隣の席の彼女は今日もアホ可愛い   作:138ネコ

23 / 32
第22話

 料理を食べ終わり、一息ついた駿介とこのは。

 アーンしてもらうというイベントを終え、後はゆっくり遊ぶだけ。流石にこれ以上恥ずかしい事は起きないだろうと楽観視する駿介。

 だが、そうはいかない。何故ならこのははアホの子なので。

 引き出しをガサゴソと漁るこのは。どうやら目的の物は見つかったようで、満面の笑みを浮かべる。

 

「ご主人様、次はこちらですよ」

 

 そう言ってソファに座り、自分の太ももをスカート越しにパンパンと叩くこのは。

 

「あぁ、良い音だな!」

 

「違うよ!」

 

 親指を立て、満面の笑みを浮かべる駿介。

 

「もう、分かるでしょ」

 

 もう一度、スカート越しに自分の太ももを叩くこのは。

 その様子を見て、首を傾げながら駿介が答える。

 

「健康的な足だと思うが、少し細すぎる気もするかな」

 

「駿介、分かってて言ってるでしょ!」

 

 ハハハと笑いながら何のことやらととぼける駿介。

 このはが何を言いたいのかくらいは既に分かっている。

 

「ほら、良いからこっちに来て!」

 

 耳かきを片手に、太ももを叩くこのは。

 つまり太ももに頭を乗せろと言っているのだ。耳かきをするために。

 

 いくらなんでも、それは大胆過ぎである。

 流石の駿介もそこまでは出来ない。

 なんなら先ほどこのはを「女」として見てしまったばかりだ。尚更出来るわけがない。

 

「くっ、何故だ!」

 

 そんな恥ずかしいことが出来るわけがないと思いつつも、気づけばソファに寝転び、このはの細い太ももに頭を預けていた駿介。

 実に男の子的である。

 

(まぁ、相手はこのはだし)

 

 自分にそう言い聞かせようとする駿介だが、心臓は今にも爆発しそうなくらいに高鳴っていた。

 顔に当たるこのはの柔らかい足が。

 耳かきをするために、このはが顔を近づけようとすると一緒に近づいてくる胸が。

 頬に当たるこのはの髪の感触が。

 そして、このはから微かに漂う石鹸のような匂いが。

 その全てが駿介をドキドキさせていた。

 

「危ないから絶対に動いちゃダメだよ」

 

「お、おう」

 

 動くどころか、完全に硬直し身じろぎ一つ出来ない駿介。

 

「ふー」

 

「おおうんふぉ」

 

「ちょっと、何それ」

 

 唐突に耳に息を吹きかけられ、思わず変な声が出た駿介。

 そんな反応が面白かったのか、このはが笑う。

 

 この日、それ以上の事は何も起きなかった。

 耳掃除の後にちょっとだけギクシャクしたが、駿介の持ってきたオモチャでご機嫌になるこのは。

 そんなこのはをアホのように持ち上げ、いつものように笑い合う二人。

 二人の関係は少しだけ進み、少しだけ戻ったようだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。