東方masquerade外伝 〜Riders Resistance〜(凍結中)   作:リョウタロス

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どうも、作者のリョウタロスです。まさか前回の更新から約一カ月もかかってしまうとは……これも全てニコ動で龍騎の無料配信を全話観ていた私のせいです
そして今回はあの伝説のライダーが登場です
それでは本編です、どうぞ


第十一幕 伝説/憧れ

妖怪の山 守矢神社

 

ここの居間ではある三人の客に早苗が嬉々としてお茶を振舞っていた

 

「粗茶ですが」

「あ、これはご丁寧にどうも」

「いえいえ、わからないことがあったらなんでも聞いてください。1号さん、2号さん、アマゾンさん」

 

そう、早苗とちゃぶ台を挟んで座っているのは初代仮面ライダー、全ての仮面ライダーの原点である仮面ライダー1号、その1号の相棒として1号を支え続け共に戦ってきた仮面ライダー2号、1号、2号達を含む栄光の7人ライダーの一人であり野性味溢れるライダー、仮面ライダーアマゾンの三人だ

 

(おい本郷、この嬢ちゃんかなり俺たちのことキラキラした目で見てるがお前が以前に助けたかなんかしたのか?)

(いや、完全に初対面だ。それにこれだけ特徴的な子なら忘れる筈が無いだろう。多分他のライダーかおやっさん達が俺たちのことを教えたとかそんなところじゃないか?)

 

「オチャ オイシイ」

「お口に合ったようでなによりです♪」

 

1号と2号のダブルライダーは初対面の筈なのに子供のごとくキラキラした目で対応してくる早苗に困惑しながらひそひそと話し合いそんな二人の隣でアマゾンはクラッシャーを開いて呑気にお茶を飲んでいる

 

「それじゃあ、ここがどこなのか。そこから教えてくれないか?」

「わかりました。それにはまずこの世界のことから話した方がよさそうですね」

 

〜少女説明中〜

 

「なるほど、大体のことはわかった。それで、私達がこの世界にいる理由が君の仲間の力が関係してるというのは本当なのか?」

「はい、方法はわかりませんが紀斗さんの能力が関係している可能性は高いです」

「にわかには信じられないな。俺たち仮面ライダーの力を自由を使える能力なんて」

「ゲンソウキョウ フシギ イッパイ!」

 

1号達は早苗から幻想郷や紀斗の能力を聞き驚くと同時に興味を持った

 

「た、助けてください!」

 

その時庭に通じる縁側からいきなり山の麓で警護をしている筈の哨戒天狗、犬走 椛が転がりこんできた

 

「ど、どうしたんですか椛さん!?」

「や、山の麓でいきなり現れたライダー達に襲撃されて、今は文先輩が戦っています。私達、天狗の力だけではライダー達にダメージをほとんど与えられないのでライダーであるあなたに助太刀を要請しに来たんです」

「にとりさんと甲さんはどうしたんです?あの人達のいる河童の村の方が近いでしょう?」

「実は……河童の村近くの川の方も襲撃にあっていてその際ここは自分達だけで対処できるからあなたに助太刀を頼みに行けと言われたんです」

「なるほど、わかりました」

 

椛からの要請を聞いた早苗はスッと立ち上がると部屋の隅に置いてある箱からここしばらく出していなかったイクサベルトとイクサナックルを取り出し居間から立ち去ろうとする

 

(これを見ると紀斗さんを思い出すからあまり使いたくはなかったんですが……事態が事態ですし仕方ありませんね)

「すいません、1号さん、2号さん、アマゾンさん、ちょっと私、諸用ができたので席を外します」

「いや、私達も共に行こう。敵が複数なら助っ人は多い方がいいだろう」

「今の会話を聞いて何もしなかったら仮面ライダーの名が廃るしな」

「アマゾン サナエ トモダチ。トモダチ タスケル トウゼン!」

「皆さん……ありがとうございます!」

 

早苗は三人の言葉に感激しながら勢いよく頭を下げ礼を言う

 

「そうと決まれば急ごうぜ。天狗の嬢ちゃん、案内を頼む」

「は、はい!」

 

妖怪の山 山道

 

守矢神社へと続く長い石段ではオルタナティブに変身した文(以下O文)とその契約モンスターであるサイコローグことローグが突然現れ襲ってきたライダー達と戦っている

そのライダーはサイガ、ザビー、シグルドの三人でアクセルベント以上の速さを持つザビーのクロックアップに苦しめられていた

 

「俺は人間を超えるんだぁぁぁ!」

「ZECT以外のライダーなんて所詮こんなもんだよなぁ!」

「Hey Bee and Cherry shut up. You guys noisy.」(おい、黙ってろサクランボと蜂。君達うるさいんだよ)

※ここから英語の台詞は《》の中で日本語で表記されます。これも全て台詞が浮かんでも翻訳できるほど英語能力が無い作者のせいです。本当に申し訳ございません

 

「くっ、何回も見たことがありますがやはりクロックアップは厄介ですね。ローグ、そっちは無事ですか?」

「気絶した白狼天狗は全員回収しましたが、あの白いのも飛んでいる時は高速移動が使えるようでかなり厄介ですよ」

 

O文はサイコローグの脚を模した刃の部分に棘が生えた両手剣、スラッシュダガーを杖のように支えにしながら肩で息をしている

ローグもいつもの燕尾服姿だがそれも所々ボロボロで両脇に気絶した白狼天狗を抱えている

 

《妖怪少女に執事、君達もそろそろ身体が限界だろう?ギブアップした方が身の為だよ》

「? ローグ、今あいつなんて言いました?」

「お前らも身体がそろそろ限界だろうからとっとと降参しろ、と言ってますよ。やれやれ、いくら契約者が阿保なパパラッチ天狗だとしても酷い言われようですね」

「本当そう、って誰が阿保なパパラッチ天狗ですか!パパラッチはともかく阿保じゃないですよ、私は!」

「普通この状況なら逃げだしますよ。それをしないような貴女は阿保だと言うんですよ。ま、それに付き合う私も同レベルの阿保なんでしょうがね」

「ペットは飼い主に似るってやつですね」

「ええ、ペットは貴女の方ですがね」

「んなっ!?それは普通逆でしょう!貴方は私の部下じゃないですか!」

「実際手綱を引いてるのは私でしょう?」

《なあ、痴話喧嘩をするなら他所でやってくれないか?もしくは、見せつけてるのかい?》

 

白を基調とした姿にギリシャ文字のΨをイメージしたデザインに流れる青いフォトンブラッドが目立つ仮面ライダー、サイガの発言からO文とローグは痴話喧嘩を始めてしまい呆れたように出たサイガの台詞にローグがムッとした顔で言い返す

 

《うるさいですね。こちらとしてはそっちが何処かに行ってほしいんですよ。それともこの程度の時間を待つこともできないんですか?》

《ああ、僕じゃなくて後ろの二人がね》

「俺を無視するなぁぁぁ!」

「イチャコラしてんじゃ、ねえよ!」

 

サイガの言葉と同時にバーサク状態のザビーとシグルドが襲いかかってきた

 

「文!この二人をお願いします!」

「ちょっ!?ローグ貴方どうするつもりですか!?」

「ここは私が食い止めますからその二人を早く安全な場所へ!」

 

ローグはO文に両脇の白狼天狗二人を投げ渡すと元の姿であるサイコロのような顔から複数のパイプが伸びたコオロギ型のミラーモンスター、サイコローグへと姿を変え襲いかかってきた二人の前に立ちはだかる

 

「シュコォォォォ!!」

「うぐぁぁ!?」

「ぐお!?」

《うわっ!?》

 

ローグは顔の穴から弾丸を発射しサイガ達を怯ませる

爆発で土煙が舞い上がり三人の姿が見えなくなるとローグはO文に早く行けとジェスチャーをする

 

「すぐ戻りますからね!」

 

そう言ってO文は背中から黒い烏天狗の翼を出すと全速力でその場を離れる

しかしその瞬間ローグの耳に今最も聞きたくない音声が届いた

 

『Clock Up』

 

クロックアップを使い周りのスピードがスローになるほどの高速移動をするザビーは煙から飛び出し飛び去っていこうとするO文にザビーは走り寄り両手を組むとそのままO文の背中に振り落ろし石階段に叩きつける

 

『Clock Over』

「かはっ!?」

「シュコ!?」(文!?)

 

クロックアップが解けザビー以外のものも普通のスピードとなる。O文は叩きつけられた衝撃で抱えていた二人を離してしまいさらにダメージが蓄積し過ぎていたせいで変身も解けてしまう。文はそのまま背中をザビーに踏みつけられ苦悶の声をあげる

 

「く、うぅ……」

「このまま、死んでもらうよ」

「シュコォォ!」(貴様、文から離れろぉ!)

《おっと、君の相手は俺たちだぜ。執事君》

「退治してやるよ化け物ぉ!」

 

ローグは文の元へ行こうとするがそれをサイガとシグルドは阻み二人掛かりで攻撃してくる

その光景を尻目にザビーは左手のザビーゼクターの背中のボタンを押し拳を足元の文へと向ける

 

『Rider Sting』

「化け物は化け物らしく大人しく退治されろよ」

 

「やめろおおおお!!」

 

人間の姿に戻ったローグが叫ぶがザビーの拳は一切の躊躇なく文の背中へ振り下ろされる

 

 

 

「「ライダー、ダブル、キィック!!」」

「はっ!?ぶげらあ!?」

 

しかしザビーの拳は文の背中へ届かずザビーの顔面に二つの蹴りが突き刺さった

そして蹴られたザビーはそのまま吹き飛び空中で爆発し文の近くに蹴った本人達である仮面ライダー1号,2号が降りたつ

 

《何者だい、君達?》

《俺達は、世界の平和を守る仮面ライダー。仮面ライダー1号!》

《同じく、仮面ライダー2号!》

「アマゾン!」

 

声高く三人のライダーは名乗りを上げ1号はビシッとサイガ達を指差す

 

《貴様らのような悪党を野放しには出来ん!ここで引導を渡してやる!》

《へえ、やれるもんならやってみなよ》

「……なんて言ってるのか全然わからない」

 

遅れてやってきたライジングイクサに変身した状態の早苗(以下RI早苗)は英語だらけの会話に一人取り残され殺気立つ周りの雰囲気の中、仮面の下で少し涙目になるのだった

 

 

「キキー!卑怯なこと よくない!」

「俺に指図してんじゃねええええ!!」

 

アマゾンがシグルドと対峙するとアマゾンの言葉を命令や指図と取ったシグルドの琴線に触れめちゃくちゃにソニックアローを振り回す

 

「動きが単調過ぎて見え見えですよ!」

「ぐああ!?」

 

そこをRI早苗はイクサライザーで撃ち抜きシグルドを仰け反らせる

 

「舐めた口、聞いてんじゃねええええ!」

『ロックオン』

『チェリーエナジー!』

 

シグルドはチェリーエナジーロックシードをベルトから外すとソニックアローに付けサクランボ状のエネルギーを纏ったエネルギーの矢を放つ

 

「アマゾンさんバックアシストお願いします!」

「ワカッタ!」

 

RI早苗はイクサライザーのライザーフエッスルをイクサベルトに挿しこむとイクサナックルを押し込みイクサライザーから太いエネルギー波、ファイナルライジングブラストを放つ。そのパワーの反動でRI早苗は吹き飛ばされるが空中で一回転し後方にいたアマゾンが飛んできたRI早苗をバレーのレシーブのように組んだ両手で上へ上げる

 

シグルドの放った矢とファイナルライジングブラストがぶつかり合いその衝撃でシグルドは下が石段だったこともありバランスを崩すが上に飛んでいた為RI早苗はほとんど影響を受けずシグルドの真上を取っていた

 

『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ア・ラ・イ・ズ・アッ・プ』

「やあああああ!!」

 

カリバーフエッスルをイクサベルトに挿しこむとイクサカリバーに全エネルギーがチャージされRI早苗はイクサカリバーを落下しながら振り下ろすと刃はシグルドを縦一直線に斬った

 

「がああああ!?あああ……あ、あ……俺は、に、んげんを超え……」

 

シグルドは最期にそう言いながら爆発しRI早苗はスタッと着地しアマゾンに向かってサムズアップしアマゾンもサムズアップで返す

 

「さすがアマゾンさん!ナイスレシーブ!」

「サナエもいい動きだった」

 

 

アマゾンとRI早苗がシグルドを倒したその頃1号達の方は……

 

「くっ!空中でなんて素早い動きしやがる!」

「そのうえ飛び道具か。厄介な敵だ」

《どうした?伝説の1号、2号ライダーっていうのはこんなものなのかい?》

 

サイガのフライングアタッカーによる上からの銃撃に苦戦していた。1号、2号も何度も空を飛ぶ敵とは戦ったことはあるがそれらの敵はほとんどがそこまで速度のなかったり直接攻撃してくるタイプだったため対処法が見つからず攻めあぐねていた

 

「せめて奴を空中から叩き下ろせれば……」

「ならその任……私が受けましょうか?」

 

後ろからかけられた言葉に振り向くと声の主は先程まで倒れていた文だった。意識は回復したようだがダメージが大きいこともあり人間態のローグに肩を貸してもらっている

 

「君は……確か文?さんだったか」

「はい、そしてこっちは私の契約モンスター兼助手のローグです。私ならあいつを空中から引きずり落とすまではいかなくても動きを止めるぐらいならできますよ」

「失礼だがそんな身体でできるとは到底思えないが……」

「なーに、腕一本動くなら問題ないですよ。それにさっきやられた分の仕返しもしてやらないと私の気がすまないんですよ」

 

気まずそうに文を見る1号だが肩を貸しているローグの方に顔を向けるとローグは申し訳なさそうな顔でお願いしますと頼みこむ

 

「……わかった。なら任せよう。で、一体どうするんだ?」

「それは私個人の能力を使います。ゴニョゴニョゴニョゴニョ……」

「なるほど、それなら俺達の力も強化できる。よし、よろしく頼むぞ」

 

ちなみに1号と文が話し合っているその間2号は……

 

「当たりやがれ!おら!おら!」

《そんな眠くなるようなスピードじゃ100発投げても当たらないよ》

 

石段の周りの木を折って投槍のごとく投合しまくっていた

当然かなりのスピードで投げられるといってもそれは普通の人間などから見てのもの。いくら投げてもそれらは高速で飛び回るサイガには当たらず空を切って地面に落ちるのを繰り返している

 

「今だ!」

「そおりゃあ!!」

《なんだ!?竜巻!?》

 

1号の合図で文が天狗の葉団扇と呼ばれる赤い葉団扇をサイガに向けて力一杯扇ぐ。すると風を起こす葉団扇の力と文の『風を操る程度の能力』が合わさり人を十人は巻き込めそうな竜巻が巻き起こり虚を突かれ一瞬動きの止まったサイガを呑み込む

 

《フライングアタッカーの制御が……!?くそ!コントロールできない!》

「一文字!いくぞ!」

「なるほどな、そういうことか!」

 

1号と2号は同時に竜巻の中に飛びこむと二人のベルトの風車、タイフーンが竜巻の風圧を受けて回り二人の身体へエネルギーを送る。そのエネルギーは電光ライダーキックのように1号と2号の脚に光となって纏われバチバチと音を立てる。二人は風に乗るようにキックの体制で竜巻の流れに合わせて回りサイガへと迫る

 

「電光ライダー!」

「竜巻キィーック!」

《この僕が人間なんかにぃぃぃ!?》

 

竜巻の流れに合わせ二人のライダーキックは同時にサイガの身体に突き刺さり貫通するとサイガは爆発し二人は石段に着地する

 

「ふあー、やっぱり伝説の1号さん、2号さんはすごいですねー。あんなやり方であのサイガを倒すなんてさすが初代ダブルライダーってやつですかね」

「センパイ ツヨイ。アマゾンも尊敬してる」

 

その様を見た早苗はアマゾンと1号,2号ライダーに賞賛の言葉を贈る

 

「いや、今回は文さんがいたからここまで早く勝てたんだ」

「ああ、俺達だけだったら正直危なかった」

「いえいえ、そんな私なんて」

「言葉の割に顔がにやけていますよ、文」

 

「ところで早苗さん、こちらの方々ってもしかして今朝急に現れました?」

「え?ええ、そうですけど」

「やっぱりですか。実は紀斗さんからそれに関するメールがきていたのを思い出しましてね。えっと……そうそう、これです」

 

文が取り出したケータイの画面の文面を見た文とローグ以外がこの後驚きの声をあげるのだった




今回の敵メンバーの共通点は高速移動に関係していること
サイガ→ファイズ アクセルとほぼ同じレベルの速さまで速く飛べる
ザビー→言わずもがなクロックアップ
シグルド→チェリーエナジーのジンバーチェリーなら高速移動を(鎧武が)使える。あと唯一ジンバーチェリーにボコされた

そして早苗は紀斗を思い出すからとイクサのアイテムとスタッグフォンをしまいこんでました。でも栄光の7人ライダーに対しては感動の方が勝ります
次回は同じ妖怪の山のにとりと甲、果たして誰に襲撃を受けているのか!
次回もお楽しみに!

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