいので俺の家のパオズ山でやる方がいい。つまりそれは母さん達にもアイの事を紹介しないといけない。

 

 

「話しておかないとな…」

 

俺はそのまま空を駆け家に戻る。そこには既に母さんが晩御飯の準備をしていた。

 

「ただいま母さん」

 

「おかえりだ。もう少しで晩飯が出来るから先に風呂に入ってこい」

 

「うん、わかった。あ、それと母さん、父さんなんだけど、今界王様の所に行ってるから帰りが遅くなるか帰ってこないかも」

 

「はあ…働いてくれるのはいいが、少しはこっちの時間も大切にして欲しいだなぁ。まぁ…腹空かしたらすぐ帰ってくるだよ」

 

母さんは呆れながらも何処か笑っている。平和な日常が戻ってきて母さんも何処か楽しそうにも見える。

 

 

「あ、お帰り悟聖!」

 

「ただいま悟飯、勉強の方はどうなんだ?」

 

「あはは、もう少しで半年分の遅れは取り戻せそうかな…」

 

一週間で半年分の遅れを取り戻してる時点でもかなり凄いと思う…今の悟飯の学力なら間違いなく高校を卒業出来るレベルはあるだろう。

 

 

「悟聖、おめえも悟飯ちゃんを見習って勉強をしてけれ、おっ母はおめえの将来が心配だ」

 

「俺は悟飯みたいに夢がある訳でもないから、大人になるまでゆっくり考えるよ…」

 

今世の将来…本当にどうしようか…前世でも特に決まらず大学を過ごしていたが、世間体は働いて稼がないと生活を維持する事はできないし…最悪父さん達と農業をする事も考えないといけない。その後お風呂に入り晩御飯を食べ終え皿洗いを手伝う。

 

「母さん」

 

「ん?どうした悟聖?」

 

「あのさ…明日くらいにさ、友達を連れてきたいんだけど…いいかな?」

 

「だめだ!あんなおっきいの連れてこないでくれ。オラどうもああいうの苦手でな」

 

「母さん…なんか勘違いしてない?」

 

そう言えば数年前にドラゴン系の動物のハイヤードラゴンと友達になってちょくちょく会いにきてくれてるんだよな。母さんはどうもああいう生き物は苦手みたいで、当初飼いたいと言っていた悟飯に厳しく言った事がある。人間の友達がいないためか勘違いしている。

 

「母さん、俺が言ってる友達は人間だよ?」

 

「え?違うんか?前に見たハイヤードラゴンとかじゃねぇだか?」

 

「うん、むしろ逆かな……普通人間の友達だよ。年齢も一緒だから」

 

「な、なんだってー⁉︎お、おめえ、いつ人間の友達なんてつくっただか?」

 

確かに、このパオズ山には少し離れた集落はあるがほぼご高齢の人しかおらず同年代の子の友達も1人もいない。

 

「2年前くらいかな。ほら、畑仕事を提案して買い出しに行った時に色々あって友達になったんだ…その子は日本地区の子でさ」

 

「ああ…あの時か!それに日本地区、通りで帰りが遅いと思ったらそう言う事だったんだな…」

 

「因みにさ、その子は俺や父さん達の秘密も話してるんだ…」

 

「……そうか、悟聖が気を許してる相手ならオラはいつでも歓迎するだよ!」

 

「ありがとう。明日連れてくるから紹介するよ」

 

「んだ!」

 

母さんは嬉しそうにしてる。人の友達ができた事にそれはもう大喜びだ。父さんは帰ってくる気配はない…おそらく界王様の所で修行してるのだろう。

 

 

「さて、明日に備えて寝よう…」

 

 

俺は明日に備えて眠る。この平和がいつまでも続くよう祈るばかりだ。

 

 

 

 

 

◇???

 

 

「まさか、別の歴史から連れてきたブロリーがやられるなんて…孫悟聖、子どもだからって侮れないわね」

 

「どうするトワ、今の内に始末するか?」

 

誰もいない荒野にはトワとミラがいた。タイムパトローラーから逃げ切り時空を移動していたが、別の歴史から連れてきたブロリーが倒された事に驚いている様子だった。

 

 

「いえ、そんな事したらまた奴らに邪魔されるだけよ。それに、既に次の仕込みは済んでるから」

 

「…ヤツはどうするんだ?ターレスやスラッグ同様好き勝手に暴れているようだが」

 

「別に放っておいて問題はないわよ。あの2人同様勝手に歴史を荒らしてくれるんだから」

 

 

悟聖の知らない所で時空を超えた更なる脅威が迫っている事に、まだ知らなかった。

 

 

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