ドラゴンボール 双子のハーフサイヤ人   作:狼ルプス

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新たな予兆

 

あれから一週間、俺は時間がある時はアイのいる施設に訪れ家で気のコントロール技術を磨いた。連絡手段がない為直接訪れている。まだアイは携帯を持っていないので仕方がない。

現在アイの学校は夏休みらしく一日中修行することができる。たった一日で気の具現化や浮く事に成功し、長時間浮く訓練をするつもりだったのだが…

 

「見て見て悟聖君!もうこんなに上手く飛べるようになったよ!!」

 

アイはもう自在に飛んでおり自身の感覚やコツを掴んだのか瞬く間に成長し、舞空術に関しては完璧にマスターしている。しかも教えて一週間だったが今では施設まで1人で飛んで帰れるようになった。流石に最初は危ないので付き添いはした。最初こそ帰るのに時間はかかったが徐々に帰るまでの時間が短くなりどんどん舞空術の練度も上がっている。

 

「凄いな。俺の想像以上だったよ…」

 

「ふふん!私凄いでしょう?」

 

アイは俺の目の前に降り自慢げにドヤ顔を決める。

 

 

「はは…けど、だからって油断は禁物だ。俺と違ってアイは気は多いわけじゃないからその辺の配分も気をつけないと」

 

「大丈夫!実はこっそり練習してこんな事も出来るようになったんだ!」

 

そう言うとアイは一般人では走れない速さで走り出す。気による身体強化までものにしているみたいだ。いつの間に…

 

 

「アイ、施設の人達はともかく…他の人にはその力は見せてはないよな?」

 

「うん!他の人には見られてはないよ。多分!」

 

「おい…」

 

いや、多分って、それはそれで不安だな。今の時代SNSとかが流行だから情報が出回るのも早い。特に馬鹿な事をやったり、事実無根な事を投稿しその相手の人生が壊れたなんてある事だ。

 

「(今後何かしらあったらスーパーサイヤ人に変身して対応しないとな…)」

 

 

この世界は割と強盗事件やら治安の悪い町なども普通にある為遭遇したら場合、対処する際はスーパーサイヤ人に変身した方がバレないだろう。雰囲気や見た目もガッツリ変わるからその変装面では便利だし助かる。ただ今の俺達はテレビに写ってしまってるから髪型も変えた方がいいかな…

 

「どうしたの悟聖君?急に考え込んじゃって」

 

「ああ……ごめん。ちょっとな…」

 

「?」

 

しかし、改めて思うがアイはだいぶ明るくなったな。最初に出会った時より笑顔も増えたし生き生きしているようにも見える。あのまま過ごしていたら嘘と言う名の偽りの仮面を被ったまま星野アイと言う1人の女の子を隠したまま生きていた思うと少しほっとする。

 

「(まぁ、俺とは流石に比べ物にならないがな)」

 

俺は少し自嘲する。俺の場合記憶は薄れつつあるが、前世のことがある為皆んなにも隠してるのだ。

 

だけど今はせめてアイにだけは楽しく過ごしてほしいと思う。それが今の俺の願いだった。

 

「……悟聖君」

 

「ん?」

 

「悟聖君はさ、何で強くなりたいの?」

 

「……前にも言ったけど、守るべきものの為にだ。またいつセルみたいな奴が現れるかもわからないしな…けど、守ると言っても、いくら力があるとはいえ、救える者なんてたかが知れてるしな」

 

「悟聖君……」

 

 

「だから俺はもっと強くなる。そして、アイを、母さん達や皆んなを守れるくらい強くなる」

 

そう、これは俺の自己満足だ。けど、それで救える人がいるなら俺は喜んでこの手を汚そう。

 

例えそれが偽善だとしても……

 

 

「……悟聖君はさ」

 

するとアイはまた話し始める。珍しく少し真面目な雰囲気で。

 

「うん」

 

「悟聖君は、悟聖君のままでいてね」

 

「え?」

 

俺が俺のまま?それってどういう意味だ?

 

「私、思うんだ。人は人のままが一番いいって」

 

アイは俯きながらも真剣な様子で話す。俺は黙って聞くことにした。

 

「私はさ……お母さんに暴力を振るわれて、挙句に窃盗で捕まって施設に預けられて、釈放しても迎えに来てくれなかった。その時は、私は何の為に生まれてきたんだろうって思ったんだ…」

 

「……」

 

「嘘をついて、いつしかどっちが本当の私なのかわかんない事があったの」

 

「……うん」

 

「だけど、悟聖君に会って私は気づいたんだ」

 

「何にだ?」

 

俺はアイに問いかける。アイは俺に真っ直ぐ向き直り話し始める。

 

「嘘も真実も、どっちも本当の私なんだって」

 

「…そうか」

 

「だから、悟聖君は私のようにならないでね」

 

「……」

 

「私は……いつか本当の愛を手に入れてみせる」

 

アイはそう言うと顔を赤く染めながら頬をかく。

 

「そうか……なら、俺もアイに負けないようにしないとな。俺も、俺でいられるように」

 

「うん!」

 

アイは笑顔で頷く。その笑顔は偽りのない笑顔だった。俺はそんなアイの笑顔を守りたいと強く思った。

 

「あ!もうこんな時間だ!早く帰らないと!」

 

するとアイが慌てて俺に言う。確かに外もだいぶ暗くなり始めていたのでそろそろ帰った方がいいだろう。

 

「……そうだな。またな、アイ」

 

「うん!またね!」

 

アイはそう言うと舞空術で飛び去っていく。

 

「…俺は俺のままで……か。ふっ…難しいことを言ってくれる」

 

確かにアイの言う通り人は人のままが一番いい。俺自身もそうかもしれないと思う。

 

 

 

 

「しっかし……父さん、帰ってくる気配がないな…」

 

そう。父さんが一週間も帰ってこない。わかったら何か教えてと言ったのだがあれ以降全然気を感じない。

 

「なんなら探してこっちから出向くか…」

 

俺は父さんの元へ瞬間移動で向かう為、気を探ると

 

「よっ!ただいま!」

 

すると背後から突如声をかけられ振り向くとそこには笑顔の父さんが立っていた。

 

「お帰り。ちょうどこっちから父さんのところに向かうところだったよ」

 

「ワリィワリィ…地獄でフリーザ達が暴れててよ…ちっとも反省してねかったから懲らしめてたんだ」

 

「フリーザが?あいつら地獄にいても変わってないみたいだね」

 

どうやらあの世も色々と大変なようだ。すると父さんの雰囲気が真剣な目となる。

 

「悟聖、おめぇ…セルは確かに倒したんだな?」

 

「はい?」

 

いきなりなんだ?何で急にセルの事を…答えなんて決まってる。

 

「うん。倒したよ、この手で確かに。その様子はクリリンさんやヤムチャさん、天津飯さんも見てたから…」

 

「そっか…目のいい天津飯も見てるなら確かなんだろうな…」

 

しかし父さんは何か疑念を抱いてる様子だ…一体何なんだ?

 

「父さん、何かあったの?どうしてセルの事を?」

 

「…悟聖、よく聞いてくれ。セルは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セルは生きてるかもしれねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え!?」

 

父さんの発言に俺は驚く。セルが生きてる?

 

「どういう事……父さん。確かにセルは俺がこの手で…」

 

俺は静かに問いかける。父さんはどこか緊迫した表情で話し続ける。

 

「おめぇを信用してねぇわけじゃねぇ。フリーザ達が地獄で悪さしてた時にセルの姿がなかったんだ。姿もなければ気も感じられなかった。閻魔のおっちゃんにも聞いたが、セルは来てねぇって言ったんだ」

 

「まさか……」

 

「ああ。そのまさかかもしれねぇ……」

 

セルが生きている?じゃあなぜ気は全く感じられないんだ?

セルほどの実力者なら気は容易に感じ取れる。しかし、いくら気を抑えてるとはいえあのセルが大人しくしているのはおかしい…

 

「あの世にもいねぇ、気も感じ取れない。そうなるとセルは生きて何処かに潜んでる可能性が高ぇぞ」

 

「嘘だろ…」

 

父さんから言われた内容に衝撃を隠せない…だけど、やる事は一つだ。

 

「……もし、ドラゴンボールがまた使える日までセルが現れなかったら…神龍にセルのいる場所を聞こうと思う。超サイヤ人ゴッドのついでに聞く事も出来るだろうし」

 

そう。デンデが新たな神様となった事で神龍もパワーアップしており願い事も3つとなっている。もしそれまでに姿を現さなかったら神龍に居場所を聞く事も可能だろう。

 

 

 

「それに…もしまた俺達の前に現れるなら、今以上に強くなって倒すだけだ!」

 

「へへっ!ああ、そうだな!」

 

父さんは俺の言葉を聞くと頭を撫で撫でながら笑う。

 

「よし!そうと決まれば早速修行だ!悟聖!」

 

「うん!こっちから頼みたかった所だけど、あの世で何してたのか教えてよ!」

 

「あ!そうだった。実はすんげぇ面白れぇやつらがいたんだ。あの世の達人ちゅう強い奴らがいたんだ!」

 

「あの世の達人?凄い気になる!」

 

俺は父さんからあの世の達人達の話を聞いた。それはとても興味をそそられる内容だった。

 

それに、セルが生きてる可能性があるならそれに備えもっと力をつける必要もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仕事が終わって早々集まってもらってご苦労だ」

 

とある宇宙空間に円盤型の宇宙船に少数の者が集まっていた。そこにはリーダーらしき者が謎の乗り物に乗っていた。

 

 

「はっ!“クウラ”様のお呼び出しとあれば、いつでも駆けつけます!」

 

クウラと呼ばれた存在。その姿はフリーザの最終形態と似ていた。

 

 

 

 

「この度は何故お呼び出しを…?」

 

「今回は、オレと共に地球と言う星に向かってもらう」

 

発言に動揺する者、驚いた様子を見せている。それも当然だろう。その中のトップが直々に赴くと言っているのだから。

  

 

「その惑星で、猿どもを根絶やしにする」

 

「サイヤ人を…ですか?」

 

「そうだ。フリーザや親父を殺したのは地球育ちのサイヤ人だと聞いている」

 

「なっ!?フリーザ様やコルド大王様をたかがサイヤ人が⁉︎」

 

「では、そのサイヤ人がいる星に向かわれると!?」

 

「そうだ。フリーザや親父を殺したのはただのサイヤ人ではなく、スーパーサイヤ人とふんでいる。オレも力をつけたつもりだ。スーパーサイヤ人を殺し、完全に猿どもの血を根絶やする」

 

 

 

 

 

 

 

そのうちに新たなる戦いの幕が上がることをこの時の俺達は知る由もなかった……

 

 

 

 

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