ONE PIECE〜LOST・ELPIS〜   作:AXI

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4話【海賊だ】

 

 

大男に投げ捨てられたアトゥムは大量の斬り傷と複数の殴られたような痣が浮かんでいた。

 

レイカ

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!

しっかりして…!!」

 

アトゥム

「ゲホ…ガハッ……レイカ…アルバ…

村の人達を連れて……逃げろ…」

 

揺すられたアトゥムは血を吐き、消えるような微かな声で口を動かしそう言った後、そのまま意識が途絶えた。

 

レイカ

「お兄ちゃん!!!!ダメ、しっかりしてよ!!!」

 

アルバ

「アトゥム…」

 

ノーシーク

「ハハハハハ!なんだまだ息があったのか

しかし流石に死んだか?そいつは!

まぁまぁ”弱かった”な!!トマーシュ」

 

トマーシュ

「あぁ、違いないな」

 

大男とその隣にいた拳に包帯を巻いた男が笑う。

 

アルバ

「テメェら、何が目的だ?

何度も何度も山から降りてきやがって…!!」

 

ノーシーク

「略奪だ!それ以外に山賊やる意味がねぇだろ?」

 

ノーシークはドスの聞いた声でそう言った。

 

アルバ

「あぁそうかよッ…!!」

 

アルバは勢いよく近づきノーシークに向け、パンチを繰り出す。

 

バシィッ

 

アルバ

「ッ…!?」

 

しかしアルバのパンチはノーシークの前に割って入ったトマーシュに掴まれてしまう。

 

トマーシュ

「良いパンチをしてるな」

 

アルバ

「トマーシュ…!

アンタ、なんだって山賊なんかやってんだ?」

 

トマーシュ

「そうだな、今から死んでいく奴に答えるのもあれだが

教えてやる

俺は元々’こういう’のが好きな性分なんだよ」

 

アルバ

「根っからのクズって事かよ…!」

 

トマーシュ

「ノーシーク、こいつは俺がやる

あんたは好きにやりな」

 

ノーシーク

「あぁ、任せるぜ

さぁて、海岸の方だったか?村長さんはよぉ」

 

ノーシークは腰から2本の大型のサーベルを抜き、肩に担ぎながら闊歩していく。

 

レイカ

「待ちなよ…

私が通すわけないでしょ…!」

 

闊歩するノーシークの前に鋭い目付きで睨むレイカが立つ。

 

ノーシーク

「なんだお前?

退け、女」

 

レイカ

「お兄ちゃんを…あんなにして…!許さないッ!」

 

ノーシークに向け短剣を構え飛びかかる。

 

ガキィン

 

勢いよく上から振られた短剣をノーシークはサーベルで受け止める。

 

ノーシーク

「お兄ちゃん?あぁ、あの雑魚の妹かお前」

 

レイカ

「クッ…お前!!!」

 

ノーシーク

「安心しろよ女!

直ぐにお兄ちゃんの元に送ってってやるからよ!!!」

 

そう言い残し、レイカの短剣を受け止めていたサーベルをそのまま力任せに振り抜き、レイカを吹き飛ばす。

 

ノーシーク

「おい、テルフォ

この女可愛がってやれ」

 

テルフォ

「はーい、あたしに任せるわーね」

 

カールヘアの女、テルフォは2丁のピストルを構え、倒れているレイカに銃口を向ける。

 

テルフォ

「アンタみたいなカワイイ女はイジメ甲斐があるわーね

ジワジワ蜂の巣にしていくわーね!覚悟しときな!」

 

バンッ!

 

1発目の弾丸がレイカの肩を掠る

 

レイカ

「うッ…ァァアッ…」

 

テルフォ

「アーーーハッハッハ!良い悲鳴だわーね!

次は脚をいこうかしら!」

 

レイカ

「くッ…!」

 

レイカはロゼロゼの能力で自分の周りに荊棘を生やし、

壁になるように荊棘を絡ませる。

 

テルフォ

「能力者!良いわーね!

その能力でどこまで持つか見ものだわーね!」

 

バンバンバンッ

 

荊棘を取り除くようにピストルを撃っていくテルフォ。

 

 

 

アルバ

「レイカッ…!!」

 

トマーシュと既に交戦中のアルバは危機に陥ったレイカに目をやる。

 

トマーシュ

「余所見とは余裕だな!!」

 

トマーシュは右腕を引き、力を込める。

 

アルバ

「(なにか来る…!受け止めるか…いや避けるか!)」

 

見切るようにトマーシュを見るアルバに対して、トマーシュは右腕を蛇のように畝らせるように不規則に動かす。

 

アルバ

「(ッ!?なんだ、この動き!?避けられ–)」

 

トマーシュ

「”拳爛(けんらん)”」

 

そして躱そうとしたアルバの腹に拳を叩き込み、吹き飛ばした。

 

アルバ

「グゥ…ッ…ハ…」

 

トマーシュ

「避けられると思ったのか?甘い、甘い甘い」

 

アルバ

「…ッハァ…ハァ…そんな動きでこの威力…

なんなんだそのパンチは…」

 

トマーシュ

「なに、

ただ俺が編み出した拳技だよ

拳の威力を最大限に出すのなんて瞬間瞬間その一瞬のみでいいのさ

それ以外は敵を翻弄するための動きに過ぎない」

 

アルバ

「…ゲホ…そうかよ

(レイカがまずいな…いや、レイカだけじゃねぇ

あのデカ男も村のみんなが逃げた場所に向かって…

クソ…しっかりしろ俺…!)」

 

そのアルバの視線の先には能力の荊棘を突破され、テルフォに銃口を突き立てられたレイカ。

 

村の外に向かって歩くノーシーク。

 

そして目の前にトマーシュ。

 

アルバ

「ハハ…まずいなこりゃ…」

 

 

ノーシーク

「ハハハハハ!トマーシュもテルフォも遊んでやがるな!

まぁ良いか、さぁて村長さーん今俺が行くぜ〜

…ん?」

 

そんな暢気なノーシークの前に白い刀を提げた男

ベルが立ちはだかる。

 

ベル

「あんたが山賊の頭か?図体も態度も武器もデケェな」

 

ノーシーク

「なんだ?テメェ?

この村のもんじゃねぇな?」

 

ベル

「あぁ、どーも

俺はベルって言うもんです」

 

ノーシーク

「は?ベル?

何者なんだてめぇは?」

 

ベルは少し口角を上げながら、刀を鞘から抜く。

 

ベル

「”刹那流剣術・八海慚(はっかいざん)!!!」

 

ガキィィン

そして一歩踏み込んで放たれた一撃がノーシークに命中する。

 

咄嗟の判断で2本のサーベルでガードしたノーシークだが、その勢いのまま後ろに吹き飛んだ。

 

 

そしてその傍ら

ノーシークのそばに向かって何かが飛んでくる。

 

地面を擦るように飛んできたのはテルフォだった。

 

テルフォ

「ハァ…ハァ…なんなんだわーね…あの女」

 

テルフォの視線の先には純白の翼を羽ばたかせながら宙に浮くアンジュの姿があった

 

アンジュ

「なんだ、まだ意識があるんだ」

 

レイカ

「お姉さん…?!」

 

アンジュ

「交代よ。後はあたしがやる」

 

 

 

ベル

「何者か…か?

そうだな…

お前ら山賊をぶった斬りに来た海賊だ!

とでも言えば満足か?

“刹那流剣術・戦衝(せんしょう)正無念(まさむね)”!」

 

飛びかかりながら振り下ろされたベルの一撃はノーシークの2本のサーベルとぶつかりノーシークを大きく退けぞらせた。

 

アルバ

「お前…!?なんで…」

 

ベル

「別にお前らのためじゃねぇぞ?こいつのためだ」

 

ベルはアルバに向かって手に持った沙汰袋を見せた。

 

 

ノーシーク

「見ねえ海賊だな…」

 

ベル

「そりゃそうだ。まだ懸賞金もついてねえしな」

 

ノーシーク

「無名の海賊か…そんな奴にやられる俺じゃねぇぜ?」

 

ノーシークは2本のサーベルをクロスにし構えた。

 

ノーシーク

「俺たちの邪魔をしてタダで済むと思うな!」

 

ノーシークはその状態でベルに向かって突っ込む。

 

ノーシーク

「”十文字斬り(じゅうもんじぎり)”!」

 

ギィィンッ

そしてクロスを解除するように剣を振り抜くノーシーク。

 

ベルも受け流すように刀を前に出し、互いの刃がぶつかった。

 

ベル

「っと危ねぇ…!」

 

ノーシーク

「甘いな!!海賊!」

 

しかし、ノーシークは勢い冷めぬまま2本のサーベルを片手で持ち、平行に重ねた。

そして身体を捻りながら、片手で平行に重ねた2本のサーベルを横からベル目掛けて振り抜く。

 

ノーシーク

「”累斬り(かさねぎり)”!!」

 

ズバァッ

 

ベル

「ぐッ…!??」

 

振り抜かれたサーベルはベルの左脇腹を斬り込んだ。

 

ノーシーク

「ハハハ!なんだ?イキって出てきたわりには大したことねぇな海賊。これじゃあ、すぐ終わっちまうぜ?」

 

 

 

 

 

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