ポケットモンスター ~少年が進む道はキズナによって切り開かれる~   作:Kod

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リコとロイの特訓、そしてピカチュウ対決

 

 

 

ソウハの部屋

 

 

「ZZZ~ZZZ~ZZZ~」

 

「やっぱり……いない。パルデアの図鑑にも」

 

 

朝の5時頃、テンブはいびきをかきながらまだ寝ていた。

それに対してソウハは、すでに寝間着からいつもの服に着替え、朝からスマホロトムのポケモン図鑑を確認していた。

 

 

PON!

 

 

「ロメッタ!」

 

「あ、おはよう……メロエッタ」

 

「ロメロ!!……ロメ?(おはよう!!……ってソウハ何してるの?)」

 

 

モンスターボールからメロエッタが自分から出てきて挨拶を交わす。

 

 

「あぁ……ちょっとな、目的地のパルデアにはどんなポケモンがいるのかなって調べててさ、もしかしたらあのペンダントのポケモンはパルデアにしか生息してないポケモンじゃないかって思って」

 

「メロ……メロエッタ?(ペンダントのポケモンって……貴方とリコがポケモンセンターで見たっていう?)」

 

「そう……結局見つけられなかったけどな」

 

「ロメロ(いなかったんだ)」

 

「あぁ...(図鑑にも載ってないってことは、やっぱり新種のポケモンか?)」

 

 

ソウハは昨日の出来事から、更にリコのペンダントの謎が深まったと思い、手がかりになりそうなあのポケモンの正体を知ろうと、まだ行ったことが無いパルデア地方のポケモン達をスマホロトムのポケモン図鑑で1体ずつ調べていた。

 

 

「ロメッタ、メッタ?(たしか、プロトーガのように甲羅があったのよね?)」

 

「見た感じは甲羅だったけど、宝石みたいに輝いてたんだ」

 

「ロメ~……(う~ん……)」

 

「まぁ良いさ、リコの実家に行けば何か分かるかもしれないし、焦る必要はない………そうだメロエッタ、一緒にブレイブアサギ号のデッキに行かないか?」

 

「ロメロ、ロッタ?(良いけど、どうして?)」

 

「来てみれば分かるさ、ほら行くよ」

 

「???」

 

 

 

ソウハは扉を開けブレイブアサギ号のデッキにメロエッタを連れて行く、するとそこには

 

 

「ロメッタ!!!(うわぁ~!!!)」

 

「良い景色だろ?」

 

「メロッタ!!ロッタ!!(えぇ!!とっても綺麗!!)」

 

 

まだ少し暗い空が少しずつ朝日に照らし出され、雲の上から少しずつ太陽が顔を出してきていた。

 

メロエッタとソウハはその光景を見るだけで、眠気なんて吹っ飛んでしまった。

 

 

「ロメッタ(ねぇ、ソウハ)」

 

「うん?」

 

「ロメロメロッタ(この景色を見て、新しい歌を思い付いたんだけど……聞いてくれない?)」

 

「……勿論だよ。聞かせてくれ、メロエッタ」

 

「ロメ!(えぇ!)」

 

 

メロエッタの早朝ミニライブが始まった。

 

宙に浮き上がり、日の出をバックにして歌い出す。

 

その歌声は、人にとってもポケモンにとっても心地よいものである。

 

 

「メ~~♪ロ~♪メメロ~~♪メロ~~ロメ~♪」

 

「(やっぱり……メロエッタの歌は癒されるな)」

 

 

歌は約2分程であったが、それでも充分満足してしまう程のものであった。

 

 

パチパチパチ

 

「良い歌だったよ、メロエッタ」(メロエッタに向かって拍手を贈る)

 

「メロッタ!(ありがとう!)」

 

 

「・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前もそう思うだろ?」

 

 

 

「!!?」

 

 

ソウハが後ろに向かってそう尋ねると、後ろからドタドタと焦ったような足音をたてながら何者かが走り去って行った。

 

 

「メロッタ、ロッタ?(ソウハ、さっきの子って?)」

 

「多分、まだ紹介していないもう1人のメンバーだろ」

 

 

ソウハとメロエッタはメロエッタが歌っている途中で、後ろから誰かがこちらを見て、正確には歌を聞いていることに気付いていた。

侵入者ではないのかとメロエッタは歌いながら視線で訴えたが、ソウハは「大丈夫」と口パクで伝えた。

 

 

「ローメローメ……(船のメンバーだったらあんなに逃げるようにしなくても良いのに……)」

 

「人見知りなんだろう、俺達と年も近いようだったし……そろそろ戻るか」

 

「ロメ!(うん!)」

 

 

 

???の部屋

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ………」

 

「クワ~ス?」

 

 

その部屋には、朝から走ったことで息を切らしている1人の少女がベッドに仰向けで寝ていた。その少女を心配するかのように、アヒルに似たポケモンがベッドの上に乗り、少女の顔を覗き込む。

 

 

「クワッス…大丈夫だよ。ちょっと走っただけだから……」

 

「クワ?」

 

「・・・」

 

「クワ~ス!!」

 

 

その少女がソウハとメロエッタの近くにいたのは偶然だった。

珍しく早起きし、トイレに行って部屋に戻ろうとした時、どこからともなく美しい歌声が聞こえてきたのだ。聞いてるだけで心が癒されるような……そんな歌声に釣られて来てみたら、見知らぬ者と見たことがないポケモンがいたのだ。

 

一瞬驚いたが、背格好から最近入った新人の1人であるということに気付く。1日中部屋にいる少女にとって、いきなり話し掛ける勇気は出ず、そのまま物陰に隠れながら歌を聞いていた。

 

歌が終わり、その場から離れようとした瞬間に声を掛けられた時は慌てふためき、走って自室まで戻ってきたのだ

 

 

その少女は息を整えると、パソコンに向かって調べ始めた。

 

 

「あのポケモンは……え~と……」

カタカタカタッ(キーボードを叩く音)

 

「クワッス?」

 

「あ、あった!……メロエッタ……生息地はイッシュ地方……!!」

 

 

画面に映し出されたのはメロエッタであった。

 

 

「幻と呼ばれる程珍しいポケモン!?」

 

「クワ~?」

 

「その歌は聞いた者の感情を自在に操る力を持つ……メロエッタの歌声を聞いた音楽家達はインスピレーションを刺激され、それを基にいくつもの名曲が作られた……」

 

「クワックワッ!」

 

「そんな凄いポケモンを持ってるなんて」

 

 

メロエッタの画像を消し、次は別のことを調べ始めた。

 

 

「ポケモンリーグ最年少優勝者、ソウハ……」

 

 

調べたのはソウハのことであった。画面に表示されている1つの再生ボタンをクリックした。その動画にはソウハとガラル地方のチャンピオンであるダンデが映っていた。

 

対戦しているポケモンは、チャンピオンのリザードンとソウハのミジュマルことテンブである。

 

その2体のバトルは時には技が激しくぶつかり合い、時には静かにお互いの腹を探るかのように見つめ合い、一方が攻め一方が防御に徹したと思いきや、いつの間にか攻守が交代していたり……言葉で表現するのが難しいバトルであった。

 

だが、身体はとてつもない程興奮していた。

 

自分がバトルしている訳ではないのにだ。

 

動画越しでこれなら、実際のスタジアムで観戦したら、どれ程の熱気なのだろうか。

 

 

「知りたい……その強さの秘密を………」

 

 

少女の名はドット、目元までかかっている紫髪が特徴の……ライジングボルテッカーズのメンバーであり

 

 

「………そろそろ、動画でも撮るか」

 

「クワックワッス~♪」

 

 

動画配信者でもあった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

ブレイブアサギ号 

 

 

ウィングデッキ

 

 

「ん~~♪良い風♪」

 

「ニャオハ!!」

 

 

リコとニャオハはデッキでそよ風に当たりながら過ごしていた。

ニャオハは床に寝転がりながら毛繕いをし、リコはスマホロトムでニャオハ観察日記を書いていた。

 

 

「(ニャオハは毛繕いが好き、放っておくと1日中やっています)」

 

 

ニャオハの特徴と絵を描いていると

 

 

リコーー!!

 

「ん?」

 

 

自分の名前を呼ぶ声が聞こえたと思った瞬間、後ろのドアからロイとホゲータが現れた。

 

 

リコーー!!あ、ここにいた!!」

 

「うわ、ロイ!?…朝から元気だね…」

 

「シャーー!!」

 

 

リコもニャオハもいきなりの登場に驚く。

 

 

「リコ、やろうよ!!」

 

「え?……やるって?」

 

「決まってるじゃん!!せっかくポケモントレーナーになったんだから、やることは1つしかないじゃん!!」

 

「……あぁ!!」

 

 

リコはロイの言葉の意味を理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

バトルフィールド

 

 

「ニャ!!」

 

「ホゲ!!」

 

 

ブレイブアサギ号には、ポケモンバトルを行う事が出来るバトルフィールドがある。バリアを展開することでフィールドの中で発生した攻撃が船に当たらないようにしている。

 

そこで今、モリーを審判としてリコのニャオハとロイのホゲータがバトルをしていた。

 

 

「ホゲータ『ひのこ』!!」

 

「ホッゲッ!!」

 

「ニャオハ『このは』!!」

 

「ニャッハッ!!」

 

 

ホゲータの口から『ひのこ』が、ニャオハの首もとから『このは』が放たれ、フィールドの中央でぶつかり、打ち消し合う。

 

 

「『ひのこ』『ひのこ』『ひのこ』!!」

 

「『このは』『このは』『このは』!!」

 

「ゲッゲッゲッゲッ!!」

 

「ニャッニャッ!!ニャオハッー!!」

 

 

リコは『このは』を、ロイは『ひのこ』を連呼し、ニャオハとホゲータも『このは』と『ひのこ』を連発する。

だが、威力も弱く照準も合っていないため、打ち消し合うか的外れな場所にいくかのどっちかであった。

 

 

「まだまだホゲータ!!」

 

「決めるよニャオハ!!」

 

 

2人はそう声を掛けるが、ニャオハとホゲータは暫く『このは』と『ひのこ』を放った後、両者とも疲れたのか、技を撃つのを止めてその場で動かなくなった。

 

 

「ニャ~」

 

「ホゲ~」

 

 

「「え?」」

 

 

「はぁ……バトル終了、引き分け」

 

「「え~~……」」

 

 

予想してなかった結果にリコもロイも思わず「え~~」と言ってしまう。

そんな時、モリーのスマホロトムが鳴った。リコとロイのスマホロトムはフリードに預かられており、手元には無い状態であった。

 

 

ロトロトロト……ロトロトロト……ロトロトロト

 

 

「フリードからだ」

 

 

モリーがスマホロトムをスピーカーにすると

 

 

『皆、ミーティングルームに集合してくれ』

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

ミーティングルーム

 

 

「よし、アップデート完了だ」

 

「ありがとうございます!」

 

「やった!ポケモン図鑑が入ってる!」

 

 

フリードが3台のスマホロトムをソウハ達に返す。

新たにライジングボルテッカーズに入った3人のスマホロトムをアップデートさせたのだ。

 

 

「あれ、このアプリって?」

 

「船のマーク?」

 

 

3人のスマホロトムにはこの船のマークのようなアプリが入っていた。

 

 

「『ライジングボルテッカーズアプリ』をインストールしたんだ。そのアプリは仲間の証、お前達は正式にこの船の一員だ」

 

「「!!」」

 

「なるほど」

 

「メンバー同士で連絡を取り合えるグループ機能もあるからな!何かあったら直ぐメッセージを送るように」

 

「「はい!」」

 

「分かりました」

 

「(仲間の証!メッセージグループ!とってもドキドキします!)」

 

「ありがとうございます!フリードさん!」

 

「堅苦しいのは無しだ、フリードで良いぞ」

 

「!!分かった、フリード!」

 

「順応早っ」

 

「メンバー同士フレンドリーで行こう、リコとソウハもな?」

 

「えっ?……あ、ありがとう……フ、フリード……」

 

「それじゃあ……改めてよろしく、フリード」

 

「おぉ良いね!段々俺達のやり方に慣れてきたなぁ……って」

 

「・・・」ピコッピコッ(ポケモン図鑑をいじってる)

 

「聞いちゃいねぇし」

 

「(本当に順応早いな、ロイは)」

 

 

「僕のポケモン図鑑!!ここに絶対あのレックウザを登録してやるんだ!!」

 

「ホーゲー!」

 

 

ロイはあの黒いレックウザを捕まえることを第一の目標としていた。古の冒険者のように伝説のポケモンに挑戦すること、それはレックウザに挑戦することと同じである……そうロイの中で決めていたのだ。

 

 

「でも、何処に行ったのか……」

 

「たしかに、探しようがないかも」

 

「何か手がかりがあればな……」

 

 

「そうだ、聞いてみるか?」

 

「「えっ?」」

 

「???」

 

「この船にはもう1人、『ドット』って言うメンバーがいるんだ」

 

「ドット?」

 

「あぁ、担当は情報収集」

 

「滅多に姿を見せないよ」

 

「会えたらレア」

 

「(いや、ポケモンじゃないんだし)」

 

「アプリを作ったのも、その子なんだ」

 

「えっ?その子ってことは」

 

 

「俺の姪っ子でね、君らと同じくらいの年だよ」

 

「そうなんですか!」

 

 

何と、ドットという子はマードックの姪っ子であった。

 

 

「(もしかして、朝に会った子は……)」

 

「アプリが作れるなんて格好いい!!」

 

「レックウザについて何か聞けるかもな、部屋に行ってみると良いさ」

 

「「「はい!」」」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

ドットの部屋

 

扉の前

 

 

「ってことで来てみたんだけど………」

 

「何か聞こえるな?」

 

「えっ?」

 

 

ソウハ、リコ、ロイと相棒達はドットがいるという部屋に続く廊下で何か鳴り響いていることに気付く。

 

 

「何だこの曲?」

 

「ミージュ?」

 

「この曲……!!『ぐるみん』だ!!」

 

「えっ!」

 

「ぐるみん?」

 

「ミジュマ?(ぐるみん?)」

 

 

ソウハは『ぐるみん』とは何かをリコに聞こうとしたら、リコは突然ドットの部屋の前まで走っていった。

 

 

「おいちょっと!」

 

 

ソウハとロイもその後に続く、そしてリコが扉の前に立った瞬間、あの曲が止まった。

 

 

「止まった?」

 

「動画見てたのかな?」

 

「なぁリコ、ぐるみんってなんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「えっ!!?」」

 

「………えっ?」

 

 

リコとロイが目を見開き、あり得ないといった表情でソウハを見た。

 

 

「ぐるみんを知らないの、ソウハ!!?」

 

「あ……あぁ」

 

 

それからリコはスマホロトムを取り出し、ソウハに熱心にぐるみんのことをこれでもかと教えた。そのリコの姿はこれまでの弱気な性格は少しもなく、目に炎を浮かばせて、姿勢を前のめりにしながら、早口で説明した。

 

 

 

「━━━━それでぐるみんはね」

 

「あぁもう分かったからリコ!!要するにぐるみんはニドリーナの着ぐるみを着て、ポケモンやポケモントレーナーに関する動画を撮影している人気の動画配信者ってことなんだな!?」

 

「そうなの!!ソウハもぐるみんの動画を見れば、もう絶対ファンになるよ!!」

 

「あぁ分かったから、一旦この話は止めよう。今はドットに黒いレックウザのことについて聞きに来たんだろう?」

 

「あっ!そうだった!!」

 

 

3人は気を取り直し、ドットの部屋の扉に向き合う

リコは扉を3回ノックしたが、応答はなかった

 

 

「返事ないね」

 

「……すみませーん!!ロイって言います!!」

 

「ちょっとロイ」

 

「ライジングボルテッカーズの新人です!黒いレックウザについて知りませんか!?どうしてももう1回会いたくて!!」

 

 

「ニャッ?」

 

「ん?……2人とも下」

 

「へっ?」

 

「えっ?」

 

 

ソウハに言われ、リコとロイが下を見ると扉の下に取り付けられている小さなポケモンが出入りできるポケモンドアから1匹のポケモンが飛び出してきた。

 

 

「クワッーース!!!」

 

 

「「「!!!」」」

 

「クワッ!クワッ!!」

 

「(あのポケモン……)」

 

「何だ、クワッスか」

 

「あのポケモン、たしかパルデアのポケモンだよな?」

 

「そうだよ、クワッスって言うんだ」

 

「よし、早速図鑑チャンス!!」ピ!(スマホロトムをかざす)

 

 

『クワッス:こがもポケモン みずタイプ 流れが急な川でも自由に泳ぎ回る脚力を持つ。綺麗好きで思い込みが強い』

 

 

「へぇ~!!」

 

「綺麗好きなのね、ニャオハと一緒」

 

「(ん?………このクワッスから感じる波動……)」

 

 

ソウハは目の前にいるクワッスの波動と似たものを何処かで見た覚えがしていた。

 

 

「お前可愛いな」

 

「クワ!!」

 

 

ロイがクワッスの頭を撫でようと手を伸ばすと、クワッスはその手をはたく。

 

 

「うわっ……何だよ」

 

「頭の毛が乱れるのが嫌なのかな?」

 

「そっか、ごめんよ」

 

「クワー」

 

「ん?何かクワッスの胸に紙があるぞ」

 

「あっほんとだ!何だろう?」

 

 

ロイが紙を広げると、そこにはロイとホゲータらしき人物の絵が描かれていた。だがロイの目は✕に、ホゲータの目はグルグルと回っていて、まるでバトルに負けた時のような風貌であった。

 

 

「これってロイとホゲータだよね?」

 

「バトルでやられてるってこと?」

 

「(いやいや、昨日ポケモントレーナーになった新人に何を求めてるんだよ……)」

 

「ミージュ……」

 

「何か失礼な奴」

 

「仕方ないよ、私達新人なんだし」

 

「……たしかに、さっきのバトルも何か上手くいかなかったし」

 

「ん?2人ともバトルしてたのか?」

 

「うん……でも何か、ソウハがやってたようなポケモンバトルは出来なかったんだ」

 

「結局最後はニャオハとホゲータがやる気失くしちゃったみたいで、引き分けになったし……」

 

「あ~~なるほど、初心者によくあることだな」

 

「そうなの?」

 

「まぁな……じゃあ2人とも、俺と一緒にポケモンバトルの特訓するか?」

 

「えっ!?良いの!?」

 

「ホゲッ!」

 

「勿論、だけどやるからには厳しめにやっていく、それでも良いな?」

 

「全然良いよ!レックウザをゲットするには、1秒でも早く強くならなきゃいけないからね!」

 

「リコはどうする?」

 

「……私も、ニャオハと特訓したい!!」

 

「学園の時の特訓よりもハードになる、それでも良いか?」

 

「うん!……皆を巻き込んで迷惑かけてるし、学園や島でエクスプローラーズが襲って来た時、フリードやソウハ、ミュウが来てくれなかったら……きっとペンダントは奪われてた。だから、湖で特訓してた時よりも厳しくお願い!!」

 

「よし!!やるか!!」

 

「「うん!!」」

 

「……とその前に」

 

「「えっ?」」

 

「2人は先にバトルフィールドへ向かっててくれ、俺はちょっとドットと話したいことがあるんだ」

 

「話したいこと?」

 

「あぁ、出来ればドットと2人で話したいことなんだが良いか?」

 

「分かった!じゃあ先に行ってるね!」

 

「早く来てね~!」

 

「分かってる」

 

 

リコとロイは1足先にバトルフィールドへ行った。2人の背中が見えなくなった所でソウハは改めて扉に向き合う。

 

 

「ドット、ソウハだ」

 

 

 

 

ドットの部屋

 

 

 

「朝、メロエッタの歌を後ろから聞いてたのはドットだろ」

 

「!!!(バレてる!!)」

 

「別に怒ってる訳じゃないんだ、俺もメロエッタも」

 

「えっ?」

 

「ただ、感想を聞きたかったんだ」

 

「(感想?)」

 

「メロエッタの歌、どうだった?」

 

「………」

 

「もし恥ずかしくて言えないんだったら、扉をノックしてくれないか?『悪かった』なら1回、『良かった』なら2回、『めっちゃ良かった』なら3回、してくれないか?」

 

「………(それぐらいなら)」

 

 

ドットは椅子から降りて扉に近付き

 

 

トン、トン、トン

 

 

「おぉ!!めっちゃ良かったか!」

 

「……(そりゃあ勿論)」

 

「メロエッタも喜んでくれる、ありがとなドット!」

 

 

ソウハはそれを聞くと、リコ達を追いかけに行ったのか、扉から離れて行った。

 

 

「……あれがポケモンリーグ優勝者、ソウハ」

 

 

ドットは少し扉を開け、ソウハの後ろ姿をこっそり見ていた。その扉の隙間から、部屋に出ていたクワッスが部屋に入ってきた

 

 

「クワックワッ!!」

 

「あ、クワッス」

 

 

クワッスはドットにロイとホゲータが描かれている紙を突き返している。まるで何か怒っているかのような

 

 

「クワッス!クワックワッ!」

 

「うっ……分かってるよ、流石にあの絵はやり過ぎたと思ってるよ」

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

バトルフィールド

 

 

ソウハはドットの部屋を後にして、バトルフィールドにやって来るとリコとロイがいた。

 

 

「あ、ソウハ!」

 

「ドットとの話は終わったの?」

 

「まぁな、それじゃあ早速やるか2人とも」

 

「「うん!」」

 

 

各々が準備をし始め、バトルフィールドが展開していく途中でフリードがやって来た。

 

 

「あれ、3人ともどうした?ドットの所に行ってたんじゃなかったのか?」

 

「あ、フリード」

 

「実は━━━━━━」

 

 

ソウハはリコとロイがドットに相手にされなかったことをフリードに説明すると、これからポケモンバトルの特訓を始めることを伝える。

 

 

「そうか、やっぱり相手にしてもらえなかったか」

 

「まぁ、俺はちょっとは会話できましたけど」

 

「あいつはトレーナーの実力に厳しいからな、それでリコとロイは強くなりたいのか?」

 

「うん!もっと強くなって、ライジングボルテッカーズのメンバーとして、胸を張れるトレーナーになりたいんだ!」

 

「ホンゲッ!!」

 

「私は……今度は守りたい。大切なものを、みんなを……またエクスプローラーズが襲ってくるかもしれない。その時までに、少しでも強くなりたくて」

 

「……という訳で、これから俺が2人の特訓をすることに」

 

「なるほど、2人の気持ちはよく分かった。だったら、俺とバトルしようぜ!!」

 

「「「…………えっ!!?」」」

 

「フリードと?」

 

「あぁ!!」

 

 

特訓は思わぬ方向へと転がった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

『よ~す!!ポケモントレーナーのみんな!!ぐるみんしてる!?ぐるみんの動画だぜ!!ポケモンを強く育てるために必要なこと!!それは、1にバトル!!2にバトル!!とにかく色んな相手とバトルして、経験を積ませることが大切なんだ!さぁみんな、今すぐポケモンバトルしようぜ!!』

 

『クワッ~ス!!』

 

「初めから輝きを放つものなどない。石と石はぶつかり合い、互いに磨かれる。果たして……」

 

 

ランドウはスマホロトムでぐるみんの動画を見ながら、そう呟いた。

 

 

「バリア展開!!」

 

 

船を守るためのバリアが展開され、モリーが再び審判となる。だが、さっきと違ってリコとロイがペアとなり、フリードが対戦相手として反対側に立っていた。

 

リコとロイのポケモンは勿論ニャオハとホゲータ、フリードはリザードンを出していた。

 

 

「さ~て、いっちょ揉んでやるか」

 

「リザァ!」

 

「やったなホゲータ!憧れのリザードンとバトル出来るんだぞ!」

 

「ホッゲッ!」

 

「僕達の力を見せてやろう!」

 

「ホンゲッ!!」

 

「ロイ……ニャオハ、私達も頑張ろう!!」

 

「ニャオハ!!」

 

「おーい!!リコ、ロイ頑張れよー!!」

 

「あ、ソウハ!」

 

「うん、頑張る!!だからそこで観てて!!」

 

「あぁ!!」

 

 

そこにはソウハだけでなく、ドットを除いた他のライジングボルテッカーズのメンバーも観戦しに来ていた。

 

 

「ピッカピッカ!!」

 

「ブイブーイ!!」

 

「(頑張るでしゅ)」

 

「(良い試合、見せてくれよな~!)」

 

 

テンブだけでなく、ソウハのピカチュウ、イーブイ、シェイミもモンスターボールから出て、ソウハ達と一緒に観戦していた。

 

いざ、バトルが始まるかと思ったその時。

 

 

ピカッ!!!

 

 

「「!!?」」

 

 

突然フィールド上空から雷が降って来た。

 

 

「えっ!?」

 

「あれは……」

 

 

激しい稲妻がフィールドの周囲に放たれている。

稲妻が晴れるとそこには、キャップテンピカチュウことキャップが腕を組み立っていた。

 

 

「良かったな2人とも、キャップが相手をしてくれるってよ!」

 

 

「ピーカ、ピカチュウ!!(さぁ()るか、ひよっこども!!)」

 

 

「「ええっ!!?」」

 

「おぉ、ここであのキャップのバトルを観れるなんて」

 

「ピカッ、ピカチュウ(やっぱり強いね、あのピカチュウ)」

 

「あぁ、バトルしてみたいか?」

 

「ピカッ!(勿論!)」

 

 

リコとロイはいきなりのキャップの出現に驚き、ソウハはキャップのバトルが観れることに嬉しさを感じていた。

ソウハはこれまでの旅の経験から、そのポケモンがどれ程の強さを持っているのかを波動や直感から見抜くことが出来る。

 

そのためキャップを見たときも、強さは平均的なピカチュウの強さを越えているようであった

 

 

「1回でも攻撃が当たればお前達の勝ちだ」

 

「ピーカチュ!」

 

「1回当てるだけだったら楽勝だよな、ホゲータ!!」

 

「ホンゲッ!!」

 

「油断しないで、相手は……強いよ!!」

 

「ニャオ!!」

 

「(リコの言う通りだ。今のニャオハとホゲータのレベルじゃあ、1対1では攻撃を当てることも難しい……だが、冷静に考えて、協力し合えばチャンスは訪れる)」

 

 

そして遂にバトルが始まる。

 

「バトル開始!!」

 

 

「いくぞ、ホゲータ『ひのこ』!」

 

「ニャオハだって、『このは』!」

 

 

「ホーゲッ!」

 

「ニャーオハ!」

 

 

ホゲータの『ひのこ』とニャオハの『このは』がキャップに向かって放たれるが

 

 

「(あれはダメでしゅね)」

 

「ブーイ……(多分途中で……)」

 

 

ボコォン

 

 

「あっ!?」

 

「やっちゃった」

 

 

『ひのこ』と『このは』はキャップに届く前に互いにぶつかり合い、消失した。

 

 

「おいおい」

 

「こんなんで大丈夫か?」

 

「(あの『このは』……技の精度も命中率も、まだまだでしゅね)」

 

「ブイブイ(『ひのこ』もちゃんと相手を見て狙ってないよ)」

 

 

オリオにマードック、シェイミとイーブイがそう呟く。

 

 

「とにかく攻める!!『ひのこ』『ひのこ』『ひのこ』!!」

 

「私だって!!『このは』『このは』『このは』『このは』!!」

 

 

リコとロイは初めのバトルの時と同様に技名を連呼するが、1つも当たっていなかった。

 

 

「リコ!ロイ!がむしゃらに技を出すんじゃない!!お前達2人は今、一緒に戦っているんだ!!それを上手く活かせ!!」

 

 

ソウハはたまらず、2人にそう呼び掛ける。

 

 

「一緒……そうだ、バラバラに攻撃してちゃ敵わない。ロイ、2人で行こう!!」

 

「分かった!!コンビ技だね!!」

 

「ニャオハ!!『このは』いっぱい!!」

 

「走れホゲータ!!『たいあたり』!!」

 

「ニャ~オ~ハ~!!」

 

 

ニャオハから大量の『このは』がキャップに向かって放たれた。

 

 

「そうだ、それで良い。このバトルは2対1であるってことを忘れるな」

 

「(へぇ~、あのレベルであそこまでの量の『このは』を出せるなんて、中々のものでしゅね)」

 

「シェイミもそう思うか?やっぱりあのニャオハが出す『このは』………通常の『このは』よりも多いんだよな」

 

 

シェイミとソウハがそう呟く中、『このは』でキャップの視界を塞ぐことに成功し、ホゲータがキャップのいる所に向かって『たいあたり』を繰り出したが

 

 

「ホーーーンゲッ!!」

 

 

コテン……コロコロ

 

 

「ホッ?……ホンゲッ?」

 

 

「えっ?」

 

「いない!?」

 

「フッ……」

 

 

『このは』で囲んでいた筈なのに、そこにキャップはいなかった。

 

 

「一体どこに!?」

 

 

シュン

 

 

「ニャ!?……ニャー!!」

 

 

キャップはニャオハの背後に現れた。それに気付いたニャオハはすぐさま距離を取る。

 

 

「!!いつの間に!!」

 

 

「ピーカ……(早い……)」(ソウハのピカチュウ)

 

 

 

「ニャオハ『ひっかく』!!」

 

「ニャー!!」

 

 

リコは突然現れたキャップに驚きながらもニャオハに『ひっかく』を指示する。

ニャオハは爪を立ててキャップに『ひっかく』攻撃をするが、キャップに当たることなくすり抜け、また消えてしまった。

 

 

「えっ!?」

 

「ニャ!?」

 

 

すると今度はホゲータの前にキャップが現れた

 

 

「ホゲータ『ひのこ』!!」

 

「ホゲッ!!」

 

 

ホゲータはキャップに『ひのこ』を放ったが、キャップをすり抜け、消えてしまった。

そして今度は、背後だけでなくフィールドのあちこちにキャップがたくさん出現した。

 

 

「えぇ!!?キャップがいっぱい!?」

 

「これってまさか……」

 

「『かげぶんしん』か……」

 

「その通り、本物を見つけられるかな?」

 

 

「ピーカチュ」「ピーカ!」「チュッピ!」

 

「シャーー!!」

 

 

キャップの分身の何体かが、ニャオハに向かって挑発的な顔をして、それにニャオハは怒り

 

 

「ニャーー!!」

 

「(挑発されて怒ってる)……ニャオハ駄目!!落ち着いて!!」

 

「ニャッニャッ!!」

 

 

ニャオハはキャップの挑発に乗せられてしまい、リコの指示を聞かずキャップに飛び付く。

しかしそれも『かげぶんしん』の分身であるため、すり抜けられてしまう。

そうしている内にどんどんキャップの分身が増えていった。

 

 

「キャップがどんどん増えていってる!」

 

「どれが本物なの!?」

 

 

「(あのキャップっていうピカチュウ、上手いでしゅね。相手をわざと挑発させることで思考力を奪って、がむしゃらに分身を攻撃させる……分身が減ってきたらまた『かげぶんしん』を発動させる。体力は攻撃側の方が多く消耗するでしゅから、これが続けば……その内あの2体はへばるでしゅね)」

 

「ブ~イブイ、ブイブイ!(今はキャップが攻撃していないからあの子達は的確に分身を減らして行ってるけど、攻撃してきたら分身を減らすことも難しそうだね!)」

 

 

「リコ、ロイ、落ち着け!!トレーナーが慌ててたら、それはパートナー達にも伝染する!!『かげぶんしん』だから分身は増えても実体は1つしかないんだ!!キャップの動きをよく見ろ!!」

 

 

「そう言われても……」

 

「キャップはいっぱいいるし、どのキャップを見たら……」

 

「1体1体じゃなく、全体を見るんだ!!しっかりキャップの『かげぶんしん』を観察すれば本物を見つけられる!!」

 

「キャップをちゃんと見る……」

 

「……ニャッ!!」

 

「あ、ニャオハ!!」

 

 

リコはソウハの指示を聞き、フィールド全体のキャップを見ていたが、またもやニャオハが勝手に飛び出しキャップに突撃する。

だが、ニャオハがぶつかったのは『かげぶんしん』の分身であった

 

だがリコは全体の分身の動きを見て、あることに気付く。

 

 

「(そうか!!全部にぶつかっていけば、いずれ本物にたどり着く。ニャオハの動きとキャップの増えていく先を追えば……!!)……見えた!!」

 

 

「うそ!!」

 

「フッ……」

 

「『かげぶんしん』を見破ったか」

 

 

「ただめちゃくちゃに増えている訳じゃない……本物は今後ろに向かってジグザグに移動している!!」

 

「そうか!!それを追っていけば!!」

 

「最後に残ったキャップが本物!!」

 

 

「(よく見つけたな、リコ)」

 

「(バトルでは、そういった思考力も必要になってくるからな)」

 

 

ニャオハは右から、ホゲータは左から『かげぶんしん』の分身にぶつかっていくと、フィールドには本物のキャップだけが残った。

 

 

「あれが本物のキャップ、ニャオハ『ひっかく』!!」

 

「ニャー!!」

 

 

分身が全て消えて残ったのが本物だと分かり、リコはニャオハに『ひっかく』を指示して攻撃した。

だが、キャップは真上にジャンプして躱す。

 

 

「惜しい!!」

 

「やるじゃないか」

 

 

「ニャオハ!もう一度『ひっかく』!!」

 

「ホゲータは『たいあたり』!!」

 

 

リコとロイが技を指示すると、ニャオハとホゲータはキャップの落ちてくる地点まで移動したが

 

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「……ピカッ?」

 

 

スタッ(キャップが着地する)

 

 

「・・・zzz~zzz~」

 

「・・・zzz ~zzz ~」

 

 

「「えぇ~!!?」」

 

 

ニャオハとホゲータは技を出さずに、その場で寝てしまった。

 

 

「バトル終了!!勝者キャップ!!」

 

「「なんで~!!?」」

 

 

「あちゃ~……」

 

「(まぁ、初心者あるあるだな)」

 

「(でも、ランチ前の暇つぶしにはなったでしゅ)」

 

 

「ホゲータ……」

 

「ニャオハまで……」

 

 

こうしてバトルはキャップの勝利となり、観戦していたソウハやマードック、オリオもフィールドに入ってきた。

 

 

「アハハ、マイペースだねぇ。ニャオハもホゲータも」

 

「取り敢えず、ランチにするか」

 

 

「ランチ!?」

 

「ホゲッ!」

 

 

バトルが終わった後、ソウハ達はウィングデッキでマードックが作ってくれた料理を食べていた。

パスタにピザやコーンスープ、食後のデザートにはマードックがマホイップと作ったケーキやスフレ等が並べられていた。

 

 

「わぁ、美味しい!!」

 

「ニャッ!!」

 

「おかわり!!」

 

「ホンゲッ!!」

 

 

「パクパク……ゴクン……(悪くないでしゅね)」

 

「ピカチュ!!(本当にうまい!!)」

 

「ブイブーイ!!(この味付け良いね!!)」

 

「ミジュミジュ!!(いくらでも食えるぜこりゃあ!!)」

 

「ははっ、美味しいな、みんな」

 

 

ソウハはランチのため、バトルを観戦していたテンブ達だけでなく、ビクティニ達もボールから出してご飯を食べさせていた。

 

 

「ロメロメ~(このポフレ美味しい~)」

 

「ティーニティーニ!!(マカロンもこんなにいっぱい!!)」

 

「ミュミュミュ(このピザもチーズがトロ~ンってしててすっごく美味しい!!)」

 

 

ソウハのポケモン達にも大絶賛であった。

 

 

「僕もホゲータも辛いの大好きだから最高!!」

 

「ホンゲェ~」

 

「ニャッオ!!」

 

「ニャオハのも美味しそう……一口ちょうだい」

 

 

パクッ

 

 

「し、渋い……」

 

「アッハハ、ニャオハは渋い味が好みなんだな」

 

「えっ?」

 

「俺たち人間にも、甘いものが好きだとか辛いものが好きだとか、色々と好みがあるように、ポケモン達にも好みの味があるんだ」

 

「そうなんだ」

 

 

リコはスマホロトムを取り出し、ニャオハ観察日記にメモする。

 

 

「えっと、ニャオハは抹茶味が好き……(パートナーの好みはちゃんとメモしておかないとね)」

 

 

そんなこんなでランチタイムが終わり、ソウハが2人に話し掛ける。

 

 

「さ~て、ランチも終わったしそろそろ特訓の続きをやるか」

 

「うん!今度はソウハとバトルするの?」

 

「いや、キャップとのバトルで掴んだ感覚を、お互いにぶつけ合ってもらおうと思う」

 

「えっ?……どういう意味?」

 

「つまりリコとロイ、2人でポケモンバトルをするんだよ」

 

 

「「え、えぇ~!!?」」

 

「ニャオハ!?」

 

「ホゲッ!?」

 

 

 

バトルフィールド

 

 

再びバトルフィールドに行き、今度はリコのニャオハとロイのホゲータでポケモンバトルをすることとなった。

 

フリードとキャップもソウハ達と同じく観戦している。

また、ソウハのポケモン達全員も2人のバトルを見ていた。

 

 

「リコ、ロイ!!キャップとのバトルを思い出しながらバトルしろよ!」

 

 

「そう言われても...…」

 

「何をどうすれば……」

 

 

2人はフリードから言われたことにそう返しながら、バトルに挑む。

 

 

「バトル開始!!」

 

「(キャップとのバトル……まずは、相手の動きをしっかり見る……)」

 

「ニャッ」

 

「(ニャオハの動きをしっかり見る……)」

 

「ホゲッ」

 

 

「(……むやみに技を指示しなくなったでしゅね)」

 

「あぁ、2人ともしっかり集中して相手の動きを見ているな」

 

「ビックッティ?(どっちが先に仕掛けるかな?)」

 

 

リコとロイがそれぞれ相手ポケモンの動きを見ている。

 

 

「(ホゲータはどう動く……)」

 

「ホォ~ンゲッ」

 

「……えっ?」ズコッ

 

 

「ウーラァラァ!(ハハッ、呑気な奴だ!)」

 

 

リコがホゲータの様子を見ていると、ホゲータが口を開き、ゲップした。

その気の抜けた行動にリコは思わずずっこけそうになる。

 

 

「そっちが動かないなら、こっちから行くよ!ニャオハ『ひっかく』!!」

 

「ニャー!!」

 

「来るぞホゲータ、躱せ!」

 

「ホンゲッ!」

 

「そこで『たいあたり』!!」

 

「ホンゲェ!」

 

「ニャオハ下がって!!」

 

「ニャーッ!!」

 

 

「「………あれ?」」

 

 

「気付いたようだな、2人とも」

 

「ミジュ!」

 

 

リコとロイは今までやってきたバトルとは何かが違っていることに気付く。

 

 

「(見える、ホゲータの……相手の動きが)」

 

「(今までのとは、何か違う)」

 

「(そうか!今まで、相手を見ずに技を出しちゃってた……だから上手く出来なかったんだ。だけどキャップとのバトルで相手の動きが……ホゲータの動きがちゃんと見える)」

 

 

「ポケモンバトルは自分達だけでやっているんじゃない。相手の動きを見て、相手が繰り出す技に合わせて、どう行動するかを指示していくんだ」

 

「「はい!!」」

 

「(ポケモンバトルって面白い!)」

 

 

それからリコとロイは、冷静に相手の動きを見ながら技の指示を出し、ニャオハとホゲータもその指示のもと、バトルを行っていた。

 

 

「(キャップの時とは、明らかに違うでしゅね)」

 

「(リョウホウノジツリョクハホボゴカク……)」

 

「クゥーン(勝敗が分かれるとなると)」

 

「シャア(攻撃の命中率か)」

 

「ミジュ(だな)」

 

 

シェイミ、ゲノセクト、ラティオス、ゾロアーク、テンブはそう呟く。

タイプ相性で言えばほのおタイプであるホゲータの方が有利であるが、ニャオハはリコとソウハが学園にいた時に湖で特訓を行っていたため、レベル的にはニャオハの方が上である。

 

そのため5体は、どちらが正確に技を相手に命中させる『命中率』が高いかが勝敗を分けると思っている。

 

そんな中、バトルはいよいよクライマックスを迎える。

 

 

「いくぞホゲータ『ひのこ』だ!!ホッホッホッホッゲ~♪ホッゲホッゲホッゲゲッ~♪」

 

「ホッホッホッホッゲ~♪」

 

「今ここで!?」

 

 

「ロメッタ(歌のリズムに合わせて、『ひのこ』を大きくしてるんだわ)」

 

「ラーオス(面白いやり方だ)」

 

 

「ホッホッホッホ~ゲ!!」

 

 

ホゲータの口から、今まで出していたものよりも少し大きめの『ひのこ』がニャオハに向かって放たれた。

だが、リコとニャオハは慌てていない。

 

 

「ニャオハ、駆け抜けて!!」

 

「ニャーオハッ!!」

 

 

シュ!!シュ!!シュシュ!!シュシュ!!

 

 

「速い!!」

 

「あれって……」

 

 

「ニャーハー!!」

 

「ホゲッ!?」

 

 

ドン!!

 

 

ニャオハは『ひのこ』を躱し、そのまま素早いスピードでホゲータに突撃した。

ホゲータは避けることも防御することも出来ず吹き飛ばされ

 

 

「ホッ……ゲェ~……」

 

 

目を回していた。

 

 

「ホゲータ戦闘不能!ニャオハの勝ち!!」

 

 

「おぉ~!!」

 

「へぇ~!!」

 

 

「や、やった……やったよ!!凄いよニャオハ!!勝ったよ!!」

 

「ニャーハー!!」

 

 

リコはニャオハに駆け寄り、嬉しさと感謝からかニャオハの頭を撫でている。

ニャオハもバトルに勝ち、頭を撫でてくれていることが嬉しいようである。

 

 

「新しい技も覚えるなんて凄いよニャオハ!!」

 

「『でんこうせっか』だな」

 

「フリード、ソウハ!!」

 

「キャップとの特訓が実を結んだな、リコ」

 

「うん!キャップ、フリード、ソウハ、ありがとう!!」

 

「ピカ、ピカッチュウ」

 

「ハハッ、そうだなキャップ。これくらい大したじゃないな」

 

 

「キャップー!!」

 

「ロイ!!」

 

 

ロイはホゲータを優しく抱えながらリコ達のもとへ来た。

 

 

「キャップのおかげで僕もホゲータもポケモンバトルがもっと面白くなったよ!!ありがとう!!」

 

「ピーカ……ピーカ」

 

「ロイ、キャップが「それなら良かった、またバトルしたい時は相手になる」だってさ」

 

「本当!?ありがとうキャップ!!」

 

 

そしてロイはリコの方を向いた。

 

 

「バトルでは負けたけど、とっても楽しかったよリコ!!」

 

「ロイ……うん、私も!」

 

「次やるときは絶対勝つから、な!ホゲータ!」

 

「ホッゲ!!」

 

 

リコとロイはライジングボルテッカーズのグータッチを行い、更にキズナを深め合った。

 

 

「ピカッチュ!!」

 

「ん?」

 

「ピカピーカ!!」

 

 

ソウハのピカチュウがソウハに向かって話し掛けた。

 

「……分かった、頼んでみるよ」

 

「ソウハ、ソウハのピカチュウどうしたの?」

 

「ニャ?」

 

「フリード、俺のピカチュウがキャップと戦ってみたいそうなんだ」

 

「「えっ!?」」

 

「フリード、キャップ、俺と俺のピカチュウでポケモンバトルをしてくれないか?」

 

「あぁ勿論良いぜ!!俺もソウハの実力を実際にバトルして確かめたかったところなんだ!!キャップも良いよな?」

 

「ピカッ!!チュウピッカ!!(勿論だぜ相棒!!あの2体だけじゃ物足りなかったところだ!!)」

 

「アハハッ……キャップも良いって言ってくれてるのでやりましょうか」

 

「おう!」

 

 

今度はフリードとソウハがバトルすることとなった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

フィールドにはフリードとソウハ、そしてキャップとソウハのピカチュウが居た

 

 

「ピカチュウ、頼んだぞ!」

 

「ピッカ!!」

 

 

「キャップ、ソウハのピカチュウが相手だ!全力で行くぞ!」

 

「ピーカチュ!!」

 

 

キャップは本気で挑むため、いつも被っている船長の帽子をフリードに投げ渡した。

 

 

バトルフィールドの外にはリコとロイが加わり、バトルが始まるのを待ちわびていた。

 

 

「ソウハとフリードのバトル……(とても凄いバトルになるような気がします!!)」

 

「ニャ~」

 

「僕たちが手も足も出なかったキャップ相手にどんなバトルをするのか、楽しみだなホゲータ!!」

 

「ホンゲッ!」

 

 

「準備は良いね?バトル開始!!」

 

「まずは力量を測る、ピカチュウ『アイアンテール』!!」

 

「ピカッ!!チュウー!!」

 

「キャップ『かみなりパンチ』!!」

 

「ピカピカ!チュッピー!!」

 

 

ズシ!!ズシ!!  バァーーン!!

 

 

ソウハは『アイアンテール』を、フリードは『かみなりパンチ』を指示し、お互いのピカチュウは接近して『アイアンテール』と『かみなりパンチ』をぶつけ合った。

 

周囲には黒煙が舞い、衝撃はリコ達がいるフィールド外まで届く。

 

 

「うわわっ!?凄い、あれが本気を出したキャップの実力なんだ!!」

 

「ソウハのピカチュウも凄い……やっぱり私達のバトルの時は全然本気じゃなかったんだ!!」

 

 

「威力は……互角か?」

 

「(いや、違う)」

 

 

煙が晴れるとそこには、『かみなりパンチ』を放った手を押さえながら立っているキャップと殆どダメージを負っていないソウハのピカチュウがいた。

 

 

「「!?」」

 

 

「ピッ……ピカッ……」

 

「大丈夫かキャップ!?」

 

「ピィーカ!!」

 

 

キャップは「問題ない!!」と言うようにして、再び構える。

 

 

「分かっていたが、たった一撃でもこれくらいのダメージを受けちまうのか……(もう『かみなりパンチ』は使えないか)……キャップ『かげぶんしん』!!」

 

「ピッカ!!」

 

 

フリードの指示でフィールド全体に『かげぶんしん』を作り出す。

 

 

「あ!僕たちが苦戦した『かげぶんしん』だ!!」

 

「ソウハはどうやって対処するんだろう?」

 

 

「ピカチュウ!フィールド全体を覆うように『エレキネット』だ!」

 

「ピーカッピッカー!!」

 

 

「ピカ!?」

 

「な、なに!?」

 

 

ソウハのピカチュウは普通の『エレキネット』よりも何倍も大きい『エレキネット』を尻尾からキャップの分身達に向かって放った。

 

フィールド全体を覆い隠すぐらいの『エレキネット』は分身達と本物すべてを閉じ込めた。

 

『エレキネット』から発せられる電撃により分身達は消え、本物のキャップも『エレキネット』に捕らわれる。

 

 

「あれが『エレキネット』!?デカすぎでしょ!?」

 

「あんなやり方で『かげぶんしん』を消すなんて……」

 

「ニャニャ………」

 

 

「(まずい!!)……キャップ!!急いで『エレキネット』から抜け出せ!!」

 

 

「ピカチュウ『エレキネット』を振り回せ!!」

 

「ピーカッ!!ピーカッ!!ピーカッ!!」

 

「チュウー!?」

 

 

「なに!?」

 

「「えぇ!?」」

 

 

ソウハのピカチュウはキャップを閉じ込めたまま『エレキネット』を持ち、ハンマー投げのハンマーのようにして『エレキネット』をぶん回し始めた。

 

『エレキネット』の中にいるキャップは抜け出そうとしても振り回されていることで方向感覚が狂い、脱出できずにいた。

 

 

「キャップ!!『ボルテッカー』で『エレキネット』を破れ!!」

 

「ピーカッ!!」

 

「『エレキネット』を空に向かって離せ!!」

 

「チュッピ!!」

 

 

ピューーーン

 

 

「ピカッ!?」

 

「しまった!?」

 

 

フリードは『エレキネット』から脱出させるために『ボルテッカー』を指示したが、発動させたタイミングでソウハのピカチュウは『エレキネット』を離したため、キャップは体勢を崩し『ボルテッカー』を上手く発動出来なかった。

 

 

「今だ!『めざめるパワー』!!」

 

「ピーカピカッチュ!!」

 

「ピカ!!?」

 

 

ドガァン!!

 

 

「キャップ!!」

 

 

「ラティアス、キャップを!!」

 

「クゥゥーン!!」

 

 

ソウハのピカチュウから緑色のエネルギー弾『めざめるパワー』が空中にいるキャップに当たり、キャップは動けないようでそのまま落下してきた。

 

ソウハはバトルを観戦していたラティアスにキャップを受け止めるように指示を出す。

 

ラティアスは直ぐに飛び上がり、キャップは無事ラティアスの手に受け止められた。

 

 

「キャップ、大丈夫か!?」

 

「ピー……」

 

「……キャップ戦闘不能!ソウハのピカチュウの勝ち!!」

 

 

「ピッカ!!」

 

「お疲れ様、ピカチュウ」

 

「ピカピカ!!」

 

 

ソウハのピカチュウはソウハに抱きついている。

 

 

「ピー、ピーカッ……(負けちまった、すまねぇ相棒……)」

 

「キャップ……よく頑張ってくれたな。ありがとう」

 

「ピーカッ……(へへっ……)」

 

 

フリードはラティアスからキャップを受け取り労った。

キャップを抱きながらフリードはソウハの所に行く。

 

 

「ソウハ、分かってはいたがやっぱり強いな……まさかあんな大きな『エレキネット』を作ってぶん回しちまうとはな………驚かされた、完敗だぜ」

 

「フリード……キャップの強さは自分が予想していた以上のものだった。バトルしてくれてありがとう!」

 

「フッ……リーグ優勝者からそう言ってくれると、俺としては嬉しいぜ。こっちこそ、ありがとな!」

 

「ピーカッピカピカ!!(今回は負けちまったが、次はこうは行かないぜ!!)」

 

「ピカッチュ!!(こっちだって!!)」

 

 

キャップはソウハのピカチュウに対して闘争心を燃やす。

ソウハとフリードはリコとロイの様にライジングボルテッカーズのグータッチをしてこちらもキズナを深め合った。

 

 

「凄い...…本ッ当に凄かった!なぁホゲータ!!」

 

「ホンゲッ!ホンゲッ!」

 

「あれが、ソウハの実力。私達が手も足も出なかったキャップをあっという間に」

 

「ニャッ!!」

 

「僕も……僕ももっと腕を上げて、ソウハやフリードのようなバトルをしてみたい!!」

 

「私も、ニャオハと一緒に強くなりたい……ね!ニャオハ!」

 

「ニャオハ!!」

 

 

「原石の微かな煌めき……胸が踊るのぉ、ほっほっほっ」

 

 

ロトン

 

 

「ん?……メール?ドットからだ!」

 

 

ソウハとフリードのバトルが終わった後、ロイのスマホロトムにメールが送られてきた。

 

その相手はなんと、ドットであった。メールを読んだロイはリコとソウハとともにドットの部屋へと向かった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

ドットの部屋

 

扉の前

 

 

コンッコンッ

 

 

ロイは扉をノックする。

 

 

「……ドット」

 

「……ついに会えるのかな?」

 

 

バン!!

 

 

「クワ~~スッ!!」

 

「「うわっ!!」」

 

 

ロイが扉をノックして暫くすると、朝の時と同様に下のドアからクワッスが出てきた。

 

 

「クワッ!!」

 

「またクワッスか……ん?……また胸の所に紙が挟まってあるぞ」

 

「あ、ホントだ」

 

 

ソウハはクワッスの胸元にある紙を取って広げる。

その紙にはどこかの地方の地図とその周りを囲うレックウザらしきポケモンの絵が描かれていた。

 

 

「これ、レックウザだ!」

 

「レックウザと……どこかの地図か?」

 

「これって、パルデアじゃない!?」

 

「それって、今向かっているパルデア地方!?」

 

「ってことは、レックウザは今パルデア地方にいるんだ!!ありがとう、ドット!!」

 

「ホンゲッー!!」

 

 

ロイはレックウザの情報を教えてくれたドットにお礼を言うと、ホゲータと共に廊下を走って行った。

 

 

「ドット、ありがとう。レックウザの居場所を教えてくれて……ねぇソウハ、ドットは私達のことを少しは認めてくれたってことかな?」

 

「そう解釈して良いと思うぞ」

 

「私、ちょっと気になる……ドットのこと、もっと知りたいな」

 

「良いんじゃないか?ニャオハの時と同じさ、仲良くするために相手を知ろうとすることは、友達になるための第1歩だ」

 

「うん!」

 

 

ソウハとリコもドットの部屋を後にした。

 

ライジングボルテッカーズ6人目のメンバーであるドットにより、黒いレックウザの情報を掴むことが出来た。

そんな中、リコはドットがどんな人物なのかが気になっていた。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

操縦室

 

 

「キャップ、もう怪我は大丈夫か?」

 

「ピーカピーカ(あぁ、もうすっかり治ったぜ)」

 

 

キャップはフリードに向かってグーサインを出し、問題ないということを伝える。

 

 

実はソウハ達がドットの部屋に行く前、ソウハがラティアスにキャップ、ニャオハ、ホゲータに『いやしのはどう』をかけていた。それにより3匹の傷も体力も回復し、医療室で休まなくても良くなったのだ。

 

 

「そうか、なら良いんだが。あんまり気にするなよ、相手はリーグ優勝者のピカチュウだったんだからな」

 

「ピーカ……」

 

「また次、勝てば良いんだ!!……なっ?」

 

「ピカ!!(あぁ!!)」

 

 

フリードはキャップのことを気にかけていた。フリードにとってキャップは自分の相棒であり、ジムリーダーのエースポケモンと同等以上の強さを持っている。

 

どんなピカチュウよりも強いと思っていたが、今回のバトルでソウハのピカチュウに敗れた所を見て、世界は広いと実感した。だからこそ、次にバトルをする時は勝つと闘志を燃やす。

 

 

「・・・・・」

 

 

一方でキャップはソウハのピカチュウのことについて考えていた。自身の『かみなりパンチ』と向こうの『アイアンテール』がぶつかった時、こっちは全力だったというのにあっちはまだ余裕を見せた顔で押し返してきた。その次の『エレキネット』の攻撃範囲やそれを振り回せる程の腕力、いくらリーグ優勝者のポケモンであったとしても、あそこまで強いものなのかと、少し疑問に思っていた。

 

 

 

 

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