復活したと思ったら捕まって振り回されてるんだけど!? 作:雪山崇一
勢いで投稿しました!
「おっはよー
「――うひゃあ!?」
ベッドの上で飛び跳ねる。
結局
ここは自分に与えられた部屋。その部屋の外から聞こえる朝っぱらから元気な声の主は自分を引き取った張本人。
……相手からしてみれば娘が出来たみたいな感覚なのだろうが、パジャマ姿の外見一四歳くらいの少女からすれば恐怖でしかない。
(ぶ、武器! 武器になるもの!)
部屋中を見回す。
普通はリビングとかに置かれるような大きなテレビ。
そのテレビの反対方向に設置されたソファー。
部屋の
めちゃくちゃ快適な部屋の中から彼女が手に取った武器は――
「よい、しょ。……よし」
お布団。まだ自分の
……最初は椅子をと思ったが、やめた。
……だって、下手したらケガとかさせちゃいそうだし。
そんなこんなですぐに何の役にもたたないと知る武器(かわいい)を抱き締めドアの前に立つ。
恐る恐るドアのつまみを捻り、鍵を開けて――
「――やーっと開けてくれたね!」
「ひゃあああああーーー!?」
悲鳴と共に暴れだすがまるで食いついているかのように離れない。
「な、何でだよ!? ドアも開けてないのに!」
「
「おはよう――じゃねーよ!! お前
何を隠そう、この女性こそが昨日彼女を引き取った張本人、
少女の
「――ってか
「えっへへ~」
薄い紫の髪を持つ少女――月河
良い人……ではあるのだが、見ての通り、昨日娘になったばかりの女の子に隙あらば抱きついてくるレベルのスキンシップの鬼。
若干恐怖を感じるほど凄まじい
「ねぇねぇ、朝ごはん何が食べたい? お母さん玲奈の頼みだったら何でも作っちゃう!」
「人の話を聞けッ! あと着替えるから一回出てけ! ……でも朝ごはんはトーストの上に目玉焼きが乗ったやつ、アレが食べたい!」
何とかして
ほんの一分程度の攻防で息の上がった玲奈は大きくため息をつき、
「はー……、何で朝からこんな疲れなきゃならないんだよ……うぅ、さむっ」
縮こまりながら両腕を擦る。
だがこの寒さはまだマシな方だ……七美に引き取られる前にいた場所では、これ以上の冷たさを味わった。
……地下にある、鉄格子のついた石の部屋。
地下室であるが故に日があたらず、手足の感覚がなくなるくらいの冷たさ。
(それに比べたら、ここは天国だな)
表情を柔らかくしながらパジャマに手をかける。
着替えは確か、七美が適当に見繕ってくれたものがタンスに――
「――そうそう、言い忘れてたけど!」
バンッ! と不意に出ていった筈の七美がドアを
「――ぶうぅぅぅ!?」
背中に
「あ、あー……ご、ごめんね」
苦笑しながら、七美は持ってきたモノを前に差し出す。
「君、今日から学校だから。コレに着替えて」
「は、――はあああああああああああ!?」
伸びていた体が一瞬で立ち直る。
七美の差し出したモノを見れば、白のシャツに黒のブレザー、赤と黒のチェックスカートといった制服一式がそこにあった。
「が、学校!? そんなの聞いてないぞ!」
「そりゃそうだろうね。お母さんが内緒で入学手続きを進めてたんだから。ほら、着替えて着替えて!」
「ちょっ、お、おい! せめてもうちょっと説明を……っていうかどうやって一夜で手続きしたんだよ!?」
グイグイ、と制服を押し付けてくる。
……それどころか部屋に入ってくる。
……それどころか顔がどんどん近づいてくる。
怖い。おっかない。……そんな玲奈の気持ちも知らず、七美は異様に高いテンションで詰めよってくる。
「さあ着替えて。娘の晴れ姿をお母さんに見せて! あ、もしかして着方がわからない? だいじょーぶだいじょーぶお母さんが手伝うから!
あ! 撮影会しようよ撮影会! 娘が初めて制服へと着替えるその瞬間を永遠に記録に残してお――」
「――そんなの許すわけねぇだろが変態ッ!! 一人で着替えるからさっさと出てけぇぇぇー!!」
ぶー、ぶー、と唇を尖らせる
「はぁ……はぁ……」
ドアに背中を預けて腰を下ろしていく。
復活してから
「もう、やだ。……こんなコトならずっと封印されてたかった……」