東方masquerade外伝 〜Riders Resistance〜(凍結中)   作:リョウタロス

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2週間以上更新できなくてすいませんでした。皆さんもあらすじは大体考えてあるのになかなか執筆が進まない経験ってありますよね!作者のリョウタロスです。ここで今回の異変のライダー達について補足説明というか途中導入です。
今回のライダー達は擬似的に自我を持っていますがシザースのようにあまり自我を持っていないのもいます。この自我の有無は本編でのそのライダーの強さや覚悟の強さによって決まります。例えば主人公ライダーやラスボス系ライダーはもちろんバロンやナイトのようなサブライダー達もちゃんとした自我を持っている確率は絶対では無いですが高く、逆に碌な覚悟も持たなかったりするシザースや量産型ライダーは自我を持っていない確率が高いです

まあ説明はこの辺にしてと、今回は紀斗が気絶している時の人里です。
それでは本編です、どうぞ!


第五幕 守護/侵略 前編

人里

 

ここでは今いたる所で道具や普段は大人しくて人間と共に生活している妖怪が暴れていた

 

「早く寺小屋へ避難するんだ!無事な者は怪我人や動けない者に手をかしてやってくれ!」

 

シザースに変身したS慧音が契約モンスターであるボルキャンサーの人間態、ボルや自警団のメンバー達と里の人間の避難と守護をしていた

道具や妖怪達は力は中の下程度で人間でもなんとか対処できるが人里という道具が大量にある場所のせいで対処しようにも人手が足りていなく戦況は芳しくなかった

 

さらに先程あちこちに飛んできた光球、それが落ちた場所の近くからさっきからあきらかに道具やここの妖怪では出せないような破壊音や爆発が起こっており慧音はそれも警戒していた

 

(連絡した筈の紀斗は来ないしこの道具や妖怪達も減りそうにないしさっきの光球は気になるし、一体どうなってるんだ今日は!)

 

そんな愚痴のような文句を心の中で叫んでいるといきなり寺小屋の近くの建物が破壊されそこから緑と赤と黄色の左右非対称の顔をした傾奇者のような姿の響鬼系ライダー、仮面ライダー歌舞鬼と頭に二本の角が生え全身からトゲが生えた金棒を持つ銀色の仮面ライダー、シルバラと額に三本の角を生やし錫杖を持った金色の仮面ライダー、ゴルドラが現れた

 

「ここか…人間共が集まってんのは」

「はっはぁ!叩き潰しがいがありそうだぜ!」

「相手になりそうなのは二人だけ、これなら楽勝だな」

 

三人の鬼のライダーは人が避難している寺小屋を見るとそこを守護しているS慧音に武器を構える

 

「何者だ、お前ら。この異変を起こした犯人か?」

「あぁ?異変だ?この潰しがいの無さそうな奴らが暴れてることか?はっ、くだらねえな。俺達だったらもっと派手ですげえのをやってるっての!」

 

S慧音の質問にシルバラは怒りS慧音を睨むがゴルドラがそれを制止させ一旦武器を肩にかけるとS慧音に話しかける

 

「まあそう目くじらを立てるな、ミミヒコ。して蟹の御人よ。我々は鬼の切り札という兵器を取り戻し日ノ本を征服しようと計画しているのだがいかんせん人手が足りなくてな。それで実力者を募っているのだがお主もどうだ?この計画が成功した暁にはそれなりの地位を与えるが?」

「そんなに悪い条件じゃねえと思うぜ?まあ逆らったらその時点であの世行きだけどよ」

 

下卑た笑いをもらす二人の提案にS慧音は呆れたような面倒くさそうなため息を吐く

 

「生憎だが私はそんなものに興味は無いし、貴様らの元に着く気も無い。それに私はこの人里の人達を守るという義務もある。他をあたることだな」

「ならばここで消えてもらうとしよう」

「そうだなにいちゃん、今の俺達の目的はそこの人間共を奴隷にすることだからなぁ。俺達の仲間にならねえなら邪魔だ」

 

再び二人は武器を構えるがずっと傍観している歌舞鬼はまだ自身の獲物を出さない

 

「おい歌舞鬼、おめえも戦うんだよ。とっとと武器出しやがれ」

「俺は人間共に復讐できるって聞いたからのっただけだ。そこの蟹となんざ戦う気も起きねえよ」

「ふん、まあいいこの程度の相手なら我ら兄弟だけで充分お釣りがくる。やるぞミミヒコ!」

「おうよ、にいちゃん!」

「来るか!」

『GUARVENT』

「ボル以外は妖と道具の相手を頼む!この三人は私とボルで相手をする!」

「慧音の敵は俺の敵だ!」

 

S慧音は左手にボルキャンサーの甲羅を模した盾、シェルディフェンスを装備しボルも本来の姿である怪人態へと姿を変える

 

「おうら!」

「ぐっ!」

 

シルバラの金棒による超重量級の振り下ろしがS慧音に迫りS慧音はシェルディフェンスでそれを受け止めるが威力と重さで地面に足がめりこむ

 

「おらおら潰れちまいなあ」

「うぅ…なんて馬鹿力だ…」

「そら後ろががら空きだぞ」

 

更に無防備になったS慧音の背中にゴルドラの鉄の礫が放たれる

 

「キシャアァァァ!!」

 

しかしその礫はボルキャンサーがS慧音の後ろにまわり地面をひっぺ返すことで土塊を壊すだけに終わり壊された土で一瞬だが土煙による煙幕が張られゴルドラとシルバラはボルキャンサーを見失う

 

「キシャア!」

「うお!?このでか蟹やりやがったな!」

 

その隙にボルキャンサーはシルバラに体当たりをかましシルバラがぐらついたことでシルバラの金棒から解放されたS慧音を抱え二人と距離をとる

 

「すまないボル、助かった」

「キシャ」

 

S慧音にボルキャンサーら気にするなというような仕草をしS慧音はデッキから一枚のカードを取り出す

 

「そこの銀色の奴の攻撃を受けて今の状態の私達では勝つのがほぼ無理なのはわかった。だから……私も奥の手を使うことにした」

 

S慧音の左手のシザースバイザーがシザースピンチのハサミよりも厚く厳つくなったハサミ、キャンサーバイザーに変わりS慧音の左手を包む

S慧音はキャンサーバイザーの上部の一部をスライドさせるとそこにサバイブ【金剛】のカードを挿入する

 

『SURVIVE』

 

その音声と共にS慧音の周りに黄金の鉱石の柱が出現しS慧音が包まれるとそれは一瞬で弾け中から所々に甲殻類特有のゴツゴツとした殻のようなアーマーを纏い胸にボルキャンサーを模した意匠があるシザースサバイブとなった慧音が現れる(以下SS慧音)

 

そしてその隣のボルキャンサーも一瞬半透明になるとその姿が鏡のように砕け本物の蟹のようなフォルムに金色の甲殻を持ったバケガニのように巨大なミラーモンスター、フォートレスキャンサーとなった

 

「ギシャアァァァァァァ!!」

「さあ、反撃開始だ」

 

「ほー、あんなカードでパワーアップするとは中々おもしれえじゃねえか」

「ふむ、あの絵札も中々興味深い。あれを使えば更に鬼の切り札を強化できるかもしれないな」

「にいちゃん、どうする?」

「ミミヒコ、お前はあの巨大蟹を相手取れ。私が人型を相手する」

「わかったぜ、にいちゃん!」

 

シルバラとゴルドラはそれぞれフォートレスキャンサーとSS慧音へ金棒と錫杖を向けシルバラは金棒で地面を殴り衝撃波を、ゴルドラは錫杖から金色のエネルギー波を放つ

 

『BUBBLE VENT』

「ギィィシャアァァァ!」

 

しかしその攻撃はフォートレスキャンサーの口から出た泡の壁に阻まれる

 

「何っ!?」

「蟹らしく泡なんて吐きやがって!邪魔だあ!」

 

シルバラは金棒を泡の壁に叩きつけると金棒に当たった部分の泡は弾けて消えたがすぐに泡は増え消えた部分も埋まり金棒まで泡に埋まってしまう

 

「ぬ、抜けねえ!?なんだこの泡どうなってやがる!」

「その泡は粘着と硬質化という二つの性質があってな。一度くっついた物は粘着でなかなか離さないうえに時間が経つごとに硬くなっていく。まあ、外界でいうところのコンクリートに近いな」

「退けミミヒコ!その泡ごと奴らを吹き飛ばす!」

 

ゴルドラは直径5mほどの巨大なエネルギー球を作りだし泡の壁へぶつけようとする

 

『SHOOT VENT』

「隙ありだ!」

 

そこへ泡の壁よりも高く飛び上がったSS慧音が左手のキャンサーバイザーをゴルドラに向けながらハサミを開き弾幕のように黄色いエネルギー弾を連続で撃ち放つ

 

「なっ上だと!?ぐあぁっ!?」

「に、にいちゃん!」

 

不意を突かれたゴルドラはエネルギー球を放つ間も無くエネルギー弾の餌食にあいシルバラもそちらに気をとられる

 

「ギシャアァ!」

「ぐおっ!?こ、この蟹離しやがれ!」

 

気をとられたシルバラを後ろからフォートレスキャンサーが巨大なハサミで捕らえそのまま挟み切ろうとハサミに力を入れる

 

「ミミヒコ!」

 

ゴルドラは立ち上がりシルバラを助けに行こうとするが首をSS慧音のキャンサーバイザーで掴まれる

 

「このまま戦うというのならこの首をいただく。おとなしく投降するなら命までは取らないが、まだ続けるか?」

「ッ…ミミヒコ」

「悪い、にいちゃん。俺の方も無理だ」

 

ゴルドラはシルバラの方を見るがシルバラもフォートレスキャンサーの両手のハサミで胴体を挟まれており身動きを取れないでいる

 

(…歌舞鬼は)

「はっはっは!いやーやるねえ、あの威張り散らしてた金と銀の野郎をあんなにあっさりと捕まえるとは、しかし今の姿は中々傑作だな!はっはっはっはっは!」

 

最後の望みとばかりに歌舞鬼の様子をちらりと見るが地面に横になりながらこちらを見て爆笑している始末で頼りにはならない

 

(チッ、使えんな。奴は後で痛めつけるとして…あそこの建物にまだ少数だが気配があるな)

 

「あっちの緑色のは助太刀するやる気も無いようだな。で、どうするんだ?私もあまりお前達に時間を割く訳にはいかないんだ」

「そうだな。では、こうしよう!」

「何!?ぐあっ!?」

 

ゴルドラは自分の背中に礫を出現させそれを自分もダメージを負いながらもSS慧音へとぶつけ拘束から逃れ錫杖の先を伸ばし300m程離れた民家へと突き刺しそこから錫杖を元の長さに戻しその民家の前まで一瞬で移動する

 

「詰めが甘かったな蟹の御仁!今ので私の首を跳ねておけば完全に勝っていたものを!」

「くっ、だがこちらにはまだ人質が」

「それはこれを見ても同じことが言えるかな?」

 

ゴルドラが錫杖を民家から引き抜くと錫杖は中にいたであろう5歳程の少女に巻きついていた

 

「あ……ああ……」

「このいたいけな少女を絞め殺すのとそちらがミミヒコの硬い身体を挟み切るの、どちらが早いかは試さずともわかるだろう?」

「!?」

(しまった!まだ逃げ遅れていた子がいたのか、私としたことが!)

 

幼い少女は今まで味わったことのない濃すぎる殺気と死への恐怖に呑まれ涙を流す余裕さえもなくその顔は絶望に染まっている

 

「ああ花をゴホゴホッ花を返してください。人質なら私がなりますからゴホッどうか花だけは」

「お母…さ…ん」

 

家の中からよろよろと出てきた顔色の悪い女性は人質にされた少女の母親らしく必死にゴルドラに娘を返してほしいと懇願するが

 

「ふん、邪魔だ女。人質など誰でもいいが今この場で一瞬でもこの人質を解放するなど愚の骨頂よ。病人はおとなしく横にでもなっていろ!」

「うっ!?」

「お…母……さん……」

 

ゴルドラがその懇願を聞き届ける筈もなくまるで虫を払うように母親は払い除けられ地面に倒れその光景に少女は苦しげに声を漏らし涙を流す

 

「貴様!」

「おっと動くなよ、そこの巨大蟹もだ。ゆっくりとミミヒコを地面に降ろせ、何か妙なことをしようとしたらこの少女の命は無いぞ」

「ギ、ギシャ……」

「ボル、従ってくれ。あの子を死なせたくはない」

「ギシャア…」

 

歯をくいしばりながら言うSS慧音の言葉に従いフォートレスキャンサーはシルバラを地に降ろしハサミを離す

 

「ああ〜、窮屈だった。ありがとよにいちゃん!」

「ふっ、それよりミミヒコ、さっきの屈辱をどうこいつらに晴らすか。それを決めようじゃないか」

「へっへっへ、そうだなにいちゃん。さてどうすっかな!」

「ギシャッ!?」

 

シルバラは笑いながらフォートレスキャンサーの腹を蹴り上げフォートレスキャンサーは仰向けになってしまいなかなか起き上がれなくなっている

 

「そういや俺の金棒がまだ泡の中だったな。出してもらおうじゃねえか」

 

シルバラはフォートレスキャンサーの腹を踏みながら仮面の上からでもわかるニヤリとした笑いを浮かべSS慧音に要求する

 

「くっ」

『BLAST VENT』

「すまないボル、泡を洗い流してくれ……」

「ギシャ……」

 

フォートレスキャンサーは立ち上がると両手のハサミと口から水流を放ち泡の壁を洗い流しシルバラの金棒もゴトリと地面に落ちる

 

「なるほど、あの泡は水に弱かったということか。さてミミヒコ、金棒も取り返したことだしお前が仕返しをするといい。私はこのまま人質を縛っておかなくてはならないからな」

「わかったぜにいちゃん。おらよ!」

「がっ!?」

 

シルバラは手初めにSS慧音の腹にボディーブローを叩きこみそのまま抵抗のできないSS慧音とフォートレスキャンサーを嬲っていく

 

その様子を愉快そうに見ているゴルドラの後ろから先程まで横になっていた歌舞鬼が近づいてくる

 

「ん?どうした歌舞鬼、お前もあれに混ざってくるか?」

「そうだな、俺も混ざるとするか」

 

歌舞鬼は音叉から刃が延びた音叉剣を取り出しゴルドラの前に進みでる

 

「ただし、子供を守る方でなぁ!」

「ぐっ!?うぁぁっ!?」

 

しかしいきなり振り返った歌舞鬼は音叉剣でゴルドラの身体と錫杖を持っていた左腕を斬りつける

味方に襲われるとは思っていなかったゴルドラはその攻撃で倒れてしまい同時に少女を縛っていた錫杖も落としてしまう

 

「しまった!?」

「おうら!」

 

歌舞鬼は再び錫杖を取り戻されて少女を人質されないように錫杖の延びた部分を斬り錫杖の柄を遠くへ蹴りとばし少女に巻きついた錫杖を斬る

 

「ほら、早く母親連れて逃げろ」

「あ、ありがとう…」

 

少女は母親と一緒に寺子屋の方へ逃げていくのを見送ると歌舞鬼は飛んできた礫を避けゴルドラの方を見る

 

「貴様、何故裏切った…。人間が憎いのではなかったのか!」

「ああ、確かに人間は憎い。だけどな、子供を人質に取るような奴らより子供を傷つけない為に必死に耐えた奴に力を借したくなっただけだ」

 

後ろから聞こえる金属音に気がついたシルバラは後ろを振り向き状況を見ると歌舞鬼が自分達を裏切ったのが一目でわかった

そして裏切り者を倒そうとSS慧音達から気を逸らしたその瞬間が命取りだった

 

「あの野郎、ふざけた真似しやがって…」

「お前らもな」

『STRIKE VENT』

「ギシャアアア!」

「へ、がばっ!?」

 

歌舞鬼の方へと顔を向けSS慧音達から目を離していたシルバラはSS慧音の装備したフォートレスキャンサーのハサミを模したキャンサーピンチとフォートレスキャンサーの巨大なハサミによるダブルパンチをくらいゴルドラの足元まで吹っ飛ばされる

 

「ミミヒコ!大丈夫か!」

「悪いにいちゃん、あいつらもう動けないと思って油断してたわ……」

 

SS慧音とフォートレスキャンサーは歌舞鬼の隣まで走り寄りゴルドラ達に目を離さず歌舞鬼に質問する

 

「お前は今は味方ということでいいんだな?」

「ああ、あんたみたいな汚れてない大人は珍しいからな。加勢したくなったのさ。俺の名は歌舞鬼、まあよろしく頼む」

「上白沢 慧音だ。さあ、子供を人質にするような悪い鬼は退治するとしよう!」

「久々に良い鬼として仕事してやるぜ!」

「ギシャアアアァァァ!!」

 

 

 




こんなところで終わらせてしまい誠に申し訳ございません。ですが俺のHPがもうゼロです、目の前が真っ暗状態です
紀斗「おお、リョウタロスよ。死んでしまうとは情けない」
黙らっしゃい。次回はこの続き、人里編の後半です。
次回もお楽しみに!

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