ONE PIECE〜LOST・ELPIS〜   作:AXI

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富、名声、力
かつてこの世の全てを手に入れた男
海賊王”ゴールド・ロジャー”

彼の死に際に放った一言は全世界の人々を海へ駆り立てた。

『俺の財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ…
探してみろ
この世の全てを”そこ”に置いてきた』


世は大海賊時代を迎える



そしてここ
南の海に、新たな畝りが1つ


1話【Another Dawn】

 

 

白ひげによるマリンフォード頂上戦争が起きてたから半年が経った。

白ひげの放った”ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”は実在する。

 

それまで海賊に対し浪漫も何もないと冷え切っていた者達が海へと出た。

あの一言がさらに海賊時代を激化させたのだった。

 

 

南の海

その海上に浮かぶ船

ここに1人、右半分を白色の髪、左半分が黒色になったオセロ頭の青年

名を”セーフノート・ベル”

彼もまた浪漫に惹かれた男である。

 

ベル

「白ひげは言った

“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”はあるって

伝説の”それ”が存在するんだ

ならあの伝説も存在する…!」

 

???

大甍宝船(だいみょうほうせん)…だっけ?あんたの見つけたい物って』

 

ベルの後ろに立つ紅色に靡く(なびく)ロングヘアの女性がそう言った。

彼女の名は”ウィテカー・アンジュ”

彼女もまた浪漫に惹かれた者の1人だ。

 

ベル

「おう

偉大なる航路の奥地にある人知れず海に漂う宝舟!

大甍宝船(だいみょうほうせん)”!

この海に眠る伝説”黄金の都市”、”エメラルドの都”、”空島”、”逆さの玉座”!

大甍宝船(だいみょうほうせん)”もそれらに連なる伝説の1つだ…!」

 

大甍宝船(だいみょうほうせん)

この世界のどこかに存在するとされている伝説の一つ。

遥か昔、この海を冒険したとある冒険家が集めたその時代において最高峰の宝の数々。

それが眠る無人の宝舟。

 

アンジュ

「はいはい、”ひとつなぎの大秘宝”があるならそれもあるって言う話ね

それはあたしも信じてるよ?

でもねベル、あんた海を舐めてない?航海士も無しに海を渡ろうとしてたよね」

 

ベル

「な、舐めてねぇよ、だからこうして航海術があるお前を連れてきたんだろ」

 

???

『そして船医として私…ですね?』

 

ベルとアンジュの後ろから白衣を来た黒髪ショートヘアの女性。

名を”フローレンス・プルトニア

ベルとアンジュと同じ島に居た医師見習いで、2人に半ば強引に船に乗せられた女性である。

 

プルトニア

「海に出るなら、もっと医療技術学んでから出たかったんですけどね、、、」

 

ベル

「そう言うなってプルト

航海しながらでも学べるだろ?」

 

プルトニア

「そうですけど、いざという時が来たらどうしようって思うんです…

ベルさんやアンジュさんが致命傷負ったりした時腕が無かったらって…」

 

ベル

「それって俺達が弱いって意味か?

安心しろよ、俺にはこれがある」

 

そう言って手に取ったのは刀身、鞘、鍔、柄、全てが真っ白の刀だった。

ベルの育ての親である”ゴウザ”から渡された刀”白夜”

序列は不明だが”ゴウザ”曰く名のある名刀とされている。

 

アンジュ

「そうねプルト

ベルは兎も角、あたしは能力者だからそんじゅそこらの海賊になんて負けやしないから」

 

ベル

「嫌味か何かかアンジュ」

 

ドンッ

 

会話を遮る轟く音。

ベル達が乗る船に近い距離で海が飛沫をあげる。

 

ベル

「ッ!この音、大砲か?!」

 

アンジュ

「プルト、中に居てね」

 

プルトニア

「うん、分かった

2人とも気をつけてね…」

 

刀を手に取り甲板に出たベルの視界には一隻の船が近くに漂っていた。

その船の甲板には斧を構えた大柄な男とその後ろには多数の男達が立っていた。

 

???

『ガーッハッハッハ!

そこの海賊!悪い事は言わねぇ!金品置いて立ち去りな!』

 

船員a

『そうだぜ名前も知らねぇ海賊共!このお方を誰だと思ってんだ!』

船員b

『この方こそ、南の海を制した男!』

船員c

『その名も【藻屑(もくず)】の”スズリ”様だ!』

 

ベル

「う〜ん…

アンジュお前知ってるか?」

 

アンジュ

「いや?聞かない名前ね」

 

ベル

「わりぃなおっさん誰だ?」

 

船員a

『なんて厚顔無恥な野郎共だ!

懸賞金1500万ベリー!』

船員b

『この南の海じゃ知らない奴はいねぇ!』

船員c

『無知は恥だぜ!』

 

スズリ

「ガーッハッハッハ

そうかそうか、俺を知らない田舎者達だったか

なら野郎共!この海の厳しさを教えてやれ!!!」

 

そう言われた船の海賊達は大砲を持ち出してくる。

 

スズリ

「これを喰らって生き残った海賊は居ねえ!

田舎町から海に出てきて早々悪いが

海の藻屑と消えな!撃てえぇ!!」

 

ドドドン

 

数発の大砲がベル達の船に向かって放たれた。

 

ベル

「はぁ、よくわかんねぇ海賊にこうも絡まれるとゲンナリするな

絡まれるならもっと”大物”がいいぜ」

 

ズパァン

 

そう嘆いたベルは刀を抜き一太刀で大砲の玉を真っ二つに斬り伏せた。

 

船員a

「ハァ??大砲の玉を斬りやがった!?」

船員b

「なんだありゃ、能力者か?!」

 

スズリ

「狼狽えんな野郎共!!臆せず撃ち続けろ!!」

 

号令の元、間髪入れず撃ち続ける海賊達。

 

その撃たれた大砲の玉に対してアンジュが飛び出す。

 

アンジュ

「ふん!!!」

 

ガンッ

 

回し蹴りの要領で大砲を跳ね返す。

 

ズドォン

 

跳ね返された大砲がスズリの乗る船に直撃する。

 

船員d

「せ、船長!!

船に穴が!!」

 

スズリ

「な、なんだありゃ斬るならまだしも蹴りで跳ね返すだぁ?!

いや、玉がダメなら接近戦に切り替えだ!どうせこの船も沈む…ぶっ潰して船も奪取だ!

野郎共!船を付けろ!」

 

煙を上げ大破寸前の船がベル達の船に近づく。

 

アンジュ

「じゃあベルお先!」

 

船から海に向かって飛び出したアンジュ。

その背中から真っ白の翼が生える。

 

ベル

「ズリィな空飛べんの…

アンジュ!能力使いすぎんなよ!」

 

アンジュ

「はいはい、心配性だね全く」

 

そう返事をしながら空を滑空し、すぐさまスズリの船の甲板に着地する。

 

船員a

「せ、船長!!空から女が!!」

 

スズリ

「狼狽えんなっつったろ!

女、てめぇ能力者か…!」

 

アンジュ

「そうよ

珍しいかしら?

南の海ならちらほら能力者居るって聞くけど?」

 

スズリ

「そうだな確かに見かけはするが

“空を飛ぶ能力者”なんてこの先の海でも数人しか聞かねぇがな」

 

アンジュ

「まぁそうでしょうね

あたしが海に出たの昨日だもん

確認されてる”空飛ぶ能力者”なんて数人でしょうね」

 

そう言い再び翼を生やし、空を飛ぶアンジュ。

 

アンジュ

「あたしの能力は

ヒトヒトの実・幻獣種・モデル”天使”

特別に教えといてあげる!」

 

バキィ

 

滑空したアンジュから繰り出された蹴りがスズリの周りの海賊達へとヒットした。

 

スズリ

「幻獣種…?なんだそりゃ…そんな名前聞かねぇな

嘘つくならもっとまともな嘘でもつくんだな!」

 

アンジュ

「あぁ、やっぱり珍しいんだ幻獣種って

まぁあたしも何も知らずに食べたからそんな事考えた事なかったけど」

 

そう言い残し空を再び滑空しながら次々と海賊達を蹴り倒していくアンジュ。

 

ベル

「よっ…と」

 

いつの間にかベル達の船と隣り合わせになっていたスズリの船の甲板にベルが飛び乗ってくる。

 

ベル

「さて、おっさんの懸賞金1500万って言ったっけ?

こいつ政府に差し出せば貰えるんだっけか?」

 

アンジュ

「ううん、

あたしらが政府に突き出しても貰えるのは悪名だけね」

 

ベル

「なんだ、じゃあおっさん、俺達まだ海賊始めたばっかでベリーが足りてないんだわ

あんた達の船に詰んでる宝置いてってくれ」

 

スズリ

「が、ガーッハッハッハ!!

舐めた青二歳だ!なぜ俺様がテメェみたいなガキに従わねぇといけねぇんだ?」

 

ベル

「いやいや、俺らの船に攻撃してきたくせに…

いいか本来なら正当防衛としてぶった斬ってやるところを宝で手打ちにしようって言ってんだぜ?

乗っとくべきだろ」

 

スズリ

「ガーーーハッハッハッハ!

俺が?お前に?手打ち??

バカかテメェは

いいか?懸賞金が付いてるんだぜ俺様は!1500万!

その意味分かるよな!!」

 

そう言い、手に持った斧を振り上げベルに詰め寄る。

 

ベルは”白夜”にの柄に手をかける。

 

スズリ

「それだけの強さを持ってるって事だ!!死ね!!!」

 

ベル

「馬鹿はお前だよおっさん…

“刹那流剣術・居合い”」

 

ズバァァン

 

白い閃光と共に振り抜かれたベルの刀。

ベルの前には持っていた斧は柄から折れ、肩から脇腹にかけて一直線に深い斬撃の跡と共に血飛沫を上げ倒れるスズリの姿。

 

ベル

「”刹那”」

 

 

 

大砲や海賊達の歓声もいつの間にか聞こえなくなっており空を滑空していたアンジュがベルの隣に降りる。

 

アンジュ

「容赦ないねベル」

 

ベル

「忠告はしたからな

それを無視したなら後は命のやり取りだ

そこに慈悲はねぇよ

俺達は海賊だろ?

さ、この船が沈む前にこいつらの持ってる財宝とっちまって戻ろう」

 

 

 

程なくして南の海の海底に沈んでいく一隻の船。

 

それを横目に南の海を航海する船。

後に彼らは数年後に”歴史の裏側の者達”と称される。

 

南の海ではほんの少し名をあげていた懸賞金1500万ベリー

スズリ海賊団船長【藻屑(もくず)】のスズリ

そしてその船員達。

幸か不幸か、名誉か不名誉かはさて置き

彼らはそんな者達の最初の敵として海に沈んだのであった。

 

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