東方masquerade外伝 〜Riders Resistance〜(凍結中) 作:リョウタロス
今回は前回の続き、後編です。最初に言っておきますが今回は少し適当になっている部分があります。ご了承ください
それでは本編です、どうぞ
「俺達がその海堂って奴の力で生み出された偽物ねえ。やっぱり、俄かには信じられないな。そんな与太話は」
O咲夜がゾルダに今この世界で起きている異変の事情を全て話して最初に返ってきた言葉はそれだった
(まあ、普通の外の世界の人間ならそう言うのが普通でしょうね)
「ですがこれは紛れも無い真実です。信じられないと言うのなら証拠を見せる為に一度ミラーワールドから出ましょう」
それもそうかとゾルダも頷き二人は近くの鏡からミラーワールドを出る。そしてO咲夜はデッキをベルトから外し変身を解くがゾルダはいくら待っても自分の変身が解けないことに疑問を持った
「変身が……解けない?」
「それも私が先程説明したことを裏付けることの一つです。試しに私のようにデッキを外してみてください」
ゾルダは言われた通りにデッキをベルトから外すがやはり変身は解けず代わりに外したデッキが光のように消えるとベルトに装着された状態で姿を現した
「どうやっても変身は解けないってこと、か」
「はい、貴方方の本当の肉体はこの世界には存在せずその変身した姿の仮初めの肉体に貴方方のオリジナルの精神を模した精神を入れられているのです」
「ま、そりゃそうだろうな。本物の俺は本来ならもう死んでる筈だし」
「しっかし」と呟くと変身を解いた咲夜の姿をじろじろと見る。それに咲夜自身少し嫌そうに睨むがたいして効果は無いようでゾルダは気にせず咲夜の容姿を見ている
「まさかここまでの美人が変身していたなんてな。以前そのライダーに変身してた奴は男だった分驚きだ」
「おいこら、なぁに人の契約者いやらしい目で視姦してんだその頭のアンテナ引っこ抜くぞメカ牛変態野郎」
そこへいきなり着崩した執事服に身を包む茶髪のボサボサヘアーの男、人間態のサイが現れ咲夜とゾルダの間に割りこみゾルダをガンつける
「……いきなり割りこんできておたく誰よ。彼女の彼氏かなんかか?」
「あ゛?相棒だけどなんか文句あんのか変態野郎」
「お嬢ちゃん……大変なことやってるみたいだけどパートナーはちゃんと選ばないと駄目だよ。後々後悔することになるから。特にヤンキーなホスト崩れなんて最悪だよ」
「それは喧嘩売ってると見ていいんだな?OK、買ってやるよ表出やがれこの野郎」
一触即発状態の二人を見て咲夜は一つため息をこぼし呆れた様子でサイを諌める
「サイ、一応彼は私の雇った傭兵なのだから無駄な戦闘をしないでちょうだい。そういえばあなた、しつこそうなのまで連れて来ちゃったわね」
「ああ、どうせこいつの実力を見るんだ。ちょうどいいからそのまま泳がせてたんだよ」
サイと咲夜の振り向いた先のガラスに映るのは紫色のコブラを模した仮面ライダー、王蛇。彼は気だるげに首を回すとミラーワールドから出てきて召喚機である杖、ベノバイザーを咲夜達に向ける
「妙なのがミラーワールドにいると思って尾けてみたら思わぬ収穫だったな。会いたかったぜ……北岡ぁ」
「浅倉……。なあ、お嬢ちゃん。あいつと戦うのって、契約のうちに入るかい?」
「ええ、あの王蛇も紀斗から出た力の一部。契約の範囲内です」
「よかった。もし入ってなかったら俺、柄にもなく契約違反しちゃってたよ」
ゾルダと王蛇の二人は再びミラーワールドに入るとミラーワールドの紅魔館の庭に飛び降りそれぞれの召喚機を構え因縁の相手を睨みつける
しばらく睨み合っていた二人、先に動きだしたのは王蛇だった。王蛇はデッキからカードを一枚取り出すとコブラ型の杖の召喚機、ベノバイザーへ挿れそれと同時にゾルダの銃の形をした召喚機、マグナバイザーが火を吹く
『SWORD VENT』
王蛇の手元にベノスネーカーの尾を模した突撃剣、ベノサーベルが現れマグナバイザーから放たれた弾をそれで弾きながら王蛇はゾルダへと近づいていく
『STRIKVENT』
それに対しゾルダは一旦撃つのをやめるとマグナバイザーにカードを挿れマグナギガの頭部を模した手甲、ギガホーンを右手に装備する
振り下ろされたベノサーベルとアッパーのように繰り出されたギガホーンがぶつかり合う。しかし地力の差や上からの振り下ろしという有利な点のせいか最初のぶつかり合いは王蛇に軍配が上がりゾルダの上半身は屈むように下に下がる
そこへ王蛇は右足の蹴りで追撃を入れようとするがゾルダの左手に持たれたマグナバイザーが王蛇の右足を撃ち追撃は失敗、少し後ずさりをし体制を整えた
「はっはっは、楽しいなぁ、北岡。やっぱり戦いってのはこうでなくちゃいけない」
「うるさいよ、浅倉。俺はただお前との決着をつける為だけに今戦ってるんだ。戦いを楽しむ余裕も趣味も俺には無いんだよ」
『SHOOT VENT』
ゾルダはギガホーンを捨てるとマグナギガの腕を模したランチャー砲、ギガランチャーを装備し王蛇へと狙いを定め撃ち放つ。その砲撃を王蛇は走りながら避け再びゾルダへと近づいてくる
連続で放たれる砲撃に王蛇は少しの恐怖も感じさせず突っ込んでいく。彼の中にあるのは戦いの中での高揚感ともっと自分を楽しませろという戦いに対する更なる飢餓感。それらは生前決着をつけられなかった北岡と戦っているからか限界以上に猛り浅倉自身も狂ったように笑っている
「はははははははははは!!」
「この!」
かなり近くまで来られたゾルダはギガランチャーの砲身を地面へ向け撃ち放った。その衝撃と爆風でゾルダ自身も吹き飛ばされるが王蛇も同じように吹き飛ばされそれなりのダメージを負う
『FINAL VENT』
王蛇が挿れたカードは犀のマークが描かれたファイナルベントのカード。王蛇は右手にメタルゲラスの頭部を模した手甲を装備すると王蛇の真後ろに鏡が出現しそこから犀のミラーモンスター、メタルゲラスが姿を現す
王蛇がメタルゲラスの肩にメタルホーンを突き出す体制で乗るとメタルゲラスは猛スピードで走りだしゾルダめがけて突っ込んでいく
だがそれをゾルダが黙って受ける訳がない。ゾルダは立ち上がりギガランチャーを構え直すと照準をメタルゲラスの足に向け撃った
足を撃たれたメタルゲラスは倒れ王蛇はメタルゲラスから転がり落ちるが受け身を取っていたようであまりダメージは無い
「面倒だなぁ、それ。ちょっと寄越せ」
『STEAL VENT』
「なにっ!?」
王蛇が魔物の手の様なイラストが描かれたカードをバイザーに挿れるとゾルダの持っていたギガランチャーが王蛇の手元に現れる。追撃しようとしていたゾルダはまさか自分の武器が奪われるとは考えている筈もなく珍しく動揺する
「たまにはこういう玩具で遊ぶのも悪くないよなぁ?」
形成逆転、たった一枚のカードで先程とは逆の立場になった王蛇は容赦無くゾルダへ砲弾を撃ちこんでいく。ゾルダもなんとか避けていくがなかなか反撃の隙も見出せずジリ貧になっている。なにせこの砲弾の一つ一つが通常のミラーモンスターを仕留めるのに十分な威力を持っているのだ。その威力の強さは持ち主であるゾルダ自身もよく知っているからこそ一発も当たる訳にはいかない。もし一発でも当たったらそこでゾルダ自身の勝ち目はほぼ無くなり王蛇に殺されてしまうだろう
『GUARD VENT』
ならば一瞬でも隙を作る為の時間を稼ぐ。ゾルダはマグナギガの胴体を模した盾、ギガアーマーを装備するとその背面から支柱が飛び出し地面に固定される
そのおかげで砲撃を防ぐことはできたがそれでもずっとこの砲撃を浴びせ続けられたらいくら分厚いギガアーマーといえど破られてしまうだろう。だがこれはゾルダにとってこの状況をどうにかする為の一手に過ぎない。だからこそゾルダにそこまでの焦りは無い、寧ろ生前通り、ふてぶてしい程の自信満々さだ
『SHOOT VENT』
ゾルダが新しく装備したのは巨大なニ門のキャノン砲。マグナギガの両脚を模したそれはゾルダの背中に装備され何時でも砲撃可能な状態となっている
「簡単な話、相手が一門の大砲を用意したらこっちはニ門の大砲を用意すればいいってね」
ギガキャノンから放たれた二対のレーザーは王蛇に直撃しそうになるが王蛇は咄嗟にギガランチャーをレーザーの前に投げみがわりにすることでその攻撃を避ける
『ADVENT』
ゾルダは二発目を放とうと王蛇に狙いをつけるがいきなりゾルダの後方にあった窓ガラスから紫色の巨大なコブラの姿をした王蛇の契約モンスター、ベノスネーカーが現れ口から溶解液を吐き出す。反応が遅れたゾルダは上から降りかかる溶解液を躱せず直撃するがギガキャノンが盾となったおかげで身体への直撃は防げた。しかしギガキャノンは砲身が溶け見るも痛々しい姿となってしまいこの状態ではもう一発も撃てないだろう
「あぁ……今までで一番最高の気分だ。イライラもどっかに行っちまった。こんなに楽しいのは生まれて初めてだ」
「そうかよ、こっちはとっとと終わらせたいんだけどね」
『FINAL VENT』
『UNITE VENT』
ゾルダの目の前の地面が鏡となりそこから頭に牛のような角を持った緑色の巨大な人型ロボットのようなミラーモンスター、マグナギガが現れる。ゾルダの後ろでは先程召喚されたベノスネーカーの他にメタルゲラスと紅色のエイ型ミラーモンスター、エビルダイバーが新たに召喚されると三体の身体が合わさり一つの姿となる。三体のミラーモンスターが融合したその姿は西洋のドラゴンを模したものとなりその赤い瞳はゾルダを獲物として狙いをつけている
『FINAL VENT』
ゾルダがマグナギガの背中にマグナバイザーをセットするとマグナギガは両腕の砲を王蛇へと向け更に胸や足、身体中の射出口を全て展開する
王蛇がファイナルベントのカードを入れるとジェノサイダーは己の腹部を食い破った。すると食い破った部分が小型のブラックホールとなり周りの物を吸いこみ始める
「死ね、浅倉!」
「はあぁぁぁ!」
王蛇がゾルダへと駆けだすのとゾルダが引き金を引くのは同時だった。マグナギガの全ての砲門から一斉にミサイル、レーザー、砲弾が掃射されそれによって起きた爆発が王蛇を呑みこんだ
「……死んだか?」
マグナギガの弾をほぼ撃ち終えたゾルダは爆炎に包まれている王蛇のいた場所を見るが煙と炎に支配されているその場所はなんの変化も無く動くものは見当たらない。もう大丈夫かとゾルダが体制を崩したその時、炎の中からあちこちが焦げ見るからに重症な王蛇が錐揉み回転をしながらキックを仕掛けてきた
「死ぬのはお前だ!北岡ぁ!」
「なにっ!?」
王蛇の錐揉み回転キックをマグナギガが受けマグナギガがバランスを崩すと後方にいたジェノサイダーのブラックホールに引き寄せられていく。更にマグナギガの巨体に巻きこまれゾルダもブラックホールへと吸い寄せられていってしまいなんとか逃れようとするが体制を崩していたことやまさかあそこからまだ攻撃してくると思っていなかったせいで冷静さが失われている為抜け出せない
「あ、さくらああああああ!!」
そしてゾルダはマグナギガごとブラックホールに呑まれ敗北した。残された王蛇は満足そうな声を上げるとばたりと仰向けに倒れる
「あぁ……楽しかったぜ。北岡ぁ……」
そう一言言い残すと限界を越えていた彼の身体は消えるように消滅しそれにつられるようにジェノサイダーも消滅した
「結果は引き分けか。まあ、雇う前にタイガの野郎を倒してたから戦績としてはまだいい方か」
ミラーワールドで戦いの一部始終を見ていたサイと咲夜、二人はゾルダが早くも倒されてしまったのが残念そうだがそれは相手が悪かったとしか言いようがない
「そうね。だけどこれでまた理性をたもってるライダーを探すことになるのね。はあ、とりあえずお嬢様にこのことを報告しに行くわよ」
咲夜はため息を一つつくとサイを連れレミリアの部屋へと行くのだった
場所は変わり攫われた龍騎の後を追うレミリア達一行は……
「ライダーの戦いを止めるなんて馬鹿なことを言うライダーは死んだ方がいいよなあ!」
「ライダー同士で仲良しこよしなんてしてんじゃねえよ!」
「ガイにベルデ、相変わらず鬱陶しい連中だな」
「早く慎司を助けなきゃならないんだから邪魔しないでよ!」
龍騎を咥えたドラグブラッカーを追っていたレミリア達だったがその途中いきなり現れた犀を模した西洋甲冑のようなライダー、ガイとメタリックグリーンのカメレオンを模したライダー、ベルデの襲撃に遭い足止めされていた
『SWORD VENT』
『COPY VENT』
『GUARD VENT』
『CONFINE VENT』
ナイトがソードベントのウイングランサーを装備すればベルデはそのナイトの姿ごとコピーしまったく同じ姿になり、ファムが白鳥の翼を合わせたような盾、ウイングシールドを装備しようとするとガイはコンファインベントでその装備を消す
単純な攻撃力をあまり持たない分こうした搦め手のカードを使ってくる二人にナイトとファムは苦戦していた。ファイナルベントのカードを使えば少なくとも片方は倒せるだろう。しかしこの後にはまだ本来の目的であるリュウガが控えているからこそ二人は必殺技であるファイナルベントのカードを出し惜しんでいた
「ああもうウザったい奴らね!カードのキャンセルとか反則でしょ!」
「霧島、熱くなり過ぎるな!こいつらの攻撃はカード以外は単純な攻撃ばかりだ!冷静に対処すればなんとかなる!」
ナイトとファムはペースを崩されそうになるが持ち堪えダメージを与えていくがファイナルベントを出せない今の状況で二人のデッキのカードでは決め手に欠けていた
「というかそっちのお子様はなんで戦わないのよ!私達にばっかり戦わせないで自分も戦いなさいよ!」
「嫌よ」
「なっ!なんですって!」
ファムが先程から戦闘には参加せず離れた所から見ているだけのNレミリアに戦うよう言うがNレミリアはばっさりとその言葉を斬り捨てる
「まず一つ言っておくわ。これは貴方達の実力がどのくらいのものか見定める為の試練でもある。本当ならあのリュウガとの戦闘をそれにしたかったのだけれどこいつらが来たからちょうどよかったのよ」
「なるほど、つまりこいつらを倒せなければ俺達は実力不足で情報も得られないままお払い箱というわけか」
「その通りよ。さ、情報が知りたければこの二人を片付けて私に力を示してみなさい」
レミリアの言葉に二人はしぶしぶ納得し戦うが二枚目のコンファインベントを使ってきたガイとクリアーベントにより透明になることで不意打ちをしかけてくるベルデに苦戦する
『『FINAL VENT』』
ベルデとガイのバイザーからファイナルベントの音声が発せられ彼らの契約モンスター、メタルゲラスとカメレオンを人型にしたような姿のモンスター、バイオグリーザが現れる
ガイはメタルホーンを装備したままメタルゲラスの肩に乗り突進するヘビープレッシャーを発動しベルデは逆立ちをしたまま腕の力で飛び上がるとその足にバイオグリーザが舌を巻きつけ振り子の要領で振られナイトへと迫る
『『FINAL VENT』』
しかしナイトとファムがデッキのカードで対処しようとすると突然二人の視界に赤と紅が飛びこんできた
赤は赤い龍のミラーモンスター、ドラグレッダーの放った炎に包まれながら飛び蹴りを放つ龍騎。紅はエビルダイバーにサーフィンのように乗った後頭部におさげを持つ所々にエイの意匠のあるライダー、ライア。
龍騎のドラゴンライダーキックがメタルゲラスごとガイを横から吹き飛ばし爆発させライアのハイドベノンがベルデの脇腹に突き刺さり貫いた
「良かった、蓮。俺は間に合ったようだな」
「手塚か?いや、それより何故ここに城戸がいる。お前が逃したのか?」
エビルダイバーから降りたライア、慎司達の仲間だった男、手塚 海之の精神を宿す彼にナイトは困惑するがそれ以上に攫われたはずの龍騎がここにいることが不思議でしょうがなかった
「いや、彼女は城戸ではない」
「失礼しました。挨拶が遅れましたね。私はそちらのレミリアお嬢様に仕えるこの紅魔館の門番、紅 美鈴と申します」
龍騎に変身した美鈴(以下 R美鈴)がナイトとファムに自己紹介をするとNレミリアの前に立ちライアへ手を向ける
「お嬢様、こちら私がスカウトしました手塚 海之さんです。実力も先程以外の場でも示してもらい申し分ないかと」
「まさか咲夜より先に貴女が見つけてくるなんてね。美鈴にしてはいい働きよ、褒めてあげるわ」
「ありがとうございます」
R美鈴の話によるとライアは門番として仕事をしている最中に偶然出会ったらしい。そして暴走状態のメイジやG3マイルドを倒して美鈴の出した試練に合格したことで報酬である情報も教えた。だが急に胸騒ぎを感じたライアは占いで蓮や慎司を占うと危険が迫っているという結果を見た瞬間その場所も占いで割り出しエビルダイバーに乗って全速力で来たそうだ。占いの万能性についてはツッコンではいけない
ナイトとファムに出されていたガイとベルデを倒すという試練はトドメを刺したのはライアとR美鈴だということで結局合否は保留、試練自体をリュウガと戦うことに変えたのだった
因みにドラグブラッカーが何処へ行ったのかは見失ったのでリュウガの居場所はライアの占いで調べた。手塚の占い万能説ができそうだ
そして移動して来たのは何の変哲もない部屋、その中からは攫われた慎司の声とそれよりも若干低い慎司の声が聞こえてくる
「おい馬鹿やめろ!俺の中に入ってくんな!」
「うるさい、お前の体は俺の物だ。奴らもこの場所もそうそう見つけることは出来ない。お前の体が消滅する前にいい加減俺を受け入れることだ」
「ぐっうっ……やめ、ろぉ……」
「「城戸ぉぉぉぉ(慎司ぃぃぃぃ)!!」」
腐ってる方々が聞けば確実に薄い本を厚くしてしまうような会話を聞いてしまった慎司の保護者もといナイトとファムが扉を勢いよく開けて入るとそこにはベッドの上で縛られた龍騎の胸に腕を突っ込んで融合しようとしているリュウガの姿があった
「慎司から!」
「離れろぉ!」
「ぐあっ!?」
ナイトとファム、黒と白の二つの剣型バイザーがリュウガの身体を突き飛ばす。龍騎に腕を突っ込んでいたリュウガは身動きが取れずその攻撃をくらい突き飛ばされると龍騎の胸から腕が外れ融合が解ける
「慎司無事!?あれに掘られたりしてない?」
「ほ、掘られる?まあ、さっきの融合されそうになったこと以外はなんもされてないぞ」
龍騎はファムに鎖を外してもらいんー、と伸びをしてから体の調子を確かめると吹き飛ばされ壁に叩きつけられたリュウガを睨む
「さっきはよくもやってくれたな!もう絶対容赦しないからな!」
「それなら俺はここにいる全員を倒し再びお前と融合すれはいいだけだ」
「もう慎司には指一本触れさせないわよ」
「さっきみたいにカードを温存する必要はもうない。全力でいくぞ」
『『SURVIVE』』
龍騎とナイトはデッキから不死鳥の翼が描かれた背景が燃え盛る炎のサバイブ【烈火】と吹きすさぶ風のサバイブ【疾風】を取り出す
すると二人のバイザーが姿を変え龍騎の周りを炎がナイトの周りを風が覆いその身体を隠す
龍騎はドラグランザーの顔を模したハンドガン型の召喚機、ドラグバイザーツバイの口を開けそこに、ナイトはダークレイダーの翼を模した盾型の召喚機、ダークバイザーツバイにそれぞれサバイブのカードを入れる。二人の姿は鏡が割れるような音と共に変わり龍騎は色が赤からメタリックレッドと金に変わり装甲がより龍に近いものとなった龍騎 サバイブに、ナイトは色が黒から青と金に変わり装甲はダークレイダーを模した意匠となったナイト サバイブに変身した
「しゃあっ!」
「ふんっ!」
『『SHOOT VENT』』
二人はそれぞれのバイザーを振るい纏っていた炎と風を消すと同時にシュートベントのカードをバイザーに入れる。そして龍騎はドラグバイザーツバイからレーザーを、ナイトはダークバイザーツバイをボウガンのように変形させ矢を放つ
いきなりの容赦の無い開幕ブッパにリュウガは壁をぶち破り逃げるが背中にレーザーが擦り地面に墜落する
「チッ、流石にサバイブ二体は分が悪いか。一旦退いた方がいいか」
「あ!逃がすか!」
『STRANGE VENT』
『CHAIN VENT』
「ぐおっ!?」
リュウガは流石にサバイブ二体相手に正面からでは勝てないと考え逃げようとするが龍騎のストレンジベントが敵を鎖で縛るチェインベントとなり先程までの龍騎と同じ状況になる
「くっ!解けない!」
「へっへっへ、さっきとは立場が逆だな」
「さて、無駄に体力を使わせられた分、ストレス解消させてもらうとするか」
「あたしも以前こいつに騙されて殺されたからその仕返しもしなきゃねー」
縛られたリュウガに龍騎、ナイト、ファムはにじり寄りリュウガは逃げようとするが鎖で足まで縛られているためうまく身動きが取れないでいる
「お、おい、やめろ。こっちに来るな。俺のそばに来るなああああ!!」
この後滅茶苦茶ファイナルベントした
無事リュウガを倒し試練も合格できた三人はレミリア達と共に最初の部屋に戻ってきていた
「なるほど、俺達を含めこの世界にいる変身が解けないライダーは全員オリジナルを基にした偽物というわけか」
「ああ、それを知っていたからこそ俺は迷いなく敵を倒せた。あんな状態の奴らはミラーモンスターに近いようなものだからな」
「もう驚き過ぎて頭がついていかないわ……」
「それより俺はその海堂って人に会ってみたいなー。すげーいい人みたいだし俺達が出て困ってるなら助けになりたいしな!」
「はいはい、静かにしなさい!あなた達にはこれからチームとして暴れているライダー達の討伐をしてもらうわ。これを渡しといてあげるからとっとと行きなさい」
レミリアが四人に渡したのは四つの小さな補聴器のような機械。それを渡された龍騎達は不思議そうにそれを見る
「なんだこれは?」
「通信機よ。もしあなた達が途中でこの世界でわからないことに直面したり自分達の知らないライダーと戦う時に少しくらいのアドバイスをしてあげる為のね」
「へー、便利なもんだな。これあんた達が作ったのか?」
「いいえ、これは河童、うちの世界の技術者に作ってもらった物よ。因みにその通信機同士でも会話はとれるからバラバラに行動しても問題無いわよ」
通信機と幻想郷の地図を渡し龍騎達を送り出したレミリアは窓からその姿を見送る
「紀斗、これで借し1ね。ちゃんとこの借りは返してもらわないと承知しないわよ」
その頃紅魔館 地下では
「深い闇を見た目をしているな。お前、俺の妹になれ」
「ふぇ?妹?私にはお姉様やお兄ちゃんはもういるからいらないよ」
「そうか、また振られちまったな……」
「気にするなよ兄貴、兄貴には俺達弟がいるじゃないか」
「そうだぞ、お兄ちゃん」
「ねーねー、それより遊ぼーよー!おにーさん達強いんでしょ?」
「……ふっ、偶には子供の遊びに付き合ってやるのもいいか」
「俺達が強いからって後で泣いても知らないからな」
「安心しろ、俺は子守においても頂点に立つ男だ」
フランが地獄三兄弟と遊びという名のバトルを繰り広げていたのであった
今回でオーディン以外の龍騎系ライダーは全員出ましたね。オルタナティブ?あれは擬似ライダーだから含まれません
前半の浅倉対北岡は作者が本当にやりたかったことの一つです。二人の共通の心残りでもあり叶うことのなかった戦い。それを書いてみたかったんです!
そしてちゃんとレミリアに雇われたのは龍騎、ナイト、ファム、ライアの四人。ファムとナイトの龍騎の正妻戦争が起きそうですね(笑)
さて、次回は久しぶりに紀斗の回です
次回もお楽しみに!