ONE PIECE〜LOST・ELPIS〜   作:AXI

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3話【自警団】

 

 

 

ノトリアリ村と廃街スペリオルを繋ぐ山道

 

ノーシークを先頭に大勢の山賊達が山から降りてきていた。

 

アトゥムはそれを塞ぐ様に立つ。

 

ノーシーク

「なんだ?お前」

 

アトゥム

「そんな大勢でどこに向かうんだい?山賊の皆さん」

 

ノーシーク

「そりゃあ自警団のアルバって奴らをぶち殺しに行くんだよ

あれか?お前がアルバってやつか」

 

アトゥム

「生憎、僕はアトゥムって名前だ」

 

ノーシーク

「なんだ、俺らの獲物じゃねぇな」

 

トマーシュ

「待て、ノーシーク

こいつもその自警団の1人だ

ここで潰してアルバを誘き出そう」

 

ノーシーク

「ほぉ、まぁお前に任せるぜトマーシュ

好きにしな」

 

トマーシュは両肩の力を抜き、隙のない構えでアトゥムに向かっていく

 

アトゥムもそれに迎え撃つ様に拳を構え、向かっていく

 

 

 

 

〜ロイヤル島・海岸〜

 

 

アルバ

「”獣拳(じゅうけん)”!”豹牙(ひょうが)”!」

 

アルバの飛びかかりながら放たれるパンチ

それを躱しながら回避していくベル。

躱したその部分は風圧により土煙が巻く。

 

ベル

「ふぅ…なんなんだその獣拳って

パンチの威力越してるだろ…」

 

アルバ

「…躱してばっかか?海賊」

 

ベル

「…売られた喧嘩は買うけど…スゥー…やっぱあんまノラねぇな」

 

アルバ

「じゃあさっさとこの島から出るか、ぶっ倒されるか選んでくれ」

 

ベル

「それは

どっちもNOだ…!」

 

そう言い振り下ろされたベルの腕を掴み、鍔迫り合いの様になる。

 

アルバ

「ノラない喧嘩なら…この島にいる意味ねぇ、だろっ!」

 

ベル

「…あのなぁ、俺らは宝を換金しに来ただけなんだ

お前らの都合なんか知らねぇし、邪魔もしねぇよ…!」

 

アルバ

「堂々巡りだな」

 

ベル

「巡らせてんのはお前だろ、バンダナ」

 

アルバ

「…バンダナじゃねぇ、アルバだ」

 

ベル

「そうかよ、俺はベルだ

よろしくなアルパカ」

 

アルバ

「やっぱ、海賊は嫌いだなッ!」

 

再びアルバの拳とベルの刀がぶつかる。

 

 

 

 

一方、レイカと対峙していたアンジュはレイカから繰り出さられるトリッキーな動きに翻弄されていた。

 

アンジュ

「…クッ!(縦横無尽の流れるような読めないナイフ捌き…この娘、戦い慣れてる…!)」

 

アンジュはレイカの短刀を滑空しながら躱していく。

 

レイカ

「お姉さん、能力者?珍しい能力だね!何の能力?」

 

そう質問しながらもアンジュの芯を捉えるような狙った斬り方をしながら詰めていく。

 

アンジュ

「…喋りながらなんて余裕なんだねッ!”天脚(てんきゃく)愚者の一撃(アレフ・ティファティ|)”!!」

 

アンジュはレイカの斬撃の隙をつき、ハイキックを放つ。

 

レイカ

「ッ!!」

 

しかしレイカは咄嗟に斬るのを止め、ガードするがその勢いで吹き飛ぶ。

 

アンジュ

「判断力も早い

貴女…結構戦い慣れてるんだね…」

 

レイカ

「痛てて…そうだよ〜

私達はこの村の自警団だからね

海賊や山賊とは戦い慣れてるんだ

まぁお姉さんみたいに強い人は久しぶり…いや初めてかな?」

 

アンジュ

「そう、それは嬉しいわ」

 

アンジュは翼をはためかせ、空に浮かぶ。

 

レイカ

「お姉さんのその能力…その強い蹴りと反射神経から見て…

動物系の能力だよね?

見たことない動物だな〜…なんだろう?」

 

アンジュ

「当ててみたら!

天脚(てんきゃく) 女帝の威光(ダレト・ティファティ)”!!」

 

空中を滑空し、勢いで飛び蹴りを放つ。

 

レイカ

「教えてくれないんだ

けどねお姉さん」

 

レイカは掌を突き出しながら言った。

 

レイカ

「能力者はお姉さんだけじゃないんだ!」

 

アンジュ

「ッ!?どういうーーーー」

 

その瞬間飛び蹴りを放ったアンジュの脚や翼に荊棘が絡み付く。

 

アンジュ

「何これ…!?(つた)!?」

 

レイカ

「”直立薔薇(ブッシュローズ)

それは(つた)じゃなくて荊棘(イバラ)だよ」

 

アンジュ

「荊棘…能力者なのね貴女…」

 

レイカの身体からは荊棘が出ており、そしてその荊棘には薔薇が咲いていた。

 

レイカ

「そうだよ

私はロゼロゼの実を食べた薔薇人間

私は薔薇とその荊棘を操れる

お姉さん強いからさすがに本気(マジ)になっちゃったよ!」

 

レイカはそのまま短剣を構え直す。

 

アンジュ

「そう…

(マズイ…この荊棘かなり頑丈ね…それに動かそうとすればするほど棘が身体に食い込む…)」

 

更にアンジュの純白の翼の先がほんの少し黒く変色していた。

 

アンジュ

「(さすがに時間ね…

これ以上はベルに怒られる…)」

 

レイカ

「さてお姉さん、さすがにもうお空も飛べないしどうする?」

 

アンジュ

「そうね…(能力を解除して荊棘を取る手もある…けどその後の彼女の素早い攻撃を全部躱す事は出来ない…

逆に能力を全力で使えば荊棘を取り除く事はできる…けどその後の”黒化”の進み方が懸念点…どうなるか分からない…)」

 

 

カンカンカンカンッ

 

その時、村の方から鐘の鳴る音と村の住民による騒ぎ声が響く。

 

その音にベルと対峙しているアルバ

アンジュと対峙してるレイカはすぐに村の方に目をやった。

 

レイカ

「この音…!

アルバさん!!」

 

アルバ

「あぁ…ッ!急げレイカ」

 

アルバとレイカはすぐにその場を収め、村の方へと向かう。

 

ベル

「おいアルパカ、勝手に終わらせんなよ?」

 

アルバ

「黙れ海賊…!

お前達に構ってる暇がなくなった

この島から出ていくなら今のうちだ」

 

レイカ

「そーいう事

じゃあね、お姉さん♪」

 

2人はそう言い残し村へと走っていった。

 

ベル

「ったく、なんなんだ?

俺、殴られ損じゃない?」

 

アンジュ

「ま、なんでも良いわ」

 

プルトニア

「どうしますベルさん

このままこの島、出ますか?」

 

プルトニアにそう言われたベルは少し悩みながら村の方を見る。

 

ベル

「…いや、なんか癪に障るから

少し八つ当たりしに行こう

 

そう不適な笑みを浮かべながらベルは村へと歩いていった。

 

アンジュ

「ハァ…趣味が悪いわよベル」

 

そのベルの後ろを2人は呆れながらもついていった。

 

 

 

 

ノトリアリ村内から砂煙が上がり、村人達の叫喚が響く。

 

逃げる村人。

それを山賊に軽々と掴み上げられた村人。

 

山賊は村人をサーベルで斬り伏せようとする。

 

村人

「ヒィ…!」

 

ベギィィッ

 

山賊はサーベルを振り下ろそうとした瞬間吹き飛んでいた。

 

アルバ

「大丈夫かお前ら…!」

 

村人

「アルバさん!!助かりました!」

 

アルバ

「あぁ、早く海岸の方へ逃げろ

道中海賊が居るが、気にするな何もしてこねぇヘタレだから」

 

アルバの言葉に頷き、村人は南の道を使い海岸へ向け、村から出る。

それと入れ違う様にレイカがアルバの元に来る。

 

レイカ

「他のみんなも逃したよ

けど、これどうなってるの…?

お兄ちゃんは?」

 

アルバ

「さぁな…

だが、アトゥムを心配する前にまずはこいつらだ」

 

そういったアルバとレイカの周りを複数の山賊達に囲まれていた。

 

レイカ

「そうだね…!」

 

アルバとレイカはそれぞれ拳と短剣を構え背中合わせに山賊達と対峙する。

 

 

 

海岸付近村へと向かっていたベル達は村から逃げ出て来る村人達に気付き足を止めていた。

 

アンジュ

「人がどんどん出てきてるね」

 

ベル

「余程のことが起きてるみたいだな」

 

プルトニア

「…怪我人も結構多い」

 

プルトニアはどこかやるせない表情を出していた。

 

プルトニア

「ベルさん、私…」

 

ベル

「あぁ、行っていい

むしろ行ってこい」

 

プルトニア

「ありがとうございます、ベルさん…!」

 

プルトは村人達の所に駆け寄り、自分が医者と言うことを伝えて村人達の治療を始める。

 

アンジュ

「村の人達はプルトがいればとりあえずは大丈夫そうね

あたし達はどうする?」

 

ベル

「さぁて、どうするか…」

 

そんな2人に近づく老人。

ノトリアリ村の村長ピウス

 

ピウス

「お主ら、海賊か?」

 

ベル

「ん?なんだ爺さん」

 

ピウス

「わしはこの村の長をしておるピウスって者じゃ

それでお主らは海賊なのか?」

 

ベル

「あぁ、そうだ

だったらなんかあるのか?」

 

ピウス

「…あの駆け回ってる娘も海賊なのか?」

 

ピウスが指差す方向では白衣を少し乱しながら、汗を流し怪我人の治療に駆け回るプルトの姿があった。

 

ベル

「あぁ、うちの名医だ

腕、良いだろ?」

 

ピウス

「…何故だ?」

 

ベル

「何故?」

 

ピウス

「お主らは海賊だろう…!

島への略奪、侵略、殺人

それがお主ら海賊のする事だろう…!?

何故、顔も知らぬ者達の怪我の治療なんて…!」

 

ベル

「あー…爺さん

その固定概念は正解

海に出てる海賊の8割ぐらいはまさにそう言う海賊だ」

 

ピウス

「何が目的じゃ…!

山賊に襲われた後だ…見返りなぞ渡せぬぞ…!」

 

ベル

「何が目的って…別にそんなつもりはねぇが

そうだな、じゃあ海賊らしく取り引きするか

これ、分かる?」

 

ベルは手に持っていた金塊が入った袋を見せる。

 

ピウス

「金か何かか?」

 

ベル

「そ、さっき敵船から奪った金塊だ

俺たちはこれを換金しに来たってだけ

つまり俺たちの要求はこの金塊の換金

それだけ

他は何もしねぇし、いらねぇ…あ、いや食糧は欲しいか…

ま、どっちでもいっか」

 

ピウス

「…わかった、それの換金はしてやる

食糧もなんとかしてやろう…

だが山賊共が蔓延っておったら何も出来ん

奴らが消えるまでは出来ないと思ってくれ」

 

アンジュ

「ふーん、山賊共が邪魔なのね

だってさベル」

 

ベル

「なるほどね

じゃ、やる事は一つだな」

 

ベルとアンジュは村の方へと歩いて行く。

 

ピウス

「何をする気だお主ら!」

 

ベル

「アンタ達のアルパカ…じゃなかったアルバって奴にぶん殴られたからな

その腹いせと八つ当たりをしてくるってだけだ」

 

アンジュ

「お爺さん、戻ってきたらちゃんと約束は守ってよ?」

 

 

 

 

 

アルバ達の拳が山賊を吹き飛ばし、レイカの短剣が山賊を斬り伏せる。

 

アルバ

「おい、雑魚ばっか出てこられても困るんだよ

さっさと親玉呼んでこい!」

 

山賊1

「おいおい、自警団如きが調子づけるのも今のうちだぜ?」

山賊2

「あぁ、呼ばなくてもすぐにノーシークさん達が降りて来る!

そうしたらこの村は直ぐにノーシークさん達の物」

山賊3

「逃げた奴らも直ぐに送ってやるよ

“あの世”にな!ハハハハハ!」

 

アルバ

「いいや無理だな

アトゥムがここに居ないって事はそのノーシークって奴らとやり合ってるはずだ」

 

レイカ

「お兄ちゃん、自警団の中で一番強いからね♪

今頃そいつらボッコボコにされてるよ!」

 

アルバ

「あぁ、アイツにノされる前に早く呼んでこいって言ってんだよ」

 

山賊1

「ボッコボコね〜」

山賊2

「ヒヒヒ、ハーッハハハハ」

 

山賊達はアルバ達の発言に顔を押さえながら高らかに笑った。

 

アルバ

「何がおかしい…?」

 

山賊3

「言ったろ自警団くん

逃げた奴ら’も’あの世に送ってやるって」

 

アルバ

「…どういう…

ッ…!まさか…」

 

ノーシーク

『あぁ、そのまさかだ』

 

その狼狽えと共に山道から大量の山賊達が降りて来る。

 

その先頭を歩く大男の手には血だらけのアトゥムが引き摺られていた。

 

レイカ

「お兄ちゃん…!!!」

 

アルバ

「アトゥム…ッ!」

 

ノーシーク

「さぁ次はお前らだ自警団」

 

 

 

 

 

 

 

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