ポケットモンスター ~少年が進む道はキズナによって切り開かれる~ 作:Kod
早朝
ソウハは朝早くから、準備をしていた。
早朝から、アララギ博士に連絡をいれていたのだ。
「アララギ博士、すみません。こんな朝早くから電話してしまって」
「私は別に構わないわ、それで、どうかしたの?」
「実は、送ってもらいたいポケモン達がいるんです。」
「転送ってことね、良いわよ。それで、どの子達を送るの?」
「えぇ、送ってもらいたいのは━━━━━━」
ソウハは、これから相手にする組織の実態が未だ掴めていないことを考え、こちらの戦力を増やすために今持っている8体以外にも、リコのボディーガードとしたいポケモンもいた方が良いと考えたのだ。
ソウハがポケモン転送装置で送ってもらったモンスターボールは、全部で6個。
「はい、全部送り終わったわよ!」
「ありがとうございます、アララギ博士」
「どういたしまして……だけど、その子達が必要ってことは、また何かあったの?」
「えぇ、ちょっと。もしかすれば、プラズマ団のような組織と相見えたかもしれないんです。」
「えぇ!?ちょっと大丈夫だったの!?」
「まぁ、まだ可能性が高いだけで、確実とは言い切れませんが……でも、また遭遇する時があったら絶対にリコを……友達を守れるようにしたいんです。そのために、この子達を送ってもらったんです!」
「そうだったのね……事情は分かったわ。私に出来ることがあれば協力するからね、ソウハ」
「ありがとうございます。それでは、また!」
「えぇ、またね。」
アララギ博士との通信が終わり、ソウハは新たに送られてきた6個のモンスターボールを見て、中に入っているポケモン達に話し掛ける
「(みんな、元気にしてたか?)」
「(ソウハ!!ソウハだー!!)」
「(ソウハ、久しぶり!!)」
「(俺達を呼んだということは、何か大会にでも参加するのか?)」
「(バトルか!!研究所での修行の成果を見せる時が来たか!!)」
「(・・・)」
「(ミィはそれより、ソウハの作ったパンケーキが久々に食べたいでしゅ!!)」
「(はいはい、今日の昼にでも作るからそれまで我慢しててくれ、シェイミ)」
「(ホントでしゅか!?約束でしゅよソウハ!)」
「(あぁ。あとウーラオス、大会のために呼び出した訳じゃ無いんだ。実は━━━━━)」
ソウハは新しく呼び出した5体にも、事情を話した
「(━━━と言う訳なんだ、皆、リコを守るために協力して欲しいんだ)」
「(うん!!もっちろん!!ソウハとまた一緒に旅できるなんて、僕嬉しいよ!!)」
「(私も協力するわ!!)」
「(俺も良いぞ、久々に大空を飛び回りたいからな)」
「(ようは、その悪い奴らが襲ってきたら倒しゃあ良いんだろ?任せろ!!)」
「(仕方ないでしゅね、ミィも協力するでしゅ。感謝するでしゅよ、ソウハ)」
「(・・・そういうことなら、僕も手を貸す)」
「(皆、ありがとう。そして、よろしくな!!)」
ソウハは新たに転送されたモンスターボールの中にいるポケモン達にお礼を言い、まだリコが寝ている部屋へと戻る。
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ソウハとリコの部屋
リコも起き、ポケモンセンターの食事処で朝食をとり、2人はパルデア地方に行くための支度をするために、着替えていた。
ソウハは脱衣所で着替え、リコはベッドのある部屋で着替えている。
ソウハもリコも昨日は制服姿で街まで来たが、長旅になるかもしれないため、予め用意していた服に着替え中。
「よし、着替え完了。テンブ、どっか可笑しい所ないか?」
「(いや、無いぞ。あ、お前帽子は?)」
「おっと、そうだった。これも被っとかなきゃなぁ」
「(へへっ良いじゃねぇか!)」
ソウハは半袖長ズボンの動きやすい服装に着替え、仕上げに旅でいつも被っている帽子を被る。
「リコォ、そろそろ出ても大丈夫か?」
「うん、良いよー!」
ソウハは脱衣所の扉を開け、リコの元に行くと
「ソウハ、その……どうかな?/////」
「おぉ……良いんじゃん!凄い似合ってるよ!!」
「ミジュミジュ!(似合ってる似合ってる!!)」
「ホント?ありがとう!!////」
リコの服装は水色のジャケットを白いシャツの上に羽織り、黒の短パンに上の緑が水色のハイソックスを履いていた。
「その、ソウハも似合ってるよ、その服。」
「あぁ、ありがとう////」
「ミジュジュジュ(ニッシッシッ、照れてる照れてる)」
「あぁ、そうだ!!パルデア地方に行く手段をかんがえたんだけどな!」
「う、うん!」
「1番手っとり早いのは飛行機か船、この近くに港町があったから、パルデア地方行きの船があるかもしれない。そこに今日は行こうと思うんだが良いか?」
「わ、分かった。」
2人は荷物を纏め、部屋を出る。
ポケモンセンター受付
ソウハはテンブをリコはニャオハを肩に乗せながら、泊まっていた部屋の鍵を返しにジョーイさんがいる受付に来た。
そこには、丁度ピンク髪の女性とラッキーがジョーイさんに紙を渡していた。ソウハとリコはその女性の後ろに並ぶ。
「それじゃあ、このリストにある物をお願いします」
「かしこまりました」
その女性とラッキーはジョーイさんにリストを渡し、回れ右をしてセンターを出ようとした時
「・・・ん?(さっきの女の子……まさか!?)」
「ジョーイさん、部屋の鍵です。ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
「はい、またのご利用お待ちしております」
「よし、行くか『リコ』」
「うん、ソウハ」
「(リコって、探している子の名前だ!)ちょっと君!!」
「へっ!?」
「ん?」
2人は突如呼び止められ、声のした方を振り向く。
「そっちの子、さっき『リコ』って呼ばれていたけど、もしかしてパルデア地方出身で、この近くのセキエイ学園に通っている生徒?」
「!!!(リコのことを知ってる!?ってことは奴等の仲間か!?)」
「え?あ、あの「ストップ、リコ」わっ!……ソウハ?」
リコは女性の質問に思わず正直に答えようとした瞬間、ソウハは横やりを入れる。
ソウハはもしも、この女性があの男の仲間だとしたら、リコのペンダントを狙い、危害を加えようとするかもしれないと考えたからだ。
「すみませんが、どちら様でしょうか?」
「・・・君は?」
「俺はリコと同じセキエイ学園の生徒で、旅仲間のソウハです。貴方は?」
「・・・私はライジングボルテッカーズのメンバー、モリーだ。こっちは私のパートナーのラッキー」
「ラッキー」
「ライジングボルテッカーズ?」
「(ライジングボルテッカーズ?)」
「そう。リコ、君の母親から君を守るよう依頼されたんだ」
「え?私のお母さんから?」
「・・・待てリコ。」
「ソウハ?」
「昨日のことを忘れたか?」
「・・・あ」
「昨日のこと?」
「申し訳ありませんが、リコの母親から依頼を受けたという証拠はありますか?」
「え、証拠って……言われても」
「俺達は昨日、自分のことを、リコのおばあさんの使いの者と名乗っている男が来たんです。ですが、その男は使いの者でもなんでもなく、リコのペンダントを手に入れるために、リコを騙そうとしました」
「(そんなことが)」
「何とか俺達はその男に見つからずにここまで逃げることが出来ましたが、奴や奴の仲間がまだ追ってくる可能性もあるんです」
「・・・(なるほどね、そりゃ私のことをその男の仲間じゃないのかって疑うのも仕方ないか)」
「ですから、依頼されたという証拠が無ければ、貴方の言ったことを素直に信じることは出来ません」
「ミージュー!!」
ミジュマルもソウハの肩の上で警戒をする
「(参ったなぁ……証拠って言われても……取り敢えず、フリードに連絡するか)その~、今からうちらのリーダーに連絡して話をするから、ちょっと待っててくれ」
「リーダー?」
「・・・分かりました。」
モリーは向こうで、スマホロトムを取り出し、リーダーと呼んでいた人物に電話をかけている。
ソウハとリコは、モリーの様子を遠くから見ていた。
「ねぇソウハ、あの人ってやっぱり昨日の男の人の仲間……なのかな?」
「・・・まだ分からない、そのライジングボルテッカーズっていう団体も初耳だし、その団体のリーダーが来たら判断しようと思う」
「そ、そっか・・・」
「リコはどう思った?」
「わたし?わたしは、その……昨日会った人よりは優しい人だと思った」
「そうか……(一応、保険はかけとくか……)ちょっとトイレ行ってくる」
「あ、うん」
「アメジオ様、ターゲットの子を見つけました。場所はこの街のポケモンセンターです」
ソウハはトイレに行く振りをして、人気の無い場所に行く。
そこでソウハはモンスターボールを4つ取り出し、投げた。
PON!PON!PON!PON!
「ティニ!」
「ロメッタ!」
「クォォン!!」
「クゥゥゥ!!」
ソウハが出したのはビクティニ、メロエッタ、ラティアス、ラティオスであった
「ビクティニ、メロエッタ、君達は透明になってリコの身辺の警護をしてくれ」
「クッティーニ!(分かったよ!)」
「ロッタ!(了解!)」
「ラティアスとラティオスは、同じく透明になって遠くから俺達の周りを監視してくれ、何かあったら直ぐに知らせるんだ」
「クォ!(了解!)」
「クゥン!(分かった!)」
ソウハは指示を出すと、4体は身体を透明化し、ビクティニとメロエッタはリコの近くに、ラティアスとラティオスはポケモンセンターから出て、上空からソウハ達の周囲を監視する。
「よし、テンブも何か異常を見つけたら直ぐに教えてくれ」
「(分かった!)」
最後にテンブにも伝えて、ソウハはリコの元に戻った。
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ポケモンセンターの近くの広場
ポケモンセンターを出た3人は、近くの広場にて、モリーが所属しているライジングボルテッカーズのリーダーが来るのを待っていた。
モリーは早く来ないかと、遠くを見据えるようにして顔を上げていた。ソウハとリコはモリーから少し離れたベンチに座っている。リコは周りをキョロキョロとしながら、広場を歩いている人やポケモンを見ていた。ソウハはモリーから目を離さずに監視を続けている。
時々、周囲のポケモン達にも声をかけ、異常が無いか確認していた。
「(皆、今の所異常はないか?)」
「ククッティー!(僕とメロエッタの方は異常は無いよ!)」
「クォォ!!グゥゥ!!(遠くからリザードンに乗った白髪の若い男が近付いてくる!恐らく、アイツだ!)」
「(了解!ありがとうラティオス。そのまま引き続き周囲の監視を頼む。)」
「クォォ(分かった)」
ラティオスの言った通り、広場の上空にリザードンに乗った男が現れた。その男は白髪だが、まだ20代ぐらいの若い男で、冒険者のような茶色いフライトジャケットにゴーグルを頭にかけている。
その男はモリーを見つけると近くに着地し、リザードンから降りた。
「ソウハ、もしかしてあの人が……」
「あぁ、モリーの言っていたリーダーだろう」
「モリー、待たせたな。まさか、モリーが1番に見つけてくれるとはな」
「フリード……私もびっくりしたよ。まさか、ポケモンセンターにいたなんてね。それより、電話で話した通り私達をエクスプローラーズの仲間じゃないのかって疑ってるよ。あのソウハって子があの子を守ってたみたいだけど、どうする?」
「な~に、心配するな。証拠になるかどうかは分からないが、説得出来るものも持ってきたからな」
「説得出来るもの?」
「まぁ見てな!」
フリードと呼ばれた男はソウハとリコに近づき、話し掛ける。
「やぁ、始めまして。俺はライジングボルテッカーズのリーダーを務めているフリードだ。よろしくな!!」
「私はリコです。こっちがパートナーのニャオハです。」
「ニャ~」
「リコの友達で同じセキエイ学園に通っているソウハです。こっちがパートナのミジュマル、テンブって名前です」
「ミジュ」
「よろしくな、リコ、ソウハ。早速だが、俺達が昨日お前達の前に現れた男、エクスプローラーズの仲間ではないんじゃないかって疑ってるんだよな?」
「エクスプローラーズ?」
「それがあの男が所属している組織ですか」
「あぁ、悪名高い犯罪者集団だ。」
「貴方達はソイツらとは関係ないのですか?」
「あぁ勿論だ。奴等は犯罪者だが、俺達は世界中を飛び回り、未だ見ぬポケモンや世界の様々な謎を探る冒険家の集まりなのさ!!!」
「冒険家……」
「貴方達は冒険家なのに、人探しとかの依頼とか受けるんですね?」
「まぁな、冒険にも資金は必要だから、たまに資金集めとしてそういう依頼を受けることもある」
「(冒険が仕事じゃないんだ……)」
「リコの母親から依頼を受けたと聞きましたが、それを裏付ける証拠はありますか?」
「証拠……証拠は……………
無い!」
モリーとリコ、ニャオハとラッキーがずっこけた。
「無いんですか!?」
「おい!フリード!!」
「・・・ふざけてるんですか?」
「証拠は無いが、信用出来るものならあるぞ」
「信用出来るもの?」
「実は俺、こう見えてポケモン博士なんだ」
「え!?」
「ポケモン博士?貴方がですか?」
「そうだ、まぁ俺は研究所の机の上でガリガリ研究するんじゃなくて、『戦うポケモン博士』をモットーにしている!」
「はぁ?」
「だからな、俺もモリーから『ソウハ』って名前を聞いた時、ふとイッシュのアララギ博士から今注目しているトレーナーの名前を思い出したんだよ。ポケモンリーグで優勝した、君のことをな」
「!!アララギ博士と知り合いなんですか!?」
「あぁ、個人的に何度か会ってはいる。アララギ博士に確認を取ってみればどうだ?そうすれば、俺のことやライジングボルテッカーズのことも色々と聞ける筈だ、それが何よりの信用にはならないか?」
「・・・(嘘を言ってるようには思えない)」
「(たしかにな)」
「それに、俺はリコの母親とも少し関係があるんだ。」
「え?お母さんと?」
「お前の母親、『ルカ』って名前でパルデア地方で教師やってんだろ?」
「は、はい!そうです!でも、なんで知っているんですか?」
「あの人は俺がまだ学生の時の担任でな、色々とお世話になったんだ。あの人がいなけりゃ、俺はこうして冒険家にもライジングボルテッカーズも結成されなかっただろう」
「えぇ!?」
「・・・」
次々と衝撃的なことが明かされる中、ソウハは決断する。
「フリードさん、でしたよね。アララギ博士に確認を取らせてください。それでフリードさんのことを知っているようであれば、貴方達のことを信じようと思います。よろしいですか?」
「あぁ、良いぜ」
「リコもそれで良いか?」
「う、うん」
それからソウハはスマホロトムを取り出し、アララギ博士に再び電話をかける。
ロトロトロト………ロトロトロト ………ロトロトロト ………ロトロトロト ………ロトロトロト ………
『もしもし、あらソウハ!!今度はどうしたの?また、転送?』
「何度もすみません、アララギ博士。実は博士にお尋ねしたいことがありまして、フリードというポケモン博士をご存知ですか?」
『あら、フリード?知っているけど、その人がどうかしたの?』
「そのフリードという人のことについて教えてもらえませんか?」
『えぇ良いわよ、フリードはちょっと変わったポケモン博士でね、ライジングボルテッカーズっていう冒険家集団を組織して、世界中を旅しているのよ。だから、どこの地方にも研究所を構えていなくて、世間的にもあまり名の知られていない博士なのよねぇ……』
「それでは、ライジングボルテッカーズという団体は本当にあって、悪の組織ではなく、冒険家達の集まりということですね?」
『えぇ、そういう認識で良いわよ。』
「・・・分かりました。ありがとうございます。」
『えぇ、それじゃあね、ソウハ!』
「はい」
ソウハはスマホロトムを切る。そして、フリードの前まで歩いていった。
「アララギ博士から確認は取れました、フリード博士。疑ってすみませんでした。」
頭を下げ、謝罪する
「ハハッ、別に気にしてないから頭を上げてくれよ。昨日から続けざまに知らない奴に会っていきなり信じろって言われてちゃあ、そりゃ用心深くもなる。むしろ、お前のその用心深さのおかげで、彼女は今まで無事だったんだ。俺からも、恩師の娘さんをエクスプローラーズから守ってくれたことに感謝してる、ありがとう。」
フリードも頭を下げ、ソウハに向かって感謝を述べた。
「そう言っていただけるとありがたいです。実は『ソウハ!12時の方向、ポケモンセンターの陰から此方をずっと監視している3人組がいる!!今ポケモンを出した!!』!!(どこだ!?....あそこか!!)」
ソウハはラティオスからのテレパシーを受け取り、ポケモンセンターの方を見ると3体のポケモンとそのポケモンのトレーナーと思しき3人組がいた。
「(ゴルダックにサイドンとあのポケモンは見たことがない....けど、あいつ等こっち攻撃する態勢とってやがる!!)」
「ソウハ、どうした?」
ポケモンセンターの陰から、3体のポケモンは此方に向かって技を繰り出そうとしていた。
「ソウブレイズ、サイコカッター!!」
「ゴルダック、みずのはどう!!」
「サイドン、ロックブラスト!!」
「全員伏せろ!!テンブ、うずしお!!」
「ジュマジューー!!(おりゃぁ!!)」
ドゴォォン!!
向こうからこちらに向かって飛んできた3体のポケモンの技を、テンブのうずしおが相殺した。
相殺したことによって爆発が起き、周囲に黒煙が立ち上る。
「きゃあ!!...え、なに!?」
「な、なんだ!?」
「クッッ・・・クソ!エクスプローラーズか!?一体どこから!?」
「フリードさん!!あそこです!!」
ソウハは攻撃してきた3人を指差した。3人は陰から出てきて、こちらに姿を現した。
「あの人、昨日私の部屋に来た人!」
「どうやら、間違いないようだな。おい、エクスプローラーズ!いきなり随分なご挨拶だな!!」
「お前たちに用はない、用があるのはその少女が持っているペンダントにだけだ」
「随分と手こずらせてくれたわね、あんた」
「大人しくそのペンダントをこちらに渡せ、そうすれば乱暴なことはしない」
「何が乱暴なことはしないだ。テンブが相殺してくれなきゃ、こっちが大けがしてたかもしれねえんだぞ!」
「ミジュ!!」
「それに、ペンダントは渡せません!!これはおばあちゃんから貰った大切なお守りなんです!!」
「ニャー!!」
「・・・ならば仕方ない、実力行使で行くまで。ソウブレイズ!!」
「ソウゥゥブレイ!!」
「あのポケモン、ソウブレイズっていうのか」ピ!(スマホロトムをかざす)
『ソウブレイズ:ひのけんしポケモン ほのお・ゴーストタイプ 両腕の炎の剣は志半ばで力つきた剣士の怨念で燃え上がると呼ばれている』
白と黒のツートンカラーの髪をした男の前に、ソウブレイズが身構えた。
「テンブ、このまま行けるか」
「ミージュ!!(勿論だ!!)」
「よし、テンブ、行くぜ!!」
「ミジュ!!」
テンブはソウハの肩から降り、ソウハの前に立つ。
「貴様、俺のソウブレイズに....まさかミジュマルで挑むつもりか?」
「そうだけど?何か問題でも?」
「・・・舐めているのか!!」
「舐めてなんかいねえよ、俺の相棒はめっちゃ強いぞ」
「ミジュマ!!」
「バトルする前に条件がある。俺たちが勝てば、お前たちはこの町から出ていけ、良いな」
「ではこっちが勝てば、ペンダントは我々が貰う」
「・・・分かった」
「ソウハ!!」
「リコ、勝手に決めてすまん!!だが、これしか奴らを追っ払える方法がないんだ」
「そうじゃなくて、ソウハやテンブが私のために傷つくのは....嫌なの」
「リコ...」
「心配するなリコ」
「フリードさん?」
「ソウハはポケモンリーグの優勝者だ、簡単にやられるような奴じゃないさ」
「フリードさん....」
「あいつを信じよう。それが俺たちに出来ることだ」
フリードはリコの頭を優しく撫で、落ち着かせる。
「1対1のポケモンバトルだ。お前たち、手出しはするな」
「「は!!アメジオ様!!」」
「フリードさん、リコも手は出さないでくれ」
「了解だ」
「・・・・分かった。ソウハ、絶対に勝って!!」
「あぁ!!」
「まずはこっちから行くぞ!!ソウブレイズ、むねんのつるぎ!!」
「ソウ!!」
「テンブ、そのままでいろ。ソウブレイズの動きを見るんだ。」
「ミジュ(おう)」
ソウハはテンブに何もせず、ソウブレイズの動きを見ろと指示を出した。その結果、ソウブレイズのむねんのつるぎはテンブに直撃する。
だが、
ザシュ!!
「ソウ!?」
「なに!?」
テンブは吹っ飛ばされたりせず、その場を動かずに頭で刃を受け止めていた
「ミジュジュマ!!(こんくらい、どうってこと無い!!)」
「よしテンブ、シェルブレード!!」
「ジュマ!!」
ソウブレイズの刃はテンブの頭で受け止められてるままのため、テンブのシェルブレードはソウブレイズの懐に当たった。みずタイプの技はソウブレイズには効果は抜群である
ドガァン!!
「ブレ!?」
「ソウブレイズ!!」
「ソウ………ソウブレ……」
「たったの一撃でここまでとは……」
「どうした、もう終わりか?」
「!!舐めるな!!ソウブレイズ、サイコカッター!!」
「テンブ、また受け止めろ。」
「ミジュ!!」
サイコカッターは防御も何もしていないテンブに全て当たった
「(防御も避けもせず、全て当たりに行った!?)」
「(ソウハ、テンブ………)」
サイコカッターによる煙が晴れると、そこには何事もなかったかのように立っているテンブがいた。
「ミジュマ!!(ふん!)」
「よし、問題ねぇな」
「ジュマジュマ、ジュージュー(このくらいでやられてちゃあ、
「馬鹿な……」
「ブゥレイ!?」
「そんな!?アメジオ様のソウブレイズはかなりのレベルの筈なのに!?」
「何なの!?あのミジュマル!?」
「テンブ、みずのちかい!!」
「ジュー!!ジュマーー!!(おんどりゃあ!!)」
テンブが足を地面にめり込むほど強く踏み込むと、ソウブレイズに向かって地面から水柱が勢いよく吹き出した。
水柱はソウブレイズを中心に円を描くように囲み、やがて中心のソウブレイズの下から水柱が勢いよく吹き出した。
「ブレレィィ!?」
「ソウブレイズ!?」
「ソウ……ソゥゥ………」
ソウブレイズは高く上空に打ち上がり、落下した。
地面に叩きつけられたソウブレイズは、目を回し、戦闘不能状態となっていた。
「ソウブレイズは、戦闘不能、だよな?」
「ミジュ!」
「くっ!!」
「凄い、ソウハが強いとは思ってたけどここまで強いなんて!」
「おいおいこりゃ、想像以上の強さだな」
「あそこまで一方的に……」
「まさか、アメジオ様のソウブレイズが……」
「あんなに、呆気なく……」
「さぁ、俺達の勝ちだな。約束通り、お前達は町から出ていけ」
「・・・」
「アメジオ様、次は俺が!!」
「やめろ!!手出しはするな!!…………戻れ、ソウブレイズ」
「アメジオ様!?」
「・・・行くぞ、町から出る。」
「しかし、ペンダントは?」
「・・・今日の所は退いてやる。だが、ペンダントを諦めたわけではないからな………次は貴様に勝つ」
「あぁ、また相手になるぜ。えっと………」
「・・・アメジオだ」
「アメジオ、俺はソウハだ。こっちは俺の相棒のミジュマルで、名前はテンブ」
「ミジュ」
「・・・ソウハ、テンブ、覚えておこう。………行くぞ」
「「ハッ!!」」
アメジオはアーマーガアを、残り2人はエアームドをボールから出した。それぞれポケモン達に乗ると、空を飛んだ。アメジオはアーマーガアに乗りながら、上空からソウハ達に向かって叫ぶ。
「我々エクスプローラーズは、必ずお前の持っているペンダントを手に入れる。精々寝首をかかれないよう、用心することだな」
そう言うと、3人は向こうへ飛んでいった。
「ふぅ、アイツが約束を守る男で良かったよ」
「ミージュ(だな)」
「ソウハ!!」
「おわ、リコ!?」
ソウハは飛んでいった3人を見ながら呟く。そうしていると、今まで遠くから観戦していたリコが突然、走って近付き、抱きついてきた。
「ソウハ、大丈夫なの!?」
「リコ!?」
「大丈夫!?怪我してないの!?」
「お、おぉ大丈夫だ。それに俺より、テンブにそう言うこと言えよ」
「あ、そっか!テンブ、大丈夫!?」
「ミジュ?ミージュ!!」
「テンブが『大丈夫だ!!』って言ってるし、安心しろ、リコ」
「そう……良かった……」
ソウハがテンブは大丈夫だと伝えると、リコは安心する。そこへ同じくバトルを観戦していたフリードとモリーも近付いてくる。
「お疲れだったなソウハ。それにしても、たったの2撃でソウブレイズを倒しちまうなんて、タイプが良かったこともあるが、中々の強さだな!!」
「ありがとうございます。テンブは強いですよ、見た目に寄らず」
「ミジュ!!(おい、一言余計だ!)」
「それより、早くその子をポケモンセンターに連れていくよ!見た感じどこも怪我してなさそうだけど、診るに越したことはないから」
「そうだな、よし!ポケモンセンターに行ってから俺達の船に案内しよう!」
「「船?」」
「ミジュ?(船?)」
「ニャオハ?(船?)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ソウハ達はポケモンセンターでテンブを診て貰った後、町の港へ向かっていた。
「フリードさん、船って一体?」
「まぁ、見れば分かるさ」
「まったく、フリードってば何時もこうなんだから」
「???」
リコはフリードの言う船とは、どういうものなのか気になっていた。
ソウハは周囲の警戒をまだ解いてはいなかった。もしかすれば、一旦退くというのはブラフで、油断を誘うようにしているのかと思い、警戒は解かないようにしている。
「(ビクティニ、メロエッタは3人の周囲を頼む。ラティオスとラティアスは空から引き続き護衛してくれ)」
「「「「(了解!!)」」」」
それから、4人は港まで歩いた。
港に辿り着くと目に入ったのは、巨大な飛行船であった。
「これって!!」
「船って、飛行船のことだったんだな」
「ミージュゥ~(けっこうデケェ~)」
「こいつが、俺達の船でもあり家でもあるブレイブアサギ号だ!!」
「ブレイブ……」
「アサギ号……」
「さぁ、中を案内しよう!!」
フリードとモリーは先導して、飛行船の中に入っていき、それに続くようにリコとソウハも入っていった。
ソウハとリコは飛行船の中のミーティングルームのような所に入っていた。そこには、沢山のポケモン達と3人の大人がいた。
「フリード!!」
「よぉ、マードック!!」
2人は何かの証なのか、グータッチして独特な合図をしていた。
「その子が依頼の?」
「あぁ、リコだ」
「その少年は?」
「リコの友達で、エクスプローラーズから守ってくれていたソウハだ。」
「え、えと、リコです!こっちがパートナーのニャオハです!」
「ニャー」
「ソウハです。コイツが俺の相棒のミジュマルこと、テンブって言います。」
「ミージュ!!」
「「よろしくお願いします!」」
「よろしくな、俺はマードック。こっちがパートナーのイワンコだ。この船で料理を作っているんだ、よろしくな」
「ワン!」
「私はオリオ、それで相棒がメタグロス。この船のメカニック担当よ、よろしくね」
「メタグロ!!」
「私ももう1回しとくか、私の名はモリー。この船で医療を担当してるんだ。パートナーがこの子、ラッキーだよ」
「ラッキ~」
「よろしくお願いします、皆さん」
「この人達が、ライジングボルテッカーズのメンバーですか……」
「あぁ実は、まだ2人クルーがいるんだが、その2人はまた追々紹介しよう」
「そう……ですか……?」
「???」
「まぁ取り敢えず、俺達はリコをパルデア地方まで送り届けるという依頼を果たすために迎えに来たんだ。パルデア地方まで、エクスプローラーズという連中がまた来ても、俺達が全力で君を守る。俺達の船に乗ってくれないか?」
「・・・ソウハ」
「リコ、お前が決めろ。お前はどうしたいんだ?」
「・・・私は、私のこのペンダントが狙われるせいで、もしかしたら人やポケモンが傷つくかもしれない」
「・・・」
「それが堪らなく怖いんです。でも、ただ怖がってちゃ駄目なんだって、今日のソウハとのバトルを見て思いました。」
「え?(俺のバトルを見て?)」
「お願いします。私をパルデア地方まで、連れて行って下さい!」
「あぁ、勿論だリコ。俺達、ライジングボルテッカーズが着いてるんだ、安心しろ!」
「フリードさん」
「リコ、俺も一緒に行く。」
「ソウハ!!良いの!?」
「当然だ。一緒に旅をするって約束しただろ?安心しろ、俺もリコを守るよ」
「ッッ!!ありがとう!!」
「というわけで、フリードさん。俺もこの船に乗せて貰ってもよろしいでしょうか?」
「あぁ!!構わないぜ!!ポケモンリーグ優勝者がいれば心強い!!」
そうしてフリードは拳を突きだすと、クルーの皆も同じようにして拳を突きだす。
「ほら、2人も」
「あ、はい」
「えっと」
それからライジングボルテッカーズの証のグータッチを行った。
「それじゃあ、目指すはパルデア地方のリコの家!ヨーソロー!!」
こうして、ライジングボルテッカーズという冒険家集団に加わったリコとソウハ。
この先、何が待ち受けているのか?