復活したと思ったら捕まって振り回されてるんだけど!?   作:雪山崇一

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 誤字報告ありがとうございます!

 今回はいつもより長いです。


第八節 三人の魔帝(エンペラー)

 頭に叩き込んだマップを元に、指定された場所までを最短距離で駆け抜ける。

 気づけばここは山の中、背後にはライトアップされた街が広がっていた。

 

「祈梨! ……祈梨っ!」

 

 ()を上げそうになる体に(むち)を打ち、人質に取られた妹同然の少女の名前を何度も口にする。

 それほど焦っているということだろう。

 指定された場所まであと少しという距離になっても体と声から焦りが消えることはない。

 

 だから、気づかなかった。

 いま自分が走っている道は、以前通った事がある道(・・・・・・・・・・)であることに。

 

「っ――、ここは……」

 

 その事に気づいたのは、指定された場所についた時……目の前に広がるのは、焼き払われた廃村(・・・・・・・・)

 今から五日前、あの獣と戦い――ほんの僅かとはいえ、記憶を思い出した場所。

 

(いや、今はそれよりも……!)

 

 (かぶり)を振って浮かんだ考えを払う。

 

「祈梨ー! 何処にいる! 私だ、お姉ちゃんだ!」

 

 何度も呼び、耳をすませる。

 ……すると、

 

 

「――ゃ……ん――お……ね――ゃん――!」

 

 

「!? 祈梨――!」

 

 廃村の奥から聞こえてくる微かな声。

 祈梨の声だと確信し、後先考えず暗闇の中へと走っていく。

 

「はぁ! はぁ――!」

 

 薄い紫の髪は額に張り付き、体は休息を求めてくる。

 ――“黙れ”。と、その考えを蹴り飛ばし、前へ前へと進んでいく。

 そして、

 

「――祈梨!」

 

「っ! お姉ちゃん――!」

 

 廃村の奥で祈梨の姿を捉えた。

 暗闇から伸びた縄が両手首にかかり、左右から引っ張られた状態で(ひざまづ)いている。

 頬を伝う涙と充血した瞳が、彼女がどれだけ恐怖に怯え、ここに(さら)されていたのかを表していた。

 

「待ってろ、すぐに――」

 

 祈梨の元に駆け寄ろうとし、

 

 ――――コツン(・・・)、と。

 

 靴音が鳴り……何者かが暗闇から抜け出て、玲奈(れいな)と祈梨の間に姿を現した。

 

「――ッ!」

 

 ……十中八九(じっちゅうはっく)、祈梨を誘拐した犯人だ。

 立ち止まり身構える。

 すぐに戦闘に入れるように全身に魔力を奔らせる。

 

「お前が祈梨を誘拐し、……た――」

 

 敵意を持って顔を睨む……だが、顔を見た途端言葉が止まった。

 月の光に照らされた犯人の顔……その顔に、見覚えがある。

 赤い髪。ふっとした柔らかな瞳。表情は穏やかで笑みさえ含めているが、この状況では恐怖にしか感じない。

 

「……夜風(・・)斉司(・・)

 

「ようこそ、玲奈くん。来てくれて嬉しいよ」

 

 つい数時間前まで夜風家で話していた人物。

 祈梨の父親、夜風(やかぜ)斉司(さいじ)が玲奈の前に立ちはだかっていた。

 玲奈の碧眼(へきがん)が斉司を睨み付ける。

 

「……何の真似だ? 誘拐された娘を助けに来た父親にしてはやってる事が不適切だと思うが……」

 

「そうだね。――娘を助けに来たのならば私の行動は不適切だ。

 だが、祈梨(このこ)を人質に君を脅迫した張本人ならば……今の私の行動に何も間違いはないだろう?」

 

 立ちはだかった時点で察しが付いていたが、改めて言われると舌打ちを隠しきれない……。

 

「お、お父さん……どうして……っ」

 

「……ふっ」

 

 祈梨の震えた声に鼻で笑うと、

 

「どうしても何も、欲しいもの(・・・・・)が目の前に現れたんだ。ならばそれを手に入れる為に行動するのが人として当然の事だと思うがね」

 

「欲しい、もの?」

 

「……そうさ」

 

 スッと目を細める。

 もはやそれしか眼中にないといった感じで、玲奈を足から頭まで舐めるように見て、

 

「五〇〇年前……魔術師のみならず、魔帝さえも(・・・・・)葬り去り、魔術世界を恐怖に陥れた化け物。

 そんな貴女(・・)の力に魅了され――その力を手に入れる為に、今日まで生きてきた」

 

 興奮を隠しきれないといった感じで、次々と言葉を並べていく。……それはまるで、夢を語る子どものようだった。

 

「改めて挨拶を。初めまして、魔神(まじん)

 ――私が貴女の封印を解いた魔帝(・・・・・・・・・・・・・)、夜風斉司と申します」

 

          ◆

 

「……な、ん――ッ!?」

 

 目の前の魔帝(エンペラー)の告白に、玲奈は息を詰まらせる。

 

(私の封印を、解いた……? コイツがか!?)

 

「ふ――ふふ。やはり驚いているようだね」

 

 ニヤリ、と。

 気味の悪い笑みを浮かべながら、男は語り出す。

 

「今から一週間ほど前、魔術塔に忍び込んだ私は、長年かけて編み上げた術式を君が封印された結晶にかけ、その封印を解いた。

 封印解除と共に君を(さら)うつもりだったのだが、彼女(・・)に勘づかれてしまってね。……流石に真っ正面からでは勝てないと思い、断腸の思いでその場を後にした。

 ――チャンスは必ず訪れる。そう信じてね」

 

「彼女……?」

 

 問おうとしたが、すぐにハッとする。

 魔神の封印を解くことができるほどの実力者。

 そんな魔帝(エンペラー)が恐れるほどの存在など、あの場には一人しかいなかった。

 

月河七美(・・・・)か」

 

「その通り。……いやぁ、君が月河の苗字を名乗った時は驚いたよ。まさかあの女、君を養子として引き取るとはね」

 

「……なるほど。私をこの姿にしたのもお前か。人間の肉体を与え、力を削ぐとは考えたな」

 

 黒い毛並みのない(・・・・・・・・)、華奢な腕。

 一〇メートルの巨体ではない(・・・・・・・・・・・・・)、己の体。

 

 封印を解くほどの魔帝(エンペラー)だ。

 これぐらいはできて当然なのかもしれなかった。

 

「……いや、」

 

 なのに、斉司は顎に手を当てて、

 

それ(・・)をやったのは私ではない。封印を解除こそはしたが、それ以外には手を加えていない。

 私としてはありのまま(・・・・・)の君が出てきてくれるのを望んでいたからね」

 

「……は?」

 

「しかし……私は運がいい。

 君が少女の姿に変わっているなど普通は思いもしないし、知る手段もなかったが……祈梨が君を家に連れてきた際、封印の結晶から僅かに漏れていた魔力の気配――それを君自身が放っていたからね。

 最初こそは自分を疑ったが、近くにいて確信したよ。

 君が……あの魔神だと」

 

 斉司が淡々と言葉を並べているが、玲奈の頭にはほとんど入ってきていなかった。

 脳内に浮かんでいたのは疑問だけ。

 

(コイツが私をこうしたんじゃない……。

 じゃあ、この体は何なんだ? どうして私は人間になった?)

 

 どうして――、……どうして――――

 

          ◆

 

 活■体と■る器■■成(・・・・・・・・・・)

 

 力■■へと納める■に成■(・・・・・・・・・・・・)

 

 ■格■成(・・・・)■功(・・)

 

 活■■との人格■合(・・・・・・・・・)成■(・・)

 

 現■■識の付■(・・・・・・・)■■(・・)

 

 ――――封印(・・)解除を確認(・・・・・)

 

          ◆

 

「ッ! ……う――ッ」

 

 ピシッ――と、脳内に痛みが奔った。

 ……そうだ。……確か、

 

()……)

 

 目覚める前……否、封印から解き放たれる前、

 何かの……誰かの声を、聞いたような――

 

 ――と、その時、

 

「ッ!? 何だ――?」

 

 背後より……街の方より誰かの悲鳴が聞こえた。

 それも一人ではない、二人、三人……いや、数十人を超えて数百――街に住んでいる人たち全員が叫んでいるのではないかと思うほどの悲鳴がここまで聞こえてくる。

 

「精々、長く持ってくれよ」

 

 斉司はこうなる事がわかっていたように、何かに期待するように街に向かって声を投げた。

 玲奈は斉司の方へと振り返り、

 

「これもお前の仕業かッ! 一体何を――!」

 

「ふふ――っ」

 

          ◆

 

『  夜風(やかぜ)斉司(さいじ)

 

 調査によると、この街に住んでいる私とトップ(あのこ)に続く三人目の魔帝(エンペラー)であり、度を越えたイカれ野郎。

 

 現在は祈梨という少女を養子にとっているが(・・・・・・・・・・・・・・・・・)、それ以前にも、養子を何人もとっていた(・・・・・・・・・・・)事がわかった。

 しかもその全員が行方を眩ませており(・・・・・・・・・)、今も見つかっていない。

 

 ――だが、それも今日までだ。

 私は今、養子にとられた者の行方を掴むことに成功している。

 ……ただ、

 

 …………誰一人として(・・・・・・)生きてはいないが(・・・・・・・・)。  』

 

 

 

「…………」

 

 書き記し、七美(ななみ)は手帳を閉じた。

 ここはようやく見つけた三人目の魔帝(エンペラー)の家。

 夜風家――その地下(・・・・)

 

「用意周到だね、まったく……」

 

 この地下には普通の手段では入れない。

 何故なら……ここは玄関から続く廊下の奥(・・・・・・・・・・)()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だからだ。

 転移(てんい)魔術(まじゅつ)を応用して作ったものだろう。

 

「こんな事ができるなんて……流石は魔帝(エンペラー)だ」

 

 魔力の残滓を辿ってこの家を見つけたのがつい先ほど……表札の苗字を見て調べ、夜風斉司の事を調べ上げるのに二〇分……この地下室を見つけるのに一〇分。

 

 ……急いだものの、随分とかかってしまったものだ。

 

「……っ、」

 

 七美は鼻につく異臭と部屋の惨状(・・・・・・・・・・・・)に顔をしかめながら、周囲を見回す。

 

 

 …………この部屋の至るところに、血が付着している。

 怪我をして血がついた、というレベルではない。

 明らかに――潰され/裂かれ/弄られ――その過程で体から吹き出たモノだ。

 

 辺りには血の付いた器具(・・)が散乱している。

 ……何に使うのか。何となく察しはつくが、使用されている光景を想像したくはない。

 

 これだけでも常人には耐えられないであろう凄惨な現場だが……ここにはもう一つ……いや、()だけでいうならば幾つもの(・・・・)……すぐにでも目を反らしたいほどのソレ(・・)が転がっている。

 

 

(…………狼や熊、蛇といった動物もいるけど……一番は――)

 

 ――子ども(・・・)

 恐らくは、養子に引き取られていた子ども…………今はもう生前の姿など見る影もなく……人体実験(・・・・)の果てに殺された成れの果ての姿が転がるばかり。

 

「…………ふざけやがって……ッ――」

 

 先ほど七美が手帳に『度を越えたイカれ野郎』と記入したのはこういうこと。

 夜風斉司は引き取った養子……または捕獲した動物に対して生物実験を行っている。

 理由はまだわからないが、この惨状は夜風斉司という人間の本質を表していた。

 

 一人一人、一匹一匹に手を合わせながら、部屋の奥へと進んでいく。

 

「……これは」

 

 何かを収容していた(・・・・・・・・・)と思わしき巨大な部屋の中心で、七美は眉を動かした。

 ……魔術の痕跡がある。それもつい先ほど起動(・・・・・・・)したであろう痕跡が。

 

「転移の、魔術……?」

 

 自分も行使する為、すぐに正体がわかった。

 巨大な転移の魔術……それも術者本人が行使するのではなく、場所に刻んでおき、術者が離れていても条件が揃えば起動するタイプのもの。

 

 ――と。

 そこまでわかったところで……グラグラグラッ! という振動が地下室全体を襲った。

 

「……()?」

 

 一瞬地震かとも思ったが、すぐに違うと理解し、天井を見上げる。

 今のは地震ではない……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

          ◆

 

 地上から発生した振動だとわかった瞬間、すぐに転移し、地下から地上へと移動する。

 ……そして、

 

「チッ――なるほど。地下室で転移が起動してたのはそういうことか……!」

 

 目の前に広がる光景に舌打ちする。

 ――狼。熊。蛇。

 

 全身から並々ならぬ魔力を放っている(・・・・・・・・・・・・・・・・・)もはや魔獣とも言うべき三匹の獣(・・・・・・・・・・・・・・・)が街を破壊し暴れまわっていた。

 

 地下で見た個体とは別の個体。

 実験に耐えられなかった彼らとは違い、彼らは実験に耐えてしまい(・・・・・・)、動物から魔獣へと変貌してしまった存在。

 

(あの部屋に収容されてた動物たちだろうけど……どうして街に転移させた?

 ただ暴れさせたいというならそれまでだけど……それなら今じゃなくてもいいはずだし――――いや、待て)

 

 狼の魔獣――二足で立つヒト型狼の一撃を躱しながら、

 

(あの転移は条件起動式(・・・・・)――なら、私があの場に……魔帝が近づけば転移する(・・・・・・・・・・・)――という起動条件だった可能性もある)

 

 攻撃の一つ一つを見切りながら思考をフル回転させていく。

 

(こうなる事を予期(よき)していたのなら、ヤツには何か別の目的(・・・・)がある。魔獣を暴れさせる事とは別の何かが――)

 

 その場から飛び退き、魔獣から距離を取る。

 

「君たちに恨みはないけど、そうなってしまった以上、してあげられるのは介錯(かいしゃく)くらいだ……それに――」

 

 夜風(やかぜ)祈梨(いのり)

 今、ヤツに養子にとられている少女……あの家にいなかった以上、安否(あんぴ)が気になる……彼女の捜索もしなければならない――だから、

 

「――ごめんね」

 

 ――ズシャアアアアッッッ(・・・・・・・・・・)!! と。

 狼に向けた右手の(てのひら)より、氷の刃が吹き出た。

 

 咄嗟に狼は身を捻るが、吹き出た(やいば)は狼の左腕を根元から切り飛ばす。

 

 現存する全属性の魔術――その全てを極限まで鍛え上げ魔帝となった(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)彼女だからこそ成せる技。

 

「手加減は一切しないよ……」

 

 掌には冷気。

 周囲には暴風。

 空には幾千(いくせん)もの猛炎(もうえん)の矢。

 

 氷の刃に反応し、破壊行為を繰り返していた残る二匹の魔獣までもが七美に飛びかかる。

 それが開戦の狼煙(のろし)となったように、七美(かのじょ)の異能は(うな)りを上げた。

 

          ◆

 

 ……七美は一つ見落としていた点があった(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「う……あ、――あぁアア――!」

 

「う゛……う゛べ……」

 

「アァ……アア――アアアアアッ!!」

 

 七美のいる場所から数キロほど離れた場所。

 そこには……自分の意思で動くことなどもう叶わない、目につく人間を見境なく襲っていく沢山の子どもの姿があった(・・・・・・・・・・・・)……。

 

「な、何だよコイツら――!?」

 

「ひ、ひぃぃ……! く、来るなァ!?」

 

 先ほどの話に出てきた夜風斉司に養子に引き取られた子ども……実験に耐えてしまい(・・・・・・・・・)、遺体ではなく怪物(・・)となってしまった子どもたち。

 

 動物を魔獣(まじゅう)呼称(こしょう)するのならば――人であったこの子たちは“魔人(まじん)”、であろうか。

 時には飛びかかり首に歯を突き立て、時には指先を刃物に変貌させ体に穴を開け、時には腕を鎌に変貌させ切り裂く……住民たちの悲鳴は鳴り止まない。

 

 

 だが、

 ――住民たちの悲鳴は、これ以上発せられることはないだろう。

 何故なら……、

 

 

「――そこまで(・・・・)

 

 ――暗闇から放たれた光の(おび)がジグザクに折れ曲がり、人々を襲っていた魔人を一人残らず串刺しにした。

 

「た……助かっ、た……?」

 

 助けられたことに男性が呆然としていると、一人の青年が傍らに降り立つ。

 

「大丈夫ですか?」

 

「え? あ……は、はい」

 

 その青年――レックは男性に肩を貸すと、この場から離れさせる為に下がっていく。

 

「ライロードはレックと共に住民の救助を、ハイリィは安全が確保できた場所で怪我をした住民に治癒魔術を」

 

『了解』

 

 レックだけではない――魔術塔の三人の魔術師。並びに魔術塔のトップ(・・・・・・・)までもが現場に現れていた。

 指揮するように手を振るえば再び(ムチ)のように光の帯が縦横無尽(じゅうおうむじん)に駆け回り、次々と魔人を無力化させていく。

 

 彼女(・・)のオリジナルの魔術――『(ひかり)(おび)

 ――万物を貫く伸縮自在の帯。

 

「トップ、住民の救助が済みました。我々も戦闘に参加します」

 

「……いや、ライロードは周囲の状況確認。レックはハイリィの元へ向かい治療の手伝いを。この子たちはわたし一人で()る」

 

「はっ」

 

「了解。ご武運を、トップ」

 

 三人に的確な指示を飛ばしていたのは、小柄(こがら)な少女だった。

 トップと呼ばれる少女。

 魔術師の中でも魔帝(エンペラー)という肩書きを持つ、“最強の魔術師”の一人。

 

「オ、オ――オオオオオオオ!」

 

「ガ、ィ……ルウウウウウッ!」

 

「――――」

 

 呻き声と共に魔人は近づいてくる。それは誰が見てもわかる光景。

 しかし、そこに、

 

 

 

        “コロシテ”

 

 

 

 ……そんな悲しい言葉が含まれている事に気づいたのは、魔帝(エンペラー)である少女だけであろう。

 

(……ごめん。そこまで行ってしまったら、助けるのは無理――)

 

 心の中で謝り、背中に四枚の翼を生やす(・・・・・・・・・・・)

 

 彼女(・・)のオリジナルの魔術――『(ひかり)四翼(しよく)』。

 ――攻撃、防御、飛行を可能とする光の翼。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、彼女の名は――

 

「でも約束する。あなたたちをこんな目に合わせたヤツは必ず見つけて――相応の報いを受けさせる」

 

 ――ルイナ(・・・)ミーフェット(・・・・・・)

 玲奈の親友にして魔術塔のトップ。

 この街に存在する三人の魔帝(エンペラー)の中でも最強(・・)の位置に座する、若き魔帝(エンペラー)の名だ。




『ルイナ=ミーフェット』

 ――ついに判明!
 魔術塔のトップにして、三人の魔帝(エンペラー)の中でも最強に位置する存在。

“元”魔神の玲奈が学校に通うという話を、七美に聞いてからは――『面白そう! わたしも通う!』という理由で、同じクラスの生徒となった。
 ちなみに……玲奈とは違う、魔術を使ってみんなの認識を変えている、正真正銘のズル転入である……。

 普段はマイペースかつ自由奔放で、仕事も全部ライロード(おじいちゃん)に任せているが、いざ動くとなると態度を一変させ、冷静沈着な魔帝(エンペラー)としての一面が顔を出す。

(※ちなみに、『第一節』の時点で『第二節』のラストから登場したルイナの口調が描写されていたのですが、
『魔術塔のトップ』=『ルイナ』という事に、気づいた方はおられましたか?)


夜風(やかぜ)斉司(さいじ)

 同情の余地なしのクソ野郎。
 純度一〇〇パーセントの敵であり、敵側の魔帝(エンペラー)

 ――主人公の玲奈が乗り越えなければならない相手。
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