僕は星野に関わりたくない 作:サササ
先の展開のネタバレが見たくない方は見ない方がいいと思います。
ネタバレとか気にしないよって方のみ閲覧お願いします。
『いよいよ明日だねー。ドーム公演!』
『……そうだな』
『えーマリア、何でそんなにテンション低いの?ドームだよドームっ!あんなに大きな舞台で歌って踊る私が見れるんだよ?嬉しくないの?』
『いやそりゃ…嬉しいけど……色々不安もあるんだよその日は……』
『不安なんていいからもっと喜んでよ!ほら、早くっ!』
『い、いや十分喜んでるよ!だからあんまり大声出すな!やっと寝てくれたアクアとルビーが起きちゃうだろ!そしたらもう手に負えないよ!朝までオール確定だよ!』
『う……た、確かに…ごめんね……』
『……まあでも、本当に嬉しいとは思ってるよ。…アイが頑張ってるのずっと側で見てたから。……絶対、最高のライブになる』
『!』
『……日本中を熱狂させてやれ。最強のアイドル』
『〜〜〜〜〜〜〜っマリア!』
『わっ、いきなり抱きついてくるな!危ないだろ!』
『えへへ、ごめんね?我慢出来なくって……』
『……アイ。明日は家事とか全部僕がやっとくからアクア達と中でのんびりしててくれ。来客があっても全部僕が対応するから』
『え?どうして?手伝うよ?』
『…折角のドーム公演なんだからリラックスしてなよ』
『……マリア、何か隠してない?』
『隠してないよ。ただ……』
『?』
『何かの間違いで昔みたいに黒焦げの料理作られたら困るからな。モチベダダ落ちだよ』
『あ、あの時の事はもう忘れてよ!』
『はははっ、ごめん』
『…もうっ、マリアの意地悪……』
『ご、ごめんって』
『しーらない』
『あ、アイ?』
『ふーんだっ』
『……あ、明日はオムライスにするから』
『ほんとっ!?……あっ』
『……よくそれで完璧なアイドルなんて演じられるよな』
『うー…だって……マリアの前だと気が緩んじゃうんだもん……仕方ないじゃん』
『…ふ、ふーん……』
『…あれ?マリア、もしかして照れてる?ねえ、ちょっとこっち向いてよ』
『て、照れてないよ!それよりほら、もう僕たちも寝るぞ!明日の為にも!』
『えー?本当かなぁ?それにまだ良くない?今夜はこんなに月が綺麗なんだよ?もう寝るなんて勿体ないよ』
『……お前それ、分かってて言ってるのか?』
『?何が?』
『…何でもない』
『変なマリア。……ねっ、明日さ』
『?何さ』
『さりなちゃんも……天国から見に来てくれるかな?』
『!……うん、きっと一番…いや、誰よりも近くで見てくれると思うよ。
あの子は君のガチファンだから』
『えへへ、そうだよね。きっと見に来てくれるよね。でも出来れば……さりなちゃんとの約束、果たしたかったな』
『?約束って?』
『私がドーム公演出来るくらいのアイドルになれたら、ゴローセンセとさりなちゃん。この二人にドームライブのチケットをプレゼントするって約束っ!』
『そ、そんな約束してたんだ…でも確かにあの二人なら最高に喜びそうだな』
『でしょ?特にさりなちゃんは別の意味でも喜んでくれるだろうしね!いや…寧ろそっちが本命だったり?あははっ』
『……本当、文通からよくそこまで仲良くなれたよな』
『引き合わせたマリアがそれを言うの?私、あの時結構不安だったんだよ?』
『え?何が?』
『……だってマリア。月に何回か急に宮崎に行き始めるだもん。……理由も教えてくれなかったし』
『あ、あれは…色々事情があって……』
『それである日突然病気の女の子と手紙のやり取りしてみない?って言われて……その子に会いに行ってたのかなとか思ったりして……』
『……し、嫉妬?なんて」
『……うん』
『えっ!?……そ、そうだったんだ…それは、その……あ、ありがとう?』
『…ふふっ、何でそこでありがとうなの?』
『う……ご、ごめん』
『あはは!……ねっ、今なら教えてくれる?何しに行ってたの?』
『……病院裏の山中にある社?みたいなやつと洞窟を探しに』
『……どうしてそんなの探してたの?』
『お、お参りかな?』
『おまいり?』
『う、うん。あっ、それで丁度その時ゴローさんに出会って…一人じゃ危ないって言われたんだ。その流れでさりなちゃんの話を聞いて……』
『へー、そうだったんだ……凄い偶然だね』
『確かにな。ゴローさんに見つからなかったら…アイは友達出来なかったんだもんな』
『と、友達ならいるよ?』
『……へー、誰?』
『…あ、あの時は……マリア?』
『今の話をしてるんだけど……』
『……そろそろ寝よっか』
『逸らしたな…まあでも良い時間だし…寝るか。……寝る前にココアでも飲む?』
『!飲むっ』
『了解。……本当に缶のやつでいいの?結構良いのあるけど』
『缶のやつがいいの!』
『……そっ』
『……ねっ、マリア』
『?』
『明日、他の子に目移りしちゃ駄目だよ?』
『……しないよ』
『えー?本当かなぁ?』
『……あの時も言ったけど』
『?』
『僕の推しの娘はアイだけだから』
『〜〜〜〜っ』
『わっ!だからいきなり抱きついてくるなって!危ないだろ!』
『えへへ、ごめんね!でも我慢出来なくって!』
『全く…怪我でもしたらどうするんだよ。それで中止にでもなったらさりなちゃん泣くぞ?』
『うっ……気を付けます』
『……まあけど、もう少しくらいこのままでも…いいかな……』
『!……ねえマリア?」
『…なに?』
『私ね、やっぱりマリアの事───』
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『………まりあ?』
『来るな……アイ』
『マリア!そっちで何が起こってるのっ!?ねえっ!!』
『アイ!?どうし……なっ!?』
『ママ?お兄ちゃん?……えっ?』
『マリア!マリアっ!!お願い!ここを開けてよ!マリアぁ!!』
『…………ごめん』
『マリア!……くそっ!!早く救急車を……!』
『まりあ…まりあ……いや、いや……開けてっ!お願いだからっ!!マリアぁ!!!!』
『パ…パ……?』
『………あい…あくあ……るびー…………っ」
『ま……り………………あ…………?』
『いいからっ!早く来てくれ!』
『パパっ!パパぁ!!』
『ぼくは……みんなのこと────』
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「…うわっ!?って……何だ夢か……」
何やら恐らしい夢を見ていたような気がする。
身体中汗でびっしょりだ。
「……何かアイが出てきてた気が……ってはっ!?何で下の名前で呼んでるんだ僕はっ!?…頭冷やしてこよう……」
冷水シャワーを浴びに向かう空野ブラックマリアを遠くから眺めている存在が一つ。
「有り得たかもしれない未来。若しくは何れ来るべき未来。どうなるんだろうね?……別次元から来訪した魂、空野黒石。君が巡り廻る星の輪を揺るがす事が出来るのか……とても愉しみだよ」
カラスの鳴き声と少女の笑い声が遠くの地で響き渡っていた。