東方masquerade外伝 〜Riders Resistance〜(凍結中) 作:リョウタロス
ま、そんな俺のどうでもいい話はいいとして、今回は少し胸糞要素があります。できれば俺に石などを投げないでくれると助かりますm(_ _)m
それでは本編です、どうぞ
魔法の森、普通の人間は近寄らないその森で仮面ライダーブレイド、剣崎 一真は一人行く当てもなく彷徨っていた
(渡と別れてこの世界について調べてるけどほとんど情報が得られないな……)
遭遇するのは魔化魍に似ているが違う化け物や問答無用で襲ってくる子供に羽の生えた姿の妖精ばかり。会うのが話の通じない者しかいないなら情報なんて集まるわけもなく今の状況を嘆いていた
ガサガサ
「!」
そんな時にいきなり近くの茂みが揺れまた化け物か妖精かとブレイドはブレイラウザーを構える
「この辺に気配がーーブレイド!」
しかし出てきたのはブレイドの考えに反して人間、いや蓬莱人の紀斗だった。気配を頼りにライダーを探していた紀斗は思ったよりも近くにいたブレイドに驚き咄嗟にライドブッカー ソードモードを出しブレイドへ突きつける
「ま、待ってくれ!俺はこんな格好してるが怪しい者じゃない!ここのことを知りたいだけなんだ!」
ブレイドは敵意は無いとブレイラウザーをしまい両手を上げるが紀斗は関係無いとばかりにブレイドの首にライドブッカーの刃先がブレイドの喉に付くくらいまで近づける
「……こっちはそっちの事情も全て知っている。どういう存在かもな。だが、俺はお前を倒さなければならないんだ、この世界の為に」
「……さっきから気になっていたがこの剣、ライドブッカーだよな?答えてくれ、これをどこで手に入れた?ディケイドから奪い取るかどうかして手に入れたのか?それとも……お前は新しいディケイドなのか?」
「……」
ブレイドの言葉に紀斗は答えない代わりにライドブッカーを持っていない右手にディケイドライバー、戦極ドライバーの二つを出す
「っ!ディケイドライバーに、戦極ドライバー!?おい、どういうことなんだ!お前は一体何者なんだ!答えてくれっ!」
「少しだけ教えてやる。俺は全てのライダーの力を持っている。そしてお前やあのキバも本物の記憶や力を持った俺から抜け出た偽者だ」
「!?ど、どういうことだよ!?俺や渡が偽者!?どういう意味なんだ!最後まで教えてくれ!」
「そこから先は、俺を倒せば教えてやるよ」
『オレンジ!』
『ロックオン!』
紀斗は腰に戦極ドライバーを巻くとオレンジロックシードを取り出し戦極ドライバーにセットする
「なんで……なんでこんな所でも戦わなくちゃいけないんだ!俺には戦う理由なんて無い!」
「そちらには無くてもこちらにはある。それに、俺を倒せば情報をやる。それだけでそちらにも戦う理由ができた筈だ。変身」
『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道 オンステージ!』
紀斗は戦極ドライバーのカッティングブレードを下ろすとオレンジアームズの前半分を割る。すると紀斗の身体は紺色のライドウェアに包まれその頭上に丸くジッパーが現れる。それがジッーという音と共に開くと金属でできた大きなオレンジが降りてきて紀斗はそれを頭から被る。するとオレンジは中心から潰れるように展開するとオレンジ色の装甲となり紀斗の上半身に纏う形になる。日本の鎧武者を模した仮面ライダー鎧武に変身した紀斗はオレンジアームズの武器 オレンジの断面を模した片刃剣、大橙丸の刃をブレイドへと向ける
「さあ、俺と戦え、ブレイド。俺は途中で逃すほど甘くはないぞ」
「やるしかないのか……」
ブレイドも苦々しげな声を出しながらブレイラウザーを再び構える。そして同時に動きだした武者と騎士の剣がぶつかり合い火花を散らし始めるのだった
一方ブレイドと別れたキバはブレイドが歩いていた方向とは逆方向の森の中を相棒のキバットバットⅢ世、通称キバットと話しながら歩いていた
「ねえ、キバット。本当に僕はディケイドを見た瞬間いきなりエンペラーフォームになって襲いかかったの?」
「ああ、あの時はお前も剣崎もいきなり物静かになったと思ったらエンペラーフォームとキングフォームになったんだ。その時のことなんも覚えてないのか?」
「うん……ディケイドを見た瞬間意識が途切れて気づいたらエンペラーフォームで立ってたから。いつエンペラーフォームになったのかもその間何をしていたのかもまったく覚えてないんだ」
「やっぱりここに来てから変だぜ、渡。いや、もしかしたらこの世界自体がおかしいのかもしれないな」
そうやって話している二人は前方に二人にとって見慣れた二つの後ろ姿を見つける
「あれは!」
「名護と太牙か?あいつらもこの世界に来てたのか」
二人が見つけた後ろ姿は仮面ライダーイクサとダークキバ。二人共キバの世界のライダーでありその最終的な変身者達、名護 啓介と登 太牙も途中紆余曲折はあったものの頼りになる仲間となった二人だ
「名護さん!兄さん!」
キバは二人に駆け寄ると二人は振り返りキバの方を向くが一言も言葉を発しない。
「「…………」」
「二人共、どうしたうぐっ!?」
キバは不思議に思い一歩前に進んだ瞬間イクサとダークキバの二人のパンチを受けた。キバは二人からの攻撃に困惑しながらも言葉を投げかけるが二人はその言葉にも一切反応せず攻撃の手を緩めない
「やめて!兄さん!名護さがふ!?」
「おいおい!どうしたってんだよ二人共!父ちゃんもこいつらを止めてくれよ!」
「…………」
キバットがダークキバのベルトにとまっている自分の父親であるキバットバットⅡ世にも声をかけるがやはり返答は無く返ってくるのは変身者からの攻撃ばかりだ
だがその攻撃も突然止みキバが不思議に思うとイクサがイクサカリバーを取り出し呟いた
「紅 渡、その命、神に返しなさい」
「え?」
呟かれたイクサの言葉、ようやく言葉を発してくれたと喜んだのも束の間キバは己の耳を疑った。今まで、自分がキバだと気づかれていなかった時は確かに何度も名護には命を狙われた。だがそれはキバとしてであり紅 渡として命を狙われたわけでは無かった。その証拠にキバの正体が渡だとバレた後は名護はキバの殺害命令も反対してくれた。だからこそこの自分を、紅 渡を葬ろうというイクサの言葉を信じられなかったしそんな筈はない、聞き間違えだと思った
しかし現実はキバをそんな甘い逃げ道へは行かせてくれなかった
「お前はいちゃいけない存在なんだ、渡」
「兄さん……」
続けて放たれる義兄からの自分の存在を否定する言葉。その言葉にキバは数歩後ずさり首を横に振りこの現実を否定しようとする
「ファンガイアと人間のハーフであるお前は存在してはいけないんだ」
「人間にもファンガイアにもなりきれない半端な存在だ。貴様はここで葬られるべきだ」
「「お前なんて産まれてこなければよかった」」
繰り返し言われる義兄と仲間からの否定、差別、侮蔑の言葉。それらの言葉にキバの精神は徐々に追い詰められ一歩一歩後ろに下がりついには近くの木の根につまづき尻餅をつく
「嘘だ……嘘だ!誰かに言わせられてるんでしょ!?本心で言ってるわけじゃない筈だ!だから!だから……嘘だと言ってよ……」
仮面の下で泣きそうになるキバ、しかし二人の反応はキバにとって最悪のものだった
「これが今の俺の本心だ」
『イ・ク・サ・カ・リ・バー ラ・イ・ズ・アッ・プ』
「王としてお前を裁く」
『ウェイクアップ1』
「やばいぞ、渡!逃げろ!このままじゃ殺されるぞ!」
必殺技を放とうとする二人を見てキバにこれ以上は流石にやばすぎる、逃げろと言うキバットだがキバはうつむきそこから動こうとしない
「おい!渡ぅ!」
「いいんだ……どうせ、僕は必要のない、いてはいけない存在なんだから……」
「渡!あんな言葉に惑わされるな!あの名護や太牙があんなこと言うわけないだろ!」
「うるさいぞ、キバットバットⅢ世」
二人の言葉に完全に心を砕かれ抵抗しようとする気力すら無くなったキバはあっさりとダークキバの紋章に捕らえられキバットと共に十字架に架けられるかの如く磔にされる
「うっぐぁぁぁ……」
「これで終わりだ」
「王の判決を言い渡す、死だ」
既にパワーが充填されているイクサの持つイクサカリバーが光り輝き罪人のように磔にされたキバの胸を袈裟斬りに斬り裂く。更にそこへ空高く跳躍したダークキバがキバ目掛け落下しオーラを纏った拳をイクサに付けられたばかりの傷の中心へ叩きつける
「兄さん、名護さん……本当に僕は……」
ーー産まれてきちゃいけない存在だったの?ーー
「渡うううううううう!!」
キバは最後にそう言い残すと爆発しそれの後を追うようにキバットも光になる。残ったイクサとダークキバはそれに何の感情を示すことも無く再び物言わぬ状態になる
そしてキバの爆発した後からキバの力である黄色の光球が出てくるといきなり森の奥から伸びてきたプラグのついた触手が光球を絡め取り縛る
『ふっふっふ、いやあ、やっぱり人が絶望する時の雰囲気はたまらないねえ。我ながら出来の悪い三文芝居だと思ったがそれでもあんな面白い反応をしてくれるとまたやりたくなっちまうよ』
その触手を操るのは紀斗を襲いこの異変を引き起こしたあのドーパントだ。ドーパントは傍にイクサとダークキバを立たせキバの光球を玩具のように手で弄り笑い声をあげている
『さて、いつまでも一箇所にいるわけにもいかないしとっととやろうかね』
そう言うとドーパントは触手の先のプラグを光球へと刺す。すると光球から十分の一程の大きさの光球が出てそれは完全に光球から放れると何処かへ飛んでいってしまった。そしてその直後残された少しだけ小さくなった光球に変化が起きる。光球はその姿を変え人型になっていくとキバの姿になる。しかしキバには先程まで感じられていた意思やそういったものが感じられずまるで抜け殻のようになっている
『これでまた、駒が一つ増えた。キバ系はあたしの趣味に合うのが多くて助かるねえ。駒にするならやっぱり自分の趣味に合ったやつにしたいし』
ドーパントは自分の傍に立つ三人のライダーを見ると一言”他のライダーを探し始末しろ”と言うと三人は頷き歩きだしていった
『ふふふ、こちらの戦力もどんどん増えている。完全な下剋上の完遂の時も近い。ふふふふふ、ははは、はーはっはっは!』
前回紀斗回といったな。あれは半分嘘だ
とゆーわけで今回は前編を紀斗とブレイド、後編をキバとあのドーパントの話でした
紀斗が若干荒れてるのは作者の精神状態とリンクしてるからです、すいません。レポートがキツいんです
そして紀斗がブレイドを見つけた瞬間倒そうとした理由は次回出します
ドーパントの方は紀斗達が行動してる間に何をしていたかが今回わかりましたね。能力で倒したライダーを人形にして駒にしてました。キバが豆腐メンタルなのは暴走の関係もあって精神状態不安定なんです。割と脆く崩れてしまうんです
次回はブレイドと紀斗の戦い!
次回もお楽しみに!