ポケットモンスター ~少年が進む道はキズナによって切り開かれる~ 作:Kod
今回はソウハのゲノセクトについて記載してます
最近インフルエンザが流行ってますが、皆さんも体調に気をつけて下さい
夜
ソウハの部屋
コルサから黒いレックウザを森で見たという情報を手に入れたソウハ達は、ライジングボルテッカーズのメンバー全員に周知した。結果として、翌日に森を探索することが決まる。
ソウハは部屋で明日の準備をしていた。
「よし、こんなもんかな」
「ミジュ?(明日の準備か?)」
「あぁ、明日は森に行くからな。野生のポケモンがいるかもしれないから、準備は怠らないようにする」
「クティクーティー?(メガリングにZリング、ダイマックスバンドも持っていくの?)」
「そうだ。可能性は低いが、またレックウザと戦うかもしれないからな。用心するに越したことはない」
「ミュ~~ウ!!(そうなったら今度も僕がこてんぱんにやっつけてやるよ!!)」
そう言いながらミュウは宙に浮き、シャドーボクシングの動作を行っている。迫力はないが、本当にそれほどまでに出来る力をミュウは持っているため、ソウハや他のモンスターボールから出ているポケモン達の大半は苦笑いをする。
「ミージュ、ジューマ?(そう言えばソウハ、明日は誰を連れて行くんだ?)」
「そうだな~……この船の守りもあるからな」
「(ミィが行くでしゅ!!)」
「うぉ!?」
ベッドに座っていたソウハの後頭部にいきなりシェイミ(ランドフォルム)が乗ってきて驚く。
「シェイミ……びっくりするじゃんか」
「(ソウハ!!明日は絶対ミィも連れていくでしゅ!!)」
「えっ?どうしたんだ突然?」
「(最近ミィはこの船での留守番ばっかでしゅ!たまにはソウハと一緒に外に行きたいんでしゅ!)」
「……そうだな、分かった。明日連れていく手持ちの中には、シェイミは入れるよ」
「(やったーーでしゅ!!)」
「クティクティ(やれやれ)」
結果として明日ソウハ達と一緒に行くのはテンブ、シェイミ、ビクティニ、ラティアス、ミュウということになった。
明日の準備を整えたソウハはなるべく早めにベッドで眠りに就いた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
翌朝
オリーヴァの森
翌日、前日にオリーヴァの森まで道案内を頼んだネモと合流し、ソウハとリコとロイ、そして今回は本人の希望もありモリーとパートナーのラッキーも一緒に来ていた。
因みにテンブとシェイミはボールの中から出てきており、テンブはソウハの隣に、シェイミはソウハの右肩に乗っていた。
「これは……」
「酷い……」
「…………」
「(森が殆ど無いでしゅ)」
しかし、そこには予想していた緑溢れる自然豊かな森などは存在せず辺り一面が焼け野原と化していた。ソウハ達は森だった場所に足を踏み込むと土はかさつき、木は少し触っただけでボロボロと崩れてしまう。
「ここはついこの間、山火事があったんだ」
「ニュースでは落雷が原因だって、今の時期はどこも乾燥してるから」
「そんな~!!森が焼けてたら、森の謎が解けないよ~!!」
「でも丘の向こうの方は無事らしいよ」
「そうなんだ!!行こうホゲータ、ありがとうネモ!」
「ホーゲェ!」
「ネモ、案内してくれてありがとう!」
「これぐらいお安い御用~、じゃあ頑張ってね」
「うん!ありがとう!」
「ネモさん、案内してくれてありがとうございます」
「ミージュ!」
「ソウハ、また今度バトルしようね!」
「えぇ、またいつか!」
そう言い、ネモは手を振りながらボウルタウンへと帰っていった。
それからソウハ達は更に奥の方へと歩みを進める。だがそこには、草も木も花もポケモンの姿も見えなかった。
「ポケモンが全然いないね」
「ニャッー……」
「ラッキー……」
「(山火事でここに住んでいたポケモン達は皆、丘の方へ移動したみたいでしゅね)」
「可哀想……」
「でも、雨が降れば草木はまた芽吹く筈……いずれ森が蘇れば、ポケモン達も帰ってくる」
「………(そうして森が蘇るのには、何十年もかかる)」
「ミジュ……ミジュマ(そうだな……だけどよソウハ)」
「(あぁ、ここにシェイミを連れて来て良かった。シェイミ、お前の力なら森を蘇らせそうか?)」
「(これぐらいなら余裕でしゅ!でも、元の森がどんな感じだったのかもうちょっと向こうの森の方も見てみたいでしゅ!)」
「分かった」
ソウハとテンブはシェイミにこの森の再生を行えるかどうか尋ねると、可能だという。だが、元の草木の繁殖がどれ程のものだったのかを確認するため、シェイミは向こうの丘の森の中に入って知りたいという。
ソウハは丘の方へと歩みを進めると、先にロイとホゲータが見渡していた。
「うわぁ~!!」
「ホゲッ!」
「ネモの言った通りだ、あっちの方は全然大丈夫みたい。よかった……」
「ニャオハッ」
そこには、こっちの焼け野原とは正反対の自然豊かな森が広がっていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ソウハ達は丘の方の森の中へとやって来た。ロイとホゲータは我先にと森の奥へと走って行こうとする。
「それじゃあ先に偵察行ってくる!行こうホゲータ!」
「ホンゲッ!」
「おいロイ、ホゲータ!勝手に行くな!」
「大丈夫だよ!森には慣れてるから!」
「ホーゲホー!」
「迷子にならないでね!」
「ニャオハ!」
「迷ったら、あの大きな木の下で待ち合わせ!」
そう言ってロイは森の奥で一際大きくそびえ立っている木を指差す。
「それじゃあ行ってきます!」
「ホーゲー!!」
ロイとホゲータは森の奥の方へと走って行った。
「元気だね」
「ラッキ~」
「うん、大丈夫かな?」
「スマホロトムがあるから大丈夫だろ。連絡も取れるし、地図も見れる。最悪ラティアスで空から捜せばいいだけだ」
「そっか……何か心配で」
「うちには心配性ばっかいるからね」チラッ
「……おい、俺もかよ」
「アッ……アハハハハ……」(苦笑い)
「ミージュミージュ(確かに言えてる)」
「(過保護ってレベルでしゅからね)」
「おいおい……」
そんな風に会話をしながらソウハ、リコ、モリーとテンブ、シェイミ、ラッキーは森の中へと歩いて行く。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブレイブアサギ号
ミーティングルーム
そこにはフリードとマードック、オリオがいた。傍にはキャップとイワンコもいる。フリードとマードックは何やら難しい顔でスマホロトムと睨めっこしている。
「ん~~~……」
「ピーー……」
「う~~ん…………」
「どうしたの2人とも、そんな湿気た顔して」
「いや、ルッカ先生からまだ返事が来なくてな……でも何度も電話するのも気が引けるし」
「分かる」
「意外、そんなこと気にするんだ」
「俺も返事来ないんだよな。あの子達に晩飯なにが良いのか聞いたけどまだ返事なくて………まさか!アクシデントか!?」
「モリーにソウハも居るから大丈夫でしょ?大方、冒険の真っ最中で忙しいんでしょ」
「マードックお前、晩飯のやつ毎晩聞いてるだろ?」
「俺流のコミュニケーションなの」
「あんまり絡むとウザがられるぞ?」
「それで前、ドットにブロックされかけたでしょ?」
「妹の大事な子を預かってるんだ、構うし聞くだろ?」
「はぁ~、姪っ子って距離感ムズいな」
「……まぁ、親からしょっちゅう連絡きたら鬱陶しいって思われて当然か……」
「親に何も言わないから心配なんだよ、連絡したくなる気持ちも分かるだろ?」
「何で急に親目線なんだよフリード?」
「フフッ、今の話モリーも聞いていれば良かったのに」
「どういうことだ?」
「フフッ、別に~」
ランドウの釣り場
「立場が違えば、見えるものも違う。親と子供、人とポケモン。あの子らは違う立場でものを見ることが出来るかのう」
━━━━━━━━━━━━━━━━━
森の奥
ソウハ達は暫く森の中を探索していると、丁度よく倒れている木を発見する。ソウハは体力的にはまだ余裕だったが、リコとモリーの体力を考慮し、そこで休憩を取る事にした。
ニャオハとテンブは3人の近くで走ったり、跳び跳ねたりして自然の中で遊んでいた。シェイミはソウハの膝に乗り、ソウハの手でお腹や頭を撫でられながら日光浴を行っている。
「ミィ~♪」
「気持ち良いか、シェイミ?」
「(見れば分かるでしゅよね?ソウハのナデナデにこの気持ちの良い青空、文句なんてないでしゅ)」
「それなら良かった」
「ハハッ、シェイミはくさポケモンだから、やっぱり自然の中は心地良いんだね」
「(当然でしゅ!)」
ソウハ達は持参していたおいしい水を飲みながら、改めて森の観察を始めると森の中には木の上で囀ずるヤヤコマや草を食べるメェークルなどが確認できた。
「わぁ!……森の奥ってこんなにポケモンがいるんだ!」
「ん?地元なのに知らなかったのか?」
「うん。森の奥まで来たことなかったから」
「リコってやっぱお嬢様だな。フリード達に護衛の依頼するぐらいだから、お嬢様なんじゃないかとは思ったけど。家も大きかったし」
「ち、違うよ!/////だってあの頃はニャオハもいなかったかし、お父さんとお母さんも忙しかったから」
「ふーん……ねぇ、リコの両親はどんな仕事してるの?」
「お父さんは絵本を書く人で、お母さんは学校の先生だよ」
「リコはどっち似?」
「うーん……どっちにも似てないんじゃないかな?………どっちかに似てたら楽だったんだと思うけど」
「ん?どういう意味だ?」
「お父さんもお母さんもやりたいことがあっていいなって思ってたんだ。………私、何になればいいのか、何をやったらいいのか、分からなかったから」
「まぁ、それが普通だろうな」
「そうだよ、リコの歳で将来見据えてたら逆にやばい。…………私もリコと同じ。やりたいことなんて分からなかった。リコと私が違うところは、私には最初から道が用意されてたことかな」
「道?」
「……なぁモリー。これは俺の勘だけど、モリーってさポケモンセンターで働いてたんじゃないのか?」
「えっ?」
「!!……正解、なんで分かったの?」
「色々な地方を旅して来たからな。ポケモンセンターのジョーイさんは何処の地方もピンク髪、それにパートナーポケモンもラッキー、しかも医療の知識も豊富だからさ。何となくジョーイさんの様な雰囲気に似てたから、そうだと思ったんだ」
「勘が良いねソウハは……そう、私の家は代々ポケモンのお医者の家系でね。だから私も同じ道に進んだの」
「す、凄い……」
「別に凄くないよ。リコくらいの私って、本当に何も考えてなかったんだ。言われたことをやってきただけ……私自身ポケモンのことは好きだったし、仕事にやりがいを感じてたけど………辞めちゃった」
「辞めたって……」
「な、なんで?」
モリーはかつて、ポケモンセンターで働いていた。やりがいを感じていた仕事を何故辞めたのか、ソウハとリコは疑問に思う。
「その理由は………また今度ね」
「えっ?」
「まぁ、機会がくれば話すよ……リコは偉いね。ちゃんとお父さんと話して、旅に出たいって言ったんだから」
「それは………私だけじゃなくてソウハが背中を押してくれたおかげでもあるし」
「そこは褒めてるんだから、ドーンとする!」
「は、はい!」
「ハハッ」
「ニャーオハ!!」
「ミージュ!!(おーい!!)」
「ニャオハ?」
「テンブ?」
ソウハ達が話をしていると、ソウハ達のいる近くの茂みの中から、テンブとニャオハが顔を出して声をかけてくる。ソウハ達は立ち上がってテンブ達の元に行くとそこには小さな木があり、多くの木の実が実っていた。
「わーーっ!かわいい木の実!」
「オレンの実だな。ポケモンの回復にも使えるし、料理の材料なんかにも使える」
「へぇ~そうなんだ!」
「折角見つけたんだし、収穫していくか」
「じゃあここからは二手に別れて、オレンの実を集めようか」
「そうだな。オレンの実以外にも、他の木の実も集めておきたいし」
こうしてソウハとリコ、モリーの二手に別れて、木の実を集めることになった。
━━━━━━━━━━━━━━━━
ブレイブアサギ号
ウィングデッキ
「(ン?)」
そこには、ソウハに船の留守番を頼まれたゲノセクトがいた。船に近付く不審な人間やポケモンがいないかどうかを確認していた時、飛行船から少し離れた場所から何かを感じ取る。
「(ナンダ?)」
ゲノセクトは自身の複眼を利用し、遠くの物を見ることが出来る。するとそこには、1体のポケモンが何やら周囲に電磁波のようなものを放っている光景が見えた。
「(アレハ、レアコイルカ?)」
ゲノセクトはテレパシーを利用し、同じく留守番中のメロエッタ達を呼び、事情を説明する。
「ローメ……(たしかにあれはレアコイルね……)」
「イブ、ブーイブイ、イーブイ!(たしかレアコイルは、強力な磁力を常に周囲に放ってるから、その影響で多くの電子機器が壊れたりすることがあるんだ!)」
「グゥーガゥ!!(だったら直ぐに追い払う!)」
「(オレガヤル)」
そう言うとゲノセクトは手足と背中の砲台を折り畳み、高速飛行形態となって飛ぶと
シュン!………………………シュン!!
「レァ!?」
「(クラエ)」
ヒュッーーバーーン!!
『しんそく』であっという間にレアコイルに近付き、砲台から茶色のエネルギー砲『テクノバスター(じめん)』を命中させた。
「レァコッ……」
レアコイルは吹っ飛び、ボウルタウンの海の方まで飛んでいった。
「(コレデカイケツシタ)」
「…………」
「ブーイ?(メロエッタ、どうかした?)」
「……メーロエッ(……いえ、何でもないわ。)」
メロエッタは先程のレアコイルに少し違和感を覚えていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
モリーと一旦別れたソウハとリコは様々な木の実を収穫していた。オボンの実やラムの実、ヒメリの実等がなっている木をニャオハとシェイミが次々と見つけてくれるため、2人の鞄やリュックは木の実でいっぱいとなる。
「これだけあれば充分だろ」
「うん!いっぱい採れたね!」
「食料はたくさんあることに越したことはないからな……マードックも喜ぶだろう」
「うん!…………あれ?…………私達どっちから来たんだっけ?」
「………えっ?」
「ニャ?(まさか?)」
「(まさか)」
「(まさかでしゅ)」
「迷ったみたいだな、俺達」
「えぇーーーー!!?」
リコが大声で叫ぶ。どうやら木の実を採取するのに夢中になりすぎてしまい、迷ってしまったみたいだ。
「リコ、落ち着いて。スマホロトムがあるだろ」
「あ、そうだった」
「ニャオハ~(しっかりしなさいよ、リコ)」
ソウハはスマホロトムを起動し、別れたモリーに電話をかける。
「もしもし、モリー」
『もしもしソウハ?どうかした?』
「ちょっと木の実の採取に夢中になりすぎて迷ったんだ。だからこれから、リコ達を連れてあの大樹の下に向かおうと思う。モリーもそこに向かってくれないか?」
『分かった、それじゃあこっちもその木に向かうから』
「あぁ、頼むよ」
ソウハはスマホロトムを切り、木の実が詰まった鞄を持つ。
「よし、モリーも今からあの大樹に向かうって言ってたから俺達も向かおう」
「うん!」
「ニャオハとテンブも行くぞ」
「ニャー!(了解!)」
「(おう!)」
リコも木の実が詰まったリュックを持ち、ソウハ達はロイの言っていた大樹へと向かう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
大樹の前
「これがこの森で1番の大樹か………てっぺんから探せばオリーヴァが見つかるかも!!」
「ホォーンゲ!!」
森の中を進んでいたロイとホゲータは現在、ソウハ達が目指している大樹の前に来ていた。ロイはこの大樹を登り、上から森全体を見渡せばオリーヴァを見つけられると考え、早速大樹を登ってみることにする。ロイはホゲータをリュックの中に入れ、慣れた手つきで登っていった。
「よいっしょ!……よいっしょ!……よし、あとちょっとでてっぺんだよ、ホゲータ!!」
「ホゲッ、ホゲッ!(頑張れ、ロイ!)」
ホゲータはリュックの頭から顔を出し、ロイを応援していた。大樹の頂上まであと少しだと思ったその時、ホゲータは何かを見つけた。
「ホゲッ!?ホゲホゲー!!(あれって!?ロイロイ!あれ!!)」
「どうしたホゲータ?」
ロイはホゲータがいきなりジタバタし始めたため、振り返って見るとホゲータが頂上にある何かを指さしていることに気付く。ホゲータが指さした場所を見てみると
「!!あれって、古のモンスターボール!?」
何と頂上には、古のモンスターボールが大樹に飾られているようにそこにあった。ロイは急いで古のモンスターボールを取ろうと登っていくと
ゴゴゴォォーー!!!
「うわっ!?な、なに!?地震!?」
「ホゲッ!!?」
突然ロイが登っている大樹が動き出し、森中に地震を発生させる。それは大樹を目指していたソウハとリコも感じ取っていた。
「な、なになに!?地面が揺れてる!?」
「ニャオハ!?(地震!?)」
「(いや、違う)」
「リコ、あの木動いてないか?」
「えっ?………ええっ!?ほんとだ!!」
「(ソウハ、あれは大樹じゃないでしゅ!!)」
「だな……リコ、急ごう!」
「う、うん!」
ソウハ達は急いで目印の大樹まで走り出す。
暫く走っていると、ソウハとリコは再び焼け野原となっている場所へと出た。
「これって!……ここでも山火事があったってこと?」
「おそらくな……まさかここまで被害が大きいとは」
「ニャ?……ニャオハ!!」
「ん?ニャオハ?」
ニャオハは焼け野原になっている場所で何かを見つけ、走り出す。ソウハ達も追いかけるとそこには、地面に倒れている1匹のポケモンがいた。
「ゥ………パァ……」
「大変!倒れてる!!」
「このポケモン、ウパーか?」ピッ!(スマホロトムをかざす)
『ウパー(パルデアの姿):どくうおポケモン じめん・どくタイプ 縄張り争いに敗れ、地上の沼地で生活するようになった。乾燥を防ぐため、毒の粘膜で身体を覆っている』
「やっぱりウパーか……皮膚がカサカサしてる」
「だから元気が無いんだ。あっそうだ、水をあげれば!」
ソウハとリコは元気の無いウパーに水を与えるために、さっき飲んでいたおいしい水をウパーの身体にかけた。ソウハがウパーの身体をそっと撫でると、自分の掌がピリピリするのを感じた。
「ソウハ、大丈夫?」
「あぁ俺は大丈夫だ。それよりもこの子をどうにかしないと」
ソウハはミュウとラティアスのモンスターボールを取り出して投げる。
PON!PON!
「ミュウ~♪」
「クゥーーン!」
「テンブは『ハイドロポンプ』で水を出してくれ、ミュウはその水を『サイコキネシス』でウパーを包み込むように浮かばせるんだ。ラティアスは『いやしのはどう』をかけてくれ」
「(了解!)」
「ミュウ!(分かった!)」
「クゥーン(任せて)」
ソウハは『ハイドロポンプ』の水を『サイコキネシス』で浮かせ、そこにウパーを漬かせる。そして、『いやしのはどう』で徐々に体力を回復させようという考えであった。各々が技を出そうとしたその時であった。
「サボネ!!」
「!!リコ危ねぇ!!」
「キャッ!!」
リコの背後から突然サボネアが攻撃をしてきた。ソウハは咄嗟にリコの身体を倒し、攻撃を避けさせたため怪我は負ってないようだが、いつの間にかサボネア以外にもキノココとハネッコがソウハ達を囲んでいた。
「ニャーー!!(いきなり何するのよ!!)」
「サボ、サボーネ!!(うるさい、仲間を返せ!!)」
バッバッバッバッバッバッバッバッ!!!
サボネアは『ミサイルばり』を発射してきた
「ニャオハ、『このは』!!」
「ニャーッハー!!」
ドカーーン!!!
『このは』と『ミサイルばり』がぶつかり合い、打ち消し合った。その隙をついて、サボネア達はウパーを狙っていたが━━━━━━
「ミュウ、サボネア達を捕えるように『サイコキネシス』」
「ミュウ!」ピカン!(ミュウの目が青白く光る)
「サボネ!?」
「ハネッ!?」
「キノォ!?」
━━━━━━ソウハにはお見通しであった。3匹はミュウの『サイコキネシス』によって宙に浮かされ、身動きが取れなくなる。
「悪いな、だが今は一刻を争う状況なんだ」
ソウハは悪いと思いながらも今は少しでも早くウパーの治療を行うのが重要であると思い、動きを封じたのだ。改めて治療を再会しようとした時
「リコーー!!ソウハーー!!」
「!!モリー!!」
「ナイスタイミングだ」
ソウハ達とは別の方向から、モリーとラッキーが走って来ていた。モリーは目印となっている大樹に向かっている途中、大きい衝撃音がしたためこちらへ来たのだ。
その衝撃音がニャオハの『このは』とサボネアの『ミサイルばり』であった
「ッ!ソウハ!そのまま、その子達を抑えてて!!」
モリーは弱っているウパーの姿が目に入ると途端に目つきが変わり、大急ぎでウパーの元まで走ってくるとそのまま医療キットを拡げ、治療の準備へと取り掛かる。
「サボネ!サボネ!(やめろ!触るな!)」
「キノー!!(仲間を傷付けるな!!)」
「(落ち着け!俺達はウパーを傷付けるつもりなんてない!!」
「(そうでしゅ!ソウハ達は今、あの子を助けようとしているんでしゅ!!)」
「(モリーがウパーの治療に集中できねぇから、少し黙ってろ!!)」
「サ………サボ……」
「……キー………」
「ハー………」
サボネア達は『サイコキネシス』で動けないが、ウパーに触ろうとしているモリーを見ると威嚇するように声を上げる。だが、テンブとシェイミの一喝を受け、シュンと大人しくなる。
モリーは医療用のゴム手袋をつけると、クリームを出してウパーに塗っていく。
「凄い……」
「速いな、それに的確だ」
ソウハは今までの経験から、ポケモンの治療方法は一通り行うことが出来る。近くにポケモンセンターが無かった時や今すぐ治療を行わなければ命に関わる場面に遭遇した時が何度もあった。
一般的トレーナーよりは腕は良いが、モリーとは比べ物にならない。ソウハの目から見ても素直に凄いと思える程の腕であった。
ウパーを治療しながら、モリーは話し始めた。
「ポケモンセンターを辞めた理由、言ってなかったよね?」
「えっ?」
「???」
「傷付いたポケモン、みんなが来られる訳じゃないでしょ?野生のポケモンとか、どこかで傷付いてるポケモンがいるかもしれない………そう思うとたまらなかった」
「野生のポケモンを助けるために……」
「そう………待つのが性に合わなかった」
「モリー………」
同じようなことを考えている医者は他にもいるかもしれない。だが、それを実際に体現する者は少ないだろう。医者としてのモリーのポケモンを助けたいという気持ちをソウハ達は感じ取る。
「ソウハ!テンブとラティアスの力も借りたい!お願い!」
「分かった。テンブ、ラティアス、モリーを手伝ってくれ」
テンブとラティアスは頷き、ウパーの治療の手伝いをする。
「リコとソウハはオレンの実を絞って、このハンカチに染み込ませて!」
「わ、分かった!」
リコはリュックの中からオレンの実を取り出し、モリーが医療キットの中から出したハンカチに実の汁を染み込ませる。
そんな中、ソウハは動いている大樹の方を見ていた。
「……モリー、ウパーの治療はまだかかりそうか?」
「うん……私が思っているより弱っている。元気になるまではまだかかりそう」
「そうか……」
「って言うかソウハ!あんたも早くこっち手伝ってよ!」
「いや、俺は
「えっ?」
リコとモリーはソウハの言っている意味が分からなかったが、ソウハの見つめている方向を見ると2人は驚愕する。
大樹がこっちに向かって歩いて来ているのだ。
「えっ!?なにあれ!?」
「こっちに来る!?」
「やっぱり……あれは大樹じゃない、ポケモンだ!」
「ポケモン!?………まさか!?」
「あぁ!!多分あれが、コルサさんが言ってたオリーヴァだ!」
「(でっかいでしゅ!)」
「(図鑑で見たオリーヴァより、明らかに大きい……)」
オリーヴァをポケモン図鑑で確認した際、平均的な高さは1.4m。だが、このオリーヴァはそれよりも大きい、約5mはあるかもしれない大きさであった。
オリーヴァは木々の生えている場所を抜け、ソウハ達の居る焼け野原となっている場所に着くと、一気に距離を縮めるため此方に向かって跳んで来た。
「「跳んだ!?」」
「(あの巨体であそこまで……)」
「チッ!!ミュウ!!」
「ミュウーー!!」(ソウハ達の周囲に『まもる』のバリアを展開する)
ドォォォーーーン!!!
オリーヴァはソウハ達から少し離れた場所に着地する。着地の際に衝撃波が発せられたが、ミュウが『まもる』でソウハ達を守る。
その時
「うわぁーーー!!」
「ホゲーーー!!」
オリーヴァに登っていったロイとホゲータが、着地の衝撃で落ちてくる。
「ロイ!?」
「何やってんだアイツ等!ミュウ、『サイコキネシス』で受け止めろ!」
「ミュウ!」
ミュウはサボネア達を浮かせたまま、落ちてくるロイとホゲータにも『サイコキネシス』で地面に衝突する前に浮かせる。
「た、助かった~……ありがとう」
「ゲェ~……」
「礼は後でミュウに言え、それよりこれはどういうことなんだ?」
「わ、分かんないよ。登ってたら突然歩き出したんだ!そ、それよりあそこ見て!古のモンスターボールがあったんだ!」
「えぇ!?」
「………どうやらお目当てのオリーヴァに間違いないようだな」
ようやく出会えた今回の目的のオリーヴァ。だが、その表情は明らかにソウハ達に対して怒っているようであった。
「ヴァァァ!!」
ソウハ達を鋭い視線で睨み付けていると、オリーヴァは左右の実からオイルのような物を吹き出して攻撃してきた。
「シェイミ『だいちのちから』!」
「ミィーー!!」
ガラッガラッ!!バゴォン!!
ソウハの肩からシェイミはオリーヴァに向かって跳んだ。シェイミは『だいちのちから』で前方に地面から土の壁を作り、防御する。そのままシェイミは地面に降り立ち、目の前のオリーヴァを見据える。
「みんなよく聞け!今オリーヴァは、自分の仲間を俺達に傷つけられたと思って攻撃してきている!聞く耳すら持ってくれない状態だ!」
「そ、そんな!」
「くっ!」
「だけど、オリーヴァの怒りを失くす方法が1つある!ウパーを元気にさせることだ!」
「「!!!」」
「俺はシェイミと一緒にオリーヴァを食い止める!モリーは治療を、リコとロイはモリーの手伝ってやってくれ!」
「えっ!?あのオリーヴァと戦うの!?」
「ニャー!?」
「いくらソウハでも、勝てないよ!!」
「ホンゲェ!」
「(大丈夫だ、お前ら!!)」
「テンブ?」
「(シェイミもソウハもあれぐらいの奴に負ける筈ねぇ!だからおまえ達は今、自分が出来ることをやるんだ!)」
ウパーの治療を行っているテンブがリコとロイに声を掛ける。2人は不安を感じていたが、テンブの一喝でソウハを信じることにする。
「ソウハ、シェイミ!気をつけて!」
「ニャ!!」
「僕達もモリーの手伝いが終わったら行くから!」
「ゲェー!!」
リコとニャオハ、ロイとホゲータはモリーの方へと向かう。
「ソウハ!治療が済むまで、オリーヴァの相手をお願い!!」
「ラッキーラッキー!」
モリーとラッキーも治療しながら、ソウハにエールを送る。
「あぁ、任された!!行くぞシェイミ!!」
「(やってやるでしゅ!!)」
「リーーヴァーー!!!」
オリーヴァはまた、シェイミに向かってオイル攻撃をしてきた。
「躱せ、シェイミ!」
「ミィ!」
「ヴァァァ!!」(他の実からも続け様にオイル攻撃)
「『マジカルシャイン』!!」
「ミィー!!ミィ!」
ドカドカドカッ!!
「!?」
シェイミは叫ぶように大量のピンク色のエネルギーをオリーヴァに浴びせる。オリーヴァは体勢を崩してしまう。
「ヴァーーーー!!(怒)」
オリーヴァはよろけたが、何とか倒れずに立つ。そしてオリーヴァは両腕の実から今度は種を放出してきた。
ピュンピュンピュンピュンピュンピュンピュン
「『タネマシンガン』か、シェイミ『マジカルシャイン』!」
「ミィミィーー!」
ビューーーーン!!ブォーーン!!
「ブァ!?」
「(いい加減、こっちの話を聞くでしゅーー!!!)」
『マジカルシャイン』により、ピンク色のエネルギー弾が『タネマシンガン』をかき消し、オリーヴァに降り注がれる。オリーヴァは今度こそ体勢を崩し、倒れ込んだ。
「シェイミ、オリーヴァの上に乗って『エナジーボール』を連続で当て続けろ」
「ミィィーーーー!!ミィ!ミィ!ミィ!ミィ!」
シェイミはオリーヴァの腹部辺りに飛び乗り、『エナジーボール』を倒れているオリーヴァの身体中に当て続けた。
ダァン!ダァン!ダァン!
「グガァ!ヴァッッ!オヴァッッッ!!」
オリーヴァは起き上がろうとするが、『エナジーボール』が身体中に当たり続けているため、中々立ち上がることが出来ずにいた。
「ソウハーー!!」
「!!リコ!(やっと終わったか)……シェイミ、もう良いぞ」
「………ミィ」
リコ達がこちらへ走って来る。モリーの腕の中には包帯が巻かれたウパーがいた。ウパーは目を開け、意識が戻っている様子であった。
それを見てソウハはシェイミに攻撃を止めるように呼び掛け、オリーヴァから降りる。
「………ヴァ、ヴァァァ……」
だがシェイミが降りるとオリーヴァは息を荒くさせながら何とか立ち上がってみせる。かなりのダメージを負っているが、その鋭い目つきから戦意は失われてない様だ。
「さぁ、行っておいで」
モリーは抱えていたウパーを開放し、オリーヴァの元に向かわせる。
「ウパウパ!ウーパー!(止めてオリーヴァ!この人達は僕を助けてくれたんだ!)」
「!!………ヴァ~?(!!………本当かい?)」
「ウパ!(うん!)」
「…………」
治療を終えたとはいえ、未だに傷だらけで声を出すのも辛そうなウパーであったが必死にオリーヴァにソウハ達のことを説明する。オリーヴァは暫くすると、少しずつ表情が緩んでいった。
「オリーヴァ!お前の仲間のウパーは、あの子達が治してくれたぞ!!」
「(モリー達に感謝するでしゅ!)」
「あなたも私達もウパーを心配する気持ちは同じ!」
「ラッキー!!」
「……ヴァ~~……(……そうなのか………)」
モリーの言葉を聞くとオリーヴァは片腕を上げて、その先端をモリーに向け伸ばしていく。それに対し、モリーもオリーヴァの腕に拳をそっとぶつける 。
「ごめんね……そして、ありがとう」
その言葉を聞くと、オリーヴァの表情はとても優しいものに変わっていき、先程まで見せていた怒りのオーラは完全になくなっていく。
「通じたんだ!モリーがウパーを助けようとしたんだって!」
「そうみたいだな……(これでオリーヴァとも話が出来れば良いが)」
「(まぁ、このオリーヴァの実力は大体分かったでしゅ。もしまた暴れたとしても、ミィだけで対処は可能でしゅ)」
「そうか、お疲れ様シェイミ」ナデナデ
「ミィ~♪」
ソウハはシェイミの頭を撫でながら労う。そしてソウハはオリーヴァに向かって話した。
「オリーヴァ!」
「…………」
オリーヴァは視線を向けると、まだソウハやシェイミは警戒している為か、まだ少し鋭かった。
「すまなかったな。ウパーの治療に邪魔が入らないようにするためとはいえ、必要以上に攻撃してしまった。謝るよ」
ソウハは頭を下げる。その姿にオリーヴァは少し驚く。自分を圧倒させた強さのポケモンを持つトレーナーとは思えない程、謙虚な姿勢であったためだ。
「リーヴァー?(君は何者なんだい?)」
「俺の名前はソウハだ。ただ、ポケモンと人のキズナを守りたい1人のトレーナーだ、オリーヴァ」
「(ミィはそのトレーナーのポケモンでしゅ)」
「………ヴァァ(………そうか)」
やがてオリーヴァは鋭い目つきから、ソウハに対しても優しい表情となった。
「……ヴァァァァ……ヴァァ」
「!!」
ウパーや周囲にいた野生のポケモン達が無事にこの場を離れていくと、オリーヴァが鳴き始める。その鳴き方は、リコ達からすればとても悲しんでいるように感じられた。
「みんな!オリーヴァが『私の手に乗って、見せたいものがある』って言ってる!」
「オリーヴァが?」
「ヴァァァ~~……」
ソウハがそう言うと、オリーヴァは両手を下ろしリコとロイ、そしてソウハを乗せて、ゆっくりと上に持ち上げる。そこから見えたのは山火事の影響で荒れ果てたこの森全体の姿であった。
「森が……あんなに傷ついてたなんて……」
「うん、ひどいね……」
「オリーヴァはこれを見せたかったのか……」
ソウハは森を見渡した後、振り返ってオリーヴァの顔を見る。その顔はとても悲しみに満ちていた。森がこのままでは、またウパーの様に力のないポケモンは傷つき、生きていけないかもしれない。オリーヴァはそのことをとても心配しているのだろう。
「オリーヴァ、安心してくれ」
「……リーヴァ?」
「ソウハ?」
「安心してくれって?」
「リコ、ロイ………この森を再生させる。力を貸してくれ」
「「えっ!!?」」
ゲノセクト(色違い:赤色)
むし・はがねタイプ
特性:ダウンロード
《相手のぼうぎょがとくぼうより低い場合はこうげきランクを、とくぼうの方が低い場合はとくこうランクを1段階上げる》
持ち物:マイティーカセット
《『テクノバスター』のタイプが変化するカセットをソウハが独自に改良したもの。ゲノセクトの意志で自由に現存する18種のタイプ全てを『テクノバスター』として放つことが出来るようになる。》
技:テクノバスター シザークロス でんじほう
しんそく ブレイズキック ギガドレイン
⇓
ゲノセクト(???フォルム)
???・???・???タイプ
特性:???
技:??? ??? ??? ???
??? ??? ??? ???