ポケットモンスター ~少年が進む道はキズナによって切り開かれる~   作:Kod

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次回、自分が書きたかった、ソウハのポケモンのキズナ変化を書けると思います。

誰がキズナ変化をするかはお楽しみに


まやかし

 

 

ブレイブアサギ号

 

ミーティングルーム

 

 

「報告は以上だ」

 

 

ハッコウシティでのバトルを終えたソウハはラティオスに乗り、ブレイブアサギ号に帰還した。船に戻るとソウハは速やかにリコの安否を確認しに行った

 

リコはテンブとフリードと共にミーティングルームにいたが、何も問題は無かったと知ると安堵する

 

その後、フリードに何があったのかを聞かれ、ソウハはメンバー全員を招集し、オリーヴァの森から今日までの出来事を包み隠さずに報告する

 

 

『レアコイルか……くそっ!何で気付かなかったんだ……』

 

 

例により、スマホ越しで会議に参加していたドットは自分の担当しているシステム面で敵に上を行かれてしまったことを悔やんでいる

 

 

「まぁ、仕方ないだろ。今回は一気に襲ってくるタイプじゃなくて、慎重な頭を使うタイプの奴だったんだから」

 

 

ソウハは船の守りをしていたゲノセクトやメロエッタからの報告と森で見かけた怪しいドローンから、今回のような出来事を予測出来たのだ

 

 

『……もう負けない。レアコイルが原因だって分かったなら対策はある!』

 

「レアコイル対策?そんなのあるの?」

 

「ホンゲッ?」

 

 

リコやロイなどレアコイルの対策を知らないメンバーがドットにそう問い掛ける

 

 

『うん。レアコイルが嫌がる電波があるんだ、これからそれを流す。少なくともそれで野生のレアコイルが近付いてくることは出来ない。それから、都会なんかで使われているレアコイル専用の警報も用意して万全の準備を進めておく』

 

 

ドットはプライドが傷つけられた様で二度と同じ失態を繰り返さない為の対策を立てる。システム面に関してはソウハは専門外だが、ドットの説明は筋が通っていると実感した

 

優秀なのだとは思っていたが、予想していたよりも能力があるのは間違いない様だ

 

 

「了解。そっちはドットに任せる。時間はどれくらいかかりそうなんだ?」

 

『レアコイル対策は今晩中には……その後システムの再起動に入るから……明日の昼頃までには終わると思う』

 

「よし!それじゃあ、明日システムの再起動が終わったら出航する。エクスプローラーズがこの辺りにまだ居るかもしれないから、皆十分に警戒してくれ」

 

 

フリードの言葉を最後に会議は終了する。夜遅いこともあり、メンバーはそれぞれ自室へと戻り、明日に備える事となった

 

 

「ソウハ、ちょっといいかな?」

 

 

ソウハもまた、部屋に戻ろうとするとロイに引き留められる

 

 

「どうした?」

 

「うん、相談があるんだけど………」

 

 

ロイの相談だが、例のサンドイッチを盗んだポケモンはカイデンと呼ばれるだったらしい。ソウハがハッコウシティに向かっている間に仲を深めた様だが、その際にカイデンがある問題を抱えていることに気付いたようだ

 

 

「カイデンね……」ピッ!(スマホロトムで調べる)

 

『カイデン:うみつばめポケモン でんき・ひこうタイプ 翼の骨は風を受けると電気を作る。海に飛び込み獲物を感電させて捕らえる』

 

 

「ひこうタイプ……だけど上手く飛べない上に高所恐怖症か」

 

 

飛行ポケモンにとってそれは致命的な弱点だ。飛べない上に高所恐怖症、どちらか1つだけでも厄介なのにそれを2つも持っている

 

ある意味珍しいと言わざるを得ない。ロイはそれらをどうにかする方法がないのか知りたい様だ

 

 

「どうすればいいかな?」

 

「………実際に見てみないと何ともな」

 

 

飛べないこと、高所恐怖症、どちらもそうなったからにはそれなりの理由がある筈だ。直接見れば、アドバイスの1つも出来るかもしれないが、現段階では難しい

 

特に、精神的理由から来る高所恐怖症は一朝一夕では解決できるかは分からない

 

 

「そっかぁ………」

 

 

ソウハの言葉を聞くと、ロイはあからさまに落ち込んだ様子を見せる。その姿を見ると、ソウハとしてもこのまま放っておくのは忍びなく感じてしまう

 

 

「………明日の朝、俺も見に行ってみるよ。そのカイデンのとこへ」

 

「ほんと!?」

 

 

明日、朝食後にロイと共にカイデンの様子を見に行くことにした

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ソウハの部屋

 

 

「さてと………」

 

 

ソウハはベッドの上で寝そべり、天井を眺めていた

 

 

「(ロイが会った飛べないカイデンのこともあるが………やっぱあのオーベムとレアコイルのトレーナー……エクスプローラーズでも悪知恵が働く奴が、このまま諦めるとは思えない)」

 

 

ソウハは今まで、色んな地方を旅してきた。その過程では、人のポケモンを奪うポケモンハンターや世界征服を企むプラズマ団といった悪の軍団とも戦ってきた。中にはこちらの戦力を削ろうと陰湿な方法を仕掛けてくるものもいた

 

この手の輩は人一倍自身に対してのプライドが高く、他の者を見下す傾向が多い

 

 

「(もし、まだ諦めてないとすると

 

 

 

 

 

 

 

今度はリコ自身を狙ってくるかもしれない)」

 

 

ソウハは思う。森の時とピクニックの時のレアコイルを使った電波障害、今日のレアコイルとオーベムの街に誘導されたバトル

 

これらは結果的に、戦力が分散され、1人となってしまうことに繋がる

 

 

「(奴らは俺のことを1番の脅威にしていると思う……だからなるべく、リコから俺を引き離そうとしてくる筈)」

 

 

ソウハは相手の思い通りにならないように、そして自分の大切なリコ(彼女)を守るためにある場所に電話をかける

 

 

ロトロトロト………ロトロトロト………ロトロトロト

 

 

「あっ、夜分遅くにすみません。実は個人的に頼みたいことがあるんです」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

翌日

 

 

朝食を食べ終えるとソウハはロイ、そして2人の様子を気にしていたリコと共にカイデンの元へと向かっていた

 

 

「へへっ、上手くいくといいな!」

 

 

ロイは昨夜、ソウハと別れてから自分なりにカイデンが恐怖心を克服する方法を考えた様だ

 

その結果、ランドウの釣竿を借り、そこにカイデンを括りつける命綱の仕掛けを作り上げた。これを使用し、高さに慣れる特訓をしようという訳だ

 

 

「見つけた!カイデーン!」

 

 

船から少し離れた川沿いの草むらにて、例のカイデンを発見する。ひこうタイプのポケモンが草むらに巣を作るという中々珍しい光景だ

 

 

「(………なるほど、このカイデンは図鑑で見た個体よりも小さい)」

 

 

ソウハはそれが上手く飛べない要因だと予想する。そして上手く飛べない結果、飛行に対する苦手意識が芽生えてしまい、高所恐怖症に至るという悪循環が起こってしまったのだろう

 

 

「カイデン、見ててよ!」

 

「……カー?」

 

 

ロイは釣竿に付けた命綱にカイデンを模した人形を括りつけ、川の中心に向けてぶら下げる様子を見せる

 

カイデンはその様子に興味を持ったようで、自分にもつけて欲しいとアピールまでしている

 

 

「よし!これでバッチリ!!」

 

 

ロイはカイデンに命綱を付けると恐怖心を打ち消すための特訓を開始する。こうして、少しでも慣れて勇気を出せれば、いつかは仲間のいる場所まで飛べるようになると考えた様だ

 

 

「ミージュミージュ(ロイにしちゃあ色々考えてるじゃないか)」

 

「そうだな………(アドバイスしようかとも思ったけど、この分だと必要ないかも)」

 

 

ロイに頼られた時は、まだまだとも思ったがここまでの特訓方法を自分で考える辺り、ロイもトレーナーとして着実に成長しているのだと感じさせられる

 

 

「ロイの特訓、ソウハはどう思う?」

 

 

特訓の邪魔にならない様にソウハとリコはロイから少しだけ距離を取り、リコはソウハに話し掛けてくる。リコから見るとロイのやり方は中々頑張って考えたように見えるがソウハから見るとどうなのか気になったようだ

 

 

「悪くないとは思う。時間はかかると思うが、この方法ならいつか克服出来るかもな」

 

 

「!!うん!!そうだよね!!」

 

 

ソウハのお墨付きということもあり、リコはこの特訓方法が間違いでないと分かると安心したようだ

 

 

「(多分、これが1番良いやり方だ。他の方法もあるにはあるが、荒療治すぎる)」

 

 

ソウハはカイデンを、ラティオスやラティアスに乗せ、高いところに少しずつ慣れさせようとしていた。2体は並みのひこうポケモンより早い速度で飛行可能なため、まずはゆっくりと低い高度から飛び、徐々にスピードや高度を上げていこうと思っていた

 

だが、ロイの克服方法の方がカイデンに合っているように思えたため、ソウハはこれで恐怖を克服出来れば良いと祈りながら見ていた

 

 

ロトン!

 

 

「ん?」

 

「ニャッ?」

 

 

そんな時に、リコのスマホロトムにメッセージが届いたことを知らせる通知音が鳴る

 

 

「えっと、店からのお知らせ………えっ!?これってもしかして...…秘伝:からスパイスだ!」

 

「からスパイス?」

 

「うん!マードックが欲しがってた物なの!昨日買い物に行った時はもう売り切れで買えなかったんだけど……この地図の店に数量限定で販売してるみたい!」

 

「へぇ~………」

 

 

リコはスマホロトムのメール画面をソウハに見せる。たしかに、数量限定の品と店の地図が記載されている

 

 

「私、ちょっと買ってくるね!ニャオハ行こ!」

 

「ニャオハッ!!」

 

 

リコはニャオハを抱えて立ち上がる

 

 

「………………

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、ちょっと待てリコ!」

 

 

「えっ?」

 

「ニャッ?」

 

 

ソウハは出掛けようとしたリコの手を、慌てて掴んで引き留める。突然手をつかまれたリコは、少し顔を赤くする

 

 

「ソ、ソソソソウハ!?いいいきなり、どどどどうしたの!?///////」

 

「ニャッオ(リコ、たかが手を掴んだだけでテンパりすぎ)」

 

 

「なぁリコ、そのメール……もう少しよく見せてくれないか?」

 

「えっ、う、うん、良いけど………」

 

 

リコは自分のスマホロトムをソウハに手渡した。ソウハはメール画面を上下にスクロールさせながら、メールを読む

 

 

「…………」

 

 

「ソウハ?」

 

 

暫くリコのスマホロトムとにらめっこしていると

 

 

「…………リコ」

 

「???」

 

 

「ちょっと俺の頼みを聞いてくれないか?」

 

 

「頼み?」

 

「ニャ?」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━

 

 

ハッコウシティ

 

 

「えっと、地図によればこの辺り……」

 

「………」

 

 

ここはハッコウシティの中心部から少し離れた、あまり人通りが少ない場所。そこにはスマホロトムを見ながら、メールに記されている地図の店の場所を探すリコ、肩にはパートナーであるニャオハが乗っていた。首元にはいつものペンダントをかけている

 

 

「この先みたい……」

 

「ニャ……」

 

 

地図によればここの裏路地を進んだ所に、からスパイスの売ってある店があるらしいのだが

 

 

「………あれ?行き止まりだ」

 

「ニャ?」

 

 

少し歩いて行くと、そこには壁。店など何一つない

 

念のため地図を再度見るが、やはり場所はここで合ってるようだ。リコは一旦この裏路地から出ようと来た道を戻ろうとしたとき

 

 

「あっ!」

 

「おっと!」

 

 

自分の背後にいた人物とぶつかり、スマホロトムを落としてしまう

 

 

「失礼!大丈夫でしたか?」

 

「あっ、はい、大丈夫です」

 

 

リコがぶつかった人物は長身で眼鏡をかけており、傍にはブラッキーを連れた男性であった。リコは男性の謝罪に返答しながらスマホロトムを拾う

 

 

「(良かった。壊れてないみたい)」

 

 

手に取ったスマホロトムに異常がないのを確認する。リコは改めて男性の方を見ようとしたとき

 

 

「…………えっ?」

 

「ニャッ?」

 

 

「………………」

 

 

リコと男性の間に、先程まではいなかったポケモン、オーベムが両腕をリコとニャオハに向けて浮いていた

 

オーベムは両腕の赤緑黄の三色の指を点滅させ、強力なサイコパワーで相手の脳を操り、記憶を書き換えてしまう。リコとニャオハも記憶を書き換えられてしまう━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━筈だった

 

 

「ニャオハ『つじぎり』!!」

 

 

「ニャッハッーー!!!」

 

 

ジュドォォォン!!!

 

 

「オッベッ!!?」

 

「な、なに!?」

 

 

リコは大声でニャオハに『つじぎり』の指示を出した。突然の攻撃に、ニャオハが覚える筈のない『つじぎり』を出してきたことに、スピネルやオーベムは対処出来ず、攻撃を至近距離から喰らう

 

『つじぎり』はあくタイプの技でありエスパータイプのオーベムに対して効果抜群、しかも急所に当たる確率が高い。攻撃されないと思っていたオーベムは、無防備に近付き、まんまと『つじぎり』を急所に喰らってしまう

 

 

「オーベム!!」

 

「ニャオハ『あくのはどう』!!!」

 

「ニャーオーハッ!!」

 

 

バァーーン!!!

 

 

「ベェェェ!?」

 

 

オーベムは『あくのはどう』を受け、壁に叩き付けられる。オーベムは意識を失い、倒れ込む

 

 

「オーベム!!(馬鹿な!くさタイプのニャオハが『あくのはどう』や『つじぎり』の技を覚える訳がない!)」

 

 

「訳が分からないって表情してるね、エクスプローラーズ」

 

「ッ!?」

 

 

「ニャッニャッ!!」(リコの足元に来て、スピネルとブラッキーを睨んでいる)

 

 

その男、スピネルはリコの発した言葉に驚く。聞いていたリコという少女はまだトレーナーになったばかりで、人と接する機会が少ない内気な性格をしているのだと

 

パートナーポケモンであるニャオハも、大した戦闘経験を積んでいないポケモンであると

 

 

だが、今自分の目の前にいる少女とポケモンは

 

 

「…………(怒)」ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォ

 

「………シャァァ(怒)」ゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォ

 

 

「(な、なんだこの圧力は)」

 

「ブ、ブラッ……」

 

 

スピネルとブラッキーは目に見えぬ、2人から発せられる覇気に、一瞬恐怖を感じる

 

 

「あなた、今オーベムのサイコパワーで記憶を書き換えようとしたな」

 

「…………だったら何だというのですか、そちらのニャオハには驚きましたが」

 

 

スピネルは懐からモンスターボールを取り出した

 

 

PON!

 

 

「レァァ」

 

 

中から出てきたのはレアコイルだった。そのレアコイルと並ぶように、スピネルの近くにいたブラッキーも前に出る

 

 

「ブゥラッキ!」

 

「2対1です。痛い目に遇いたくなければ、貴女が持っているそのペンダントをこちらに渡しなさい」

 

 

「………やっぱり狙いは、このペンダントですか。貴方、それが立派な犯罪行為、しかもポケモンを使って記憶を弄ろうとした…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の大切な彼女(ひと)に何しようとしたぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

「ッ!!?」

 

「ラッ!?」

 

「コォ!?」

 

 

リコの怒鳴り声が響き渡る。スピネルやブラッキー、レアコイルは先程よりも濃厚な殺気を、肌でピリピリと感じ取る

 

 

「ニャオハ………いや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾロアーク(・・・・・)幻影(イリュージョン)を解いてくれ」

 

「シャッ!!」キィーーン!(目が青白く光る)

 

 

「(な、なに!?)」

 

 

ニャオハの両目が青白く光ったと思うと、目の前の少女の姿とニャオハ自身の姿が変わっていき━━━━━━

 

 

「!!?………成る程、そういうことでしたか」

 

 

━━━━━━リコの姿はソウハに、ニャオハの姿はゾロアークへ変化した

 

 

「お前の企みは、全てお見通しだったんだよ。あのメールをリコのスマホロトムに送ったのも、森や飛行船の上空にいたレアコイルもお前の仕業だな?」

 

「シャア!!」

 

「………えぇ、ですが悉く貴方や貴方のポケモンに邪魔されてしまいましたがね………悔しいですが、全て貴方は見抜いていたのでしょう?」

 

 

「そうだ、ついでにこれも分かってる。ゾロアーク『シャドーボール』」

 

「シャア!!シャッア!!」

 

 

ドガァァン!!

 

 

「オッベッ!?」

 

 

「ッ!?」

 

「後ろで俺達の隙を突こうとしていた、オーベムの動きも分かっている」

 

 

「くっ!!ブラッキー『でんこうせっか』、レアコイル『でんじほう』」

 

「ブーラッ!!」

 

「レァァコォ!!」

 

 

ブラッキーは『でんこうせっか』で近付き、レアコイルは『でんじほう』でゾロアークを攻撃しようとするが

 

 

「悪いが、お前達の相手をしている場合じゃないんだ………ダークライ」

 

「ダークゥラ」

 

 

ソウハの影の中には、ダークライが潜んでいた。ソウハの呼び声により、影の中から出てくる

 

 

「『ダークホール』」

 

「ダーァ!!」

 

 

ボンボンボン!!

 

 

「ラッ!?」

 

「コォ!?」

 

「ブラッキー!レアコイル!」

 

 

ダークライの掌から『ダークホール』が2体に向かって放たれ、『ダークホール』に触れたブラッキーとレアコイルは糸が切れたようにねむり状態となった

 

 

「くっ!まさか、ダークライまで居たとは」

 

「いや、ダークライだけじゃないぞ」

 

 

「そこまでです!!!その場から動かず、手を頭の後ろで組みなさい!!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

「ふぅ、やっと来たか」

 

 

街のとおりに繋がっている道の方からスピーカーを通した声が響き渡る

 

 

「ポケモンポリスのジュンサーです!!両者ともその場を動かないで!!」

 

 

そしてスピネルを取り囲むように、ポケモンポリスの警察官と警察官のポケモン達が一斉になだれ込む

 

 

「何故ここにポケモンポリスが!」

 

「俺が呼んでたんだよ、前もってジュンサーさんに」

 

「なんだと!?」

 

 

そう、ソウハが昨夜電話を掛けていた人物とはジュンサーだった

 

 

━━━━━━━━━━━

 

昨夜

 

 

ソウハの部屋

 

 

『どうしたのソウハ君?』

 

「夜分遅くにすみません。実は個人的に頼みたいことがあるんです。ジュンサーさん」

 

『ん?』

 

 

ポケモンポリス、それは各地方に配備されている治安維持のために務めている組織だ。そしてポケモンポリスには、地方ごとに容姿がそっくりの親戚同士であるジュンサーという女性警官が所属している

 

ソウハは旅の中でも、ポケモンハンターを捕らえるためにポケモンポリスに協力することが何度もあったため、個人的に各地方のジュンサーの連絡先も知っていた

 

だが、パルデア地方にはまだ来たことがなかったため、パルデアのジュンサーの連絡先は知らない。なので、協力した回数が1番多いイッシュ地方のジュンサーに連絡を取った

 

 

ソウハは今自分がパルデア地方に居ることと、プラズマ団のような組織に仲間が狙われていることを話す

 

 

「ジュンサーさん、パルデアのジュンサーさんに、明日こちらに来て欲しいという連絡をいれてくれませんか?」

 

『それは別にいいけど、そのエクスプローラーズがいつ襲ってくるのか分からないんじゃあ、こっちも手の出しようが……』

 

「大丈夫です。こっちで策は考えてますので、そっちからはパルデアのポケモンポリスを派遣して欲しいのです………お願いします」

 

『………分かったわ、パルデアのジュンサーにはそちらに向かうように、私から連絡を入れておく。貴方には沢山協力してもらったこともあったしね』

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

そして今日、リコが不審なメールを受け取った際

 

 

「……………リコ」

 

「???」

 

「ちょっと俺の頼みを聞いてくれないか?」

 

 

「頼み?」

 

「ニャ?」

 

 

「俺と……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入れ替わって欲しい」

 

 

「…………えっ?」

 

「ニャハ?(はっ?)」

 

 

それからソウハ達は一旦、ブレイブアサギ号に戻り、フリードら全員をミーティングルームへと集めた後、現状とこれからの行動を説明した

 

 

「要するにこのメールがリコを誘い出すための、エクスプローラーズが仕掛けた罠ってことか………」

 

「あぁ、可能性は高い。だからこれから、その場所に俺がリコの代わりに行ってみようと思う」

 

「いやいや!罠だとしたら危険だよ!」

 

「それに、リコじゃなくソウハが行ったんじゃ、相手もすぐに気付くでしょ?」

 

「そこは大丈夫だ、ゾロアーク頼む」

 

「シャァ!」

 

 

ゾロアークは幻影(イリュージョン)により、ソウハの姿はリコの姿へと変わった

 

 

「ええっ!?」

 

「ソウハが……リコになった!?」

 

「こ、これって……学園の時の」

 

「ニャオハ!!」

 

 

「成る程。ゾロアークの化かす力を使って、ソウハがリコに成り代わるのか」

 

「そう、因みにゾロアークも」

 

「シャアーー!!」

 

 

ゾロアーク自身も化け、ニャオハの姿へとなった

 

 

「ニャオハ!!」

 

「ニャッ!?」

 

「今度はニャオハになった!!」

 

 

ニャオハに化けたゾロアークは、リコに化けたソウハの肩に乗る

 

 

「これで、どこから見てもリコとニャオハに見えるでしょ?」

 

「ニャッ!!」

 

 

「うわ~~………自分が目の前にもう1人いるなんて、何か変な感じがする」

 

「ニャッ~(たしかにね)」

 

 

「とにかく、これで敵の目を欺く。だけど欺くだけじゃダメだ」

 

「っていうと?」

 

「………こっちからも反撃する」

 

「反撃?」

 

「あぁ、奴らを捕まえて、刑務所に入れるんだよ」

 

「ええっ!?」

 

「捕まえるって言ったって、そんなのどうやってやるんだよ?」

 

「その為に、強力な助っ人を呼んだんだ」

 

「助っ人?」

 

 

その時、ソウハのスマホロトムが鳴った

 

 

ロトロトロト……ロトロトロト……ロトロトロト

 

 

「もしもしソウハです」

 

『もしもしソウハ君?私はパルデアのジュンサーよ。イッシュのジュンサーから聞いたけど、今貴方がいる飛行船の前にいるわ』

 

「分かりました。今そちらに向かいますので」

 

 

ブレイブアサギ号の近くにはパトカーが停められており、そこからジュンサーさんと、その部下のポリス達が3人おり、中に招いた

 

 

ソウハ達は軽く自己紹介を済ませた後に、ソウハの立てた計画を話す

 

 

「まずは俺とゾロアーク、影にダークライを潜ませ、そして上空にラティオスを待機させて、その地図の場所に行きます」

 

「危険じゃないの?」

 

「えぇまぁ、罠が仕掛けられている可能性は十分ありますが、ちゃんと対策は考えてます」

 

「どういうものなんだ?」

 

「ラティオスとラティアスには、『ゆめうつし』という能力があります」

 

「ゆめうつし?」

 

 

『ゆめうつし』とは、ラティアスとラティオスが使える特殊能力。例えばラティアスが見ているものを、相手やその周囲の人にラティオスが見せることが可能なのだ

 

ソウハは自分の上空に透明化しているラティオスに『ゆめうつし』を発動させ、船内には同じく『ゆめうつし』を発動させるラティアスを置いておく

 

 

「『ゆめうつし』を利用すれば、その場にいなくてもここで状況を把握することが出来ます。エクスプローラーズが俺に危害を加えようとしてきたら、ジュンサーさん達は駆けつけて来て下さい。俺が奴らを足止めしておくので」

 

「それでその場で現行犯逮捕するってことね?」

 

「えぇ、証人はポケモンポリスである貴方達なので逮捕する理由には十分なるでしょう」

 

 

学園の時も含めると、3回襲われたのだ。こちらとしても、敵の思い通りになるのは気に入らない。ソウハはどちらかというと『殴られたら殴り返す』主義なのだ

 

 

「最近はこいつらのせいでほんと迷惑してるんです。ここらで奴らにもギャフンと言わせなきゃ、俺の気が済まないんで」

 

「ミジュマ!」

 

 

「………まったく、よくこんなこと思い付くなソウハは」

 

「ピカピカチュ……」

 

「ソウハ、何かちょっと怖い……」

 

「ラキラキ………」

 

 

以上がここに至るまでの出来事であった

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「貴方の行いは、全て我々が見ていました!窃盗未遂並びにポケモンを利用した傷害罪及び脅迫罪で貴方を逮捕します!」

 

 

「ッ!!おのれ!!」

 

 

スピネルのポケモンであるオーベムは戦闘不能、ブラッキーとレアコイルはねむり状態となっているため行動不能。完全に詰みであった

 

 

スピネルとそのポケモン達は逮捕され、警察署へと連行されていった。パトカーに乗せられる際、スピネルはこちらを鋭い視線で睨みつけていたが、ソウハは一切怯まずに睨み返す

 

 

「…………」

 

「シャァ?(どうかしたかソウハ?)」

 

「………守れて良かったなって思ってな、リコのことを」

 

「ダーク(たしかにな)」

 

 

もしもあのままリコを街へと行かせてたら……記憶を消され、ペンダントを奪われ、最悪の場合誘拐されてたかもしれない

 

 

「本当に………守れて良かったよ」

 

「「……………」」

 

 

ソウハの安心した顔を見て、ゾロアークとダークライは笑みを浮かべた。その時

 

 

「ソウハーー!!!」

 

「!!?」

 

 

上から大声で自分を呼ぶ声が聞こえ、ソウハは少しビクッとしながらも見上げると

 

 

「リコ………」

 

「シャァ~~(どうやらお前の彼女、心配で迎えに来たみたいだな)」

 

「ゾロアーク………」

 

 

ラティアスに乗ったリコとニャオハ、テンブがいた

 

その後ろにはリザードンに乗ったフリードも後に続いていた。ラティアスは地面に降り立つと、乗っていたリコはすぐさまソウハの元に駆け寄り、そのまま抱き付いて来た

 

 

「ソウハ!!大丈夫なの!?どこも怪我してない!?」

 

「あ、あぁ……心配かけたな、リコ」

 

「もう!!本当に……本当に心配したんだから!!」

 

「すまない。だけど……作戦通り上手くいって良かったから、」

 

「それでも!!………私の大切な人が危険な目に遭うのは……やっぱり我慢できない……」

 

「ニャ~……(リコ……)」

 

 

リコはこの作戦に最後まで異を唱えていた。ソウハが守ってくれるのであれば、行くのはやはり自分の方が良いと発言するが、やはり何が仕掛けられているのか分からない為、それであればまだ旅の中で鍛えられた身体能力の高い自分が良いと、何とか説得した

 

 

「ごめんリコ。だけどな、俺もリコが大切なんだ。大切な彼女なんだ、彼女が危ない目に遭うのは彼氏として、絶対に無視出来ないんだ…………分かってくれ」

 

「ソウハ/////////」

 

 

抱き付いていたソウハとリコは、お互いに顔を見合わせると、次第に近付いていき

 

 

「「……………」」

 

 

「おっほん!!」

 

 

「「!!!」」

 

 

「2人の雰囲気を壊して悪いんだが。ソウハ、ジュンサーさんが念のため事情聴取したいってんで呼んでるぞ」

 

「あっ……そ、そう、分かった。リコ悪い、行ってくる」

 

「う、うん、行ってらっしゃい」

 

 

ソウハはジュンサーさんの所へ走っていく。その後ろ姿を見るリコとニャオハ、そしてテンブとフリード

 

 

「///////(わ、わたし!!ソウハと、キキキキキ、キスしようとしちゃった~~//////)」

 

 

冷静になってみるとこの人通りで何て大胆なことをしようとしていたのかと思ってしまい、リコは顔を真っ赤にさせる

 

 

「………(何つーか、最近の子供は成長早いんだな)」

 

 

フリードはさっきの2人の様子を見て、1人そう思った

 






「ニャッ!(キスしようとしてたわよねテンブ!)」

「(あ、あぁ。2人とも付き合ってまだちょっとなのにもうそこまで……)」

「ニャオハ~!!(リコ、ファイトよ~!!)」
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