僕は星野に関わりたくない   作:サササ

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9話

やれやれ…今朝は朝っぱらから最悪だったな。

 

内容は殆ど覚えてないけど物凄く変な夢見て心臓バクバク汗びっしょりになるわ家の周りでカラスの鳴き声がうるさいわで……あのカラス、ツクヨミ様系列の眷属とかじゃないだろうな……もしそうだったら不穏にも程があるぞマジで。ここが創作を元にした世界である以上、フラグって言うのは案外馬鹿に出来ない気がするしな……。

 

…待てよ?そもそも別次元の前世の記憶持ち越しで転生してるってだけで割と死亡フラグ満載な気がするな僕。あれ?もしかして僕って結構危ないのか?……まあいいか自分の事なんて。それに今考えても仕方のない事だし。

 

けど一応はあの意味深演技下手疑惑見栄っ張り幼女ちゃんに目をつけられない様行動を……いや、既に見つかっててもおかしくはないよな…魂の形云々とか言ってた気がするし……。そもそもあの子って神様なのか?体は人間って言っていた様な……分からない。だが、ゴロー先生とさりなちゃんを転生させた存在に深く関わっているのは確かだ。

 

…推しの子本編に干渉している神様って何柱居るんだろうな……カミキヒカルにも憑いている気もするし…はぁ。

 

「考えれば考えるほど星野が幸せな未来を歩める可能性ってほぼ0と言うか…詰んでるよなぁ…だけど……関係ないよなそんなこと」

 

だって僕はもう認めてしまったんだ。星野の事が好きなんだって。……誰よりも大切な友達なんだと認めてしまった。

 

だからこそ僕は彼女に泣いてほしくないし、苦しんで欲しくもない。そして何より……死んでほしくない。

 

……ずっと翳る事なく、アクアやルビーを愛して、心の底から笑っていて欲しいと願ってしまった。

 

……そんな未来が、見てみたい。だからもう……。

 

「失う事が怖いから関わりたくないだなんて……言ってる場合じゃないよな」

 

覚悟が決まった、とは少し違う気がする。言うなれば心境の変化。

 

自身の気持ちと感情から目を逸らすのをやめ、現実と向き合う事を決意した。ただそれだけの事。

 

まあ正直ヤケクソとも言うかもしれない。無理ゲー詰みゲーふざけんなクソがやってやるよクソボケっ!みたいな。

 

……あの病院裏の社と洞窟の本殿みたいな所に通ってお供えと清掃、あとお参りとかしてたら敬虔な信者判定されて加護とか貰えないかな…やってみる価値はあるかな?やらないよりはマシな気もするし……。

 

「でもそれだと結局カラスちゃん様に目を付けられる気が……はぁ…どうしよ……」

 

目を付けられた結果、死の運命が星野から僕に切り替わるのならそれはそれでありだが……そう上手くいくとは思えないしなぁ……。

 

結局僕に出来る事なんて一つしかないよな。

 

「死んでも守る……絶対に」

 

月並みな言葉だけど、僕は本気だ。死んでも守る。……死への恐怖は…あるにはあるが、そこまで抵抗はない。

 

なにせ一度死んでるんだからな僕は。一度も二度もそう変わらない。

 

……今度はもう、本当に終わりかもしれないが。

 

それでも僕は……。

 

「あっ、マリア!おはよー!」

 

これからの身の振り方について色々考えていた僕の耳に、何時も通りの星野アイの明るい声が響き渡る。

 

……死なせるかよ、絶対に。

 

「う、うん。おはよう……今日は随分上機嫌だな」

 

「え?そうかな?」

 

「いや…何かキラキラしてるし……良い事でもあった?」

 

「だってあと少しで土曜日だよ?私、凄く楽しみなんだ!」

 

「ふ、ふーん…そんなに楽しみなんだ……」

 

「うんっ、楽しみすぎて最近あんまり眠れてないくらいっ」

 

「小学生かよ……」

 

「?小学生だよ?」

 

「そうだったな……」

 

「ふぁ〜…うーん……ちょっと眠いかも……ねっ、もし私が授業中寝てたら起こしてね?」

 

「別にいいけど…寝ない努力はしろよ。アイ」

 

「それは…が、頑張るっ!……あれ?今……」

 

「?どうした?早く行かなきゃ遅刻するよ?」

 

「……マリア、今私のことアイって呼んだ?」

 

「え?……っ!?い、いやそのこれはっ、間違えてっ!」

 

し、しまったぁぁぁぁぁぁ!!!!!!あんま覚えてないけど多分夢のせいだなこれ!?

 

夢の中で多分僕星野のことアイって呼んでた気がするし!

 

べ、弁明しないとっ!!

 

「そのっ、夢で星野が出てきて……!その影響でついアイって呼んじゃって……!別に変な意味とかある訳では……!ご、ごめん……」

 

「……別に謝らなくてもいいよ?嫌じゃないから」

 

「へ?そ、そうなの?……馴れ馴れしくてキモいとか思わないの?」

 

「思わないよ。寧ろ……」

 

「……?」

 

「ううんっ、何でもないっ!それより!私が出てくる夢ってどんな夢だったの?教えてよ」

 

「べ、別に……いいだろそんなの。教えないよ恥ずかしいし」

 

「…へー?教えられないような夢見てたんだ?……エッチな夢とか?」

 

「はぁ!?ち、違うよ!普通の夢だよ普通の夢っ!!」

 

「必死なのが逆に怪しいよー?……マリアのエッチ♪」

 

「だ、だから違うって!」

 

くそっ!星野のやつここぞとばかりに揶揄ってきやがって!

 

僕がどんだけお前の事で悩んでると思ってるんだ!人の気も知らないでさ!

 

 

…まあ、そこが星野のいい所でもあるのかな……なんて。

 

「ねぇ、どんな夢だったのか教えてよ!気になる!」

 

「し、しつこいって!ほら星野っ、早く学校行くぞ!遅刻しちゃうから!」

 

「えー?まだ大丈夫じゃない?それに星野じゃなくてアイって呼んでくれていいんだよ?」

 

「よ、呼べるわけないだろ!いいから行くぞ星野っ!」

 

「あっ、待ってよマリア!」

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