東方masquerade外伝 〜Riders Resistance〜(凍結中)   作:リョウタロス

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やばい……筆がまったく進まない。これも全部レポートのせいだ。うん、そういうことにしておこう
紀斗「いや、するなよ」
とりあえず今回は紀斗がブレイドへ戦いを仕掛けた理由です。まあ、鎧武の力を取り戻して若干調子に乗ってるのもほんの少しありますが大体の理由は別にあります
それでは本編です、どうぞ


第十六幕 誇り/試練

森の中で金属同士がぶつかり合う音だけが響く。俺はブレイドへ無双セイバーと大橙丸を振るい斬りつけようとしている。だがブレイドはブレイラウザーで俺の攻撃を防いだりいなしたりしているせいでまだダメージらしいダメージを受けてない。流石は剣の名を持つ主役ライダーだと思う反面さっきから守ってばかりでまったく攻撃してこないのがイライラするな……

 

「まだ、戦わないつもりか?情報を手に入れたくないのか?悪いがこれはそちらの実力を試すテストだとか後でちゃんと情報も教えてやるとか、そんなパフェにチョコソースと蜂蜜と練乳をかけたような甘い事態にはならないぞ。本当に情報を知りたければ俺を倒してみせろ」

「一つだけ、聞かせてくれ。あんたはなんでそんなに俺と戦いたがるんだ?さっきから防御しかしなかった俺なんてやろうと思えば簡単に倒せた筈だ」

 

味方の裏切りには疎いのにこういう戦闘関連のには鋭いのか……。いや、あれは信じた人がそんなことするわけないと思っていたからこそか。

しかし自分を襲う理由を教えろ、か。確かに襲われる理由もわからなきゃ困惑するし戦意も低下する。それに、奴さん教えなきゃ絶対まともに戦わないだろうな。雰囲気でわかる。……仕方ない、この程度なら教えても問題ないか

 

「それなら一つ、質問を質問で返して悪いがそっちがディケイドを見つけた後の数分の記憶はあるか?」

「え?なんでそれをーー」

「俺があのディケイドだったからだ。それで、あの時の記憶はあるのか?」

「……いや、無い。気づいたら俺と渡はキングフォームとエンペラーフォームになってて、いつなったのかもその間何をしていたのかも思い出せないんだ」

 

やっぱりか。そもそも自我がちゃんとした状態ならあんな行動はとる筈が無いだろうからな

「その記憶の無い原因が俺があんたと戦おうとする理由だ」

「? つまり、どういうことだ?」

「あんたとキバは、その時ディケイドに変身していた俺にいきなり最強フォームになって攻撃を仕掛けてきたんだ」

「へー、俺と渡がいきなり攻撃を……へっ!?」

 

俺の返答にブレイドは慌て自分にそんな意思は無いと否定する。そりゃそうだろう、まず正気であんなことを仕掛けてくるならそれ相応の理由か恨みがあるか素で狂っているかのどちらかだ

 

「それはわかってる。もしあったらさっきみたいに防御だけなんて戦い方をする筈ないしな。だが問題はそこじゃない。あの時のあんたは今みたいな雰囲気じゃなく殺気を撒き散らして完全に俺を殺しにかかる感じだった」

「……俺が本当にそうなったっていう証拠はあるのか?」

 

疑うか、まあ、当然だろうな。俺も逆の立場だったらそうするだろうしこんな風に言われただけじゃ信用できないのも確かだ。俺はスマホを出すとカメラのビデオ機能をONにしブレイドに見せる

 

「これから俺の言っていることを実証する。とりあえずそこに立っていてくれないか」

「あ、ああ」

 

ブレイドを少し離れた所に立たせると俺は録画ボタンを押しブレイドの目の前にディケイドの等身大模型を出す

 

「うわ!?びっくりし……た……ディケイドォ……」

 

ブレイドはいきなり現れたディケイドの模型に驚いたが急に顔をうつむかせたと思ったら次の瞬間には俺が初めて遭遇した時と同じ口調になっていた。雰囲気もさっきまでとは違い殺気を撒き散らし腰のブレイラウザーを抜いている

 

「ヴェイ!ヴェイ!ヴエェェェェェイ!!」

 

スパンッスパンッという鋭い音と共にディケイドの模型は何度も斬り裂かれ原型を無くしていき見るも無惨な姿になっていく

 

「はぁはぁはぁ………あれ?俺何してたんだ?」

 

ブレイドはディケイドの模型がみじん切りになったあたりでようやく元に戻り自分の今の状況に驚いている。

 

「あんたが今さっきまで何をしていたのかはこれに撮ってある。とりあえず観てみな」

 

俺はブレイドにスマホを手渡すと先程までの一部始終を観せる。その映像にブレイドは絶句し錆びついたブリキの玩具のようにギギギとこちらを向いてきた

 

「こ、これ、本当に俺なのか?」

「正真正銘間違いなくあんただ」

 

ブレイドは信じられないといった態度で何度も動画を再生し頭を抑えている。自分が知らない間にあんなことしていたなんて知ったら頭抱えたくもなるよなそりゃ

 

「それが俺があんたを倒そうとした理由だ。何かきっかけが必要とはいえ暴走する。そこを敵に利用されて後ろからやられたり敵の一人になったら厄介だからな。あんたはここで潰さなきゃいけない」

 

実際常時暴走しているライダーがまだまだいるであろうこの危険な状況でいつまた暴走するかわからない危険物扱いのブレイドを放っておくことはできない。一時の情で見逃したせいで後で全滅するきっかけになる可能性すらあるのだ

 

「あんたがなんで俺を倒したいのかはわかった。その理由に納得もできる。でもそれなら尚更なんで俺を倒さなかった?あんたにとって俺は厄介者なんだろ」

「……これは俺の自己満足だ。俺はあんた達に最初に会った時に逃げだした。最初から勝てない相手だと、戦う前から諦めた。俺は生き延びる為に誇りを捨てたんだ。俺はあんたを倒すことでその時の未熟な自分に打ち勝つ。そして、誇りを取り戻す。恨むなら恨んでくれて構わない。だが俺はもう止まるわけにはいかねえんだ」

「そうか……それが、あんたの覚悟なんだな。わかった、ならあんたが一度誇りを捨てたきっかけである俺は、責任を持ってあんたの覚悟、汲み取ってやる!」

 

ああ、やっぱりあんたも英雄《ヒーロー》なんだな。普通こんな自己中な俺の願いを真正面から引き受ける奴なんていねえよ。ましてや自分を倒そうとしてる相手になんてよお……。ったく、憧れ直しちまうぜ本当によぉ!

 

「じゃあここからは、お互い手加減無しだな」

「ああ、俺も今度は本気でやらせてもらうよ」

 

俺はカチドキロックシードと極ロックシードを、ブレイドはラウズアブソーバーとK、Qのカードを取り出す

 

『フルーツバスケット! ロック オープン!!』

『ABSORB QUEEN』

 

『極アームズ! 大 大 大 大 大将軍!!大 大 大 大 大将軍!!』

『EVORYUTION KING』

 

俺は織田 信長がつけていたという西洋様式鎧を模した白銀の姿の極アームズに変身しブレイドは13枚のアンデッドクレストが身体に刻まれた黄金の重厚鎧、キングフォームに変身する

 

『火縄大橙DJ銃!無双セイバー!』

 

俺は極ロックシードを二回捻るとオレンジと黒のディスク状のプレートが付いた銃と鍔が銃身となっている銃剣、無双セイバーを出現させる。そしてその二つを組み合わせ火縄大橙DJ銃の部分を刃にした大剣モードにする

 

「俺はあんたを越えて前へ進む!」

「来い!俺を乗り越えて誇りを取り戻してみせろ!」

 

俺はここで!この試練に打ち勝ってみせる!




今回の紀斗は堕ちた分また人として英雄として階段を上るため、ブレイドに勝つことを試練にしました。某カビ頭のボスも人の成長とは未熟な自分に打ち勝つことだって言ってたし
そしてブレイドの暴走はディケイドの姿を確認した瞬間暴走スイッチが入ります。え?暴走スイッチは別のカブトライダー?細かいことはいいんですよ。それに暴走するかその可能性がある方があのドーパントに操られやすいのでここで倒しておかないとやばいんですよね。ただでさえキバが向こう側の陣営に加えられてますからこれ以上主人公ライダーを敵側に取られるのはキツいんです
次回は今度こそ紀斗対ブレイド!
次回もお楽しみに!

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